経済産業省
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産業構造審議会地域経済産業分科会工場立地法検討小委員会(第9回)‐議事録

日時:平成19年4月13日(金曜日)10時~11時50分
場所:経済産業省別館5階第532共用会議室

議題

  1. 今後の工場立地法のあり方に関する関係者ヒアリング
  2. 工場立地法準則等告示案について

出席者

和田委員長、太田委員、塩崎委員、下村委員、土屋委員、半田委員、前田委員、森委員

議事録

開会

和田委員長
産業構造審議会地域経済産業分科会第9回工場立地法検討小委員会を開催いたします。本日は大西委員がご欠席です。
それから、事務局で今まで事務を行っていただきました熊川企画官が、この度人事異動でお代わりになりまして、多田企画官が後任として就かれました。少し自己紹介をお願いします。

多田地域活性化企画官
改めまして、皆さん、おはようございます。
4月1日付で熊川企画官の後任で参りました多田と申します。この度、工場立地法の関係で仕事をさせていただきます。いろいろご指導いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

和田委員長
本日はまた我々の勉強会ということで、お二人の専門家の方をお招きしています。お一人は明治大学の輿水先生、それから(株)日本総合研究所の足達さんです。貴重なご意見を伺えると思っております。事務局の方からご紹介願います。

多田地域活性化企画官
今、委員長の方からもご紹介いただきましたが、まず初めに明治大学農学部教授でございます輿水先生の方からお話をいただきまして、その後、(株)日本総合研究所創発戦略センター上席主任研究員でございます足達様の方からお話を伺いたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

配付資料確認

和田委員長
それでは、本日の配付資料について事務局より説明をお願いします。

多田地域活性化企画官
それでは、お手元に配付させていただいております資料をご覧いただければと思います。
まず初めに座席表があります。その次に議事次第がございます。次に、本日、ご講演をいただきますお二人の先生方の資料をお配りさせていただいております。輿水先生の資料につきましては「工場緑化の意義と課題」という51ページに渡ります資料でございます。続きまして、足達先生の資料でございますが、11ページ綴りの資料でございます。資料3といたしまして、現在、新法の絡みで各省と協議をさせていただいております「緑地面積率等に関する同意企業立地重点促進区域についての区域の区分ごとの基準(案)」という資料3-1として2枚紙になってございます。資料3-2といたしまして、「環境施設の配置に関する規定について(案)」という3枚紙となってございます。その後、資料4といたしまして、小委員会の次のスケジュールについて1枚紙をお配りさせていただいております。最後に参考といたしまして、現在、国会の方で審議いただいております新法の資料をお配りさせていただいております。資料は以上です。

和田委員長
それでは、早速議事に入りたいと思います。

討議

工場立地法のあり方に関する関係者ヒアリング(1)明治大学

和田委員長
まず、明治大学の輿水先生からお話を伺いたいと思います。よろしくお願いします。

輿水肇氏
明治大学の輿水でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
事務局の方から工場立地法の特に緑の関係について考えているところを聞かせてくださいとの依頼がございまして、今日のタイトルは「工場緑化の意義と課題」と書かせていただいております。工場立地法は、ご承知のように大変古い法律でして、それなりの意義を果たしてきたところだと思いますけれども、最近、いろいろと状況が変わったというお話も承りまして、そういうことを通して日頃私が思っておりますことをお話をさせていただいて、この委員会のご議論の参考になればと思って用意をいたしました。
大きな絵が資料に沢山付いておりますけれども、ゆっくりご覧いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
2ページ、3ページをお開きいただければと思いますが、2ページのものは、実は平成17年度の第24回工場緑化推進全国大会の記事が財団法人日本緑化センターの機関誌であります「グリーン・エージ」に載っておりましたので、そこから写真を引用させていただきました。ここでは窓のブラインドのメーカーである株式会社ニチベイの神奈川県厚木市の工場の、2ページは1966年頃の写真ということです。敷地の面積は8ha、当時の緑地の面積は3.1haということです。写真では建物のない白っぽく見えるコンクリートの縁石で囲まれた部分が緑地に相当すると思われます。元々この場所は畑を造成した内陸工場団地の一角でありまして、この写真から予想されることは、樹木を1本1本植えて緑化に努めたということが感じ取れます。
3ページの写真が約40年後の最近の姿であります。経済産業大臣賞を得たということでこの「グリーン・エージ」に紹介されたのですが、この写真を見て2つのことが言えるかと思います。工場の建物の方は増築されたり、あるいは改修されたりしているように見受けられますが、敷地に設けられました緑地はしっかりと維持をされておりますし、また元々畑だったということもあって土壌条件も良かったと思われますが、台地の緑として立派に育っておりますし、この担保性の高さというものが伺えます。
もう一つは今の話と関連いたしますけれども、当初の緑地の面積が全敷地面積に対して39%という割合になるわけですが、樹木が成長いたしまして、この樹木で覆われている部分の面積率、すなわち緑被率は39%を既に超えているように写真からも伺えます。大地に根差した樹木の成長によって緑の量の増大というのは、工場内外の環境保全と工場内の快適環境の維持に役立っているということはこの写真からも推察されるところだと思います。緑の量と質による効果は時間を掛けてつくられるものだということを示していると私は感じ取りました。
次の4、5ページをお開きいただきたいと思います。
昨年、第25回の工場緑化推進全国大会で同様に経済産業大臣賞を得た事例です。ここに書かれております工場の理念でありますが、愛三工業の安城工場は昭和46年の3月に操業を開始したもので、この記事では、高い緑地率を確保するとともに、ごみ拾いを始めとした環境美化活動を推進し、地域社会へ貢献しているということが評価されたということです。
更に、5ページですけれども、経営の理念として、企業の繁栄と豊かな環境づくりで社会に貢献するという理念を掲げ、緑化活動を中心に地域社会との対話、交流及び調和を図っていることも記事として示されております。その下には、どのような緑化活動をしたかということが詳細に書かれておりますけれども、ここで見られることは、企業の繁栄と環境づくりというものを同列に置いているということではないかというふうに思うわけであります。緑化の意義というものをこの企業はどのように捉えているかということを私はここで感じ取ったわけでございます。
次のページをご覧ください。同じように、この文章の続きとしてこのように書いてあります。緑地等の維持管理は社員とシルバー人材センターが行っており、社員による芝生の刈り込み、樹木の選定、それから松の枝の剪定、緑地整備が定期的に行われているというふうに書いてあります。すなわち、どちらかというと緑地というのは多くの場合、お荷物というふうに捉えられることが多いと聞いております。ここでは社員が自らこういう手を下してやっている。これは本当のところを社員の方に伺わないと分からないところではありますけれども、やはりそういうものに手を携える、あるいは参加するということはこの緑化活動が持続的に行われるということの一つの前提になるというふうに私は感じ取っているわけであります。それから更にその次の行に、「自社だけでなく、工業団地内の緑地活動にも積極的に参加し」ということで、決して自社内だけの話に留まらず、周辺の工業団地の中の緑化活動にも自社の経験を通して、おそらく社員の方や、あるいはシルバー人材などと共に緑化活動に貢献しているという、やはり地域社会への貢献、あるいは工業団地への貢献ということもこの表彰の対象として高く評価された理由ではないかというふうに思うわけであります。
次に7ページであります。幾つかの事例がこの記事にも載っておりまして、それぞれこれは表彰を受けた優良工場の事例ということになるわけですが、まず最初の7ページの同仁医薬化工株式会社福島工場のデータが載っております。細かい数字はさておき、見ていただきたいのは、工場の敷地面積1万6,513m2となります。それから建築面積が4,978m2ということです。この差し引きを見てみまして、更にそれが緑化としてどのくらいになっているのかということを見てみますと、この事例の緑地が38%とありますけれども、実は敷地面積から建築面積を引いて、その残りの非建蔽空間というのは60%くらいになるのですね。そのうちの約半分くらいが緑化されているということになるわけです。ですから、もっと頑張ればこれはもしかしたら緑化出来るかもしれないというふうに思うわけです。
次のページの図面をご覧いただきたいと思います。この斜線で引いてある部分が緑地ということになるわけです。更にその星印がついているところが主に樹木で覆われている緑地になるわけですけれども、使い難い敷地に建物の配置を上手くレイアウトして緑地の面積を確保しているというふうに感じられます。更に、部外者ですから欲張ったことを申しますと、左の方に駐車場があります。この駐車場の部分が真っ白になっているわけですけれども、更にこういう部分の緑化に努めれば緑の部分を増やすことが出来るというふうに感じられるわけで、これも優良な事例ではありますけれども、まだまだ緑化の努力は更にすることが出来るというふうに私は感じるわけであります。
次がハウス食品株式会社静岡工場ですが、同様に12万2,140m2に対して建築面積が2万1,833m2ですから、約10万m2の空地がある。全体の敷地に対して39%の緑地ということになるわけですけれども、相当部分まだ空地があるということが感じられます。
それはその次の10ページの図面を見ていただきますと、敷地の上部はJR東海道線が走り、下部の方に新幹線が走っておりまして、敷地としてはやや不成形な使い難い敷地のように見えますけれども、工場の多くの事例は全てこのように建物を並行配置、あるいは直行配置するように建物を建てる。従って三角形の斜めの土地がどうしても生まれてしまうということは避けられないことでありますけれども、どうやらこの工場は下の東海道新幹線の方へ向いて、そこから眺められるようなことを意識してつくられている。従って、新幹線の線路に並行になるように建物を配置した結果、上の方は三角形の土地が出来る。一番右上にグラウンドを設けて、その部分はレクリエーション用地、あるいは環境施設という形で使われているのかと思われますけれども、ほとんどの部分は横線で引いてある図面から分かるように芝地であります。これはおそらく、将来ここに建物が増築されるだろうということが予想されるわけですね。そうなりますと、この緑地率は更にどう変化するかということになるわけです。樹木が植えられているところは星印が付いているところだけですから、敷地の周辺にややグリーンがあるだけということで、緑の質が豊かかどうかになりますと、私は実際に見たわけではありませんけれども、図面からは、緑の豊かさという点ではもう少し工夫が必要なのかなということを感じます。
次の11ページですが、東陶機器株式会社の滋賀工場です。これも18万3,919m2の敷地に対して6万8,789m2の建築面積ですから、約11~12万の空地があるというところに対して緑地は22%程度です。その実態はどうかというと、その次のページに図面が出ております。まさにこの敷地に対して直行配置の施設です。道路との関係を見ますと、どうやらこれは少し山の上の小高いところにあって、その上を造成して工場敷地に使っていると思われますけれども、その周辺に左の方からアプローチの道路がありますけれども、斜線があって緑地がありますから、その辺が残された斜面があって、そこに残された樹林があるというふうに読み取れるわけです。周辺にわずかに緑があるわけですけれども、この工場の特徴は左の方の部分に社員のアパート、あるいは寮や体育館といった施設があって、またその上にリサイクルステーションというものがあって、工場全体で一つの従業員と共に生活出来るような空間の設えになっているようですけれども、社員寮、アパートは斜めに配置されておりますけれども、他の部分が全く並行配置、あるいは直交配置になっていて、どうも緑化し難い施設配置になっているというふうに思います。左側の方の部分はグラウンドがあったり、あるいは緑地があったりしてある程度の緑化に努めているように見えますけれども、肝心の生産空間の部分に緑地がないということで、この工場は生産環境ということについて見ると、緑という観点から見ると、やや不足しているというような感じを受けます。
次は三和酒類株式会社の資料でございますが、2万6,469m2の敷地に対して2,639m2の建築面積ですから、建築面積は約10%、すなわち建蔽率は10%位いということになってかなり建築施設の少ない工場です。結果的に緑地が45%ですから、相当頑張って緑が残っているのか、緑化したのかよく私は存じておりませんけれども、その次のページの図面をご覧いただきたいと思いますが、これは敷地の形が非常に使い難い敷地に対して建物施設の配置を上手に配置をして目一杯緑地を取っておりますし、またワイナリーなのだそうですけれども、敷地の右上に葡萄畑があって、工場敷地全体で洋酒の生産拠点を維持し、なおかつ真ん中の方にはおそらくこれは来客者がここで試飲をしたりするスペースとして用意されたものだと思いますけれども、園地があり広場があってという設えになっております。まさに生産場面と来場者と工場が敷地の中で一体的にデザインされている、まさにこれはデザインされた事例というふうに見ることが出来て、大変すばらしい工場ではないかなということを私は想像するわけであります。
そういうことで、緑化というのはただ余っているところに木を植えればいいということでは決してないわけでありまして、施設の配置を工夫することによって幾らでも、「幾らでも」というのはあまり正しい言い方ではないかもしれませんけれども、緑化する工夫がまだまだ出来るということで、どうやら従来の工場というのは施設をどのように配置するかという配置計画というものがあまり十分なされていないままに生産効率ということを重視して、四角に配置するということがまだまだ通っているのかなというような感じがいたします。
これらはいずれも表彰された優良工場でありますけれども、それぞれの緑地率は10%~40%と非常に多様になっております。それは今申しましたように、業種とか敷地面積の規模によっても異なるわけですけれども、この次の15ページの表は工場立地法で義務付けられている環境施設や、あるいは緑地の割合、その数字はそのままに、私なりに少し表を組み替えてみたものであります。
主として工場の立地する地域条件、その上に漫画のような絵が描いてありますけれども、左の方が住居地域と比較的近接するような場所での工場、一番右が全部工場施設で取り囲まれているような立地で出てくる工場というように大きく4つのグループに分けて表をつくってみたわけですけれども、様々な条件から、環境施設の面積は一番左の例ですと35%以下、25%以上、それから次の列ですと30%以下、20%以上、それから25%以下、15%以上、一番最後は15%以下というようになっておりまして、また、緑地の面積について見ると一番左が20%以上、次が25%~15%の間、次が20%~10%の間、一番右が10%以下というような数字が見えるわけですけれども、私は敷地が広いから、狭いからということばかりではなくて、やはりその立地条件を勘案して環境施設の割合、あるいは緑地の割合を考えるというのは、これはある妥当性があるのかなというふうに思いますけれども、果たしてこの数字がどういう意味を持っているのかということを私はもう一度考えてみたいと思っているわけです。
次の16、17ページをご覧いただきたいと思います。これはご存じの方もいらっしゃると思いますけれども、日本緑化センターが出版されましたニューファクトリーのレポートから引用させていただいたものであります。16ページには緑化の工夫の様々な好例と言っていいのでしょうか、良い例が示されています。例えば社員寮の緑化であるとか、あるいは敷地造成の生じる右上の写真の法面の緑化であるとか、あるいは緑豊かな敷地に明快にデザインされた建物や駐車場が整備されたコントラストを醸し出すような雰囲気づくりをした真ん中の例であるとか、それから真ん中の右側の周辺の自然の山をそのまま活用しているからこそ出来る整備手法があるとか、あるいは左の方の建物のハーフミラーであるとか、そういった様々な工夫をしながら、プールがあって周辺の山を映し出して、建物自体が風景に溶け込むような配慮もするということで、工場といってもランドスケープのデザイン、あるいは敷地の使い方の工夫、あるいは建物の配置の仕方の工夫でもっともっと豊かな快適な環境づくりに貢献出来るということがこのレポートにも書いてあります。
17ページはもう一つの例でありますけれども、集落景観との調和であるとか、あるいは高低差を利用したものであるとか、あるいは真ん中の左では急峻な地形を生かした工場施設の配置であるとか、あるいは右の方には水産物を干す機械とそれを上手く展示しながら行っている例であるとか、それからギャラリーを使っているとか、立体的な配置であるとか、工場の規模こそそう大きくはありませんけれども、そういった工夫をされているという例をこのレポートでは良い例として取り上げていると思います。ですから、工場の緑化というのは様々な工夫をすることによって更にきめ細かな環境整備、あるいは景観整備が出来るのだということではないかなというふうに思います。こうしたことは工場立地法の精神に既に入っているというふうに私は読み取りました。
次の18ページでありますけれども、工場立地法の前文に近い部分に工場立地法の目的は、国民経済の健康な発展、あるいは国民福祉の向上、あるいは公害の防止、生活環境の保持、そして緑地面積の確保となっております。このことを吟味いたしますと、やはり工場立地法の精神というのはただ単に緑化に努める、公害防止だけではなく、制定された当時、そういう大きな理念と哲学と考え方があったのかなというふうに私は感じます。
19ページをご覧ください。臨海部の工場群であります。左側に住宅地があって、住宅地には保全された緑地の緑の塊があります。右側は、おそらく埋立地と思われますが工場群がありますけれども、このスケールで見ますと工場群の中にはほとんど緑が見えてこない。もちろん下に下りて行けばヒューマンスケールでは緑があるのだと思いますけれども、このスケールで見ますと見えてこない。工場群と住宅群との間の緩衝緑地、あるいは遮断緑地のようなものが見えますけれども、工場内には果たして緑がなくてもいいのかということでは決してないということを私はこの写真から感じ取ったわけでございます。左側の住宅地と右側の工場群、あまりにも好対照の事例になってはいないか。緩衝緑地がありさえすれば工場敷地内、あるいは工場団地内には緑がなくてもいいということには決してならないというふうに思うわけであります。
そのことは次の20ページのところで、量と質があるということであります。量に関するものは緑化面積の割合、あるいは単位面積当たりの樹木の植栽本数であるとか、あるいは視覚的な緑量、緑視率といったものがあります。これまでの工場立地法の施行規則や運用例規集では量を確保することに重点が置かれてきたように私は感じました。しかし、緑の質というものを考えてみますと、緑の適正配置、あるいは工場内の施設や空間に適切に対応した緑の形態、これにはどのようなものがあるのか、あるいはこれを考えるためには緑の機能と緑の形態といった事項についても、やはり考える必要がある。これは一部の工場を除きあまり考えられてこなくて置き去りにされてきたのがこの緑の質ではないかなと思います。工場立地法の理念を最近では小さくしか捉えていないのかなというふうに、私は少し皮肉に感じて、皮肉っぽくこれを眺めているわけであります。
21ページをご覧ください。工場緑化の意味につきまして、私はこのように考えました。確かに工場は環境負荷を出すというマイナスの側面がございました。そこでグリーン(緑)を配置し、プラスにすることによってマイナスを遮断し、緩和する。すなわち緑の持つプラスの機能を使って工場の存在をマイナスから全体としてゼロにしていくというのがかつての考え方でありました。これは、いわば過去の公害工場に対する工場緑化の関係だと見ることが出来ます。それが工場の環境改善技術が進み、マイナスの環境負荷が小さくなり、ゼロに近くなったのだから緑化はしなくてもいいだろう、緑化はゼロでいいだろう、全体としてゼロになるのだという考え方が一部にあるようですけれども、私は緑化の意味を全く理解していないと言わざるを得ません。全く緑のない工場で人々を働かせようということになる。緑のない工場を地域の施設として受け入れようというふうにすら思えます。これからの工場は、負荷はゼロでも緑化がされていることで全体がプラスになるというのが環境の世紀にふさわしい生産施設であるというふうに私は思います。
次のページをご覧ください。これも緑化センターのニューファクトリーのレポートにあった緑化の位置、緑化の目的機能に対応する緑化の手法を示した図です。複雑な線が引いてありますけれども、右側の1番から13番までの緑化の形態、緑化の手法をご覧いただきますと、緑が単に公害を外に出さないための遮断のための緑ではないということは明白であります。
少し話を違う方面から見ていきたいと思います。23ページ以降は、平成16年に建築物の安全性、あるいは防災機能の確保のために、建築物に係る検査制度の強化を内容とした改正建築基準法の既存不適格構造物で構造耐力関係規定の遡及適用について示した一例であります。建築基準法の改正によりまして、従来の建物が耐震構造が不十分だということで、既存不適格というようなことになるわけですけれども、それに対して新しい建物を増築しようとした場合に、こうした過去の建築物をどう扱うかということを示したものであります。要するに、耐震基準に合っていない古い建物に基準を遡って適用するかどうかの事例であります。
例えば、この23ページの事例ですと、その次のページに考え方が書いてあります。増築面積が古い建物の1/20以下であれば古い建物には適用しない。次の行が、古い建物の1/2以下の場合には、細かい条件は抜きにいたしまして、古い建物に安全性確認の基準を適用する。それから、古い建物の1/2よりも大きいものを増築する場合には、両方に新しい基準を適用するということになっています。これを緑化の話に読み替えてみますと、緑化基準を満たしていない工場に対して、施設を増築する、増設する、あるいは隣接の敷地に工場を拡大するときに、では古い工場にどういうものを適用するかということの考え方の参考になります。耐震基準ですから、これは人間の生命に関することですから、大変厳しい適用がなされているというふうに読むことも出来ますけれども、私は工場緑化もその位いの厳しい考え方を適用することも一つの議論かなというふうになるわけです。ですから、古い建物を全く緑化しなくてもいいということにはならないということを私は申し上げたいと思います。
同じように、25ページは古い建物があって、その後増築され、更に新たにまた隣接して新築する場合にはどうなるのかということであります。
次の26ページをご覧ください。前と同様に古い建物の面積の1/20以下がその後の増築という場合には新しい建物にのみ適用する。それから2つの既築の面積の1/2以下の場合には既築の部分の真ん中の部分が部分適用する、新しい部分には適用する。それから、既築の部分の1/2以上が増築面積の場合には全てに適用し、一番最初の古いものについては適用しないというようにきめ細かく基準を適用するという考え方になっております。従いまして、これも工場緑化に読み替えてみますと、工場の新設に伴い、あるいは隣接敷地への拡大に対しては、全ての敷地に基準を適用していくのかという考えが成り立つかもしれません。また、ある一部分に適用していくということになるかもしれません。これは決して厳しいということではなくて、単独のこれまでの敷地主義を脱して、全体として緑化基準を達成するという考え方を取るということになろうかと思います。
27ページは少しスケールの大きい都市計画のような話ですけれども、これは区画整理、あるいは都市計画でいうところの総合設計の絵というふうに見ていただいてもどちらでもいいと思いますけれども、これは従来、左の絵にあるような非常に狭い敷地に、緑の少ないところを右のように区画整理する、あるいは総合設計で新しい地区計画を立てて空地、オープンスペース、あるいは緑をどのように確保するかということの例であります。ですから、これからは一つ一つの小さな敷地にとらわれるのではなくて、一つの街区全体としてどのように良い環境をつくっていくのかというのが都市計画では当たり前になっているということで、これは言い換えれば、一つ一つの敷地の部分の最適化だけを考えるのではなくて全体の最適化を考える。すなわち、部分の最適化だけを考えると全体の最適化を損ねてしまうことも起こり得る、それを避けるというのがこの考え方であります。工場緑化も工業団地全体で考えるというような視野、視点もこれから積極的に考慮すべきではないかというふうに思います。
28ページは良くご存じの六本木ヒルズの模型であります。これは零細な地権者がこの地区にあったわけですけれども、このプランを説明し、プランの良さを十分説明し、賛同を得て実現に至ったもので、それには30年掛かったということであります。全体の最適化を実現するのには時間と努力が必要だということであります。建物の配置もご覧いただきたいと思います。緑を確保するために様々な工夫をされています。敷地全体の中で個々の建物をどのように配置するのかということを考えて緑を生み出す工夫をしている。決して並行配置、格子状の配置ではないわけであります。
29ページをご覧ください。これも先程のレポートから引用させていただいたものですけれども、緑化位置と緑化の目的機能、緑化手法の関係が複雑に絡んでいる。この図からも、どのような緑化手法をどのような場所に適用することで好ましい緑が確保出来るかということは相当に考える必要がある。ですから、このことはニューファクトリー、あるいは工場緑化についても、ただ単に緑の量を確保するということだけで済む話ではなくて、様々なことを考えていかないと、やはり緑は生み出せないということであります。面倒くさい作業になるということだと思います。
幾つか関係する緑を生み出している工夫の事例の写真を付けましたので、30ページ以降をめくっていただければと思います。30ページ、31ページですが、垂直面に近いコンクリートの構造物をこのように魅力的に緑化出来れば、緑地率としては大変小さくても、その存在価値は非常に大きいということをご納得いただけるかと思います。
31ページは緑化ブロックの例です。まだまだ緑は育っておりませんけれども、これが緑で覆われることによって、大規模造成型の景観はガラッと変わるというふうに思われます。
32ページはパリの体育館の例ですけれども、垂直、あるいは斜めの建築壁面というのはかなり緑化が難しいとされておりますけれども、多くの工夫をして芝生を張りつけている例であります。
33ページもパリの例で、緑化した植栽基盤を縦に積み上げて緑の壁面として様々な種類の植物を使ってこうした工夫をしているのは非常に驚かされる光景だと思います。
34ページは有名な愛知博覧会で行われましたバイオラングという一つの展示物でありますけれども、優れた技術を駆使して緑化のパネルをこのように積み上げて、一つの自立した都市の構造物というところまでこうしています。ですから、緑地率、緑被率、緑視率というものがどういう意味を持っているかということを考えさせられる事例ではないかと思います。
35ページは、これはオフィスビルの窓の外の壁面を、少し離して緑化パネルでもって遮蔽している例です。この建物の内外のプライバシーを確保するということ、それから周辺が住宅地でありますから、住宅地の環境を少しでも壊さないようにということの例であります。
36ページは、これもフランスの例ですけれども、オフィスビルを取り囲むようにこういう構造物を建てて、そこに3種類の蔦を絡ませている例であります。これも図面では、とても緑地というふうには平図面では読み取れないわけですけれども、周囲から見ますと非常にインパクトのある緑化の事例というふうに見ることが出来ます。
ですから、そのことは37ページにありますように、上から見た緑地率は少なくとも、明治神宮外苑の絵画館の前のイチョウ並木は大変有名ですけれども、垂直面の緑というのは非常にインパクトのある緑だということになるわけです。
38ページ、39ページは駐車場の緑化の例です。先程工場の例で駐車場の緑が非常に貧弱であるということを申しました。38ページのような工夫をすれば駐車場でも更に魅力的な景観になりますし、また39ページはバスの止まる車輪のところを除いて、それ以外のところをかなり工夫をして緑化をする。更に、縦に生け垣のようなものを設けて排気ガス、あるいはそうした排熱を少しでも周辺に及ぼさないような工夫をしているという優れた事例ですから、駐車場もただ駐車場としてカウントするのではなくて、更に緑を増やす工夫が出来るのではないかということを申し上げたいということであります。
40ページ、工場立地法の施行規則では、生産施設、緑地、緑地以外の環境施設、更に建築物屋上等緑化施設というものが加えられているわけでありますけれども、41ページにありますように、屋上緑化というのは都市では緑化をするスペースがない。しかし、そこで新たに緑を確保するのにはこうした工夫をしなければもはや密集市街地では無理だ。決して地上の緑の代替物ではなくて、新たに緑を獲得する、確保するための技術的な手法なのだというように、大地で緑が取れないから、その部分を屋上で取って、それを大地の緑と同じようにカウントをするという考え方を私はとらないというふうに申し上げたいわけです。
そのことは42ページにあります一つの屋上の例でありますけれども、その表面の放射温度を右側のレインボーカラーで示してありますけれども、赤い色が50℃を超えている。青いところが30℃付近であるというように、構造物と緑とではかなり温度差があるということ。それから屋上面であってもウッドデッキを使えばかなり温度が高くなるし、また芝生と樹木でも表面温度が違うということがお分かりいただけるかと思います。ですから、屋上緑化に、ただ単にヒートアイランドの緩和であるとか、あるいは環境緩和機能であるとかということを単純に追い求めても、こうした複雑な環境機能を持っておりますから、屋上緑化に多大な期待をするということは、少なくとも工場緑化にあってはあまり考えない方がいい、むしろプラスアルファ位いに考えておいた方がいいというのが私の考えです。
その次、43ページはビオトープです。環境教育施設として活用するという意味でこれから期待される緑の施設です。実際に工場などでもビオトープを取り入れることが積極的に行われているようです。しかし、植物、生物の構成をどうするか、あるいはそれをどのような場所に置くかということで工場の緑として意味を持つかというのは更に検討課題であろうかと思います。この写真はエコロジカルデザインとアメニティデザインが見事に調和したパリの中心市街地にあるビオトープの例です。日本のビオトープと違ってアメニティデザインが物の見事に完成されている。こういう例ですと、やはり緑としてカウントしていいのかな、それに対して日本の工場緑化のビオトープは、もう少し工夫が必要なのかなというふうに思います。
44ページはそのことを申し上げておりまして、工場という個別的な性格を有する施設性、都市内の、あるいは地域内に存在するという一体的な性格を有する空間性の存在をどのように考えるかということになりますと、工場緑化も地域計画、都市計画、施設計画という様々な側面を持っているということがこの絵からも推察されます。内陸型の工場もありますし、臨海型の工場もありますけれども、都市全体の緑と一体になって考えられているということであります。
45ページにはそのことが少し解説的に書いてあります。公園のように美しく地域社会に開放的でそうした環境、景観を保つために高度に規制された工業団地のようないわゆるインダストリアルパーク、そういうものから環境負荷による悪影響を拡散させないための区切りとして帯状に設けられる地域内予防施設としての緩衝緑地があります。インダストリアルパークの方は開発整備事業の一つであり、後者は土地利用計画の一つというふうに考えられます。日本ではこの緩衝緑地は皆様方良くご存じのように公害防止事業団法において共同福利施設として1965年、昭和40年に規定されたものでありまして、昭和46年、1971年には都市公園体系の中に公害対策緑地として緩衝緑地が位置付けられました。また1974年、昭和49年の都市緑地保全法では無秩序な市街化の防止、公害または災害防止のために必要な遮断地帯、緩衝地帯を都市緑地保全地区として定めることが出来るようになったということで、1976年、昭和51年の改正都市公園法の兼用工作物の規定によれば、道路環境施設帯と一体となった緑地の配置と管理が可能になったということで、道路と公園が共同して道路公害の防止や緩和に資するというふうな緑地を造成することが可能になったということであります。ですから、工場緑化も更に地域の施設、都市の施設として幅広く考える必要があるのではないかと思います。このことを進めていきますと、工場立地にあっては出来る範囲内で適当に緑化すればいいという問題ではなくて、環境修復という積極的な役割が期待されているということになるかと思います。
その次の46ページをご覧いただきたいと思いますが、これは工場の例ではなくてダムの例であります。ここではミティゲーションの考え方が示されております。ダムをつくるときに周辺に対する環境影響があります。これをどのように回避するか、あるいは最小化するか、あるいは修正、軽減するか、あるいは代替え処置、代償措置を設けるか、様々な考え方でこの環境負荷、あるいは施設の影響を少なくする工夫がされているということであります。これを読み替えますと、工場立地の変更による環境影響の回避、工場の規模の変更による環境影響の最小化、以前の立地条件の復元、あるいは創出による環境影響の修正、軽減、あるいは失われた立地、自然地域の代替地を用意するという代替というようなことも考えられるわけです。
ですから、緑化の関係でこれを更に読み替えれば、適地選定による緑の減少の回避、建物の規模や位置の変更による緑の減少の最小化、あるいは緑地量を最大にする規模や位置の検討も図る。それから、緑化基盤の造成や改良による緑量の増大、あるいは緑の質の向上、他の工場との緑化量の取引、あるいは自社による緑の代替地の確保、あるいは冠緑地と言うのでしょうか、工場の名前、企業の名前をつけた「○○緑地」を新たに造成するというようなことまで含まれるということでありまして、決して工場緑化というのは敷地内に緑化をすればいいという話ではないということを、私は工場緑化のことを広く考えておきたいと思います。工場内に緑があるから都市には緑は要らないということには絶対になりません。逆に言えば、都市に緑があるから工場に緑は必要ないと言う人もいないと思います。
しかし、ではどのくらいの緑の量があればということを最後に申し上げたいと思います。48ページ、49ページのグラフであります。これはたまたま福岡市の例を引用させていただいておりますけれども、48ページは市内の幾つかのポイントで半径20mの範囲の緑被率を調べ上げて、そこの場所の気温との関連性を分析した例であります。左は夏の午前7時から9時のグラフで、緑被率が増えてまいりますと気温は低下する。右は午前11時から14時の間です。これも緑被率が増加しますと32度前後から30度へと低下しております。緑が多ければいわゆる暑熱環境は緩和されますけれども、しかしどのくらいあれば十分かというのはこのグラフからは読み取ることはできません。人間が涼しくなったと感じる、あるいはひどく暑くないと感じるのはどのくらいか、これは人によって様々だと思いますけれども、1度位い下がりますと何となく涼しくなったというふうに感じるものだという説があります。その説を採用しますと、60%位いの緑被率がないと緑によって涼しくなったというふうに感じないということになるわけであります。これは理論でありますから、福岡市の市内で60%の緑被率を確保出来るかどうかということを今ここで問題にしようとしているのではありません。
49ページは環境緑視量と緑量感の関係を示したものです。ある住宅地の例で正面を向いた視野の上下、左右180度に占める緑の割合を「環境緑視量」とこの研究では呼んでいるようですが、その好ましい緑の量を100としたときの現存量を緑量感というふうに呼んでおります。横軸に環境緑視量、縦軸に緑量感というものをグラフに表したものです。一番上のグラフから横軸の環境緑視量が20%のときに緑の量は普通程度からやや多いというふうに感じられるようですし、真ん中のグラフからは、環境緑視量が20%を超えると好ましい緑の量になるようにも見えます。下のグラフは環境緑視量が20%以下では人工的な住宅地の景観であると感じるらしいということで、これも「らしい」ということです。ですから、この値を緑視率、緑被率に換算することは出来ていませんが、緑には先程から強調しているように細長い樹木から平面の芝生まであります。それが距離との関係でどのように見えるのかというふうに考えてみますと、複雑でとても適切な緑量というものを出すことは出来ないということになるわけです。
ですから、一番最後の50ページですけれども、工場緑化で工場敷地の周辺の状況の違い、すなわち立地の違いによってこういう数字を決める、細かく変えるということは、確かに立地条件を勘案するということでは、先程私は意味があるというふうに申し上げましたけれども、必要な緑量、緑被率、あるいは緑視量ということを考えてみますと、このきめ細かな数字がどの程度意味を持っているのかということは私には全く説明することが出来ません。更に、一番右の欄にありますように、10%以下、15%以下、あるいはその右側にゼロがあるということをお示ししますと、工場緑化はゼロでも良いという表にするということは私は全く賛成出来ないということを結論として申し上げて私のお話を終わらせていただきます。
どうもご清聴ありがとうございました。

和田委員長
どうもありがとうございました。大変貴重なおもしろいお話を承ったと思います。それでは、いろいろとご質問もあるかと思いますが、ご質問、ご意見、コメントをいただければと思います。

下村委員
では、まず質問をさせていただきたいと思うのですけれども、事例として挙げていただいた32ページ、あるいは33ページ、34ページあたりの壁面の緑化パネルを使った例についてです。いろいろな事例が出てきたなと思って見せていただいているのですが、これが例えば33ページの例でいうと何年目位いの例で、また管理という点で言うと、どういう管理をどんなふうになさっているのかを教えてください。取り替えたり、日常的な管理もあるでしょうし、ある状況になったらこれをバサッと取り替えるということもあるかもしれませんが、そういう点をご教示ください。

輿水肇氏
33ページの例は、出来て2年経ったかどうかというくらいです。通常の管理は、窓拭きをやるときにご存じのように上からぶら下がってきますから、それと同時に枯れた葉を取ったり、あるいは著しく枯れた場合にはそこに補植するということをやっているという話を聞きましたけれども、実際にこの例ではまだあまりやられていないなという感じを現場で私は確認いたしました。
もっと長期間見たときにどう管理するのかということは課題だと思います。日本の壁面緑化と違って様々な植物、沢山の種類を使っておりますから、これはおそらく相当難しい管理になるのかと思いますけれども、これを行った方はそれが好きであまり苦にしていないような感じです。植物が好きだからやっているということです。ですから、こういう緑化をしますと管理が大変でしょうということを言われるけれども、私は別にそんなに嫌いではないから、おもしろく楽しくやっていますよという話を聞きました。
それから、35ページの例は、これは壁面と窓の間に管理用通路がありまして、そこを人が歩けるようになっています。それで日常的に割と楽に管理が出来るということです。
34ページの例は、これは自動灌水になっていますから、水遣りに関しては全く人手がかからなくて済むという様々な工夫がされている。ケース・バイ・ケースであるというふうにご覧いただければと思います。

土屋委員
最後の49ページあたりで、人が感じる感覚ではあるけれどもということで、例えば住宅地というような考え方で見ればいいのかもしれませんが、20%程度というのが一つこういう形で表れるというお話があったのですけれども、生活空間という考え方から言えば、確かにこういうことで20%もあれば、あるいは目の前にすぐ緑があってという感覚は分かるのですけれども、生産現場である工場というところで考えたときに、同じ緑の量を求めるという考え方が本当に妥当なのかなと。ある部分、そこは建設現場であったり何なりということに近いのかもしれませんけれども、やはりそこの中に機械だけしかないような工場の中で1日過ごすケースもあるわけですけれども、確かに癒しの空間として目が休まるようなものがあるという状況は分かると思うのですけれども、本当に生活空間と同義で工場にもそれだけの緑の量を確保するのかなというところを、ちょっと私としてはもっと違ってもいいのではないかという感覚なのですけれども。

輿水肇氏
緑化センターのレポートを引用させていただきましたニューファクトリーの事例で、例えば22ページに工場の緑の役割が掲げてありますし、また29ページには緑の様々な緑化手法があって、様々な目的があるというふうに書いてあります。ですから、それぞれの目的に対してこれを達成するにはどのくらいの緑量があればいいかというのは、それぞれの専門家が考える話であって、ただ単に緑は快適環境をつくるという話だけではないだろう、様々な役割があるわけですから、それぞれの役割を発揮出来るような、あるいはその工場にとって最も必要な最も主要な役割を発揮出来るような工夫があっていいだろうというのが私の考え方で、特段何%でなければいけないという数字にこだわる考え方はどうなのかあまりよく分からないというのが正直なところでして、例えば住宅地の場合でも、20%あっても多いと言う人もいれば少ないと言う人もいて様々なのです。
例えば、新宿区の例を話しますと、17%しかないのです。でも、新宿区の方にアンケートを取りますと、半分位いの方が割と良い環境で住み続けたいなどということをおっしゃるのです。鎌倉市は42%位いあるのですけれども、まだ足りない、木1本たりとも切ってはいけないということを鎌倉市民はおっしゃる。人によって随分緑に対する見方が違うということです。
ですから、どうでもいいということを申し上げているのではなくて、その位い受け止め方は人によって違うわけですから、工場で仕事をされている方がどう思われているかというのは私は調べた経験はございませんけれども、いろいろな考え方があるのではないかというふうに私は思っております。

土屋委員
もう一つ、先生は例えば壁面緑化だとか六本木ヒルズの例などで、いわゆる視覚的に訴える緑というお話をされていたのですけれども、実際に今の工場立地法というのは面積で話をするところがあります。そこは先生のお考えだと、例えば生活空間にしろ、作業空間にしろ、やはり視覚的に訴える量が多いということが一つの基本になるのでしょうか。

輿水肇氏
私はそうだと思っています。それをどのような手法で確保するかはいろいろな工夫がありますよという事例を、今日出させていただきました。

塩崎委員
優れたいろいろな工場の例とか、緑の考え方に対してご説明ありがとうございました。
私ども、非常に、日頃苦労しておりますのは、先生のご説明の中にありましたように、生産効率を優先して、景観とか、そういうものに対する工夫が足りないのではないか、こういうご指摘なのですけれども、確かに企業としては生産効率も上げなければいけないし、またこういう要求にも応えなければいけないということで、大変な苦労をしているわけでございます。工場の存在意義そのものは生産効率を上げ、そこで利益を上げて、その利益を社会に還元するというのが非常に大きな意味があると私共は考えているのです。この生産効率と緑のバランスという意味で先生に何かお考えがありましたらお聞かせ願いたいと思います。

輿水肇氏
私は生産効率と緑というものを横並びで考える立場を取っておりません。ですから、緑化をすると生産効率は落ちるというふうに私は考えておりません。総合的に考えるという立場を取っております。ですから、例えば、工場のことは私は本当はあまりよく存じていないのですけれども、マンションなどでも緑化をすると、その分敷地面積は減るし、売る面積は減ってしまうから損をするというようなことを言いますね。しかし、そのことが逆に不動産価値を高めている。総合的な価値は高まるから、売ったり貸したりする面積は減るかもしれないけれども、トータルとしてのインカムは全然減っていないし、また長期的に見た場合には不動産価値は落ちないということで、むしろプラスになっているというふうな考え方をすれば、緑化をすることと売ることが二律背反で、緑化をすると非効率で損をするというような考え方は私は取らない。工場についてもそうだろうと思っています。

和田委員長
少し私も先生のご意見をお伺いしたいのですが、我々の悩みは、緑化を工場に強制すべきものかどうかということが根本にありまして、今は工場立地法で工場緑化を義務付けている体制です。ただ、緑化は本来は企業が自主的に行うものであって、その工夫も企業が行うものである。ニューファクトリーの話が出ましたが、ニューファクトリーは私が通産省にいたときに始めた運動ですが、それは運動であって法律で規定したものではない。つまり、ニューファクトリー運動は、企業の意識を高めることであって、法律で義務付けるものではありませんでした。当時の状況を見ると、ニューファクトリーで緑を多くし、従業員の環境を良くしないと工場が成り立たないという状況がかなりありました。良い環境を人に提供することが良い人を採れるということもあってニューファクトリーという運動を始めたのです。
今になって見たときに、環境が変わり、人は幾らでも採れる、そのようなことをする必要はないということになって、結局企業の自主性にどこまで任せられるかにかかってくる。それでは義務付けかとなるわけですが、そこは非常に悩ましい話で、どこまで企業の自主性を重んじたら良いのかということについて何か緑地に関してご意見があったらお伺いしたいと思います。

輿水肇氏
委員長のご指摘のとおり、一番本質的な部分だと思います。これはなかなか難しいと思います。企業の性善説が前提でニューファクトリーの考え方がある。良い環境にして、生産効率も上がり、従業員の方も良い環境で仕事が出来る。そういう工場を目指すのだという、これは確かにその通りだと思います。その一環として例えば緑化があるということだろうと思います。先程の塩崎委員の緑化と効率というものが矛盾するではないかというご指摘はよく分かるのです。でも、私はそういう立場は取らないということを申したのですけれども、やはり現実にはそうだよということも良く分かります。
ですから、こういうことなのではないでしょうか。前の公害工場のようなイメージがまだ根強くあって、工場というのは公害を出す。だから、原因者負担の原則で緑化を義務付けるという昔の考え方。そうではないと、もう少し地域でそういう生産活動、収益事業をやっているのだから、受益者負担ということも少し視野に入れながら、そこで儲けているのだから、その分地域に還元する。ですから、緑化という一つの形でそれを表現するというふうに考えれば受益者負担ということで民有地、民有施設であっても、やはりそれなりの社会的な義務、責任を負うのだというのは、憲法上これは矛盾しないのですね。ですから、民有地の緑化も日本国憲法が保障している所有権なり、最も強い権利なのでしょうけれども、緑化を義務付けるということは憲法上矛盾しないというふうになっているわけです。ですから、もちろん憲法論を持ち出すことはないとは思いますけれども、私は民有地に対して、民間施設に対してある程度の緑化を義務付けるといいましょうか、お願いをするということは、決して根拠がない話ではないだろうと思います。
ただ、現実にはそんな理想論的な話ばかりではなくて、これは東京都の例ですけれども、敷地の20%を緑化しなさいというような条例をつくりました。それに違反したら罰金だと、これはものすごい大変なことなのです。緑化の政策で罰金まで言い出したのは初めてです。その罰金の金額は20万円なのですが、結果的にどういうことがあったかというと、私は20万円払いますから緑化しませんという企業が一杯出てきてしまったのです。現実というのはそういうものなのです。ですから、義務化して罰金まで課しても、結局緑化ということをしない人もいるわけですから、むしろお願いをして理解してもらって柔らかくしてやる方がいいのだという考え方もある。
ですから、委員長が言われたニューファクトリーの理念、理想を十分浸透させ、そして企業が自ら進んで緑化しようという気持ちになることが本当だろう、本質だろうと思いますけれども、それではなかなか出来ないから、一方でまた義務化をしなければいけないというような考え方があって、なかなか悩ましいところだろうというふうに私は思っております。

和田委員長
結局、工場立地法で緑化を規定する。当時、工場は汚染源、環境を破壊するものであり、それに対して何か実施しないといけないということで義務付けが可能だったわけです。だだ、今先生がおっしゃったように、国民的な運動として広めていかないとだめだし、意識改革をしないとだめだし、そういうことを常に努力することが必要なのだろうと思うのですが、なかなかそこをどう上手く組み立てていくかは難しい問題です。

半田委員
今日は「緑の質」が非常に重要だという話がありました。「緑の量」を確保するのでさえこの小委員会で私はいつも苦労しているので、今日の先生のお話は、我が意を得たりということでありました。
それから、「緑の質」を高めていくという情報がどういう形で伝わっているのか、あるいは伝えようとしているのかなといつも疑問に思っています。工場立地法の解説というのは世の中に出ているのですけれども、更に良い工場にするにはどうしたらいいのかということに関する情報の伝わり方がまだ足りないのではないかと思っています。それをコメントしておきます。

和田委員長
法律で決めるというよりは、何か別の動きをしないといけないということかもしれません。それを法律に書くかどうかはまた別の話ですが。

前田委員
先生に確認させていただきたいのですが、27ページのところで区画整理というか、再開発の事例を挙げておられましたが、工場立地法は個々の工場の敷地を対象にして考えているのですが、そこの部分でかなり難しい部分が出てきていることも事実だと思っております。先生のご提案でいくと、一つの一団地といいますか、塊といいますか、そういった考え方というのはやはり今後入れていかないと、個々の敷地だけでの議論というのは難しいというふうな主張でございますでしょうか。

輿水肇氏
おっしゃる通りです。日本はもう過密で人口が多いから何も出来ないのだというのが通念としてあるようですけれども、私はそうではなくて、それは敷地主義の呪縛から逃れられていない、敷地第一主義になっている、なり過ぎているということだと思います。それは住宅地の場合でも工場でも、あるいはオフィスビルでも全く同じでして、敷地主義からそろそろ抜け出さないと何も良いことになっていかないだろうということで、こういう一団地の、あるいは地区、地域の、あるいは都市のというような視点ももっと入れていかないと、敷地主義では何も解決出来ないということを日頃感じていたものですから、この27ページの前田委員のご指摘の点、その通りです。一団地で考えようということです。

和田委員長
今日は大変貴重なお話をありがとうございました。
それでは、次に足達さんの方からお話を承りたいと思います。

工場立地法のあり方に関する関係者ヒアリング(2)(株)日本総合研究所

足達英一郎氏
日本総合研究所の足達でございます。貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。
私の方からは「環境経営の動向から見た工場立地法」というタイトルで、もう少し企業経営全体の観点、あるいは今の環境政策の考え方等からお話を申し上げたいと思っております。
最初に、2ページのところで私の日常しております仕事の紹介を少し入れておりますけれども、私どもの株式会社日本総合研究所は三井住友フィナンシャルグループの傘下にございます民間の調査研究機関でございます。
私自身の仕事は、実は1999年からエコファンドという金融商品がございますが、このエコファンドのための企業情報の提供を日常の仕事としている人間でございます。このエコファンド、皆さんお耳にされたことはないかもしれませんけれども、要は、環境保全対策の取り組みの進んだ企業というものを選び出しまして、そこに投資をしていこうという投資信託でございます。99年から日本ではこういう金融商品が世の中に出てまいりまして、現在までのところ、約30位の投資信託が何らかの形でこの環境保全の取り組みというものを折り込んで、運用の銘柄選定に使っております。残高が一口で4,000億円ほどの残高になっております。
より具体的に私の仕事を申し上げますと、上場企業2,000社を対象に調査をしてまいりますが、現状では約400の企業からお願いをした調査票を回収いたします。それから、調査票回答にご協力いただけない企業の場合にも、今700~800社位いが環境報告書でありますとか、サスティナビリティレポートという、そういう報告書を世の中に出しておられるかと思いますが、そういう報告書などを分析をさせていただいて、一定数の企業群を金融機関にいるファンドマネージャーというところに情報提供していく、こういう仕事をしておるところでございます。
このエコファンドでありますとか、社会的責任投資などと言われますけれども、このような金融商品が持っております意義というものを、今、和田委員長がおっしゃったまさにそのことに即して申し上げますと、今、企業はもちろん環境保全の取り組みをしつつも、激烈なグローバル競争の中で生き残りをかけて活動をしているわけでございまして、環境保全の取り組み、もちろん健康被害を与えるような取り組みというのは、これは規制によって、法律によって企業の行動を縛っていかなければいけないということなのだろうと思いますけれども、健康被害に直接的につながる話ではないが、しかし、企業により取り組みを進めてもらいたい、やっていただくことがありがたい部分というのはむしろ経済メカニズムの中でその企業を応援していくというような仕組みがつくれないかという着想がございます。例えばグリーンコンシューマというような考え方はその一つの考え方だと思いますし、同じような考え方を金融商品に応用したのがこのエコファンドだと考えていただければ結構かと思います。
欧州あたりでは「ハードロー」と「ソフトロー」という言い方を使ってこの2つを峻別をしておるようでございますけれども、このエコファンドについても、実は今日、環境省の方もお見えでございますが、環境政策の一環としてバックアップをいただいているところでございまして、昨年3月に閣議決定をされております環境基本計画の中で、「エコ/SRIファンドの設定数、純資産残高及びその割合」を政策評価のベンチマークにしていくということも、盛り込みをしていただいているところでございます。義務化ではないところで、しかし企業の取り組みを応援していく。こういう意義を持っているのではないのかなというふうに私は考えております。
ただ、4,000億円という資産規模は日本全体の投資信託の市場のまだ0.4%位いでございまして、これは力を持っているかというと全くそういうことはございません。今日はこんな観点から仕事をしております人間の、私論でございますけれども、意見を聞いていただければというふうに思うところでございます。
3ページ目のところに、私が理解をいたしました工場立地法の発想ということで書かせていただきました。法文の中に「工場と周辺の生活環境との調和を保つ」という、この法律の目的が明記をされているわけでございます。これも先程来議論が出ておりますけれども、過去、この法律が制定された当時は、工場は公害の元凶であると、こういう考え方であったのだろうと思いますし、規模の大きな工場ほど環境負荷が大きいという、こういう理屈が多分成り立っていたのだろうと思います。そこで考えられる環境負荷は、「典型7公害」と言われているような大気汚染、水質汚濁、土壌汚染等々、こういう前提の中で生まれてきたのが工場立地法だろう。その結果、規模の大きな工場ほど「空地」とここでは書きましたけれども、先程の言い方を借りれば非建蔽空間というものや緑地を設けることで周辺への環境負荷の影響を軽減出来るのだ、こういう考え方に立脚をしている法律であろうというふうに私は理解をさせていただきました。
さて、時代の変化というものを考えてまいりますと、4ページ目になりますけれども、大気汚染、水質汚濁等々のいわゆる典型7公害というものの環境影響は、これは若干乱暴な言い方に過ぎるかもしれませんけれども、軽微になってきているということがおしなべては言えるのではないかと思います。数年前に土壌汚染対策防止法も出来まして、この典型7公害に対する個別の環境法令というものは整備がされましたし、その効果も上がってきております。同時に、産業構造の変化で、負荷を非常に与えるような製品づくりがなくなってきたとか、あるいは物のつくり方自体が変わってきた、技術革新で環境汚染の原因自体がなくなってきているという、こういう傾向も包括的に見れば指摘が出来るのではないかというふうに感じているところでございます。
大企業を中心にということは申し上げなければいけませんけれども、従来の公害対策には一応の目途がついたのだというふうに考えてもよろしいのではないかと思っております。もちろん、物流の話でありますとか、附帯的な工場の外にある部分での環境負荷でまだまだ解決していかなければいけない問題はありますけれども、過去に比べればということで申し上げると、一応の目途がついたということが言えるのではないかと考えております。
5ページ目の資料は、私どもの調査結果でございます。8年間、この調査を毎年やっておるのでございますけれども、昨年、2006年の調査で、私も驚きでありました。環境マネジメントシステムというものをどこまで各企業で導入をされておられますかということを伺った設問でございます。ご覧いただきますと、電気機器、化学、建設、金属を含めて、多くの製造業では今年回答が100%、これはISO14001に必ずしも限りませんけれども、環境マネジメントシステムをきちんと社会に入れられているという企業は100%に到達をいたしました。これも若干割り引いて考えていただきたいのは、環境の取り組みに進んだ企業だから2,000社調査票を出して361社回答をいただけるというところも割り引いては考えていただきたいのですけれども、先頭グループの企業というのは、ほぼこういう部分の取り組みが完了されている。見ていただきますと、金融とかサービス、情報通信という非製造業はまだまだ改善の余地があるわけでありますけれども、製造業はおしなべて一定の対応をされているということが言えるのではないかというふうに思っております。
その上でなのですけれども、一方で環境問題ということの質が変わってきているということを今日は申し上げたいと思うわけでございます。それはすなわち温暖化という非常に厄介な環境問題が我々の目の前に現れてきているということでございます。
つい先だって、4月5日、IPCCという気候変動に関する政府間パネルの第4次の評価報告、第2作業部会というところで「温暖化が社会、あるいは自然環境にどういう影響を与えるか」という分析を進めております。そのレポートが発表されましたけれども、過去は「温暖化の影響というのが必ずしも自然環境に影響を与えるかどうかは分からないのだ」、「まだ科学的に立証されていない」というような、そういう言説もありましたけれども、今回のレポートを見ますと、物理的環境については765の観測のうち94%で明らかに地球の自然環境が温暖化の影響を受けているという報告になっておりますし、生物環境についても、90%の影響があるのだということが言われております。今回の報告書の中に掲げられました確実な変化という事項を転記させていただきましたけれども、自然環境そのものの影響と、更には下の方になりますと、熱波による死亡とか媒介生物による感染症リスクといったような部分については、これはもう社会そのものに対する影響というものも非常に懸念されるということだろうと思います。食物についても、平均気温が1度から3度まで上昇している間は世界的に食糧の増産に寄与するという考え方もあるのですけれども、それ以上超えると食糧生産自体も減少していく、こういう非常にショッキングな分析結果になっているわけでございます。
そうしますと、7ページ目のところなのですけれども、この観点から、つまり温暖化防止という観点から工場立地法を見ると何が見えてくるかということでございまして、一つ目は、いわゆる非建蔽空間について規定をされているわけですけれども、規模の大きな工場ほど環境負荷が大きいとは必ずしも言えない、こういうことを私はまず申し上げたいと思うのです。むしろ、各社の省エネ努力に大きな差異があるということでございます。
8ページ目の方を先に見ていただきたいと思うのでございますけれども、一つの事例としてキヤノンの事例をご紹介したいというふうに思います。キヤノンはセル生産方式という生産方式を98年末位いから導入をされました。いわゆる従来の工場でイメージされるベルトコンベア方式というものをやめて、作業工の方が立っておられるその周りに一連の部品でありますとか工具を全部集めて、その方が、分かり易く言えば1から10までつくる、こういう考え方をする生産方式でございます。これによってキヤノンは3,000億円以上の在庫を圧縮し、東京ドーム18個分の工場床面積を節約し、現場作業員ものべ2万2,000人削減が出来たということで、一つのビジネスケースとしてよく登場してくるわけでございます。売上高原価率も10ポイント以上改善したということが報告をされております。
今日の脈絡から、同時に追加して申し上げたいことは、この取り組みが同時に温暖化防止にもつながったということでございまして、要はベルトコンベアをなくします。それから、床面積が減りますので空調に関わるエネルギー消費も減りますということで、温暖化という観点から見た環境負荷はうんと減ったということなのですね。98年からの累積で5万4,600トン削減、2002年のキヤノングループの炭酸ガス排出の約9%を減らせたのだと、こういうことが報告をされております。
このことは温暖化防止という観点から見れば、もはや工場の面積というものは環境負荷と比例関係にはないのだということを意味している事例ではないのかなというふうに思うわけでございます。現在でもグループのキヤノン電子では述べ床面積原単位というものを指標とした二酸化炭素排出削減に取り組んでおられまして、2000年対比、2005年で8.6%の改善の実績を上げておられる。このことも意味するところは、同じ面積でも工夫をして環境負荷を減らすことが出来る。そのことに挑戦をしようということですから、大きな工場ほどそれに比例して自動的に環境負荷が大きくなるということではないのだ。温暖化に関して言えばですね。そういうことを申し上げることが出来るのだろうと思っております。
1ページ戻っていただきまして、もう一つの工場立地法の規定をしております緑地に関することなのですけれども、ここの部分というのは温暖化防止という新しい視点から見ても企業にも緑地を増やすということは大いに期待をされているということは継続して申し上げられる部分だろうと思います。
ただ、そのやり方ということで見ますと、9ページ目を見ていただきたいのですが、昨今の考え方というのは工場敷地内の緑化ということよりも、むしろ私はもう少しマスの森林整備というところに企業の関心が向いているというふうに全体の趨勢を捉えております。例えば、ここでNTTドコモの事例をご紹介をいたしましたけれども、林野庁の進めておられる「法人の森林」制度を利用されまして、海外を含めて植林、あるいは森林の整備にお金を支出されておられます。現在で野球グラウンド87個分の実績をこの2007年3月現在で持っておられまして、2012年までには47都道府県全ててに「ドコモの森」というものを設置するのだ、こういうことを表明されておられます。
更にグローバルに物を考えている企業もおられまして、例えば半導体関連のロームでありますけれども、オーストラリアで植林をやっておられる。ユーカリ植林をやっておられるということで、「ロームの森」と名付けられた植林も2008年までに東京ドーム210個分の植林をやっていく、こういう表明をされておられるわけでございます。
温暖化対策という観点から見ますとその投資対効果、ここで投資対効果ということを持ち出しますと、先程輿水先生がおっしゃった「緑のない工場で従業員を働かせるのか」ということに若干齟齬もあるのですけれども、投資対効果ということで言えば、やはりこういう緑化の仕方ということの方が効率的であることは事実だろうと思うわけでございまして、時代背景から考えていきますと、こういうものも企業の緑化の取り組みの一つとして位置付けを図っていくべきだろうと思いますし、評価をしてくべきだろうと私は考えております。
それから、緑化につきましてはもう一つ、生物多様性国家戦略という大きな柱がございます。これも環境省の方がお見えなので私が申し上げるような話でもないのですけれども、現在、新しい生物多様性国家戦略の策定が進んでいるところでございますけれども、国際的な合意で申し上げますと、昨年3月の生物多様性条約の締約国会議で、企業部門の役割というのが非常に大きくクローズアップをされました。企業部門がその活動が生物に重大な影響を与えているものの、貢献が少ないということでございまして、地球上の多様な生物、その生息環境と共に保全する形に企業行動を持っていかなければいけない、こういう方向性も出ているところでございます。こういう観点も考えますと、企業の緑化への取り組みというのは今後も変わることがなく、また強化をされていくべきだろうというふうには考えております。
その上で、まとめを11ページにさせていただきました。従いまして、第1項と第2項では少し私のスタンスはそれぞれ異なっております。
まず工場立地法の中での敷地面積に対する生産設備の面積割合の上限規制については、私は時代の状況と齟齬を来している部分は確かにあるのではないかということで、これは緩和の方向に物を考えても良いのではないかというふうに思います。ただし、産業事故対策という新たなポイントがあるわけでございます。これは昨今、グローバル競争の中で企業に相当無理がかかっているというところも一面であるわけでございまして、その観点で一定の空地、非建蔽面積を確保しておくということは、これはまたその観点からは重要であろうというふうにも思います。そこで各保安法などでこの空地規制と言いますか、非建蔽規制というのは継承していく方向に道筋をつけていかれるべきではないのかというのが私のこの部分での意見でございます。
それから、もう一つの敷地面積に対する緑化面積の割合の下限規制でありますけれども、これは今申し上げましたように理由は変化したかもしれないけれども、その意義は残されている。すなわち、温暖化対策という意味でこの意義付けは残されているのではないかというふうに思います。ただ、先程来申し上げておりますように、企業の今の環境経営のやり方を見ておりますと、既にある森林の整備であるとか、大規模な空間での植林であるとか、それは海外に及んでいるというところもありますので、ここではある程度の規制付けを行った上でミティゲーションという、先程輿水先生も出しておられましたけれども、工場敷地内で仮に実現が出来なかったとしても、それをどこか別のところで代替をする、こういう考え方を積極的に導入をしていくということが良いのではないかというふうに思います。このバウンダリーをどこにするのか。例えば工場団地にするのか、一番極端に言えば海外の植林まで認めてしまうという点はまちづくりの観点、あるいは今後の地方分権、自治体の皆さんの考え方というものを取り入れる形でそのバウンダリーを設定するという形での地域、地域に応じた特性付けというのをされていかれるのが良いのではないかというふうに考えます。
更にもう一つ、ここにはあえて些細なことなので書きませんでしたけれども、私どものようなそういうエコファンドの仕事をしております者から言えば、今の企業の評価基準の中に自然環境への配慮という基準は設けておりまして、先程の植林の話ですとか、ビオトープの話ですとかという、そういう取り組みをされておられる企業はポジティブに評価するということをしております。そこで工場立地法の中で緑被率の数値自体を公開することを義務付けていただく、その率自体を厳しく義務付けるのではなくて、その成果を公開していただくことを義務付けていただく、こういう制度を導入していただければ私どもとしては、どの企業が取り組みの進んでおられる企業なのかということの把握がし易くなる。欧州の例などを見ましても、取り組みそのものを規制するのではなくて、その情報開示を制度化するという形で、あとはその評価はマーケットに委ねるというようなことがよく行われます。また今回、温対法の改正で大規模にエネルギーを使う工場の排出量というのも国への登録制度が始まって情報開示がされるということになっておりますけれども、同じような考え方がこの緑化についても制度的に実現すれば、私どもの仕事としては非常に使い勝手が良くなるということも申し添えさせていただきたいと思います。
大変簡単になりましたけれども、以上でございます。ありがとうございました。

和田委員長
どうもありがとうございました。非常にいろいろなことを考えさせられるお話だったと思います。ご質問、あるいはコメントがありましたらどうぞ。

下村委員
一つお伺いしたい件がございます。私も工場立地法が持っている意味合いというのは変わってきたという最初の前提は同感でございます。それで今後、工場の評価、環境に対する様々な配慮全体をどう評価するかという形で、最後に情報開示というようなことでお話がありましたけれども、その中の一つとして緑地の問題などもあると思います。最近、環境の問題が複雑になってきて、今日も端的に温暖化の話、あるいは生物多様性の話をされましたけれども、結局、環境を考えるときの規模の問題が違っていると思います。企業の環境配慮を幾つか項目別にして評価をしようとするときにかなり性格の違ったものが混じってくる。その一番大きな差が、水とか、あるいは緑地の提供などにしても、かなり地域に対しての環境配慮なのですが、温暖化とか、あるいは生物多様性の話になると、今度は非常に抽象的な環境で、スケール的には地球環境という話になります。そこがだいぶ違うように思うのですが、評価ということを考えるときに、差異というか、分け方とか、何かそういうことについてお考えがあればお聞かせ願いたいと思うのですけれども。

足達英一郎氏
これは私論として聞いていただきたいと思うのでございますけれども、環境対策を考えていくときに、やはり先進国と途上国の問題というのを抜きには考えられないと思うのですね。日本はこの工場立地法ができた40年代ですか、そこから考えても、ここまで経済成長をし、そして激甚な健康被害を克服し、やってきたわけであります。しかし、途上国に行けばまだまだそれと同質、あるいはそれ以上の問題が存在しているということが現実としてあるわけで、これも不遜な言い方になってはいけないのですけれども、やはり先進国の責任と言いますか、経済的に成長を遂げた国、あるいは国民の責任というものを従来以上に考えていかなければいけない。これは根本のところにある一番根っこの考え方になってこようかと思います。私も大げさに言うつもりはありませんけれども、地域の問題なり、ローカルな問題とグローバルな問題のトレードオフで悩んだときには、常に優先順位を考えるようにしております。
それからもう一つあえて付け加えるとすれば、時代と言いますか、世代間のトレードオフというのがこの地球環境問題では明らかに起こっているわけでございまして、緑被率というようなことを言いますけれども、今生活している人が緑を見て綺麗だな、あるいは過ごし易いなと思うベネフィットというのはもちろんあるわけでありますけれども、将来の例えば100年後の世代が温暖化で、例えば海岸がどんどん浸食されて自分の資産、土地が、仮にそこに土地を持っていれば海の中に沈んでしまうというその負のベネフィットというようなものを想像して、やはり比較をして考えていかざるを得ないのだろうというところが拠り所の二つ目でございます。もちろん地域、地域で緑の保全に取り組んでおられる方、あるいは現状の生活環境を大事にしようということで取り組んでおられる方の活動を否定するつもりは全くないのでありますけれども、従って、どちらかと言えばローカルな問題というよりも、時代は地球環境問題のことにより多くのエネルギーや労力を割くというふうな時代になってきているのだろうなと、私はこういうふうに認識をしております。

下村委員
今の問題で、工場の問題を考えるときに私も非常に難しいと思うのは、結局工場の規模というか、会社の事業規模のようなものとそういうものが関連しているのではないかということもあるのですね。結局、抽象的な環境の問題とか地球環境の問題を考えるときには、当然、億とか、大きなお金の問題に換算したときに非常に意義がありますけれども、やはり小さいところであれば、そういう問題よりも、やはり地域の問題として考えていく方が実感出来るなということもあります。工場とか事業の規模という問題が、こういう問題には絡んでいるのではないかと思うのですが。

足達英一郎氏
おっしゃる通りです。

下村委員
その点はいかがでしょうか。

足達英一郎氏
これは私の理解が間違っていなければですけれども、現状の工場立地法はどちらかと言えば大規模工場に一つの網をかけるという政策であるというふうに理解をしております。従って、今日申し上げたような点について、確かに小規模、中小・中堅企業の皆さんにとってはそんなことまで考えられないよということは当然あります。これまでの規制緩和を含めて、徐々にこの工場立地法の網は薄まってきているのだろうというふうに理解をして、今日はそこは少し切り離して考えてしまいました。あくまでも大企業にターゲットを絞ったときにという限定付きで話すべきだというご指摘、それはその通りだと思います。
ただ、中小企業でも、実はグリーン調達とかそういう世界がものすごくこれは広まってきておりまして、環境対策をしていないところとは取引をしないという、これはもうマーケットメカニズムの中で川上の、これも良いことかどうかというのは若干議論もありますけれども、大企業からのプレッシャーというのが相当程度やはり中小企業にも及んできているということも、昨今の変化としては見逃すべきではないと思います。

塩崎委員
時代の変化の観察、あるいは直近の問題であります温暖化の問題、これに対する日本、あるいは企業の貢献のあり方ということで非常に有益な話をありがとうございました。
最後にまとめをされておるところでのお考えを聞かせていただいたら非常にありがたいと思うのですが、時代の変化として制定された以降、いろいろな環境対策によって状況はかなり変化している。更に、温暖化に対しては貢献のやり方によっては工場内だけではなくて、幅広くバウンダリーを考えて、しかし実施する場合にはやはり投資対効果を考えながらやるというお考えだと思うのです。そういうご説明の中で、最後に、2項目にまとめられております点で、緑地面積の割合の下限規制は変化したけれども、その意義は残されているのではないかということでまとめられております。どう言いますか、全般のお話は良く理解出来るのですけれども、その残された意義というのはどういうところに求められておって、どういうふうにお考えになっているのかというのを、お聞かせいただけたら非常にありがたいと思います。

足達英一郎氏
すみません。少し舌足らずで申し訳ありません。ここの意義というのも温暖化対策という意義でございます。つまり、これは緑地面積ということを全て温暖化に結び付けることはいかがかというご意見はあると思いますけれども、広い意味でのいわゆる京都議定書のいうシンクのように緑地を確保する、あるいは森林を確保することによって二酸化炭素を固定化していくというような考え方が企業の貢献の余地というところに結び付けられているというふうにお考えいただければと思います。

和田委員長
この辺で足達さんのお話を終わらせていただきたいと思います。
市場メカニズムによって緑化を進める可能性があるかどうかや、あるいは工場立地からグローバルな立地への転換であるとか、いろいろな問題提起があったと思います。また輿水先生からもいろいろなサゼッションがありまして、そのようなことも今後検討しながら我々の議論に生かしていきたいと思います。どうもありがとうございました。

工場立地法準則等告示案について

和田委員長
それでは、現在、関係省庁に協議を行っている「工場立地法の準則の告示案」について、事務局から説明をお願いします。

横田地域経済産業政策課長
昨年11月、12月とこの小委員会でご議論いただきました企業立地促進法に基づく緑地規制ですが、企業立地促進法自体は昨日、衆議院本会議を通過しておりまして、来週以降、参議院での審議といった状況になっております。そこで昨年12月13日の小委員会でおまとめいただいた新しい枠組みにおける緑地規制のあり方につきまして、法案審議中でありますけれども、なるべく法律成立後、速やかに施行していきたいため、告示の原案をつくりまして、現在、各省と調整をさせていただいているところです。
資料3-1の方からご説明をしたいと思いますが、新しい法律の枠組みの中で甲、乙、丙と3つの地域に分けまして、地域の実情に応じてフレキシブルに緑地面積規制を市町村の条例で定めるようにしようということです。
それで、丙種地域につきまして、備考のところにございますように、従来の地域準則の三種、工場専用地域のようなところについて、かつ住環境がないようなところについては、昨年12月13日には「ゼロ以上」や「ゼロ超」という議論があって、そういう案にさせていただいていたのですが、その後、実態的に市町村が条例を定めるといっても、おそらく緑地面積規制を0.3%や0.5%といった形でお決めになることはあまりないのではないか。むしろ「ゼロ超」というよりは、一定の水準があった方が設定をし易いのではないかといった内部の議論、あるいは政府内、内閣法制局などとの議論もありまして、今、各省と調整させていただいている中では「ゼロ超」からもう一段上がりまして、「1以上10未満」ということで調整をさせていただいております。
備考の方をご覧いただきますと、甲、乙、丙の地域についての考え方等についてご説明をさせていただいております。甲につきましては地域準則の第二種区域に相当する地域、乙については第三種、それから丙につきましては、第三種区域の中で一般住民の日常生活用以外の用に供されている区域ということでございます。これは昨年12月の考え方と差異はございません。備考の2の方で都市計画に定める用途地域の場合、それから備考の2の三でございますが、都市計画法上の用途地域の定めがない地域については、近隣の準工、あるいは工業地域、工専との比較の中で判断をするという考え方を示しております。
それから、四のところでありますが、これも現在の地域準則に関する地域、地区区分についても同じような記載があるのですが、訓示規定として、出来るだけ新しい基準を設定する場合には、結果として緑地の整備が進むように配慮することという規定を置いております。
それから五のところに、これは若干テクニカルな議論で昨年、市町村提案制度という流れの中でご議論いただいたときにも議論があったわけですが、その地域自体は、例えば工業専用地域で住環境はないけれども、工業専用地域に準工といったようなところが接していて、住環境がある場合、その境界の土地についてどう考えるかということで、一時期、境界の土地については住環境がある地域に接している土地とそうではない土地を少し区別して考えるべきではないかという、白抜きをした図面をお示しをしてご議論をいただいたのですが、なかなかそういう区分けをするのは難しいのではないかということで、そういう考え方はとっていないわけですが、ただ、仮に工業専用地域、丙種地域であってもそれが住環境がある土地と接している場合には緑地水準の設定に当たって一定の配慮をしようという、これは昨年12月の取りまとめのときにも入っていたものをこの準則に落としたものでございます。
それから、お手元に資料3-2を配らせていただいています。これは実は工場立地法検討小委員会で全くご議論をいただいていないのですが、先に3ページをご覧いただければと思いますが、今の工場立地法の準則に実は環境施設の配置に関するこの第4条の規定がございます。工場立地法では、一般的なルールでは環境施設は緑地20%以上、環境施設全体で25%以上を持たなくてはいけないことになっておりますが、そのうち15の部分についてはなるべく工場の周辺部に配置をするというルールになっております。
実は、地域準則でもこの25の環境施設面積率というのは最大15まで引き下げられることになっておりますので、そういった意味では15まで引き下げた場合については、その全てを周辺部に置かなくてはいけないということになっていたわけですが、今回、丙種地域についてはその15を更に10とか5といったような水準に引き下げることが出来るような形になります。そうしますと、仮に環境施設面積の水準を10に下げた場合にこの規定をそのまま残しておきますと矛盾が生じてしまうということで、基本的な考え方につきましては、従来どおり、環境施設面積の割合が少なくなった場合についてはそれを周辺部に配置することが望ましいということで、例えば環境施設面積率を10まで下げた場合にはその10全てを、あるいは5まで下げた場合には5の全てを周辺に配置する。しかも周辺に山や森や住環境などがあった場合には、なるべくその住環境との調和を勘案して配置していただく形で、この点について改正をさせていただきたいということで案をお示ししてございます。
事務局の方からのご説明は以上でございます。

和田委員長
何かご質問はございますか。
初めの資料3-1の方は、今まで「ゼロ超」という言葉遣いだったものを直したということで、これは特に問題はないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
〔「結構です」の声あり〕

和田委員長
それでは、資料3-1の各省協議案はこれで我々として了承することにします。
それから資料3-2ですが、環境施設の配置に関する規定について、矛盾を直すということで、これも特に問題はないと思うのですが、いかがでしょうか。
〔「結構です」の声あり〕

和田委員長
それでは、これも了承することにします。

当面の検討スケジュールについて

和田委員長
それでは、今後の予定について事務局の方から説明願います。

多田地域活性化企画官
次回の小委員会の日程でございますが、今程ご説明させていただきました各省協議が終わりましたら、パブリック・コメントを求める予定にしております。

横田地域経済産業政策課長
各省協議とパブリック・コメントは並行的に行うことを考えております。

多田地域活性化企画官
そのパブリック・コメントが出た後のタイミングを考えますと、来月5月の21日の週あたりに開催をさせていただければと考えておりますので、また皆様のご都合をお伺いいたしまして、日程調整をさせていただければと思っております。
その際は、資料4に書いておりますが、また自治体の関係者の方からヒアリングとしまして、今予定しておりますのが、横浜市環境創造局の方で、京浜工業地帯の中を三分割いたしまして、「京浜の森づくり事業」というものを行っておりまして、先日伺いましたら、末広地区の方でかなり効果が出ているということで、直近ですとだいたい9%まで緑化率が高まってきている。取り組みの中身を聞きますと、先程のご議論がありましたが、工場の敷地外の、例えば社有地があった場合などに、それの緑化をすることで建て替えを認めるという取り組みもされていて、横浜市が条例で決めている15%の緑地を目指そうという取り組みをされておりますので、その辺のお話をお伺いさせていただければと思っております。
更に、今後工場立地法の見直しの作業に入っていかなければなりませんが、その参考となりますアンケート調査を自治体や企業にさせていただいた結果がまとまりつつありますので、その辺の資料をご説明させていただければと思っております。以上でございます。

和田委員長
それでは、今日はこれで審議内容は終わりましたが、他に何かご意見などございますか。

半田委員
2番目の足達様のお話の中で緑地には温暖化対策としての意義があるというお話が出ました。そういう考え方を是非積極的に受け止めていただきたいと思います。それから京都議定書でいう吸収源、シンクとしての位置付けというのもあるのではないかというお話でした。まさにそういうことだと思います。都市の緑についても、議定書の3条4項でいう追加的人為的な活動の一つである「植生回復」として読めることになっています。是非その「植生回復」の中に工場緑地もカウントしていただけるように積極的に考えていただきたいということを意見として述べておきます。

閉会

和田委員長
それでは、今日はこれで終了いたします。どうもありがとうございました。

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最終更新日:2007年5月21日
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