経済産業省
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企業財務委員会-議事要旨

日時:平成21年11月16日(水)15:00~17:00
場所:経済産業省会議室

議事概要

国際化への対応

  • 日米欧の会計基準が近づき、本来は、相互承認してピリオドで良かったはず。しかし、昨年、米国がIFRS導入に向けて動き出し、流れが変わってしまった。議論の土俵に乗るためには、いったん導入に舵をきった上で、出来るだけの日本の経営者の意見を反映させていくという戦略をとることが必要になっている。
  • IASBの日本への期待として、アジアにおけるリーダーシップというものもある。
  • IFRSにまっこうから反対するという事ではなく、また、日本としてツーボイスは避けるというスタンスで、IFRSの適用に際しての課題を検討する必要がある。

産業競争力強化の視点の重要性

  • 金融庁、財務会計基準機構、経団連の三位一体で検討進められているところではあるが、経済界、特に製造業の視点に立った議論必要。
  • 最近の会計基準について、企業の活動成果を表しているのかどうか疑問。
  • 最近の基準作成には、企業育成という視点が欠けている。
  • そもそも財務諸表は何のためにあるのか。中小・非上場企業にとって必要な財務諸表は何か。IFRSは投資家のためのものであって、会社のものではないとの認識。作成者にとって財務諸表は、事業の採算性を見たり、会社がこれから何をすべきかを見るなど、会社を良くするためのもの。
  • IFRSは投資家のためのものと割り切ればいいとの議論もあるが、経営の視点と乖離していいのかとの疑問もある。今後、国際的な意見発信をしながら、そこそこの差で留めるべきでは。
  • 財務諸表を公表すると、それに基づき経営が評価される。日本の考えはきっちり言うべきだし、コンバージェンスすべきところは、相当しっかりやっておく必要ある。
  • IFRSはレポーティングが目的と言われているが、投資家だけのものでもなく、従業員、取引先等含むステークホルダーにとってどうかとの視点でも意見言うべき。また、外部公表数値をもとに、内部管理上もどうするかを考える。つまり、レポーティングの内容が内部管理のベースにもなる。
  • のれんについては、償却の考えを見直す議論もあるが、国内では償却の方が良いと思っているのでは。しかし、なぜ海外では償却という考えが受け入れられなかったかも理解した上で、議論必要。
  • 会計は難しくなり、一般から遠くなっている。わかりやすくしていくこと重要。
  • 国ごとに制度や実態の違いあり、これを会計でどう表すかという議論もある。会計云々ではなく、どうあるべきかを議論すること重要。
  • これまでは、外部と内部を分けずに対応してきた。IFRSが内部管理につかえないと困る。メーカーが強くなる会計の議論必要。

事務作業、コスト負担への懸念

  • IFRS導入には、膨大なコストがかかることが予想されることから、作成者負担をいかに軽減するかの議論必要。内部統制報告制度では企業は大変な思いをしながら導入し、また、新規上場が減少しているとの話しもあり、IFRS導入で同じことが起きるのではないかと懸念。

税法、会社法を含めた国内制度検討の必要性、緊急性(連結先行の意味の明確化、連単分離の必要性)

  • 確定決算主義との関係の整理は必要。税と会計の処理が異なっても良いが、確定決算主義(損金経理要件)を外さないと出来ないものもある。例えば、のれんについて、非償却にする場合には減損損失を税務上損金算入するという議論もあるのでは。
  • 欧州では、商法典を基軸に置いていて、確定決算主義を維持している国も多く、海外の制度を良く調べて提言していくこと必要。日本は、基軸をどこに置くかがはっきりしていない。
  • IFRS対応会議でも個別財務諸表に関する検討は行うことになっている。
    いずれ税の話は必要となるが、これは長い時間を要するものであり、そのため金融庁中間報告では、まずは任意適用をスタートし、いずれ単体が連結に追いつく連結先行という考えを示している。連単分離の議論はこれから必要なものであり、連結作成時に調整の手間をどのくらいかけるかという問題でもある。
  • 日本の基準を全てなくして良いかとの疑問に対しては、連結先行のもと、単体は日本基準を残してコンバージェンス継続するということであり、日本基準がなくなるわけではない。連結がIFRSになり、単体がコンバージェンスした日本基準となった場合に何が問題となるかを議論すべき。

中小企業を中心とした非上場企業対応

  • 連結先行・連単分離については、最大の議論と認識。非上場の実態からすると連単分離すべきとの意見。企業の太宗を占めるのは、非上場企業であるということを忘れてはいけない。願わくば、連単分離したときの単体を誰が担うのかというところまで立ち入った議論をして頂けると有り難い。
  • 企業のほとんどは、国際的な資金調達の要請ない中小企業であり、確定決算主義の維持が重要。連単一致のもと、会計の見直しが進み、税と会計が乖離することで非上場企業にも影響していることは大きな問題。非上場企業が会計の国際化の影響を回避できる制度が重要。
  • IFRS導入の議論と、単体・税の議論は、切り離すことを明確にすべき。

強制適用の時期の明確化

  • 金融庁中間報告では、2012年に強制適用の是非判断し、2015年もしくは2016年から適用とされているが、企業にとっては1年の違いは大きく、明確にしてもらいたい。

IFRSの原則主義の適用に関する懸念

  • 会計について必要なのは、将来どうなるかという予測可能性・同一経済環境下では同一の結果となる比較可能性・税における公平性を阻害しないもの、の3点と考える。しかし、IFRSは、原則主義のもと企業が判断するとの建て付けはあるものの、実際には会計事務所の主観や企業の財政状態に振られ、比較可能性において問題。また、原則主義の考えをそのまま日本に取り入れて良いのか疑問。

東証等他の開示制度との関係整理の必要性

  • 会計と税の関係だけでなく、他の法制度との関係(東証の開示基準等)も今後どう考えていくべきか議論必要。
  • 連結先行の状況下で、収益の認識、減価償却など、連結調整事項が拡大し、相当な労力がかかり、全部作れるのか疑問。四半期開示の問題にも手を入れて検討しなければならない。
  • 欧州では四半期開示も内部統制報告も行われておらず、日本はフルスペックだが、本当に持つのか不安。
 
 
最終更新日:2009年12月7日
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