経済産業省
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中核拠点開発分科会(第2回)-議事要旨

日時:平成21年8月27日(木)15:00-17:00
場所:経済産業省本館17階国際会議室

主な議題

  1. 委員からのプレゼンテーション
    「ベトナム(ハノイ首都圏)におけるインフラ開発の現状と将来展望」
    -本拠点においてインフラ整備を重点的に実施することの意義-
    1. 小田島委員(JICA東南アジア第2部東南アジア第6課課長)
    2. 三科委員(日本工営(株)コンサルタント海外事業本部特別顧問)
      高梨委員((社)海外コンサルティング企業協会専務理事)
    3. 水沼委員(電源開発(株)取締役)
    4. 中村委員(中日本高速道路(株)関連事業本部 担当部長)
  2. 委員からのコメント、自由討議
  3. 今後の進め方について

議事概要

各委員からの(2)のプレゼンテーションを踏まえ、各委員による意見交換が行われたところ、概要以下のとおり。

他国政府との競争について

  • アジア活性化の大きな流れの中で、日本だけではなく中国や韓国等、各国が投資を行っているが、一民間企業としては、どこの政府がどこで何をやっているかがなかなか見えない。各国政府の動きをウォッチしていくことが必要になるのではないか。また、ベトナムに経済距離的にも近い中国に負けないためには、競争があるということを前提に考えていく必要があるのではないか。
    • ⇒日本としては、政府の高いレベルでの相手国への乗り込み、または他国に負けないようなファイナンスツールの整備等を進めていこうと考えている。何か動きがあれば早めに相談してほしい。必要な手立てを打っていきたい。
  • 中国や韓国等との競争が必要になるわけではあるが、ファイナンスをつけるところまでいかなくてもFSを日本がやることが重要である。JICAには有償勘定技術支援という、国際約束なしにスピーディーに使用可能な調査資金があるが、これを早急に使用できるようにすることが大事である。
  • いかに国益につながるようにやっていくかは、国としての戦略であり外交術である。例えば、1兆円のデリー-ムンバイ間の高速貨物鉄道の円借での実施を取っ掛かりとし、周辺に9兆円分のプロジェクトを予定している。これはPPPという純粋なインフラでありながら、その具体的なプロジェクトメーキングには日本がお金を出し、プロジェクトメーキングをする日本企業が出資しており、日本企業のユーザーのニーズがプロジェクトメーキングに反映されやすい仕組みとなっている。メコンについては、東西回廊として日本が進めている。また、ERIAという国際機関を作り、毎年10億円を出しており、日本企業のニーズを反映できる仕組みを作っている。

PPPスキームについて

  • 電気や水道料金が政策的に低く安く抑えられているため、投資をする際になかなか事業として成り立たないのが現実。これについて、どうしていくかについて見える形で議論していきたい。
  • Viability Gap Fundingについては、現在、ベトナムパイロットプロジェクトが動いている。ベトナム側でViability Gap Fundingをまず行い、それに対して日本政府として何らかの資金支援をできないか検討しているところである。ベトナムでは公的機関と民間セクターと両方からお金を入れることについて制度面で対応できないところがあるため、法制度を整備しているところである。日本でも、JICAのセクター部門や海外投融資を通じて支援していきたいと思っている。
  • プレゼンテーションの中で、ベトナム政府が電気料金を低く設定しているため、Viability Gapの問題があるのに加えて、外貨ベース(ドル建て)のためにさらに厳しいとの話があったが、外貨の問題は単純に外貨リスクの問題であり、Viability Gapの問題ではないのではないか。外貨リスクにまで官が手を差し伸べるのは行き過ぎではないか。
    • ⇒円借款で低い金利で借りていても、ベトナム政府やベトナム開銀から事業者に転貸されるときには為替リスクの分が手数料となり事業者に負担がかかる。これを政府サイドでみてほしい。いくら日本がコンセッショナルローンを出したとしても、それが事業者負担となってしまえばあまり効果を示さないものなってしまうため、為替リスクを誰が負担するかということについては議論が必要である。
    • ⇒ベトナムはインフレ率が高いが、為替はほとんど変わっていない。普通のものは値段が高くなっているが電力については名目であげていないため、ドンで見ると他のものはあがっても電力はあがらない。これをドルにするとあがっていないということになるが、ドン建てでインフレになった分をキャッチアップすれば為替自体はオーバーバリューであるため、ある程度改善されると考えている。
  • 日本では10年ほど前にフーミー地区でIPPを行っている。円借款、輸出信用、日本企業の投資、プロジェクトファンナンスを使ったよい例が既にあるため、こういったものをうまく拡張するようなイメージでやっていけばよいのではないか。
    • ⇒フーミー地区の例は、PPPのベースにはなるのだが、これは結果的にPPPという形になったわけであり、当初から意図して作りあげたものではない。現在は、パイロットプロジェクトを通じて、初めからPPPを売り込んでいくときにどのようにすればベトナム側に受け入れてもらえるかを検討しているところである。現状では官と民の資金を一つのプロジェクトに入れるには制度的な問題もある。
  • インドでは、日印共同で、プロジェクトデ・ベロップメント・ファンド(PDF)を作った。プロジェクトにおいては、許認可と土地の取得が最大のリスクであるため、プロジェクトのFSと許認可、土地の取得を組み合わせた一体的なパッケージをSPCが実施するものとする。そのSPCがある程度クリティカルリスクを減らせるような状況になれば、それをオークションで民間企業に売り、民間企業はそれを買い取って開発するというものである。ただ、必ずしもこの通りにやる必要はない。民間の投資を最大限入れながらプロジェクトを進め、足りない部分、リスクを官がカバーするというのが官民連携であり、どこまで官の関与が必要かという観点で議論すればよい。

通商三案件について

  • 通商三案件として、南北高速鉄道、南北高速道路、ホアラックハイテクパークがある。日本としては、これらを本当に実施するのか。
  • ホアラックハイテクパークについては、現在マスタープランの見直し中であり、電力や道路、通信施設等の基礎インフラ整備に向けて円借款をつけていこうと話を進めているところである。また、中小企業を中心としたミッションの派遣や現地の投資の可能性を検討しているところである。
  • ベトナム側は、ホアラックを、モノを大量に運び、加工し、輸出するような拠点ではなく、知識を集積させる場所として考えている。通常の工業団地とは異なるアプローチでの開発となると思われる。
  • 南北高速道路については、ホーチミンの周辺、ダナン、ハノイ等、一部の区間から進めていこうとしている。国土交通省では、ベトナム南北高速道路のPPPの研究会を開催し、検討を行っている。
  • 南北高速道路については、今後の需要を考えていかなければいけない。道路の料金だけではなく、他の周辺の開発も含めたものを一緒に権利として付与すること等も考えた方がよい。また、ハノイ、ホーチミンについては1号線がかなり良く、渋滞が出るのは大都市部分だけである。一般道路と高速道路のバランスも非常に大事な点である。
  • 南北高速鉄道は難しい案件であるが、最近JICAで総合交通計画を策定しており、南北高速鉄道の扱いについて調査している。全線開通はかなり難しいため、ダナン、ハノイ、ホーチミン等、一部の地域での開通の可能性、鉄道の高架化を含めて個別に検討している。
  • 南北高速鉄道は公共性が高いため、現地側は、円借款のベースで進めていくことを非常に期待している。
  • 通商三案件は中長期的なものであるが、中核拠点の開発に取り込んでいくことができるものもあるのではないかと思っている。

都市交通について

  • ホーチミンの地下鉄案件の資格審査が終了した。本年度中には、ハノイで同じような地下鉄案件が進んでいく予定である。
  • 途上国(の都市交通インフラ)は公共性が高いため、PPPのターゲットとしてはチャンスがない。ただ個別に取り出していけば、車輛や保守等、PPPスキームも可能ではないか。

北ベトナムにおける開発について

  • ノイバイ-ニャッタン高速道路建設事業や空港とハノイを結ぶ高速道路、ラックウェン港、ノイバイ空港の拡張事業、ハノイ周辺での電力グリッドの拡充、ハノイ周辺の上下水道等についてODAの要請がきている。日本としても全てのインフラ案件に資金を出せるわけではないため、民間やその他に任せられるところは任せていきたい。日本としては、日本のユーザー企業にとってニーズが高いインフラ、あるいは日本のシステムを導入していけそうなインフラに日本のリソースを集中投下するといった形で進めていくことが重要である。こういったところをこの分科会の中でまとめていきたい。

中核拠点開発について

  • 中核拠点開発は、将来2020年、30年にどうなるかというピクチャーがあって作っていくものではないか。どういうところに日本の利益があり、日本企業の立地をどうしていくかというユーザー側の視点が重要である。

ソフトインフラ面での協力について

  • 先進国の発展形態、発展のタイムスパンと他の地域の発展速度は異なっており、途上国では、先進国よりもはるかにITあるいはソフトインフラを同時に進めていくことがハードインフラの競争力を更に強化する両輪となると言われている。

今後の進め方について

  • 次回の中核拠点開発分科会は、9月後半から10月の間に開催予定。
  • 本分科会の運営を新日本有限責任監査法人に委託している。
  • 資料7の第1回の議事要旨の「2国間の数字的なフレームワークで」は、「政治的なフレームワークで」の誤り。
  • 第1回の議事要旨に関する意見等、8月31日までに事務局まで提出してほしい。この結果をもって経済産業省のホームページに掲載する予定。

以上

 
 
最終更新日:2010年4月5日
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