経済産業省
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次世代送配電ネットワーク研究会(第6回)-議事要旨

日時:平成22年1月28日(木)15:00~17:00
場所:経済産業省本館国際会議室

出席者

横山座長、赤木委員、秋庭委員、伊藤委員、大橋委員、栗原委員、合田委員、柵山委員、林代理(竹中委員)、辰巳委員、土井委員、中村委員、萩原委員、早坂委員、松浦委員、八坂委員、山口委員、オブザーバー伊勢副主任研究員(海外電力調査会)、横尾電力・ガス事業部長、木村電力・ガス事業部政策課長、佐藤電力基盤整備課長、吉野電力需給政策企画室長、松尾電力市場整備課長、増山省エネ・新エネ部政策課長、渡邊新エネルギー対策課長、飯田新エネルギー社会システム推進室長、井上情報電子標準化推進室長、村瀬情報経済課長

議題

  1. 欧州における再生可能エネルギーの系統連系について
  2. 2020年の系統安定化に関するコスト

議事概要

海外電力調査会伊勢副主任研究員より資料2、佐藤電力基盤整備課長より資料3-1及び3-2(委員のみ配布、終会後回収)について説明

海外電力調査会報告について

  • 我が国では太陽光発電の導入拡大に伴う電圧上昇が問題となっているが、EU、特にドイツでは電圧上昇は問題となっていないのか。
  • 国としては、太陽光発電の導入拡大に伴う電圧上昇問題について、早急な対策は検討していない。
  • 電圧上昇が問題となっていないのは、系統構造がメッシュ状であることが関係しているのか。
  • 太陽光発電の導入量がそれ程多くないため。
  • 我が国の低圧系統における配電電圧は100Vであるものの、ドイツやスペインの配電電圧は400Vであることも理由。分散型電源が集中して導入されている地域では、電圧上昇も問題となり始めている。
  • 電源の増強が必要な場合において、再生可能エネルギー電源だけで間に合わない時には、優先規定だけで上手くいくのか。
  • 特に、ドイツでは、環境問題等の影響から石炭火力の建設自体が非常に難しい状況であり、再生可能エネルギー電源だけで十分な予備力を確保できるか今後問題になる。
  • 再生可能エネルギーの導入拡大により2020年断面での影響や対策について検討していることはあるか。
  • ドイツでは、再生可能エネルギーの導入目標の達成のため、北部にオフショア風力の建設が見込まれ、更に、火力発電所も海域に隣接するため建設され易いため、北部は電源が集中。一方で、需要地は南部であるため、北部から南部への重潮流が発生。その結果、北部から南部への大容量の送電線の建設が必要であるが、住民の反対で建設が難しい状況。建設が難しい地域では地中化により対応するが、建設コストが増加。
  • 欧州では、蓄電池の設置などの(我々が検討しているような)対策を欧州大で検討していないのか。
  • 各国の事業者や系統運用者が需給バランスをとることが原則だが、結果として隣国へループフローとして電気が流れる場合も多々存在。潮流管理のための対策として、位相変圧器や位相調整器等の導入が行われているが、第3国の潮流にも影響し、根本的な解決とはなっていない。
  • (海外電力調査会の資料について)197日の危機日(13条に基づく実施日)に関し、そのうち出力抑制指令を出した日数はどの程度か。
  • 13条全体の実施日数として開示されているため、内訳は不明。
  • (海外電力調査会の資料について)欧州においても再生可能エネルギーの導入拡大に伴い様々な問題が発生していることが判明。欧州では、複数の国の系統運用者が協調して制御を行う構想はあるのか。
  • 複数の国での協調制御が進んでいるのは北欧地域であり、例えば、デンマークでは自国で消費しきれない電気を実運用の前日市場で他国に売電する制御を実施している。
  • 2009年3月に欧州現地調査に行った際に、(風況のよい)ベネルクスの小国と周辺国の系統運用者により、今後の系統運用の協調機関を設立したと聞いている。
  • 今後も基本的には協調制御は考えておらず、基本的に制御は各国に任せており、ENTSO-Eで聞いたときもEU大でのスーパー中給を作る構想はないとの回答。
  • (海外電力調査会の資料について)スペインにおける出力抑制に対する補償について、制度の種類(FITやFIP)によって違う理由の補足が必要。
  • (海外電力調査会の資料について)欧州では、通信を使って再生可能エネルギーを制御するような対応を検討している例はあるのか。
  • 例えば、英国Orkney Registered Power Zone (RPZ)でリアルタイム制御の実証試験を行っている事例はあるが、実証試験レベル。
  • 海電調の調査からは、優先規定に経済性や系統信頼度を考慮していく動きが見られることや再生可能エネルギーの導入拡大に伴う問題の顕在化に伴い出力抑制等の規定が整備されつつあると言える。我が国においても再生可能エネルギーの導入拡大を図る上では経済的に不合理にならぬよう、より費用対効果の高い方法を先行事例から学ぶべき。

系統安定化対策及びコスト試算について

  • 太陽光発電のPCSへのカレンダー機能の付加に関連し、休日が変更された場合には、臨機応変にカレンダー機能の調整は技術的に可能か。
  • PCSへのカレンダー機能の付加については、太陽光発電の導入量が1,000万kWを超えたあたりから必要。カレンダー機能を設定しても、柔軟に変更できるようにすることが重要。
  • NaS電池の保温電力量が必要となった理由は、余剰電力対策としてNaS電池を使うことを想定していなかったため。
  • リチウムイオン蓄電池のコストに関し、現状の車載用途の蓄電池コストは20~30万円/kWhだが、技術革新や生産量の拡大により価格低減は見込まれるが、2010年~2020年においては事務局資料の10万円/kWhは妥当。2020年以降は、技術革新や市場拡大により、4~5万円/kWhまで見込める。
  • シナリオ(1)`について、リチウムイオン電池の価格が下がっても、コストがかかり過ぎるため、2020年断面の対策としては考えにくい。シナリオ(2)や(4)、(5)が現実的な選択肢。
  • (コスト試算の資料について)太陽光発電の導入量が2020年までに2,800万kWを超えるペースで増加すると、系統安定化対策費用は等比級数的に増加するのか。
  • 太陽光発電の導入量が2,800万kWを超える場合には、等比的あるいはそれを超えるものになる。
  • リチウムイオン蓄電池の導入拡大に伴う蓄電池コストの低減効果も織り込んだコスト試算とするべき。
  • 蓄電池コストの習熟効果に関しては検討。
  • コスト試算の結果に関して、社会が負うべきコンサバティブなコスト試算の結果を示したものと理解。
  • 太陽光発電の出力抑制に伴う機会損失や蓄電池のライフサイクルCO2排出量も含め、CO2排出削減効果も試算すべき。
  • CO2排出削減効果の試算を行う方向で検討。
  • 太陽光発電の出力抑制を全量抑制した場合が最もコストが安いが、太陽光発電が2,800万kW以上となった場合にも全量抑制した方がコストは安いのか。
  • 全量買取制度が導入された場合、家庭用の太陽光発電に加え、事業用の太陽光発電の導入拡大も想定されるため、例えば数百kW以上のものは優先的に抑制する等検討すべき。なお、事業用に抑制をかけるというのであれば、風力も同様の扱いとするべき。
  • 出力抑制を行う特異日等においては、既存電源で、例えば、揚水発電所の能力を最大限に活用や原子力の出力変動運転等も検討すれば、蓄電池対策量を減らせる。
  • 現状の試算においても、特異日等においては揚水発電の能力は最大限利用。
  • 原子力の出力調整運転に関しては、技術的な問題というより政治的な状況を踏まえ、今回の検討対象から除外。
  • 今後、技術的な進捗を踏まえ、ロードマップの中で定期的に見直していくことが必要。
  • (コスト試算の資料について)系統安定化対策コストの差は蓄電池導入量の差になっているが、太陽光発電の発電効率の上昇やコスト低減の可能性等も試算を行う上で考慮すべき。
  • 太陽光発電のコストが下がり導入量が更に増加すれば、系統安定化対策コストも更に増大。
  • (休日の変更に係る指摘に対して)将来的にゴールデンウィークが6月に移行するとなると、通信機能を具備したPCSが必要となり、2万円程度の追加費用が必要。
  • 大量の蓄電池があればLFC調整能力は確保できるが、シナリオ(4)(5)のケースにおいては、余剰電力対策用の蓄電池でLFC調整能力を確保できるか疑問。
  • シナリオ(4)(5)においては、LFC調整能力の確保のために何らかの増強が必要。シナリオ(1)~(3)は十分な蓄電池容量があるため、LFC調整能力の範囲内。シナリオ(4)(5)において、LFC要請能力の確保のための蓄電池コストは数千億円程度と試算。
  • (系統運用者の観点からも)シナリオ(4)(5)のケースでは、蓄電池の導入量が減少するとLFC調整能力が不足。
  • 系統安定化対策コストの低減の観点から太陽光発電の出力抑制は非常に効果的であることから、カレンダー機能の導入のタイミングの検討や出力抑制に対する社会的合意が重要。
  • シナリオ(5)は、太陽光発電の導入と電化の推進が全体のCO2削減にとって有効であることを示唆。
  • 電力会社にとって2020年は実務領域であり、(対策が)できるかできないかでなく、確実に対応できるものがしっかり検討されることが検討の出発点。
  • (コスト試算の資料について)太陽光発電の出力抑制が費用対効果の観点から最もリーズナブルであり、実現可能性があることは理解するが、出力抑制をどこまで許容するかは議論が必要。
  • その他、蓄電池の技術開発の見通しや新計量システムも含めた違う選択肢についても検討することが必要。
  • PCSの出力抑制機能について、第1段階では固定のカレンダー機能の導入、第2段階では通信機能の導入が想定されるが、効率的に出力抑制を行う観点から、通信機能付の導入を早めることが必要。
  • シナリオ(2)においても蓄電池対策量が7,000万kWhと、現状のNaS電池の生産量(年間90万kWh)から見ると莫大な量であり、更なる対策が必要。また、NaS電池の保温電力量については、今後の対応の検討が必要。

その他

  • 韓国や台湾の研究者は日本の動向を非常に注視。本研究会における技術的検討は、アジアの電力系統技術の向上に貢献するもの。
  • 次回、第7回次世代送配電ネットワーク研究会は2月25日開催予定。

お問い合わせ

資源エネルギー庁
電力・ガス事業部電力基盤整備課

 
 
最終更新日:2010年3月30日
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