経済産業省
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地域生活インフラを支える流通のあり方研究会(第2回)-議事要旨

日時:平成21年12月10日(木)10:00~12:10
場所:経済産業省本館2階2東8共用会議室

出席者

荒井委員、上原委員、梅嶋委員、中井委員、西山委員、信時委員、長谷川委員、古沢委員、松尾委員、大和委員(代理:稗方助教)

議題

  1. 地域における買い物環境の現状と課題について
  2. 生協における買い物支援の取り組みについて
  3. オンデマンド・バスシステムの紹介とサービス連携
  4. 自由討議
  5. 事務連絡

配布資料

  • 資料1  議事次第
  • 資料2  座席表
  • 資料3  委員名簿
  • 資料4  地域生活における買い物環境の現状と課題について
  • 資料5  生協における買い物支援の取り組みについて
  • 資料6  オンデマンド・バスシステムの紹介とサービス連携
  • 資料7  今後のスケジュール

議事概要

委員等
  • 事業採算性が大きなポイントである。「集客は協働して、売上は競争する」ことが重要。
  • 最寄り品の移動支援はコストが高く採算性が成り立たない傾向にあるが、嗜好品に特化することにより事業採算性が確保できることもある。嗜好品はある程度のマーケット規模が整わないと消費者に探す喜びという利得を提供できない傾向がある。この傾向にもっとも対応できている事業者は楽天ではないか。楽天市場の利用者は購入を目的としてサイトを閲覧しているのではなく、閲覧しているうちに購入してしまう。テレビショッピングや産地直送品の利用者にも同様のことが言える。一概に商業として考えると議論が困難であるが、最寄り品と嗜好品等、細分化して考えることにより採算性を確保可能な買い物サービスが生まれると考えている。
  • eビジネスをどのように高齢者等の買い物環境改善に用いていくのかを考えていくことが必要である。これまでITは若者によって主に使用さられてきた。今後は、高齢者が使いやすいインターフェース、例えば電話での対応、タッチパネルの活用等のITリテラシーの改善とeビジネスを組み合わせることにより高齢者等の買い物支援に役立つと考えている。
  • 効率性という柱は重要であるが、エンターテイメント性という視点も必要であると感じる。エンターテイメント性を評価の軸として入れることを提案したい。高齢者対策の中では「楽しさ」という視点が置き去りになってしまっている現状があるのではないか。
  • eビジネスの設定では過疎地という概念はない。過疎地であっても同様の地域が複数あればそれらを合計して、eビジネス上では大都市のように捉えることができる。日本では宅配事業者がどのような地域においても全世帯に配送可能であり、過疎地向けのeビジネスの障害とならない。
  • 買い物が不便な地域に関して検討するに当たり、店舗に出向いて買い物をする意義を明らかにする必要がある。「店舗に出向いて買い物」をする意味は、(1)購買機能、(2)コミュニケーション(情報交換の機能)、(3)場の共有昨日の三つではないか。場を共有することはコミュニティにとっては大変重要な機能であり、この機能が店舗や集会場、遊び場などにはあったのではないだろうか。
  • 移動販売など新しい手法がいくつか挙げられているが、新しい手法により従来持っていた店舗での買い物の持つ機能の代替可能な機能と、代替不可能な機能を明確にすることが必要である。地域生活インフラの流通の機能のみを改善する代替案の提案は比較的容易であるが、店舗での買い物の機能を踏まえた代替手段を検討することは非常に困難である。
  • 市民が行動様式を変えることで、事業者の行動変革を促すようなデマンドプル型の手法も重要である。今後は買い物に自家用車を用いずに公共交通機関を用いる形に転換したいと考えている。
  • 環境に良いことをすると環境ポイントがもらえるような仕組みを、地域の流通業者と協力して検討している。既に福祉関係のカードがあり、これに環境ポイントを加えることで福祉と環境の連携が進むのではないか、とも考えている。
  • 行政として小売店の存続に取り組んだが、地域によっては半数程度に減少してしまっている。個別店舗の仕入面の課題を支援するために、島根県として6,7ルートで400ヵ所を回る配送システムを構築している。この施策により現在の店舗数が維持されている部分もある。
  • 地域の交通インフラの補助のため、行政によるコミュニティバスの運行等を行ったが地域のニーズにうまく対応することができなかった。行政が車両を購入し、地域住民に無償で貸出を行い運営を自主的に行うことにより自らのニーズに合わせた運行が可能となった。住民の主体的な活動となり地域の活力創出にも役立っている。買い物において自らの目で見て選び購入するという楽しみを維持する方向で施策に取り組んでいる。
  • 公共交通機関を用いた買物支援施策の採算性確保に際して、バス停を自由に設置できないことが大きな障害となっている。民間企業をスポンサーとする際にはお得意様の自宅前にバス停をおきたいという要望が存在する。しかし、バス会社へ依頼した際には国土交通省が許可を下ろさないため不可能であると断られる場合が多い。しかし、実際に地方運輸局に確認すると実現可能であるとの回答の場合が存在する。政策と現場での認識が異なっていることが大きな問題となっている。
  • 高知県では40社程度の事業者が移動販売を行っているようである。例えば、仕入部分では大手事業者が一定のエリア単位まで担当し、より細かな部分は小規模事業者が担当するといった、事業者間の役割分担も重要であると考える。
  • 都内において有料の宅配サービスを利用しており、子供がいることなどから重宝していた。しかし、採算面が原因と思われるが撤退してしまった。人口の少ない地域で採算性を確保することは非常に難しいことだろうと感じた。
  • 柏市では有償輸送の免許申請をする際にタクシー会社やバス会社の所属する地域公共交通会議の合意を得る必要があったが、事前に交通連絡協議会での合意形成を行った。今回はバス路線が存在しない地域(道路が狭く物理的にバスの運行が困難等)のみを条件に乗降ポイントを申請した。そのため路線バスが通っているものの不便に感じている住民のニーズに応えることはできていない。
オブザーバー
  • 国土交通省では「地域公共交通活性化・再生総合事業」という支援スキームがある。この事業では市町村の単位で協議会を市町村主導で開催し、ステークホルダー(公共交通事業者、商工会、住民団体等)を集め、協議会を通じてデマンドバスの購入補助、実証運行時の費用補助を行う。柔軟に補助が可能なスキームである。このスキームによる全国でバス・タクシーに関する取組みとして200件以上が行われている。問題点としては本事業による補助は3年間の事業立ち上げ時の補助であり、その後は地域における自立運営が必要となる点がある。事業仕分けにより地方移管との判断がなされた。事業の立ち上げ後、維持していくために国、地方自治体がどのように補助する必要があるのかが問題である。
  • また、市町村の多くには交通を専門とする部署が存在せず、本制度による各地域への交通の専門家の育成も課題である。
  • 中山間地の場合、自治体から情報提供を受けることや、NPOと協力する事例も部分的には存在する。しかし、大部分は、自治体とは関係なく生協として主体的に運営している。
 
 
最終更新日:2010年1月4日
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