経済産業省
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原産地証明制度改革検討会(第8回)-議事要旨

日時:平成21年12月1日(火)15:00~17:00
場所:経済産業省本館17階第4共用会議室

出席者

飯塚委員、小林委員、坂元委員、谷口委員、端田委員、溝口委員、宮崎委員、栗原委員、赤木委員、麻野委員、加藤委員、長谷川委員、三浦委員

講師

嶋正和氏(株式会社ロジスティック代表取締役社長)

事務局

三田課長、武田室長、宮崎補佐(経産省経済連携課)、赤木室長、今泉補佐(経産省原産地証明室)

議題

  1. 原産資格立証の基本的考え方と整えるべき保存書類について
  2. EPAを活用したサプライチェーン・マネジメント戦略について

議事概要

原産資格立証の基本的考え方と整えるべき保存書類について

事務局から、資料「原産資格を立証するための基本的考え方と整えるべき保存書類の例示」の概要等を説明。その後、委員による意見交換が行われた。

委員
本資料において、例えば日スイス経済連携協定に基づき検認要請があった場合にはどのような書類を保存していなければならないか、ということが指示されているのか。
事務局
本資料は、検認に対応するためにある特定の書類を保存するよう経済産業省から義務付けているわけではなく、検認要請を受けて輸出国当局がスイス側に対応する際の基本的考え方及び原産性の説明に役立つ資料の例示を書かせていただいたもの。
委員
この資料には「例示」とあるが、利用者として企業はどういう位置付けで本資料を見ていけばよいかわかりにくいように思われる。検認全体の手続きの流れを、関税番号変更基準や付加価値基準等、適用した原産地規則別にまず示した上で、今回の内容が記載されている方が企業にとってはわかりかりやすいように思われる。
事務局
日本はこれまで他国から経済連携協定に基づいた検認を受けたことがないこともあり、検認に対応可能な確実な方法を示すことはできない。しかしながら、今後協定に基づいて検認の要請を受けた場合には、輸出国当局として本資料の考え方に基づいて対応していくということを示したもの。各協定相手国と本資料の内容についてすり合わせを行っているわけではない。
委員
そうであるとしても、本資料を通じて検認に対応する際の輸出国当局の考え方が一元化され、共有できることは企業にとっては大変ありがたい。日本商工会議所や日本貿易振興機構(JETRO)から原産地証明制度の一連の手続きに関するマニュアルがだされているが、本資料で例示されている保存書類はそれらマニュアルとの関係で齟齬はないか。
事務局
基本的にないものと考えている。なお、本資料の2ページ目で述べているように、ここに例示されている書類で検認への対応が完全に可能ということではなく、例えば個々の案件で見ていけば、別途対応が必要になってくるものもあり得ると考えている。
委員
今までに原産地証明制度を使ったことのない企業の立場で考えてみると、例えば資料の20ページ目に書かれている手順のうちStep1の輸出産品のHS番号を確認するという作業だけでも一つのハードルになってしまうと考えられる。つまり、輸出業務に携わったことのない企業が相手国税関等に確認する必要があるという点で困難がつきまとう。そのため、当方としても部品サプライヤーに対してガイダンスを開催するなどして対応はしているが、国としても何らかの支援をしていただけると助かる。
また、各国の関税率表を参照する場合にも、読み方等容易に内容が把握できる参考資料がないように思われるので、その点も何か対応していただけると助かる。
事務局
本資料は、同20ページ目のStep4(原産性の確認)に焦点を当てて作成したもの。しかしながら、委員御指摘のとおり、Step1(HS番号の確認)、2(EPA税率の確認)に対して既に負担を感じられている企業の方もおられるかと思う。その点についても、今後どのような対応ができるか検討させていただきたい。
事務局
委員御指摘のように、検認のみではなく、手続き全体を見据えた制度普及や利用促進も重要なことであると認識している。一方で、各企業がそれぞれの判断に基づき、ある種の原産性リスクを抱えながら原産地証明制度を利用しているという状況があるのではないかと思われる。もちろん、そのような制度の利用の仕方もあるだろうが、ある程度共通した予見をもっておくという意味において本資料には意義があると思っている。例えば、通常はサプライヤー企業に対し取引の過程で原産性を誓約する書面をもらうことも一つの判断ではあるが、本資料を使って、サプライヤー企業に対して制度に関する見識を深めてもらうというのも一つのリスク管理の方法として考えられるのではないか。川上、川下を含めた制度普及が重要ではないか。また、本資料は、EPAの利用に当たって製品生産者と部品サプライヤーの関係を歪めないようにするといった競争政策上の配慮という視点も込められていると認識している。
委員
本資料に書かれていることは、今すぐにでも活用できるもの。当社が製造したものについて輸出者が日本商工会議所に原産品判定依頼をする場合や、また、当社のグループ企業が最終製造ラインをもっており、当社自身では原産品判定依頼を行えない場合などには、輸出者やグループ企業はここに例示された資料を提供してもらえばいいということが分かる。本資料をこれから広く普及していっていただきたい。
事務局
経済産業省ホームページや、ご紹介いただければ各業界紙においても幅広く広報・普及してまいりたい。
委員
これまで日本は検認を受けたことがない。そのため、本資料に直接盛り込むということではないが、例えば、スイスにおける検認案件の事例等に関する情報を照会できる手段を講じていただけるとありがたい。輸出国当局がどのような要請を受け、企業はそれに対しどのように対応したか、という情報を企業も共有できればいいと思う。
事務局
実際の検認における個別具体的な内容及び事例を入手・提供することは、輸出相手国との関係でも、また、個別企業の情報が扱われるという意味においても現実的には難しいのではないかと思われる。但し、将来起こりうる検認での実際の経験を積み重ねながら、その経験を本資料に追記・修正していくことで、この基本的考え方を修練させていくという方法になるのではないかと考える。
委員
本資料では、原産資格を立証するための基本的考え方が示されているが、内容をより発展させた業界別のものも今後作成していただきたい。
事務局
本資料をもとにした業界との意見交換を今後進めていく中で、具体的なご提案があれば、個別に検討させていただこうと考えている。

EPAを活用したサプライチェーン・マネジメント戦略について

嶋講師から、EPAを活用したサプライチェーン・マネジメント戦略について講演が行われた。嶋講師からの講演の概要は以下のとおり。

嶋講師
  • FTA・EPAに基づきグローバルな視点で、どこで材料を調達し、製品を組み立て、そして、販売するかというサプライチェーンを構築することは、企業戦略上、物流コストを削減するための有効なツールとなりえる。そのため、企業は日本以外のFTA・EPAの活用も視野に入れて検討すべき。
  • 有効なツールとなりえる一方、利用する側の企業、特に経営者層でのFTA・EPAに対する認識不足が問題の一つとして挙げることができると考えている。
  • つまり、国策としては交渉を通じ各国とFTA・EPAを結ぶ取り組みがなされ、企業の実務担当者においても原産地証明書の取得を通じ輸出産品の関税削減を試みてはいるが、その間にあるべき企業内におけるグローバル・サプライチェーン構築戦略や、効果的活用体制・コンプライアンス体制構築等への認識・取り組みにおいて、日本企業はまだまだ不足しているように思われる。企業戦略・戦術において、FTA・EPAの戦略的活用を通じて、そのような企業内体制整備が進めば、全社内的に情報が共有され、制度利用の向上も期待できる。
事務局
FTA・EPAの議論においては、2つの視点があると考えている。1つは、例えばとある国の関税が撤廃され、そのことを契機としてサプライチェーン構築・見直しに向かう場合と、もう一つは、物流コストを削減するための手段とする場合がある。自分が企業からご意見を伺う際には後者の視点のご意見を伺うことが多い。嶋講師が企業等からお聞きになっているご意見はどうか。
嶋講師
2つの視点は根本的には通じるところがあると思う。聞いた話の中には、例えば、部材にかかる物流コストと組み立てにかかる物流コストを別々に考えているというわけではなく、ものの流れ全体としてとらえた相談を受けることがある。その結果、物流コストも削減される。
その他
  • 原産地証明制度改革検討会(第8回)の議題1に関する資料は、経済産業省WEBサイトに掲載する予定。
  • 次回は平成22年春頃に開催する予定。

お問い合わせ先

経済産業省貿易経済協力局貿易管理部原産地証明室
TEL:03-3501-0539
FAX:03-3501-5896

以上

 
 
最終更新日:2009年12月16日
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