経済産業省
文字サイズ変更

原産地証明制度改革検討会(第9回)-議事要旨

日時:平成22年12月16日(木曜日)15時~17時15分
場所:経済産業省別館11階1120共用会議室

出席者

飯塚委員、大野委員、萩生田委員、坂元委員、谷口委員、端田委員、宮崎委員、渡邊委員、原委員、加藤委員、麻野委員、長谷川委員

議題

  1. 原産地証明書の発給制度にかかる利便性の向上について
  2. 自己証明制度の展開等を視野に入れた利便性の向上について

議事概要

1. 原産地証明書の発給制度にかかる利便性の向上について

事務局から、資料1及び2に基づき、原産地証明書の完全な電子化については、協定の見直しやそのためのインフラの整備が進展していない状況であり、また、当面の国内的な対応としては、原産地証明書を申請者自らがオフィス等で印刷できるようにすべきとの意見などもあったが、利用企業各々が通関時にトラブルにならない形で原産地証明書を作成できるかという論点についてクリアできなかったと説明した。その上で、今年度補正予算に計上した「原産地証明情報の電子的提供事業」について、原産地証明書の流通を前提に、外国税関が特別なインフラを整備しなくても、原産地証明書に記載されている情報を閲覧できる環境を整備することで、原産地証明書の真正性等に関する相手国税関の疑義にすぐに対応でき、スムーズな通関が期待できることから、今後、事業の立ち上げとともに我が国が先行して実施することも念頭に、協定相手国への働きかけを進めていきたいと考えていること、本事業の成果を踏まえ、より高度な電子化については、その整備に必要な費用の負担という論点や、自己証明制度の展開状況なども考慮しつつ、改めてご議論いただきたいと説明した。
続いて指定発給機関側から、資料3に基づき、原産地証明書の発給審査の概要を説明しつつ、審査体制の見直し等による作業の合理化を通じ、発給手続きの更なる簡素化・迅速化を図るとの説明があった。
これらの説明に対し、委員から次のような発言があった。

  • 原産地証明書の電子化については賛成だが、通関には貨物とインボイスと原産地証明書がそろっていることが必要であり、原産地証明書だけが先に現地に到着しても意味がない。そのため、インボイスを含めた電子化が望ましいが、その場合第三国でインボイスが切り直される場合など、課題もある。
委員

発給機関として申し上げますと、手続きの簡素化及び迅速化を実現していくためには、発給当局の労働生産性をどれだけ上げられるかということかと思う。そのために、発給当局自身が業界の特性なり特徴を理解することが原産地証明書発給に係る判断・審査の迅速化に繋がると思われるため、産業界の皆様におかれましては、発給機関の審査能力向上にむけて御協力いただければと思っている。

  • 電子化によって自動的に検認されるような仕組みは避けていただきたい。電子化によって先方の税関がみられる情報というのは原産地証明の範囲だけにし、商工会議所に提出している産品の製造に関するデータなどが外に出るようなことはないようにしてもらいたい(事務局からは、電子的情報提供において、原産地証明書に記載されている事項以外の情報を相手国に提供するつもりはない旨回答)。
  • 発給審査の項目に含まれている産品名について、HSコードの品名とインボイス上の品名と原産地証明書上の品名が実質的に一致していなければいけないということだが、実務上の問題が多いので緩和してほしい。
  • 説明のあった電子化の事業は、要は指定発給機関と輸入国の税関の範囲で情報交換をすることによって、輸入税関でモノが止まるというリスクが減るだけで、完全電子化の観点からは大して変わっていない印象。それよりも、原産地証明書をPDFで早急に輸入者に送付して、輸入国の税関に提出するなど、もう少し電子化を進めた方が、利用者としては助かるということだと思う。原産地証明書の原本が必要というのであれば、事後的に提出するとかといった方法もあるのではないか(事務局より、今回の補正予算に計上された事業の展開については、委員指摘のような観点も考慮しつつ、相手国の意向も踏まえて進めていきたい旨回答)。
  • 発給手続き迅速化・簡素化に努めているのはわかるが、発給手数料が高い。当初はシステム導入の費用が相当額発生したということだったが、もう減価償却が進んでいるのと思う。そろそろ発給手数料の値下げを考えてほしい(指定発給機関から、システム導入に伴う初期のコストは累損の形で残っており、直ちに値下げするのは困難と説明)。

2. 自己証明制度の展開等を視野に入れた利便性の向上について

事務局から、資料4、5及び6に基づき、認定輸出者自己証明制度の対象国としてペルーが追加される予定であること、10月に開催されたAPEC自己証明ワークショップでは、米、豪、ニュージーランドが運用する輸入者自己証明制度、我が国やマレーシアが運用する認定輸出者自己証明制度の二種類の自己証明制度が紹介されたこと、最近になり輸入国税関から我が国輸出者に対して複数の検認要請が寄せられるなど、更なるコンプライアンス確保の必要性が高まっていることなどについて説明した。これら説明に対して委員から、次のような発言があった。

  • 認定輸出者の申請をEPAごとに行う点について、認定要件、例えば法令遵守のための人員配置など社内体制はEPAごとに違いはないので、一旦認定されれば、対象となるすべての協定で自己証明ができるような制度にしてもらいたい。また、認定時の登録免許税についてで、1回支払えば包括的に認められるというのであればいいが、個別のEPAごとに支払うのは、EPAの発展という意味においてもそぐわない制度だと思う。
  • 第二種原産品誓約書について、船積みの都度、誓約書交付者に対して輸出者から通知をするのは大変なので、包括的な扱いを認めるなどの方法を導入して欲しい。
  • 現在の認定輸出者の数を教えていただきたい。(事務局から、現在までの認定は5件にとどまっており、普及に努めたい旨説明)
  • 認定輸出者制度については、登録免許税の9万円が高いかどうかの議論は別として、社内のコンプライアンス状況を外から客観的にから見てもらえるということで、これは大変プラスになるものだと思う。
  • 検認の要請があったということだが、どういう内容の検認の要請がきているのかということについて、私どもでも、‘模擬検認’ができるよう、事例をお示しいただけるとありがたい(事務局より、具体的な事例を示すことはできないが、将来的には、積み重ねた事例を反映してより実務に即したなんらかの指針のようなものが示せればと思っている旨説明)。
  • さきほど‘模擬検認’という話があり、当方でもそのような取り組みを行っているが、そのとき問題になったのが、部品サプライヤーからの宣誓書だった。部品サプライヤーから取引物品の原産性に関する宣誓書を提出してもらえるのか、宣誓書を提出してもらっても実際にサプライヤーはどうやってその原産性を立証できるのか、について考えておく必要があると思う。これは自己証明だろうと第三者証明だろうと、共通の問題で、部品サプライヤーが原産地規則をどうやって理解してくれるか。普及活動をするにも、輸出者だけではなく生産者も対象とすべきである。
その他

原産地証明制度改革検討会(第9回)に関する資料は、経済産業省WEBサイトに掲載する予定。

問い合わせ先

経済産業省貿易経済協力局貿易管理部原産地証明室
電話:03-3501-0539
FAX:03-3501-5896

関連リンク

 
 
最終更新日:2011年1月12日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.