経済産業省
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今後の繊維・ファッション産業のあり方に関する研究会(第4回)‐議事要旨

日時:平成23年5月24日(火曜日)15時~17時30分
場所:経済産業省本館2階西8共用会議室

出席者

下村委員(座長)、廣内委員(副座長)、井上委員(代理:松元様)、貝原委員、川田委員、長尾委員、西委員、日覺委員、野坂委員、福地委員(代理:筒井様)、前田委員(代理:広瀬様)、松浦委員、三宅委員(代理:山崎様)、八代委員  ※50音順

議題

  1. 繊維・ファッション産業の最近の動向
  2. 国家戦略に則った繊維分野の活性化戦略
  3. その他

議事要旨

事務局から昨年とりまとめられたアクションプランの進捗状況、今後の繊維分野の活性化戦略等について説明があった後、委員から以下のような議論があった。

東日本大震災の影響

  • 震災の影響については、主要工場は東海から西日本に多く、直接の被害は無かったが、取引先の縫製業等は震災の被害を受けている。また、計画停電の影響、取引先の物流がストップしたことによる影響は受けており、今後は消費の低迷の影響も出てくる。
  • 東北は綿織物業界でいうと、加盟組合もなく直接的被害はなかったが、消費の低迷の影響は出てくるだろう。今回の震災は、我々の衣食住という生活の基本の3つの全てに影響を与えた。我々はそのうちの衣を担っており、被災地域の生活を支援できることがたくさんある。
  • 産地としてはリーマンショックによる生産の落ち込みが昨年の春頃から回復傾向がある。震災により最大3割落ちたのが、そこから3割戻ったので5%ほどの落ち込みである。
  • 北陸の化合繊については、震災の影響があるかと思ったが、むしろ忙しい状況。震災復興のための特需があるとは思うが他の要因もあるのでは。
  • 今後電力不足となる状況を踏まえ、自家用発電機の導入、一層の効率化を進めていきたい。自家用発電機を導入するならコストアップとなるので政府の支援をお願いしたい。政府が進めるクールビズ、ウォームビズでは、化繊業界としては高機能繊維を用いた製品の開発をしていきたい。
  • 震災関係では、津波対策をしっかりするべき。阪神大震災後に高速道路の補強剤として高強度繊維が使用されており、防潮堤などにも高強度繊維が役に立つのでは。
  • 昨年後半から、消費者の動向が、ロープライス商品から高付加価値商品へのシフトしてきた。アパレル商品の売り上げも回復してきた。しかし、3月11日で、東北地区に限らず、関東、東京エリアで大変な打撃を受けた。西日本では、ほとんど影響はなかった。5月の現状でも、4月よりは若干厳しいが、概ねそれほど悪くはない。予断は許さないが、良い方向へ向かっている。

国内空洞化対策について

  • 日本で生産することはカントリーリスクもなく、安定した品質を提供できるというメリットを持つが、そういったメリットを活かして繊維業界全体で、ものづくりをすすめるべきと考える。
  • 日本のものづくりにおける品質の高さ、技術の高さは世界を見ても圧倒的に高い評価。差別化をどう進めるかが課題であるが、イノベーションしかないと考えている。今までの発想を大きく変えた見方から、徹底した省エネ省コスト対策に取り組んでいきたい。
  • 生産の国内回帰・空洞化については、まだ流動的な状況だと理解している。東日本大震災や電力不足を経て、リスク分散のために海外に出て行く動きが出るのではないか懸念している。空洞化の歯止め、国内回帰促進のため政策を打っていく必要がある。繊維産業、国内産業の成長のみならず、復興に弾みをつけるためにも、我が国全体で議論していくべき問題である。
  • 成長戦略・空洞化防止が記載されているが、書きぶりがやや薄い。空洞化防止のための施策が必要。
  • 新たな論点として、国内回帰や空洞化との話があったが、違和感を感じる。天然繊維の染色と織布ということに関して言えば、ほぼ空洞化は完了している。国内回帰をしても生産できない状況である。海外の不織布、染色、縫製と、国内の不織布、染色、縫製がどのような付き合い方をして国内にお金を落とすかという発想に切り替えないと難しい。
  • 空洞化対策は明確に打ち出すべきであると考えている。20年先を見据えた方向性が示すのであれば、重要である。

海外市場開拓について

  • クールジャパン戦略では、ファッションだけでなく素材も重要と考えている。ファッションを支える素材メーカーとして、魅力的な素材の開発に力を注ぎ、その一翼を担いたい。
  • 日本の市場が縮小する中で、これから我々繊維産業の発展の可能性は、グローバル化とりわけアジア市場の取り込みが課題である。中国については地理的にも近接しており、海外市場と捉えるのではなく、日本と同じ市場としてとらえなければならない。国としての空洞化対策と相反するのかもしれないが、この市場をとらえなければ我々には未来がないと思う。
  • Tokyoeye事業など海外進出をもっと進めてほしい。昨年行われた広州の展示会に出展した福井の企業はあまり大きな会社ではないが大規模な取引があったようだ。日本の繊維の良さをアピールしてアジアに進出していくことは重要だ。
  • 海外市場開拓ではクールジャパン戦略の中で高機能繊維の市場開拓を昨年から進めている。日本の強みである他国にまねできないものづくりをクールジャパンとして今後も進めていきたい。また、異業種連携を通じて新たな市場開拓を化繊協会としても進めていきたいが、マッチング等で政府の支援をお願いしたい。
  • アジアの活力を取り込むべく、EPA、TPPについても、繊維・ファッション産業としても強く出していくべきではないか。TPPの議論は下火になっているが、仮に日本がTPPに乗り遅れた場合、繊維産業への影響も大きいと思われる。
  • クールジャパン戦略は製品が主体になっているが、日本の素材も使われていることから、クールジャパン戦略をさらに進めていくためには素材・生地を支援する施策をとっていただきたい。織り+加工の技術は日本が優れている。
  • アジア市場で戦える素材が日本にはあるので、tokyoeyeのような取り組みを継続して進めて欲しい。また、中小企業が独自で輸出を継続するのは難しいので、商社を活用して欲しい。
  • 日本の市場が縮小する中で、中小企業の海外展開は避けて通れない道。
  • ボトムとトップの間のミドルの層に、アパレル企業と素材メーカーが一緒になって、日本の縫製技術等の素晴らしさを、いかにして分かってもらうが重要。
  • 韓国のアパレルにはスピード感で負けている。中国は中間所得層が増えているので、時間がかかってもこのマーケットを押さえていくべき。

チャイナプラスワンについて

  • チャイナプラスワンということで縫製を中国から他の国へ移管している。チャイナプラスワンは、縫製はあるが、製造として染色も織布も日本の市場にマッチした技術を持っているわけではない。チャイナプラスワンといっても、生地は中国から持ってきているため、本当の中国離れではない。その問題点と国内製造業の新たな海外のお付き合いとは一致するのではないのか。この仕組みをどうするかという議論をするべき。

原料高騰について

  • 現在の悩みは原綿の高騰。昨年初めは1ポンド=約70セントであったが、今年2月は2ドルで、約3倍となっている。原因は中国の不作、パキスタンの洪水、インドの輸出禁止措置、投機筋等様々であるが、先行きが不透明。製品への価格転嫁についても、市場価格がデフレ傾向であり難しい状況。
  • 綿花高騰の影響は大きい。また、製品への価格転嫁も難しく、板挟みの状況が続いている。

技術開発について

  • 高機能繊維や軽量で強力な炭素繊維で、省エネルギー、低炭素社会の実現に貢献したい。そのために開発・普及の促進策をとってほしい。
  • 韓国、台湾、中国、タイなどのアジア各国の繊維開発の取り組みや熱意、それに対する政府支援の大きさを感じた。日本の繊維産業も従来以上に繊維開発に取り組まなければならないと改めて認識した。特に、高機能繊維、炭素繊維は各国の関心が高いので、引き続き研究開発に対する政府の支援をお願いしたい。

JFWについて

  • 今年度から、商談の場としての機能を高めたテキスタイル総合見本市として、PTJを実施。震災以降、アパレルが来年度へ向けて、テキスタイルの情報を総合的に判断する場がなかったため、大変盛況だった。中国のアパレルからは、ダイレクトにバリエーションを見られる機会でとても良い。値段の格差は、円高が元に戻れば充分吸収できる。日本は、ヨーロッパに比べ納期等の対応が良い。と評価されていた。
  • JFWは、グローバルスポンサーを呼び込んで実施する。IMGというマーケティングの会社と企画運営をやっている。実際にどのようなスポンサーを呼び込むか分からないが、事業資金の安定化を図りつつ、経産省の補助金事業を上手く使いながら進めて行きたい。
  • アジアの有力なセレクトショップ等のバイヤー招聘を、経産省を通じてJETROにお願いしたい。

今後の成長に向けて

  • 日本のブランド力だけでなく、「日本で作られた物」ということに、どれだけ価値を乗せられるかがポイントである。
  • デフレの克服のために、内需拡大も重要。団塊の世代の需要をいかに掘り起こすかを考えていく必要がある。
  • アジア市場の重要性のご発言につき、焦りが2点ある。1点目は、日本のブランドはアジア地区のモールにはない一方で、ヨーロッパブランドが陣取っている。2点目は現地側の経営者層で、第2世代、第3世代に切り替わっていて、彼らはアメリカ等へ留学しており、英語でやりとりするが、日本は英語力がなく、彼らと同等に喋れる日本人は少ない。

問い合わせ先

経済産業省製造産業局繊維課
電話:03-3501-0969

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最終更新日:2011年6月14日
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