経済産業省
文字サイズ変更

グローバル金融メカニズム分科会(第3回)-議事要旨

日時:平成21年1月20日(水)14:00~16:00
場所:経済産業省本館17階国際会議室

議事次第

  1. 開会
  2. グローバル金融メカニズム分科会報告書(案)について
  3. 意見交換

議事概要

事務局による上記2.の説明を踏まえ、各委員による意見交換が行われたところ、概要以下の通り。

  • 報告書の論点となるものとして、(1)資金供給者がどのような形で長期インフラへの資金を提供するか、(2)どのような事業がインフラ・ファンドの対象としてふさわしいか、その選定のキーポイントは何か、(3)流通市場の環境をどのように整えていくか、が挙げられる。
  • 投資を促進するためには、政府の関係機関が保険または保証を付けてリスクを軽減すべきだが、モラルハザードが起こらない程度にとどめる必要がある。
  • 具体的な投資促進の方向性としては、投資家が比較的出資しやすいと考えられるブラウンフィールド案件から取り組み、グリーンフィールドに対象を広げていくことが考えられる。
  • 日本の民間資金を導入するためには、投資対象が、たとえ比較的収益性が低くても長期にわたり安定的なものであることが必要である。しかし、現実には、途上国のインフラビジネスは当初ハイリスク・ハイリターンであったものが、今やせいぜいミドルリスク・ローリターンともいうべき状況になっている。
  • したがって、インフラ・ファンドに資金を呼び込むためには、ブラウンフィールドや、インド、中国、オーストラリア、シンガポールなどの収益の予見可能性が高い地域の事業を含めてファンドを組成することが、現時点での結論と言える。そこから進歩させるのであれば、どのようなプロジェクトを形成するのかがポイントになると考える。
  • 投資家にファンドを販売する立場からすると、比較的収益率が低いということが前面に出てしまうとビジネス的に難しい。
  • NEXIの貿易保険制度等によりリスクを下げられれば、高収益を狙ったファンドでなかったとしても許容される可能性がある。
  • デットのインカム・ゲインからの期待リターンとエクイティのキャピタル・ゲインからの期待リターンをはっきり区別すべきであり、収益率が低く規定されるとすれば問題であると考える。
  • 対象事業という点では、資金拠出側はブラウンフィールドが検討しやすいが、相手国はグリーンフィールド向け資金へのニーズが高い。また、オーストラリア等の先進国ではブラウンフィールドは競合が激しい。
  • PPPであり、キャッシュフローの安定度が高く、カントリーリスクや為替変動リスクが低減されて、一定の収益率が達成されれば、投資対象として検討の対象となる可能性はある。
  • デットによるプロジェクト・ファイナンスに占めるボンドの割合は非常に少ない。さらに、ボンドよりも難易度が高いファンドが、エマージング諸国におけるプロジェクト・ファイナンスの手段として現状どれだけ大きな役割を果たせるのか疑問がある。ファンドやボンドは、当面あくまでローンの補助的手段との位置づけで、小さく生んで大きく育てる、つまりターゲットを絞り込んで行うべきと考える。
  • JICAでは、開発という観点から途上国政府と定期的に協議を行っており、個別案件のみならず、マスタープランを策定する際に対象国全体もしくは特定セクターの全体像について早い段階から情報を持っている。マスタープランの中では公的機関で実施するプロジェクトだけでなく、民間資金を活用できる事業についても検討しており、ここで議論になっているメカニズムを活用していくような案件のベースを提供していくことは可能であると考える。また、個別案件のF/S策定においても途上国政府側から要請があれば、民間事業のF/Sを支援することも可能である。
  • ブラウンフィールドについては、過去に円借款を供与して実施した案件で、その後民営化された案件もあり、ブラウンフィールド案件として日本の投資家の投資対象として一つの取っ掛かりになるかもしれない。JICAは相手国機関との協力関係を築いているので、民営化した案件についても情報を提供できると思う。
  • 新興国向け投資を避ける理由として、報告書案の中では、リクイディティがないことも挙げられているが、これを商品設計及びディスクロージャー等の制度設計によりどのように解決していくか、今後、具体的な施策を含めて議論してもらえるとありがたい。
  • JBICが関与することによりカントリーリスクを低くするという観点から見れば、ファンドやボンドよりもJBICが直接の契約当事者となるローンの方が効果的であると考える。
  • ファンドマネージャーは、投資対象の発掘、案件の管理に加え、事業をいかにうまく運営するか、相手国政府といかにうまく対話してカントリーリスクを低下させるかという面についても目利きである必要があると考える。
  • 格付会社としては、より分析能力を高めていくよう努めて行きたいと考えている。
  • 機関投資家がモニタリングのツールとして使うため、格付けがついていない案件に対して購入後に信用評価を依頼する事例がある。
  • カントリーリスクが原因でインフラに投資できないということであれば貿易保険は有効な手段になるため、NEXIとして積極的に取り組む用意がある。したがって、政府がこのような報告書を発表し方向性を明らかにすることは、非常に意義があると考えている。
  • 技術的な問題としては、不特定多数の一般投資家を被保険者とするのは保険債権管理の観点から無理なので、その意味でもファンドで一元化するというのは実効性を伴いよいアイディア。
  • 現実的には、先進国のPPPで実績を積んだ上で、途上国での投資に徐々に広げていくアプローチが必要であると思われる。
  • その1つの選択肢として、日本でのPFIをまとめてインフラ・ファイナンスとして実験し、その後、為替変動リスクもカントリーリスクもある海外に進出していくことを考えてもよいかと思う。
  • 民間資金の呼び込みにあたり公的ファンドが必要であるという点を、もう少し強調した方が良いのではないか。なぜならば、インフラ・プロジェクトにおけるある種の変動リスク(相手国政府が関与するもの)を管理する上では、相手国政府に対してモノが言えるインベスターとして公的ファンドが存在することは非常に意義が大きいと考えられるためである。
  • さきほど政府系機関が何らか仲介機能を果たして商品化できないかという問いがあったが、前回他の委員から発言があったものであるが、たとえばJBICの既往債権について、プロジェクト完了後キャッシュフローが確定した時点で商品化し、日本の機関投資家に資金を拠出してもらうアイディアがあろう。ここでNEXIが保証する役割を果たすことも考えられる。JBICのPF債権であれば、通貨もドルなので、民間も投資しやすいのではないか。
  • 現在のアジア、アセアンのインフラ・プロジェクトでは、IPPですら収益率が15%あたりからさらに低くなってきている。よって、目標収益率をハイリターンと言える30%に置くことは難しいと思われる。
  • 収益性が低いのは、投資家にとってなかなか難しいものがあると思われるが、リスクとリターンが見合っていれば投資対象として考慮されうるのではないか。
  • JBICは、過去にも、債権確定したものを証券化して売却することを検討してきている。しかし、リーマン・ショック後においては、ほとんど対象となるような債権が見当たらず、実現されていないかと思われる。また先ほどのリスク・プロファイルが変化する中で、民間がリスクを取りやすいタイミングを見計らってピンポイントで売却するというスキームは、恐らくこれまでやっていない。
  • インフラ関連産業の競争力を議論に載せるのであれば、日本の重要な貿易投資の相手であるアジアのインフラ整備が進むことが必要であることを明確化する必要があると考える。そのためにはビジネスチャンスとインフラ事業が直接関係ないケースでもインフラ整備を進めるべきだし、場合によっては援助もするという側面と、インフラ整備で日本企業がビジネスチャンスを獲得するという側面がある。
  • 現在のような金融環境下では、インフラ整備のような案件では何らかの信用補完が必要とされるが、アジアのインフラのケースでは、JICA、JBICの関与が不可欠である。一方、先進国のインフラ案件ではスキームや参加の意思表明が必要となってくると思われるため、先進国とアジアを分けて論点を整理すべきだと考える。
  • 他委員から先進国向け投資への対応も重要との話があったが、先進国向けのプロジェクトに参入し、利益と技術を獲得したいというニーズ自体は確かにある。JBICは法律上、先進国向けの投資は基本的に扱わないことになっているが、日本企業が技術力をつける目的等でプロジェクトに加わりたいと考えた場合、公的機関がどのように関与できるかは、1つの重要なポイントであると思われる。

お問い合わせ先

経済産業省貿易経済協力局通商金融・経済協力課
TEL:03-3501-1664
FAX:03-3501-5912

以上

 
 
最終更新日:2010年2月17日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.