経済産業省
文字サイズ変更

原産地証明制度改革検討会(第4回)‐議事要旨

日時:平成20年8月4日(月曜日)14時~16時
場所:経済産業省本館17階西7第1特別会議室

出席者

飯塚委員、大野委員、菊野委員、小林委員、坂元代理、谷口委員、永田委員、溝口委員、宮崎委員、渡邊オブザーバー、栗原委員、山内委員、赤木委員、麻野委員、加藤委員、上川委員、穴澤委員

事務局

三田課長、宮崎補佐(経産省経済連携課)、鈴木室長、島上補佐、前田専門官(経産省原産地証明室)

議題

  1. 自己証明制度の導入について
  2. 原産地証明書の発給に係る迅速化・電子化について
  3. その他

議事概要

議題1 原産地証明制度における自己証明制度導入の検討の方向性について

○資料2に基づき、前田専門官から、原産地証明制度における自己証明制度導入の検討の方向性について説明。その後、委員による意見交換が行われた。

(1)事務局からの説明

  • 原産地証明法の概要、海外の原産地証明制度、各原産地証明制度の特徴の比較、自己証明制度の概要、自己証明導入に向けた原産地証明法改正の方向性等を説明。

(2)委員からの主な意見等

  • 自己証明制度においては、生産者から輸出者への宣誓書の取り扱いの制度がとても重要だと考える。認定輸出者制度であれば、宣誓書を提出させるなどによる生産者等の第三者へ負担が生じないように完全に輸出者の責任において、自己証明を行う厳しい制度にすべき。
  • ASEANでのFTAビジネスでは、第三者証明制度を基本とする制度運用を行っているが、政府による検認に対応したという事例はあまりないと聞いている。他方、自己証明制度は相手国による検認に対応できるよう企業にはコンプライアンスの遵守が厳しく求められるため、日本で自己証明制度が導入される場合には、不安を解消する方策の検討が必要。
  • 平成19年11月に発効した日タイEPAでは、通常税率で通関後に原産地証明書を提出した場合における差額(通常税率とEPA税率の差額)の還付は、一部しか行われていない状況。相手国の政府当局の連携不足や、各国によって運用が異なっているのが現状であるため、特にASEANとの関係においては、自己証明制度の導入には不安がある。原産地証明書には、政府による保証が必要だと思われる。
  • EU等の貿易の比重を考慮すると、原産地証明制度が第三者証明制度から認定輸出者自己証明制度へ移行することは評価できる。ただし、原産地規則については、協定ごとに多少異なっているので、極力、統一化を図って欲しい。
  • 自己証明制度では、企業のコンプライアンス遵守からサプライチェーン管理の確保が課題。サプライヤーによっては、自社製品のHSコードをわからない企業もある。これら企業のためにHSコードの周知等の公的支援が必要。
  • 世界の原産地証明制度について精緻にわかりやすく類型化されているが、輸入者自己証明制度の場合、税関からの情報提供と称して、輸入者から輸出者に対して、価格等の情報提供依頼をされるのは困る。政府に仲介してもらうようにしてほしい。また、協定上輸出者に対する罰則がないため、競合する輸出者が日本を介して中国産品を締約国に輸出する事態が懸念されることから問題。
  • 生産者側からすると、自己証明制度を導入したとしても、関税上のメリットを直接的に享受できないにもかかわらず、検認や罰則は輸出者と同じように適用される。商工会議所での原産品判定が可能であり、検認対応の負担が少ないが故にブランド侵害のリスクが小さい第三者証明制度は残しておいてほしい。
  • 第三者証明制度の問題は、発給に時間を要することにより、通関時に原産地証明書が提出できないといったタイムラグが生じる点。この点が解決されれば、自己証明制度が導入された場合にあっても第三者証明制度を利用することも考えられるため、利用者が自己証明制度又は第三者証明制度を選択できるようにしてほしい。

(3)事務局の応答

  • 第三者証明制度であるからといって、企業の検認対応がなくなるわけではない。第三者証明制度を導入しているAFTAにおいても検認の事例はある。日本においてはこれまでのところ、たまたま検認がないだけである。原産地規則を満たすか否かの企業の立証責任は、自己証明制度も第三者証明制度も同じ。
  • 認定輸出者自己証明における認定基準については、原産地証明室が中心となって、企業ヒアリングをしているところ。原産地証明室では、原産性について輸出者であっても生産者からの情報に基づききちんと見極めができる方を認定輸出者にしたいと考えている。具体的な認定基準については、今後も議論する予定。
  • 原産地証明制度は、国内法制度で自己証明制度を担保したとしても、結局はEPAの相手国との交渉によって、決まるものである。現在交渉中の日スイスEPAについては、認定輸出者自己証明制度と第三者証明制度が併存する形になる予定。日オーストラリアEPAについては、オーストラリアがタイとの協定では第三者証明制度を、米国との協定では輸入者自己証明制度を、チリとの協定では輸出者自己証明制度を導入しているため、現時点では、どのような原産地証明制度になるかは未定。世界のFTAには一般的な輸出者による自己証明制度と第三者証明制度を併存させているものも存在するため、あらゆる可能性を考慮して法体系の構築と、協定交渉を行う必要あり。

議題2 原産地証明書の発給に係る迅速化・電子化について

○資料3に基づき、鈴木室長から原産地証明書の発給の迅速化・電子化に係る検討の方向性について説明、及び資料4に基づき、菊野委員から原産地証明書の電子化について説明。委員からの主な意見は、以下のとおり。

(1)事務局及び菊野委員からの説明

  • 原産地証明書の発給の迅速化・電子化に係る検討の方向性について、事務局から説明。
  • 原産地証明書の電子化(原産地証明書番号の連絡による確認スキーム)について、菊野委員から説明。

(2)委員からの主な意見等

  • 書面での原産地証明書送付に係る時間的制約を克服するため、政府間での発給情報の電子的交換・確認を通じた電子化連携システムを整備してほしい。その際、発給情報の交換は原産地証明書番号等ミニマムデータであることが前提であり、どのようなデータであれば特恵申請が可能かどうか政府間で協議が必要であるが、各国間で交換データの共通化を目指すことが重要。
  • EPA相手国税関での輸入申告時には、モノと原産地証明書とインボイスが同時に提出されることが原則であることを踏まえると、原産地証明書のみ電子化しても効果は小さいと考える。
  • 電子化連携システムは、発給手続等により原産地証明書が他の船積み文書より遅れる場合において、相手国に原産地証明書の情報を電子的に送達することによって、輸入申告時の支障を緩和するという観点もある。
  • 引き続き、電子化についての取組を推進してほしい。特に、航空貨物の場合、相手国税関への通関時に原産地証明書の提出が間に合わないケースもあることに留意が必要。他方、自己証明制度が導入されると、第三者証明制度は迅速化の観点から競争力がなくなるのではないか。
  • 標準処理期間(2日間)を超えない期間で原産地証明書を発給してほしい。
  • 日商の原産地証明書発給システムが簡素化され、特に、同意通知書の提出手続がシステム上非常に便利になったこと等評価したい。
  • 迅速化の観点からは、1回の輸入に1枚の原産地証明書となっている現行システムから、同一仕向先且つ同一産品については、年1回の原産品判定番号の通知のみで足りるような包括的な原産地証明制度の可能性も検討してほしい。
  • 輸出申告のデータを原産地証明書の発給申請に必要なデータとして電子上で転用することは、現時点で困難であるとの説明は理解する。しかし、将来的には、輸出申告のデータを原産地証明書の発給申請に必要なデータとして電子的に転用することが可能となるように検討してほしい。

(3)上川委員、指定発給機関及び事務局の応答

  • 財務省が進めている国際連携システムにおいては、NACCSとアセアン・シングルウィンドウとの連携に向けて、PAA(Pan Asian e-commerce Alliance)の標準通信プロトコルを通じたインボイス・データの交換システムの構築について検討中であるが、当該システムへの原産地証明書発給情報の取り込みの可能性についても、技術的且つ法的な観点から検討しているところ。
  • 商工会議所には、原産地証明書の発給業務以外についても原産性の判定方法や保存資料等について問い合わせが多数あり、現場ではその対応に追われている。他方、発給システムの簡素化等を通じた業務合理化による効果については、今後詳細なデータ検証を行っていく予定。
  • 原産地証明書発給の迅速化に関しては、当該対応のための増員等コスト面との兼ね合い、業務合理化による効果も勘案しつつ、引き続き検討していきたい。
  • 原産地証明書の発給申請から発給まで、標準処理期間の2日間を超えたことはない。ただし、原産地証明書の判定依頼に係る標準処理期間については、判定依頼者への追加資料の提出待ち等で、時間を要することはある。発給日数の短縮については検討していきたい。
  • 原産地証明書の有効期間については、相手国との交渉によって、決まるものである。
  • 原産地証明書の発給の迅速化については、指定発給機関における業務の体制・手順の見直し等の課題について、指定発給機関が検討する。
  • 電子化は、迅速化の方策、導入の可能性、課題等につき、引き続き検討。本日の議論をふまえ、次回検討会でも議論するので、関心をお持ちの業界からは、随時、ご意見を頂きたい。

その他

  • 原産地証明制度改革検討会(第4回)の資料は、経済産業省のHPに掲載する予定。
  • 次回は、平成20年秋頃に開催する予定。

問い合わせ先

経済産業省貿易経済協力局貿易管理部原産地証明室
電話:03-3501-0539
FAX:03-3501-5896

関連リンク

 
 
最終更新日:2011年4月15日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.