経済産業省
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グローバル金融メカニズム分科会(第2回)-議事要旨

日時:平成21年12月11日(金)10:00~12:00
場所:経済産業省本館17階国際会議室

議事次第

  1. 開会
  2. グローバル金融メカニズムに関する国際的な動向と我が国の対応の方向性
  3. 意見交換

議事概要

事務局による上記(2)の説明を踏まえ、各委員による意見交換が行われたところ、概要以下の通り。

  • インフラ・ファイナンスへの支援を行う理由として、アジアの持続的な成長を支える、製造業から金融セクターに至るまでの日本企業の海外展開を支援する、インフラと一体となった資源開発を推進する、という3点が事務局からの説明で挙げられている。
  • 事務局からの説明で挙げられた3点に加え、(インフラ・ファイナンスへの支援を行う理由としては、)財政赤字の中で新しい事業資金を確保するために、公的負担を削減して、民間の資金を活用する必要性が挙げられる。
  • また、政府が既存の保有インフラ資産を民間資金に変えることにより、公的資金を得る必要性が挙げられる。そのため、国内外でブラウンフィールド案件についても民営化が必要でそのスキームを検討しておく必要がある。
  • 更に、海外では、日本のコンサルタントが活躍できていないが、その原因について検討し、活動を支援する必要性もあるのではないか。
  • 資金別ファンドのデメリットに関して、民間資金のみの場合、民間資金は短期資金が多いため、逃げ足が速いことが挙げられる。また民間資金と公的資金の混合の場合、民間のモラルハザードが挙げられる。
  • 日本の海外インフラ・ビジネスへの投資をけん引しているのは、現状、総合商社である。総合商社の投資行動はグローバル化されており、常にオールジャパン体制という訳ではなく海外勢とタッグを組む場合もある。すなわち、インフラ投資支援が、結果的にはより海外の方に裨益することもありうるということも念頭に置きながら議論する必要があろう。
  • インフラ・ファンドについては、日本の民間金融機関が実際にどのような分野であればファンドマネージャーとして対応できるのか見極める必要があろう。
  • インフラ案件支援となれば、NEXI、JBIC、JICAなど官のサイドの一体感もより重要である。
  • JBICには、まず最初に日本の企業がインフラ事業そのものに投資することを支援する役割があり、更に、進出した日系企業に裨益するような現地でのインフラ整備を支援する役割、そして、関連した金融セクターの事業展開に対する支援を行う役割がある。
  • アジアのインフラ整備支援に関しては、日本企業の海外への事業展開に関連し、日本の成長戦略として、アジアの成長をどのように取り込むのかを明確に打ち出せば、産業界、納税者の理解も得られやすいのではないか。
  • JICAはアジアの持続的な成長支援という視点、JBICは日本企業の国際競争力の維持・強化の中で途上国のインフラ整備をビジネスチャンスとして捉えるという視点で、事業を実施していると考えられる。
  • 民間資金と公的資金の混合に関連し、例えばJBICが民間よりも低いリターンで良しとし、残りは民間でどうぞ、という訳にはいかないので、JBICが入ったからといって収益性の低い案件が取れるということには、論理的にはならないと考えられる。
  • 現地のインフラ整備と、現地通貨建てで実施するということは、ほぼ重なっており、ファンドへの出資だけではなく、現地通貨建てでの開発との関係を含めて、スキームを考えることが必要であろう。
  • 途上国でも都市化の進展に伴い都市インフラの整備が必要とされているが、環境重視という要因は(日本にとっては)ビジネス機会と捉えられるのではないか。
  • 日本の私鉄では、鉄道を軸として、宅地開発、商業施設、エンターテイメント、流通等を一つの企業グループで展開している。このような日本の沿線開発のノウハウは海外でも関心を持たれるであろう。また、日本の得意な環境技術という付加価値と組み合わせた、インフラ開発モデルを海外に紹介することもやってみてもいいのではないか。
  • 日本が持っている技術の中でも、電気自動車の電池の標準化の議論をリードする等、使えるものを政府としてアピールして欲しい。
  • イギリスやオーストラリアでは、自国のインフラ整備の中で金融セクターが経験を蓄積して、海外に展開している。一方、日本の民間金融機関は、公共事業があったために、そのプロセスを経る機会が無かったため、現実にはインフラ・ファイナンスについての経験、ノウハウは無い。
  • 投資家も、経済成長する地域でのインフラ需要は認識しており、インフラ投資への関心は高いので、政府がその橋渡しの役割を担うことが期待される。
  • 国内外の案件の経験がない場合、擬似的に、海外の案件を国内的に認識できるようなアプローチを、公的支援で実施するような方策も考えられる。
  • JICAによる投融資の再開の延長線上で、インフラ投資に対するリターンの支援として、政府系と民間のリターンに対する目線のギャップをバランスする仕組みを検討できれば、投資家の関心も高められるのではないか。
  • PPPに関しては、総合商社の様々なインターナショナル・メジャーとのつきあいから広がってきており、近年は、オペレーション&メンテナンス、ないしは出資参画から、具体案件として顕在化しつつある時期にある。
  • 最近のマーケットとしては、欧米の新エネルギー、ラテンアメリカにおける水や鉄道といった分野に動きがあり、日本の投資家もそこに向かっている。貿易保険としては、先進国におけるプロジェクトに対する公的補完として、デッドファイナンス等を含め対応していきたい。
  • 海外の資産価額が下落している現在は買収のチャンスでもあり、長期安定収入としてインフラ投資が注目されている。コンセンサスを得られる案件を作って具体的に取り組んでいくことが重要であろう。
  • アジア各国での政策・規制環境等、投資の受入側の環境・体制整備が必要で、ソフト面でのインフラ整備の支援も日本に期待されているのではないか。
  • インフラのノウハウを持っているオーストラリアでも、中国に入っていくのに文化の違い等で苦労しているようで、日本を介して入って行くなど、日本とオーストラリアで一緒にできる機会もあるのではないかと考えられる。
  • (企業年金の)運用の対象として、インフラの投資案件は2つに峻別すべきである。一つは、他の投資案件と比較しても十分ペイするもので、公的資金を入れずに、民間の投資判断に委ねても実施できるものである。
  • もう一方は、リスクが高く採算性が低いものの、トータルでは日本の産業の利益になる案件で、保証等の公的な補完によりローリスク・ローリターンに組み替えることで、投資資産としての魅力を増すことができると考えられる。
  • コンサルタントはファイナンスとセットであることが多いが、あえて日本が(それらの部分をやろうと)無理をする必要は無いのではないか。投資家の発想からは、国策から見てメリットがあるものを厳選し、安くなった資産を買い叩くというのも一つの方法である。
  • PPF・PFIに関しては、イギリス国内では法制度が整っており競争も激しい。アジア圏では、法制度、案件の確実性からシンガポールで実施されている。国内・国外両面でのPPP案件の実施体制の整備が重要であると考えられる。
  • インフラ・ファンドの資金の組み方に関して、インフラの対象が大規模なものは公的資金、比較的中小規模の都市化、環境整備等は、官民協力の対象として取り組みやすいのではないか。
  • 受入体制の整備においては、JICAは途上国のマスタープラン作成等を通じて支援を行ってきているが、日本の産業界として何が必要か、といった視点を一層踏まえて検討していく。
  • アジア地域のインフラは日本企業のみでなく他国企業も利用するものであり、日本企業のみへの便益を求めることは困難。広い意味で日本に裨益するという意識で事業を実施してくことが必要。
  • ファンドに関し、公的資金と民間資金を一つのファンドに出す形態に加えて、公的資金のファンドが、官民が連携した事業に出すパターンもあり、政策的に一貫しているという観点から後者のほうがファンドの運営がやり易いことも考えられる。
  • 新たな投資家をマーケットへ誘致することが重要で、その点での政府の取組にも期待したい。組成商品と、投資家サイドとのミスマッチを解消するような市場機能の制度設計に加え、商品組成や、ブラウンフィールドの民間への売却といったニーズに応えられる制度設計にも目を転じる必要がある。
  • インフラの流れと融合して、優秀な技術を持つベンチャー企業による海外への事業展開を支援するため、インフラ整備と技術的な観点を融合しながら、日本発の技術を支援し発信できればいいのではないか。
  • (インフラに関しては、)投資家サイドとしては、経営ノウハウについては民間の手法を活かしつつも、当該国の政府の保証や日本の公的資金による信用補完がないと、民間資金を呼び込むのは難しく、海外現地での非常危険等の部分に対しては、公的支援が必要と考える。
  • 新しいファイナンス手法を導入する際には、早い内に実施して、失敗を含めた色々な経験を積むことが、結果的に底辺拡大につながると考える。
  • カントリーリスクとオペレーションリスクの両方を一度に取るのは大変であるから、インフラについても、国内で特区制度を活用するなどしてインフラ毎のオペレーションリスクを学び、経験を蓄積することは有効であろう。
  • 日本企業によるインフラ案件への投資には、30%、50%、スーパーマジョリティーといった段階があり、例えば30%しか出せないような案件に対して、日本の官民で作ったファンドが上乗せするという発想もあろう。そのようなところで、日本のファンドマネージャーに力を蓄えてもらうという考え方も可能ではないか。
  • 具体的案件として、オールジャパンでまとまりやすい分かりやすい取組を実施することが重要であり政府にはぜひ交通整理的なところをお願いしたい。新幹線や原子力というものではオールジャパンでまとまってスキームを作ることも容易だが、あちこちでの実施には規模が大きすぎるかも知れない。
  • 現在は、途上国側がPPPを推進しているという流れの中で、日本はどう立ち向かうかが課題である。
  • 日本のインフラのシステム的なオペレーションの実施体制として、人を出してまで実施する企業が有るのか、競争力があるのか疑問である。そのような状況で、オールジャパンとしてオペレーターを育成するシステムを作るのか、その部分は欧米企業と組んで実施するのかは、大きな課題である。
  • 途上国側にPPPとして受入の構想がある場合、国策として公的資金のみのスキームを作って公的資金を入れて同時にそこに日本人を送り出し制度設計に携わり、事業化されたものを民間へ移譲していくことも考えられる。
  • 民間が投資できているところに官が出している官民のファンドの合理性・存在理由はどのように整理できるのか。また、公的ファンド・公的資金での出資とグラントとの線引きはどのようにすべきか。
  • 官の役割としては、呼び水的な効果とある種の安心感である。契約上の縛りではなく、官にしても、マイナスにしない範囲で抑えるのが前提ではある。
  • 過去の国際機関などの参画するファンドは、呼び水効果という官側の論理によるところが大きいと感じている。
  • タイにおける民間も出資しうるCommercially にviableなプロジェクトについてグラントによる出資は無理があろう。一方で、プロジェクトリスクに問題なくとも相手国に関するリスクがどうしても残るような場合、例えばメコンでのインフラ案件であればグラントの対象となり得るのではないか。
  • イギリスでは、援助機関・出資機関が政策的に進めたいものに限定した目的を持ったファンドを立ち上げ、民間が運営する例があり、一つの参考になる。

お問い合わせ先

経済産業省貿易経済協力局通商金融・経済協力課
TEL:03-3501-1664
FAX:03-3501-5912

以上

 
 
最終更新日:2009年12月24日
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