経済産業省
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地域生活インフラを支える流通のあり方研究会(第8回)‐議事要旨

日時:平成23年5月30日(月曜日)10時~12時
場所:経済産業省別館8階825会議室

出席者

上原委員長、荒井委員、梅嶋委員、白井委員、中井委員、古沢委員、前田委員、大和委員

議題

  1. 東日本大震災において流通業が果たした役割
  2. 東日本大震災における企業の対応について(ヨークベニマル、菱食)
  3. 買い物弱者応援マニュアルver.2.0(案)について

議事概要

1.東日本大震災において流通業が果たした役割(事務局)

(割愛)

2.東日本大震災における企業の対応について、企業から発表

株式会社 ヨークベニマル(食品スーパーマーケット)

  • 生活の復旧状態に連動して、商品の売り上げ動向が変わった。最初の2週間半は缶詰、米、水、ガスボンベ、加工肉など生活必需品の売れ行きが良かったが、時間の経過とともに酒・たばこなどの嗜好品が売れるようになった。
  • ライフラインが整うにつれて、被災地では日々必要な商品が変化する。どのように変化に対応するか精査することが必要。
  • 課題として、店舗復旧はスピード対応が大切なことが挙げられる。物流では自家発電機、リチウムイオン電池の設備の事前準備が必要となる。燃料の確保という点では、小売業もライフライン復旧の手助けになるため、災害時に小売業の優先的な緊急車両登録を行うなど、行政の事前マニュアル作成をお願いしたい。事業所や店舗等への衛星携帯電話の導入検討も必要である。

株式会社 菱食(卸売業)

  • 震災・津波による一次的な損害も非常に大きかったが、計画停電や買いだめによる需要急増への対応など、二次的な損害も軽視できない。
  • 今後の対策として、システム関連では外部アクセスを可能にして、被災していない拠点からでも対応策を決めてすぐに指示が出せるよう、クラウド・コンピューティング化の検討を行っている。
  • 大災害が発生しても出荷を継続し続けることが大事で、店舗の在庫を枯渇させないための手段を取れる体制をつくること、緊急時対応マニュアルの作成や緊急時の運用・制御について教育訓練をやっていくことを進めなくてはいけない。

東日本大震災における企業の対応について発表があった後、本研究会に係る課題について各委員・オブザーバーから発言があった。委員・オブザーバーからの主な意見は下記のとおり。

(委員)

  • 今回の卸・小売の震災対応を見ると、情報基盤を再配置する等の措置をとることにより、緊急時も十分対応できる。行政は事前に有効な対策を講じるべき。
  • 今回の津波被害を見て、津波への対策を抜本的に見直す必要がある。また、県と市町村、民間が連携する縦の行政のライン、役割分担をしっかりと明確にすべき。また、包括協定を結ぶ場合、行政と民間だけでなく、プラス地域の住民という視点が必要。災害時を想定して、地域住民による自主防災組織も連携する取組が必要。
  • 今回の震災に当たっては、「社会における流通情報の共有体制の不足」ともいうべき人災が発生した。現代は「ネット社会」であり、ツイッターなどを効率的に活用して、緊急時には流通している商品の情報の共有体制を構築すべき。また、緊急時の流通インフラや公的機関の活用体制や、役割の定義を前もって決めるべき。緊急時に支援物資を渡す場所は小学校か店舗なのか等を事前に決めておき、効率的な配送を行うべき。
  • 被災地では新聞が1週間配達されなかった。優先すべき必需品をどう届けるか、普段からガイドラインやマニュアルをつくっておくことが大事である。製配販の連携協議会のなかで進めていただきたい。また、買いだめ問題についての対応は流通企業側が情報を効率的に流す必要がある。いつまでに商品が入荷するかを明らかにする。それによって消費者の買いだめ行動は沈静化するはず。
  • 流通の仕組みが世の中に知られておらず、ブラックボックス化していることが、消費者による買いだめ等の混乱を生んだ面もあるのではないか。
  • 今回の震災においては、配達頻度が高い、規模の大きい店ほど早く棚から商品が無くなり、次は何時間後に入荷するかということが消費者にわからなかった。そのために、直接の被害は小さかった関東でも、消費者が混乱したのではないか。流通の仕組みをブラックボックスではなくすための努力が業者にも行政にも必要ではないか。
  • 情報の流れに関して、自衛隊やボランティアベースの動きなどがあり、支援活動の主体が複数いるため、医療品などの調達、配達など全体像が見えない。震災復興の過程で流通体系はどう変わるのか研究し、需要予測を実施すべき。そしてアジアの別の国でも使えるよう一般化を行うなど、世界に貢献できる研究をすべき。

(オブザーバー)

  • 緊急輸送物資は、通行証がないと輸送できなかった。また、通行証があってもガソリン不足問題が存在し被災地に届けられないという状況にある企業が多かった。その中で最初の4日間が一番のヤマ(必需品を届けなければ生死に関わる日数)であり、水、主食加工品はせめて4日分についてはどこかでストックする方法を考えるべき。また物流機能を上手に使い、避難場所ではなく、小売の店舗まで運ぶことが効果的。また、商品カテゴリー毎の現状情報が不足していた。小売業は、個別限定商品の入荷の可否ではなく、別メーカーの違う商品なら供給可能なのかどうか等のカテゴリーごとの情報の塊を望んでいた(欲しがっていた)。
  • 現在行っている、被災地域での移動店舗は首都圏で調達したレンタカーで対応している。多くの被災地を移動したいが、1カ所で商品が無くなり移動できない状態である。最初はパン、おにぎりを積んでいたが、おにぎりは食べ飽きたとの声もあり、弁当等通常の品揃えが必要になってきている。今後は移動ATMも増やし、被災地の役に立ちたい。また、仮設店舗と「安心お届け便」(コンビニの移動販売事業)の抱き合わせで被災地支援を行うことも計画中。
  • 当社も休業中のホームセンターにテントを設営して食料品の移動販売を行った。移動販売事業は採算に合わず、使命感で行っている。現在車両を停める場所が確保できない状況であるため、緊急時には公園を民間事業者に開放するなど、行政側にも民間企業との協力にあたって配慮を求めたい。
  • 行政、自治体との連携では、緊急時に協定が実際発動するかどうかシミュレーション、演習を行うべき。行政の窓口がわからないケースも多々ある。
  • 巨大な物流施設はライフラインの根幹である。災害時にはこうした施設の復旧を優先的に行うなど、国全体で復旧に当たって優先順位をつける施策が必要ではないか。

3.買い物弱者応援マニュアルver.2.0(案)について(事務局)

(割愛)

問い合わせ先

経済産業省商務流通グループ流通政策課
電話:03-3501-1708
FAX:03-3501-6204

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最終更新日:2011年6月7日
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