経済産業省
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産業構造審議会地域経済産業分科会工場立地法検討小委員会(第10回)‐議事録

日時:平成19年5月30日(水曜日)10時~11時50分
場所:経済産業省別館11階第1120共用会議室

議題

  1. 今後の工場立地法のあり方に関する関係者ヒアリング
  2. 工場立地法準則等告示案のパブリック・コメントの結果について

出席者

和田委員長、太田委員、塩崎委員、土屋委員、半田委員、前田委員、森委員

議事録

開会

和田委員長
産業構造審議会地域経済産業分科会第10回工場立地法検討小委員会を開催いたします。
本日は、大西委員と下村委員がご欠席です。
今日は、自治体と専門家の方から工場立地法についての意見を伺うことにしております。横浜市の工業地帯を中心とする積極的な緑化の活動計画についてお話を伺うのと、(財)日本立地センターから工場立地法の特に立地そのものについての問題点のお話を伺うことにしております。
今日お話をいただく方を事務局からご紹介願います。

多田地域活性化企画官
それでは、本日ご説明いただきます横浜市、(財)日本立地センターの方をご紹介いたします。
初めに、横浜市環境創造局環境活動推進部長の内藤様です。同じく環境活動事業課の担当係長の小池様です。同じく環境活動事業課の園部様です。
続きまして、横浜市の取り組みにつきまして、立地関係のご質問に対応していただくため、横浜市の経済観光局の産業立地調整課長の高瀬様、同じく産業立地調整課担当係長の高橋様、同じく産業立地調整課の佐野様です。
後段でお話しいただきます、財団法人日本立地センター常務理事の德増様です。

討議

工場立地法のあり方に関する関係者ヒアリング(1)横浜市

和田委員長
それでは、早速議事に入りたいと思います。まず、横浜市の内藤様からお話を伺いたいと思います。よろしくお願いします。

内藤氏
ご紹介のありました横浜市の内藤でございます。
今日は、企業、市民、行政の協働による京浜臨海部の緑の拡充に向けた取り組み、京浜の森づくりについてということでご説明をさせていただきたいと思います。
説明はパワーポイントを使用させていただきます。お手元にはパワーポイントの印刷したものと、京浜の森づくりのパンフレットがございますので、ご参照いただきたいと思います。
まず横浜市の緑化についての緑の現状や最近の取り組みについて、ご説明申し上げたいと思います。その後、緑化の取り組みの一つであります京浜の森づくりについてという順番で説明したいと思います。
現在、横浜市では、150万本植樹行動として、市民、事業者、行政が協働して緑化を進める取り組みを行っております。その背景となります横浜の緑の現状でございますが、都市化の進展により緑総体が減り続けておりまして、最近では、緑被率に換算いたしまして、年に0.2%ずつ減少しておりまして、平成16年度には、横浜市全体の緑被率が31%まで減少しております。緑被率は、いうまでもなく、航空写真で垂直に投影いたしまして緑をカウントしているという形でございます。
市街化を抑制する調整区域、横浜市は大都市として調整区域は大変に多くとってございますが、緑被率は66%ございます。市街化区域では20%となっております。今ある緑を守って、身近な緑を増やすことが効果的だと考えておりまして、緑被率をぜひ31%のままで留めたいということを考えているわけでございます。
私どもの所属します環境創造局というのは、大変に耳慣れない名前だと思うのですけれども、平成17年4月に横浜市の大機構改革がありまして、その時に公園とか農政を担当する緑政局、それから下水道、河川を担当しております下水道局、それから環境の保全に関して様々な取り組みをしております、昔でいえば公害対策局と言っておったわけですけれども、環境保全局という3局が合同いたしまして、総職員数1,500人という大変大きな局になったわけでございます。
その環境創造局で緑の総量を維持向上していくという目的を達成するために、横浜みどりアップ計画というのを策定しておりまして、横浜市の5カ年計画の中に横浜型環境行動推進プロジェクトという形で位置づけております。
横浜みどりアップ計画の内容ですけれども、緑をつくる、緑を守る、農地を守る、という3つの柱をつくって考えてきているわけでございます。
緑をつくるでは、冒頭触れました150万本植樹等の緑化推進、それから法制度の活用、市民・事業者との協働、ここに京浜の森づくり事業は位置づけられておりますけれども、身近な水・緑環境の整備により進めてまいります。
150万本植樹行動ですけれども、これは本年の1月5日に横浜市長・中田宏が行動宣言を行っております。緑豊かな横浜をつくるために、市民、事業者、行政が協働して取り組むというものでございまして、緑を育む実践行動をライフスタイルに定着させるということが目的になっているものでございます。150万本という本数の目標を掲げておりますけれども、様々な植樹行動を通じて緑を育てることの難しさ。緑というのは長くかかって育っていくものだ。それから今ある緑をみても、どれだけの年月がかかっているか。また、育てることによって、どれだけの手間のかかるものかということを実感していただきまして、緑に対する意識も変えていっていただこうというものでございます。
その端緒といたしまして、市民の皆様方にドングリの種、これは落葉広葉樹、それから常緑樹いろいろあるわけですけれども、それを集めていただいて、昨年公募いたしましたら25万粒というドングリの粒が集まりました。それをその秋にすぐ蒔いて、今少しずつ芽を出して育っているということでございます。
本日の京浜の森づくりに関係します横浜市の緑化制度について、まず前提としてご説明しておきたいと思います。まず法制度についてですが、緑の環境をつくり育てる条例というものがございます。それから、工場立地法、横浜市工場立地法地域準則条例がセットですが、横浜市の開発事業の調整等に関する条例、風致地区条例、それから横浜市の斜面地における地下室建築物の建築及び開発の制限等に関する条例など様々な緑化制度がございます。
特に緑の環境をつくり育てる条例というのは昭和48年に制定しておりまして、総論的な、非常に概括的な緑をつくっていこうという条例にはなっているのですが、その中にも、様々な事業者の責務というものも織り込んで、今みると非常にアバウトな感じがするのですが、緑をつくって育てていこうという意気に溢れた条例でございます。
その後、いろいろな変遷がございまして、こういう開発事業の調整の条例、それから地下室建築物などが出てまいりまして、中田市長の時代になってからですが、そういう対応もしてきており、一部、緑をつくり育てる条例との役割分担もしまして、総体として緑の条例という形になってきております。
緑の環境をつくり育てる条例と工場立地法の関係についてご説明します。工場立地法では、敷地面積9,000m2以上、建築面積3,000m2以上が緑化の対象となりますけれども、横浜市の緑の環境をつくり育てる条例では、敷地面積が500m2以上から緑化を行わなければなりません。建築物は工場に限らず一般建築物も対象となります。横浜市では、都心部に緑が非常に少ないことから、条例により緑化を求めています。工場地域も例外にならず、その結果、法よりもある意味で厳しい緑化を求めているというのが現状でございます。
さて、ここからは本日の主題でございます京浜の森づくりについてご説明いたします。本委員会の委員でございます半田委員には、この京浜の森づくり事業の最初の事業としての立ち上げの時に検討会の緑の専門家として加わっていただきまして、いろいろなご意見をいただいたということでございます。
また、その検討会からは、私どもの職員が緑化に熱心な企業の認定ということを申し上げたのですが、認定よりはその取り組みに企業が参加していくという視点で、今よくいわれております協働ということでございますが、そういう形で進めるのが良いのではないかということでアドバイスをいただきまして、その方向で進めているということでございます。
まず、この事業については、横浜市は、職員の間でアントレプレナーシップ事業という起業家精神に溢れて新しい事業を開拓していくという事業に参加する職員を公募いたしまして、選ばれた職員の中から、緑について考える中で、どのようにしていったら良いのかということで、この緑の少ない地域をどうにかしようということでこの事業が立ち上がってきたというものでございます。その職員を選抜して検討させて、検討しただけではなくて、その事業自体に、その検討した職員の一部の職員が中心になって参画し進めていくという形をとっております。今日まいっております園部がその一人でございますので、その事業の中で後程ご質問等ありましたら詳しくお答えしてまいりたいと思います。
まず事業の対象地であります京浜臨海部でございますけれども、その成り立ちは、明治後期以降埋め立てられた土地に多くの重化学工業が進出し、第二次大戦後には工業地帯といえば京浜工業地帯と言うぐらい発展してまいったわけでございます。その後、幾多を経まして、最近では再編整備、都市再生に向けた動きがみられているという状況でございます。また、京浜臨海部の現況でございますけれども、緑の面では緑被率が9%と非常に少ない状況でございます。皆様方お手元のパンフレット等には10%という数字も出ていると思いますが、それは協議を行っているところの緑被率というところで、あと、緑の把握の仕方としては緑化面積という把握もしておりますが、私どもが調べたところでは、緑被率は9%ということでございます。最近では研究関係や物流関係の土地利用に転換が進んできております。
事業の対象区域ですけれども、川崎市の隣接地ということで、この鶴見、神奈川の地域ですね。ここはちょうど鶴見線の鶴見小野駅でございますが、生麦、新子安、東神奈川といったところの臨海部でございまして面積では約1,600haでございます。市域面積の3.7%。事業を推進するために4つのモデル地区に分けて検討しております。この末広、生麦・大黒、守屋・恵比須、それから東神奈川の千若という形でモデル地区を設定しております。
京浜の森づくりの枠組みですけれども、方向として4つ掲げております。1つは良好な地区環境の創出、緑のつながり形成、環境行動の実践、協働緑化の推進という形で、企業の緑地の拡充をしていくということと公共緑化の拡充をしていくという形で、両方協力して民間の方々と行政が協働して京浜の森づくり事業という形の構成になっているということでございます。
次に京浜の森づくりの目標ですけれども、国際競争力のある産業拠点の形成、緑被率の向上、地球環境問題への取り組みの推進という形で3つの背景がございまして、4つの方向性を出してきているわけでございます。地区のイメージの創出、緑の確保、環境行動のアピール、企業・行政の協働というところで大事なのは、まず地区のイメージの創出ということで、緑が大変変わってきたなと思っていただくことが1つあります。実際に緑が確保されなければ意味がないし、緑のつながりが形成されないと意味がない。それから、環境行動のアピールということで、昨今、ISOとか環境報告書での緑化活動のPRというのも企業がなさってますし、京浜の森という形で認定制度の実施など行いまして、環境行動をこれだけやっているのだというアピールをしていただくということでございます。それから、企業と行政の協働ということでございますが、公・民が共有する緑の将来像づくり、協調緑化の推進ということを意図しているものでございます。
次に、京浜の森づくりの指針ということで、そこに6項目掲げております。先程言ってきたようなことですが、ここの特徴としては水際でございますので、ちょうど横浜市の臨海部にございまして、川が幾つか流れ込んでいるというようなところ、非常にオープンスペースがあるところでして、それから自然環境の復元もできるだろうということを考えて指針を6つ掲げております。
次に、京浜の森づくり事業の具体的な展開についてご説明させていただきます。大きくは企業緑地の拡充、それから公共の緑の拡充に分かれるわけでございます。
まず企業緑地の拡充については、条例に基づく緑化の協議、それから後程詳しく説明しますが、緑の将来像を共有する地区緑化計画に基づく事業所緑化の計画調整、それから緑地拡充の支援として、今後の検討になりますが、協働による緑地整備や維持管理技術の普及をしてまいりたいということでございます。
次に協働緑化では、企業が行う公益性の高い緑化を支援するものでございまして、具体的には公開緑地や沿道緑化、道沿いの緑化ですね。それから質を高めるエコアップなどの整備について助成金の交付を行います。また、技術的支援として、情報提供や助言、市民ボランティアの紹介などを行います。そして、事業者環境活動の広報、ロゴマークの使用といった広報等も行っております。
最後に公共の緑の拡充ですけれども、基本となる公園緑地の整備がありまして、企業の土地を借地しての公園整備が予定されております。次に、これも基本ではありますが、公共施設での緑化も進めております。公共施設の場合には民間より高い緑化率が義務づけられておりまして、公有地では緑化を推進するため、市民と協働して植樹や育樹を行う。育樹というのは樹を育てるという意味で草取りなども一緒に行うということでございますが、植樹に使用する苗木を近隣の小学校と連携して育てる活動なども行っております。
京浜地区の工場緑地の写真をご覧いただきます。工場とは思えないような大変豊かな緑が育っているところもあります。緑化が自然資源として定着している例でございます。
次に、助成金により整備され、市民に公開された緑地の例でございます。水際線の緑地でドラマの撮影などにも利用されたそうでございます。鶴見線の一番海際の駅でございまして、一昔前は、鉄道少年にとっては鉄道に乗ってきてそのまま敷地外には出られずに海を眺めて帰るという場所だったわけですが、企業の努力によって、そこで降りてこの緑地で海を眺めることができるという場所でございます。
次に、工場緑地の場合、環境施設として池なども整備されることが多くございまして、その池がビオトープ化しているということで、これはトンボを調査した時の写真でございます。
今見ていただいてお分かりのとおり、企業緑地が単なる工場緑化に留まらず、様々な役割を担ったり、様々な思いを乗せて進化しているということがお分かりいただけたと思います。これまで公害など環境対策として整備された工場緑地ですけれども、工場を取り巻く状況や時代の変化から、企業活動のツールとして活用できる環境経営の資産へ進化していると言えるのではないかと考えております。横浜市としては、こうした動きを支援することによって、京浜地区の緑の拡充を進めることができると考えております。
次に、京浜の森づくりの事業の中で特徴的な取り組みについてご説明させていただきたいと思います。まず地区の緑化計画の策定でございますが、地区の企業の方々と意見交換を行い、地区の緑の目標や緑の将来像を共有する緑化計画をつくっていくという形でございます。例では鶴見小野の末広地区が出ておりますけれども、末広地区では、緑化計画の策定からさらに発展し、地区の企業と横浜市が協働で取り組むことを宣言いたしまして、何やら横浜市は宣言ばかりだと思われるかもしれませんが公表いたしました。左側が協働宣言でございまして、企業の代表の方々と私どもの市長の中田宏が署名いたしております。
また、右が具体的な地区の緑の将来像を絵にしておりまして、こういうところになると良いねということで、緑の将来像を絵にしながら、各企業の方々と私どもの市長と連名で京浜の森づくり末広地区協働緑化宣言という形で、宣言に署名するという形になっております。
次に、こうした計画を進める仕組みとして、協働緑化事業と支援事業を創設しました。協働緑化事業は、企業と横浜市が緑化の取り組みについて協議し覚書を締結するもので、覚書を締結した企業が取り組むより公共性の高い緑地の整備に対しては助成金、上限200万円交付いたしまして、また京浜の森ロゴマークが使用できるということで取り組みをアピールできるということでございます。ロゴマークは、このパンフレットの裏面の右のところに、トンボと緑、京浜の森という形になっておりますが、こちらに表現がございますので見ていただければと思います。
次に行政の取り組みについてでございますが、末広地区の突端にございますこれは港湾局のテリトリーということで、港湾緑地で植樹祭を平成16年度に実施しております。子供から大人まで事業所の方々も参加して苗木の植樹をいたしました。ただ植樹しただけではなくて、苗木の育成のための草取りなども行う、植樹祭ではなくて育樹祭でございますが、それも毎年実施してきているものでございます。
京浜の森づくりの今後の事業展開でございますが、これまでご紹介させていただいた取り組みの他、技術面での支援ということで、緑化技術の講習会、それから市民を対象としたボランティア講座、企業緑地の環境調査となるトンボはどこまで飛ぶかプロジェクトというのがございます。先程ご覧いただいたような池がございますので、トンボが結構まいります。そのトンボがどこまで飛んで行くのかということを調査したり、いろいろな取り組みをしているわけであります。
新たな取り組みとして、地区内に新たに整備された緑地を企業との協働による緑地と見なす仕組み、これについては後に詳しく説明しますが、事業者、市民、行政が連携・協働して緑地を管理できるようにする仕組みなどを検討していきます。新たに整備する予定の緑地は、鉄道敷跡地を利用しまして、(財)都市緑化基金が運営する高原基金からご寄附いただきまして整備する予定でございます。この整備や管理に当たって、市民による植樹、育樹の活動、それから企業の協働緑化支援、公有地の緑化推進の視点で進めてまいります。
最後になりましたけれども、新たな取り組みの具体的なケーススタディを説明します。赤い波線で囲まれた部分が緑道予定地です。地区内に新たにできる緑地の整備と管理について、企業が負担する仕組みをつくっていただきまして、敷地内の緑地として算入できないかと。つまり、協働緑地みたいなものですが、集合してつくることによって効果は非常に高いものと考えておりまして、検討を進めたいと思っております。ぜひ委員会の皆様方のご意見も賜りたいと思っているものでございます。
こぼれ話としては、先程のトンボはどこまで飛ぶかプロジェクトで、地球の裏側のペルーからドラゴンフライプロジェクトというのが横浜市にあるそうだが、それについて教えてほしいという電話が横浜市の私どもの課に飛び込んでまいりまして、地球の裏側までこのプロジェクトは知られているのかとびっくりしたということでございますが、たまたまJICAで派遣された方が向こうへ行かれまして、そういう話があったということを少しお話しになったということでお問い合わせも来ているという状況でございます。
私もかつて、20年ぐらい前ですが、係長に成り立ての頃にこの工場緑化に対応する緑化推進係長というのを担当しておりまして、ここではございませんが高速道路が通過するというところで、企業の工場の皆さんに工場の敷地をお譲りいただいて、そこに高速道路を通すと。そこの部分に緑地やテニスコートが多かったということで、それを潰すのだから横浜市さん緑化率は免除だなと。この残った敷地で15%とか緑化するというのではないだろうなということでお出でをいただきまして、その時に、どう答えたらいいかなと悩みましたけれども、その場で考えついた答えは、皆様方がその土地を売却した対価を得てないならそういうことは考えられると思うけれどもその対価を得ていらっしゃるわけだから、当然のことながらすぐにとは申さないけれども緑化について一緒に考えさせていただきたいというご返事をしたことを今思い出しております。
大変駆け足の説明で分かり難いところがあったかもしれませんが、これで説明を終了させていただきます。ありがとうございました。

和田委員長
大変興味のあるお話をありがとうございました。
それでは、今のお話を中心にして、いろいろご質問、あるいはご意見があると思いますが、どなたからでもお願いします。

土屋委員
今お話しいただいたこの話ですけれども、実際にはいつ頃からこのプロジェクトが動き出しているのかということと、先程市全体としては31%の緑被率というお話が出ていたのですけれども、それに向かって数字的に改善効果を把握できるというのはいつ頃になるのでしょうか。

内藤氏
京浜の森づくりのアントレプレナーシップで始まったというのが平成15年からでございまして、1年間検討いたしまして16年度からこの事業を始めたという形でございます。
それから31%の効果ということですけれども、今現在、私どもそれで頑張っていこうという方針を固めたということで、150万本植樹行動や横浜市には様々な独自の制度がございますので、例えば市民の森という民有地を指定させていただいて、そこを守っていく活動をするとか、そういう活動の中で航空写真等による解析を進めながら緑被率の確認をしてまいるということでございますので、すぐに効果が実測できるという形には今はなっておりません。

土屋委員
ありがとうございます。それで、もう少し数字があるのかどうかお聞かせいただきたいのは、対象区域になっている鶴見、神奈川区の臨海部が1,600haというお話がありましたね。具体的な展開策として、企業緑地というのと公共の緑というのと、それと協働緑化という構想が挙がっていると。この1,600haの中でかなりの部分が例えば企業の敷地であるような気もするのですけれども、そのような中で、この3本柱でどこが改善されるとか、進むと一番緑被率に効果があるのかという観点で、企業がどれだけの役割を果たせるのかというところが少し気になっているものですから、イメージ的にどこがどう動けば一番効果が上がるのだろうかという観点で数字があれば適当なのですけれども、イメージでも結構です。

内藤氏
民有地が約1,300haあるわけですけれども、パンフレットの3ページをお開きいただきたいと思います。3ページの中程より少し下のところに「緑化協議」という欄がございます。「工場等緑化協議の状況」ということで、平成16年3月でございますが、対象敷地面積というところを見ていただきますと、777.5haということで1,300haのうち777haについては工場緑化等の対象で協議しているという形のものです。
それで、例えばでございますが、事務方から説明させていただきます。

園部氏
地区面積が1,600haということで、陸部だけです。京浜臨海部、旧市街地ではございませんので、工場の通路等ということで、道路形状に見えても公共施設でないものがほとんどです。ですから、地区の約8割(1,600×0.8≒1,300ha)が民有地でございます。概算ですけれども、2~300haが公有地です。このうち工場等の緑化協議、平成15年度末の集計で777haということで、今現在は900ha近くに協議面積が上がっておりますが、まだ集計値がありません。ただ、アベレージとしては緑化面積は10%内外でございます。
どうしてかと言いますと、緑化率の目標は15%なのですが、条例制定、あるいは立地法制定以前、大正年間からの創業企業が多いものですから、協議に当たっては、できる限り緑化してくださいということで協議させていただいております。結果として、今現在、80数ha、多分90ha近くに前年度集計ではなっていると思いますが、こちらの数値が、協議の対象だけでも15%をもし達成できれば、この地区だけで、京浜臨海部だけで40ha近くの緑地が増える計算にはなります。

内藤氏
そういう状況でございます。

和田委員長
私の方から幾つかご質問させていただきたいのですが、1つは横浜みどりアップ計画と京浜の森づくりとの関係はどうなっているのか。それから、横浜みどりアップ計画は、多分、京浜森づくりよりも先に始まっていると思うのですが、この横浜みどりアップ計画はいつから始まったのか、どういう経緯だったのか、その辺のところをお伺いしたいのと、それから、そもそも48年から緑の環境をつくり育てる条例がありますが、この効果はどうだったのか。そしてそれは、48年というと随分昔ですが、それがある時点から活性化して、そして横浜みどりアップ計画や京浜森づくり計画につながっていったのかどうか。48年時点でどうして緑の環境をつくり育てる条例を制定したのか、工場立地法との関係はどうだったのかということも含めて、少し昔の話をお伺いしたいのが1つです。
それから緑をつくるというのは、1つは法令という法規制がありますが、今のお話をいろいろお伺いしていると、法制度ばかりではなくて、いろいろな形で市が活動しているように思うのですが、予算や組織、あるいは市としてのイニシアティブなど市の役割を少し整理してお話をいただけないかと思います。

内藤氏
少し古いこともありますので、十分にお答えできるかどうかというところはございますが、1つはみどりアップ計画というのは、冊子の6ページに次期中期計画の中で横浜みどりアップ計画という形で定めておりますので、みどりアップ計画というのはわりかし最近の話の名称でございます。それまでは局がいろいろと分かれておりました関係で、水と緑のマスタープランとか、建設省、国土交通省が推進していた緑の基本計画に基づいて行っていくという形で進めておりました。
昭和48年の緑の環境をつくり育てる条例の中身に、その当初始めた頃の状況が色濃く出ていると思いますが、条例もいろいろと改正を重ねてまいりまして、今の形態ではなかなか分かり難いところもあると思うのですけれども、当時、横浜市は40年来あたりから開発の波にさらされておりまして、はっきりした年限は覚えておりませんが、年間に10万人、人口が増えるというような状況で、非常に開発の波が押し寄せてきたという状況等がございました。
その中で、開発を行う人達に、開発区域に対して敷地面積250m2当たり1本の木を植えてくれとか、それから開発で残す緑地を決めてその緑地を将来に渡って残すという約束を横浜市としてくださいとか、それから工場等の緑化については緑化をこの基準で進めてくださいとか、条例本体は非常に精神条例的な条文ではございますが、その下の基準等で詳細を定めまして、開発に対するいろいろな備えをしていくという形の取り組みを行っていたということでございます。

和田委員長
緑化率というのはその当時決めたものですか。工場はもちろんあったわけですが、工場以外にも緑化率を決めるという発想があったのですか。

内藤氏
緑化率という形では決めてなかったと思います。

和田委員長
現在は、工場以外の緑化率があるわけですね。

内藤氏
そうです。

和田委員長
それはいつからですか。

園部氏
工場等緑化に関しましては、上段の緑化基準、目標ですけれども工場等に限っては15%ということで、これは以前からございます。立地法上の手続とほぼ同時期です。ただ、以前は緑化率の規定が違っていたと思います。以前、立地法では20%でその辺の差異はありますけれども、この緑化の義務を課した時期はほぼ同じだったと思います。ただ、条例の中では、工場等の緑化についても当然謳ってはおりますが、それ以外、市民あるいは開発者全ての人達が緑化に対して義務を負うというふうに規定しております。

和田委員長
工場立地法では大きな工場を限って緑化率という非常に厳しい規制をしているわけですが、この条例の中では工場以外にも、例えば普通の民間の家庭やあるいは商業施設といったものに関しても緑化率を決めたと考えていいわけですか。

内藤氏
そうですね。2年前に。要するに開発行為なり建築行為を行うと、という意味です。500m2以上の敷地の一般建築物に対して規制をかけたというのは2年前ですけれども、開発行為等で先程申し上げました開発行為の敷地面積に対して250m2当たり高木1本以上植えてくれというのは、既に緑の条例の最初の時期から行っております。

和田委員長
これは土地の利用規制ということではなくて、1本植えてほしいという要望ですか。

内藤氏
そうです。条例の中での基準でございます。

和田委員長
分かりました。そうすると、工場以外の敷地に対しての緑化率を決めたのは2年前ということですね。

内藤氏
そうです。率を決めたのは2年前です。

和田委員長
市の役割なのですが、1つはこういう形で法令で決めてしまうということは一番厳しいわけですが、法令だけではなかなか全てを規制するわけにはいかないと思いますが、緑を育てる、つくるための市の役割はどういうところにあるかと、かなり積極的にいろいろなことをやられていますが、成功の秘訣はどの辺にあるのか。例えば市長のイニシアティブなのか、その辺のところを少しお伺いできたらと思います。また、他の市に対して何かアドバイスがあればお願いします。

内藤氏
1つは緑を育てるということで、法制度の活用というのはもちろんあるわけですけれども、京浜臨海部でもそうですが、地域の皆さんがこれができたらこういうふうにしてくれたら良いなというところをピンポイントにつかまえて助成するというところだろうと思うのですね。前々から、企業の皆さんが環境活動とか緑化とかに取り組むという姿勢はあっても、なかなか古い工場地帯でそういうこともでき難いという状況の中で、1つは環境行動というのは非常に大事だという認識が高まってきて、企業の社会的貢献という意味でも、様々なそういう考えていただく土壌ができてきたということは1つ大きいことだと思っております。
その中で、市はいろいろな施策をもって、工場だけでなくて市民の緑化に対しては緑のまちづくり基金というのをつくり、その果実を使って助成するということもしておりますけれども、やはり地域に入って地域の皆さんと議論しながら、どういうところに市の助成や制度があったら良いのか、それから先程の協働緑地制度みたいな制度を何か編み出せないかというふうに一緒に考えていく姿勢を持つというところが、地方自治体の特質としても非常に必要なところであろうと思っております。
市長の強烈なリーダーシップというのも150万本植樹行動で現れてきているわけですが、もちろんそういうところも非常に大切でございますが、やはり地域の皆さんと話し合ってその中で要望をくみ取り、要望だけではなくて我々の方からこういう形はできませんかとか、それからそこで起きている事象を良く捉えて、先程のドラゴンフライプロジェクトという話もありますけれども、たまたま修景というか景色をつくるための池があったと。そこに生物がいろいろと寄ってくるという形の中で、その生物をうまく生かしながら地域のつながりをつくっていく。トンボが企業をつないでいるみたいなところもあるわけですね。環境がだいぶ良くなってきたよというようなところで、それではお宅にも池があるから連携していろいろな取り組みやりませんかとか、調査に入らせてもらえませんかという声かけをしていくことによって一つ一つ連携の絆を築いていく。ただ単に協働緑化宣言をしたからといって簡単に物事が動いていくということではないということでございます。
それから各企業さんでおやりになっていることを私どものホームページ等でご紹介もできるということがあるわけですね。環境伝言板というところもございまして、環境教育や様々な環境に対して取り組みを行っていただいている方々の紹介なども進めるように心がけてきておりますので、まだまだ始めたばかりの取り組みではございますが、皆様方のお話を聞きながらそれをまたPRしていくということも、あちらの企業でこういうこともやっている、それをまた他の企業さんも参考にしていただけるということがあると思っております。

和田委員長
ぜひ半田さんに評価をしていただきたいと思います。横浜の事例というのが他の地域にも活用できるのかどうか、何が横浜市のプロジェクトのポイントなのか、その辺も少し評価をお願いできればと思います。

半田委員
むしろ、非常に優れた事例なので、他の都市でも見習っていただきたいと思っております。企業、行政、それから市民が一体となって新しい道に向かって熱心に取り組んでおられます。行政の方も積極的ですし、引っ張っていく力もあると思います。企業も、東京ガスなど非常に熱心なところがあります。東京ガスの環境エネルギー館では環境学習もできますし、屋上にはビオトープ空間もつくられています。それから市民の活動も、いろいろなイベントを行っています。「京浜の森」づくりは、非常にうまくいっている事例ではないかと思いますので、こういうものを世に紹介する機会をぜひ増やしていただきたい。
1点質問したいことがあるのですがよろしいでしょうか。
京浜の森づくりは非常に優れた事例であると思うのですが、一番最後のページに「敷地外緑地の特例ケーススタディ」というのがあります。先程パワーポイントでも出ていたのですけれども、これは緑道の整備・管理を企業が負担するので、敷地内の緑地として算入できるよう検討を進めているということでした。しかし、敷地というのが立地の条件とか周辺の条件とか、その場でぜひ緑を確保してもらいたいとか、隣接するところとの関係でそこに緑が欲しいのだという場合もあるのではないでしょうか。緑道を整備したからといって単なる数字だけの問題ではない、「その場所に必要な緑」もあると思うのですけれども、その辺はどういうふうに考えておられるのでしょうか。

内藤氏
1つは企業の敷地というのが新しくつくられた、造成された敷地ではございませんので、非常に高密に利用されているという敷地の中で、新たに今、全体では緑化率が9%ということなのですが、個々にご努力いただいて少しずつ緑を増やそうとしてくださっているわけですが、もっと緑を増やしていくということのためにはどういうふうにしていったら良いのかという話の中で土地利用の転換が起こってきているわけでして、例えば貨物線があったのだけれども、そこの敷地が要らなくなってその土地が空いていると。その土地を何とかこの地域の環境に役立てられないかということで、例えば企業の皆さんにご負担をいただいて、そこの緑化に協力いただくことによって、地域環境が良くなるのだから、決して離れた場所ではないわけですよね。1,600haの同じ場所の中の工場の敷地ではないのだけれども、工場に隣接した敷地などを緑化することによって地域の環境は上がるのだから、工場の敷地と同じように見なしていただけないかとか、そのようなある意味単純な発想というのでしょうか。つまり、企業の皆さんが協働してそこの緑地を生み出していただけるということならば、そういう考え方もできないものかなと少し考えているということでございます。

高瀬氏
経済政策の担当をしておりまして、企業立地促進条例といういわゆる立地促進条例を私のところでは所管しておりまして、一方で立地法の規制も所管しているという立場でございます。
先程の京浜の緑道のケースでいきますと、企業、ご存じかもしれませんが、日産自動車ですとか、新日石とか大企業でございまして、立地法以前から立地している企業でございます。そういう意味で建屋が密集しておりまして、立地法制定の時点で既に敷地の中に緑地を確保することはもう難しいという状態の中で、企業は再編投資を今かけているという状況でございます。日産にしろ新日石にしろ、我々の市の企業の立地の設備投資に対する助成条例を活用して設備投資をかけてございます。世の中、新聞でもお分かりだと思いますけれども、日本に生産の拠点たる、ベースたる開発拠点をもって海外に量産機能を分散するという構造で動いてまして、そういう意味で、日本のこの京浜臨海部みたいなところが非常に重要な頭脳の部分になっているという状況でございます。
そこで新しい投資をかけていきたいわけですが、建屋が目一杯なので建て替え更新ができないと。今ある建屋の中でないと新しい投資ができないということで企業は苦しんでございます。そういうところに貨物線という新たな敷地が生まれて、企業にとって立地法対象の緑地としてカウントできるのであれば、そのカウント部分を新しい建屋の緑地面積に参入できるということになりますので、我々、経済政策の面から見ても、企業投資を呼び込む一つのインセンティブになるという構図がございます。地域の環境も良くなり、なおかつ、企業投資も生まれるという2つの相乗効果が一気に狙えるのではないかと思ってまして、これまでああいう貴重な土地が生まれてなかったわけですけれども、生まれるチャンスを捉えてやっていきたいということを今考えているところでございます。

前田委員
私も似たような質問になってしまうかと思いますが、1つは地区緑化計画の緑化宣言をしておられますが、今既に4つの地区全てでこの緑化宣言が行われているのでしょうか。

小池氏
今のところはご紹介した末広地区だけでございます。

前田委員
全体の敷地図といいますか、1,600haのこの図面を見せていただいていると、今ご紹介あったように、末広地区は比較的工場のまとまりがあるというか、恐らくそこから手をつけられたのかなと。あとの地区ではまだまだ今ご紹介ありましたように大きな企業もあるようですが、全てではなくて、なかなかまとまることが難しい部分があるのかなということを少し今考えていたところでしたので、その辺の事情がもし分かればというのが1点と、それから今まさに一番最後のページでご紹介ありました敷地内緑地がこういったところのまとまりのための引き金になる可能性があるのかどうか、そういうことをお考えだと思うのですが、その辺どういうふうに捉えておられるかという点、2点教えていただければと思います。

小池氏
今ご質問があったように、末広地区は確かに取り組みが比較的進んでいるようなモデル地区の中でも比較的計画を立てやすいところだったと認識しております。こういうところでこの地区の、京浜臨海部でこうあった方がいいという将来像をモデルの中のさらにモデルとして描き出して、その他の地区に波及させていこうという狙いでございます。
最後の特例のケーススタディなのですけれども、本来的には半田委員が言われるように、筋としては敷地の中で取っていくべきかとは思いますけれども、いろいろとそれだけではない経済的な問題ですとかそういったことを踏まえますと、何かしら新たに地区内で生まれる資産を企業、事業者の方、それから行政、市民と協働した中で、新たな緑地として捉えて、それをうまく活用して地区全体の活性化を図っていければと考えているところでございます。

前田委員
ありがとうございます。私も今お話があったように、このプロジェクト自体、京浜の森づくり自体は非常に各市町村にも見習っていただくと良い事例だと思いながら、今進んでおられるよりいい部分では、恐らく他のところは、あそこだからやれるのだろうというような反応が返ってきてしまうのではないかというのを少し恐れておりまして、むしろ今からさらに進められる、まだまだ宣言までいっていない地区がどういう方法でよりいい方向に進むかということの部分をぜひ今後進めていただいて、それをPRしていただくようなことができれば一番良いのではないかと思いました。

和田委員長
どうもありがとうございました。
私の感じでは、行政の力、企業の協力、市民の活動の3者がうまく絡み合っていると思います。ただ、全体をうまくコーディネートするのはどうも行政の力で、そういった意味では非常にうまく横浜市はやられていると思います。このモデルが他の地域にうまく適用できるかどうかもう少し考えないといけないと思いますが、大変良い事例をご紹介いただきましてありがとうございました。
それでは次に、(財)日本立地センターの徳増様からお話をお伺いしたいと思いますが、工場適地調査に関するお話が出てまいりますので、ご説明をいただく前に事務局から工場適地調査の概要について少し説明していただきます。

多田地域活性化企画官
それでは、お手元の資料の(参考資料)と書いている2枚紙の資料をご覧ください。「工場適地調査の概要について」というタイトルになってございます。
この調査は、工場立地の適正化を図るため、各地域にどのような工場適地があるかと、その自然条件なり立地条件がどうなっているかというのを調査いたしまして、その結果を工場立地調査後に掲載することで、工場を設置しようとする方が利用できるようにということで行っているものでございます。
昭和33年に始まりました工場適地調査は、翌年34年に「工場立地の調査等に関する法律」、現在の工場立地法の前身ですが、その後工場立地法になりまして、その第2条に規定されて現在まで来ているところでございます。
調査の内容でございますけれども、対象としますのは、工場に適した団地、広さでいいますと3ha以上の広さを有するもので、団地だけではなくてまとまった土地が対象になります。その周辺地域に既存産業の存在状況、実態、あるいは輸送条件、用水事情等の条件を調べることとなっております。
ただ、これも地域の実情が分かっていないとできませんもので、経済産業省の方から各都道府県なり政令指定都市の方にお願いをしまして調査をしているところでございます。
もともとはA、B、Cという3つの調査がございましたけれども、簡素化ということもありまして、現在はA調査、C調査、この2つを行っているところでございます。
2ページ目をご覧いただければと思います。この工場適地調査を行いまして、適地に選定されることによりましてどのような効果があるかといいますと、ここに5つ程書かせていただいておりますが、1つは私どもの調査簿に掲載されますと、経済産業省の本省や各経済産業局において事業者の方が閲覧できることとなっております。
2つ目が事業用資産の買換特例ということがあったのですが、利用件数が毎年それ程多くないということがありまして、廃止という形になってございます。ですから、今現在、この特典はなくなってございます。
なお、廃止年限が間違っており、平成17年とありますが、18年の3月末ということで修正いただければと思います。
3番目が農地の転用手続ということでございます。農地に立地する場合に、通常、農地法の規制によりまして、なかなか転用手続が認められないというところが実際問題としてございます。ただ、それが工場適地内に立地される時には、あらかじめ適地の選定過程で農政局等の調整を事前に行うことによって、実際、転用許可の事務で事前審査が不要になるということで、農地法の施行規則、省令の方でございますけれども、こちらの第五条の第六項第六号の方に事前審査が不要になるという形で規定されているところでございます。
大変簡単でございますけれども以上でございます。

工場立地法のあり方に関する関係者ヒアリング(2)(財)日本立地センター

和田委員長
それでは、徳増様ご説明をお願いします。

徳増氏
日本立地センターの徳増でございます。
今日は工場適地に関する課題ということで、お手元の方に資料をお配りさせてもらいましたので、これに沿いましてお話をさせていただきます。
工場適地というのは、緑化ということと若干異なって、開発の方に力が入るところでございます。そういう面では議論の中の少し異質なところもあるかもしれませんが、企業の全国的な展開や特徴、それから工場適地という工場立地法の中でいろいろな課題もございますので、その辺も併せてお話をさせていただきます。それから最後に、先程の横浜市の話にもありました工場跡地についても各地で地域問題化しており、緑地の問題も含めながら少しお話をさせていただければと思っております。
最初に「活発化する工場立地」ということで、現在、立地は非常に活発です。そういう面で、各地で工業団地が、工場適地がかなり減ってきております。特にこの地図の太平洋ベルト地帯と言われる関東、東海、近畿、山陽、北部九州の立地が非常に活発に展開されております。
ただ、その他の地域でも、岩手県の北上市周辺とか北海道周辺にも最近少しずつ自動車関連産業の立地が進んできており、遠隔地でも多少明るい話題もでてきております。
いずれにしても、こういう太平洋ベルト地帯、京浜も含めながら、工場用地が今不足しているということは否めないところでございます。
経済産業省が発表した立地動向調査によると、平成14年度を底にしましてV字型に回復しております。非常に良い状態にありますが、ただ、立地に対する各種の話題や変化も多くあることから、そのあたりを少しお話しさせてもらいます。
まず、優遇措置の問題があります。特に税に対するものの他に自治体独自の補助金がありまして、そこが最近、高額化してきており、何十億、何百億という補助金を出されて立地を獲得するという県の努力があるわけです。しかし、最近、神奈川県藤沢市に武田製薬が立地しましたが、この立地に際しても補助金は出ていると思いますけれど、神奈川県との競争相手もありまして、神奈川県以上の高額な補助金を出して武田製薬を呼ぼうとしてましたが失敗いたしました。つまり、同社の立地理由は、補助金ではなく神奈川県の優秀な人材に魅力を感じたものです。研究所は、研究者の存在というのは非常に大きいということで、神奈川県に立地したということです。
一方、自動車産業では北部九州にかなり立地しております。トヨタである拠点の愛知県では、人材が取れないということもあり、それで北部九州に集中立地しているということでございます。従いまして、北部九州では、工場用地、工場適地が今ほとんどなくなってきている状態です。新たにどこかに工場用地を造成なりしなければいけないという状況に置かれている自治体もいくつかございます。
それから「企業立地の変化」についてお話させていただきます。最近、臨海工業団地、先程の横浜市も臨海部の工業団地も含まれますけれども、非常に人気が高まっております。これは輸出入の関係、特に中国への輸出の玄関口ということで、輸送の面から港を使うということで、臨海部が注目されているわけです。
ブリヂストンも実は30年ぶりに北九州市の響灘臨海工業団地に立地しました。これも大型のタイヤを中国に輸出する拠点という位置づけです。それからコマツも、中国輸出拠点として、茨城県の常陸那珂臨海工業団地にも出ておられます。その他各地でいろいろ臨海部の工場再編や新たな産業立地が活発化しており、かつて基礎産業で賑わった臨海部が新たに再編していくという過渡期に来ており、そういうところが再び注目を集めリニューアルをされてきているというと思われます。
その他の特長としまして、地域ブランド力との融合立地があります。富士山ブランドとか、京都ブランドとか、日光ブランドとか、企業の製品イメージを高めるための立地戦略で、どこでもいいやという話ではなく、商品価値を高めるためには、ここでなくてはならない立地条件となっているわけです。最近、このような地域ブランドを利用した立地も見られます。
それからリスク分散のための立地もあります。東海地震とか、南海地震とか、いろいろ言われており、そういう面からリスク分散で少なくとも工場は2つにしていきたいということで立地するケースも見られます。こんなことを少し頭に入れていただきまして適地のことを少し考えていきたいと思います。
次に「工場立地の現状と地方圏の立地」ということでございます。先程申し上げましたように、立地の地域間格差というのは拡大しております。各種の立地動向を分析していきますと、先程申し上げましたように、立地の件数等、格差が拡大しているのが現実です。その中で地方圏の立地というのは本当にチャンスが少ないのです。少ないチャンスをいかに掴むかというのが企業の誘致のポイントになってきております。
その大きなポイントとは、企業が希望する用地の提供が不可欠であります。現実に企業が操業するわけですから、企業のスピードに合わせることが重要です。企業の予定する操業時期というのは大体決められておりまして、かつての様に使わないけれど工場用地を持っておくかというような発想は今はありません。買ったらすぐ操業したいという企業が大半でございます。そのためには、工業団地なり工場適地、農工地区など、事前にある程度指定したところでないと、チャンスを逃しているケースがあります。つまり、農地調整が必要な場合は企業が求めるスピードに対して時間的に非常に厳しいということがあります。
そういうスピードに合わせるためにも、後でありますように、工場跡地というのが活用されてきております。ですから、京浜工業地帯もそうだと思いますが、農地調整などの土地調整がほとんど必要でない場所に立地希望が多く出てきているということがございます。地方圏というのは農業圏ですから、農地調整を避けて通れないところがあります。その面で工場適地というのを何か考えていかなければいけないと思います。
また、新しい地域産業活性化法の中でもワンストップサービスということで施策をいろいろ打ち出してきております。立地に関する各種の相談とか手続の迅速化、この辺が立地の重要なポイントとなっております。スピード対応の面からも、用地整備、必要なインフラというのは重要なポイントになると思います。
その面で「工場適地の課題」でございます。先程、多田企画官の方から工場適地の内容やメリット、効果など話をされましたので飛ばさせていただきます。
先程申しました工場適地の課題としては、法律的に、農地転用の事前協議があるということです。農振法と農地法というのがありまして、農振法という法律の事前協議がこの中では謳われてないということでなかなか農地転用に進めない。農振法の除外をかけないと農地転用に進めないということで工場用地にはならないわけです。適地にしても企業のスピードに対応できるような立地がなかなかできないということで、その辺が大きな問題となっているわけです。
工場適地が現在あまり多く活用されない面として農地問題の他に工場適地の優遇措置が無いことも一つの要因となっています。あと適地の団地造成利子補給制度がないということもあまり工場適地が話題にならないような一つの要因になっているのかと思います。
そういう面で工場適地をもう一回見直してほしいというところがございます。農地調整がある程度スムーズに行うことができる制度は、農工法と農振法の27号計画というのがございます。
農業振興地域における農用地の除外ができる場合は、「農振地域の除外協議ができる場合」ということで明記されていますが、それは農工法、それから地域の農業振興に関する地方公共団体の27号計画という制度で、農振法の中に謳われているのです。この2つぐらいしか農用地を除外できないということですので、工場用地の造成にいつもここで詰まってしまうということです。適地調査の新しい制度改正の中でこの辺をうまくできる仕組みができないのかというのが、立地促進している立場からの要望として出ているところです。
次に新たな取り組みということで、先程言いましたように農振法における農用地除外の迅速化ということで、農地法における転用許可の前の農振法の事前協議が個別案件ごとですので、工業用地として使えることができるかどうか見えないところが結構あります。
そのためには、工場適地で事前協議の様式を一般化することができないのかと思っているところです。農林水産省と経済産業省の法律で農工法という法律がございます。これは実施計画という計画書の様式がしっかり固められておりますが、適地にはこの様式が全くないということで調整する項目や方向が全く見えない状態で、初めから農政局と個別の詰めに入っていくということで、非常にスピード感が工場適地にはないということです。この辺を改革の一つにすることができないのかということでございます。そういうことで、スピードに対応できる工場用地の整備が重要ということです。
その他では、配布した資料には入っておりませんが、適地をいろいろ開発するわけですけれども、企業と自治体が協力して新しい工場適地をどう造るかも重要なポイントになってくると思います。以前に和田委員長が行っていた工業団地の優良事例表彰制度などの提案をされたことがあると思いますが、そういう適地の中で、こんな適地があるよと、先導的に何か良いものをモデルとして公表する工業団地の表彰制度みたいなものを何か考えられたらいいのではないかなと思います。
少し事例を見ながら、各地域がどのように企業誘致受皿整備をしているかを紹介いたします。三重県のケースでは、ワンストップ&スピードということで、特に情報発信とか誘致は活発に行っておりますが、受け皿整備が大きなポイントになっております。受け皿整備ができなければ企業を誘致することができません。
次に「がんばる市町村」ということで、駒ヶ根市が企業誘致に今頑張っております。実は資料にありますように、中央高速道路沿いに、京都市に本社のある日本電産の研究所が来る予定になっております。この研究所の誘致も非常にスピーディーに対応したことが成功のポイントになっています。成功のポイントはスピードです。立地に際して同社は、他の自治体も検討したけれども、農地調整に非常に時間がかかるということで、この会社のスピードに合わない。スピードが合うのが駒ヶ根市であったわけです。
また、駒ヶ根市にはトヨセットというトヨタ系の会社も立地しました。同社はビジネスの家具をつくっているのですけれども、ここも愛知県から来ましたが、来た理由としては愛知県では人が取れないので、駒ヶ根市の方に立地したのです。同社は立地に際して自治体の評価を行っております。企業が立地先を決める場合、愛知県が本社ですから、愛知県を中心に東海地域の範囲を決めまして、立地条件とか生活環境、資源、受入体制とか資金条件とか、いろいろ検討する。この中の評価として駒ヶ根市が一番良かったということです。
右にある長野県の○○市というのは近くの市でございますが、ここも大変に良かったのですが、受入体制というところで工場適地等がほとんどなかったということです。新たに工場適地を造成するには、農地を調整するしかなく結構時間がかかるため、ここは難しいということでした。従って、駒ヶ根市に工業団地の適地があったということで、駒ヶ根市の方に入ったということです。隣の町は非常に地団駄を踏んだということも聞いております。
それから、半導体メーカーが海外へ進出したという事例もあります。図面で見ますと、既存の工場が工業団地の中にありまして、本来はここを中心に新たな工場を展開したいという希望がありました。工場に隣接する農地があります。ここに増設したいと思っていましたが、なかなか農地調整等がうまくいかないということもありまして、結局は海外の方に進出してしまったというケースでございます。従って、こういうところを工場適地として事前に調整できれば、この企業もここで頑張れたと考えられるわけでございます。
次に工場適地と少し離れますが、工場跡地問題があります。この辺は適地とどういうふうに考えていったら良いかというところがございますけれども、今、工場跡地が各地に多く出てきております。これは長引いた不況の影響によるものであると思いますが、それが今利用はされてきつつあります。
資料の中に「工場跡地の現状」というところがありますけれども、今回調査した結果では全国で564件の跡地があることが分かりました。その多くは、グラフを見ていただきたいのですけれども、1,000坪以下とか、1,000~5,000坪未満とか、この2つで73%を占めております。かなり小型の跡地が出ているということです。
それらは、どういう跡地になっているかといいますと、無指定のところ、それから準工地域に多く出てきておりまして、こういう跡地に、マンションとか商業施設とか、そういったものに転換されていっています。それによって隣の工場が居づらくなって、また追い出されていくという連鎖が跡地の負の連鎖になっています。要するに工場用地としては、1社抜けた後というのは、地域にとって大変大きな影響を与え、地域全体が変わっていく要因になると思います。
工場跡地の現状の中で、「工場跡地流動化に重要な事項」という項目があります。民間事業者と自治体との連携というのが非常に大きく、全体の39%の跡地が自治体の関与を必要としています。これは自治体からの調査ですからこのような結果になっていると思いますが、個別の企業の資産ですから、勝手に商業施設などに売られたりマンションなどに売られていく。また、廃棄物業者に売ってしまうとかで、地域として大きな問題が出ている。そういう面では、かなり自治体との連携が重要なポイントになってくると思います。
それから、新たに工業団地に立地した場合は、税制や補助金等の優遇措置がありますけれども、こういう跡地活用については、全体的に国が何とかしようという動きがありません。そういう面から国は何か流動化における支援制度が必要なのではないかと思います。それから土地規制という問題があります。都市計画法とかそういう問題で、なかなかうまく活用が図られない面もあると思いますので、それら規制緩和等も必要と思われます。
それから、跡地活用の阻害要因というところがございます。最も多い要因は、建屋があって、その撤去費用がかかる、土地は高いなどです。特に関東地区の跡地というのは土地が高くてなかなか工場用地として売れないので、結局はマンションとか廃棄物業者に渡っていくというケースが多いと聞いております。
参考に加えさせてもらいますが、「跡地活用の阻害要因となる法規制・権利関係」について、先程も横浜市から話がありましたように、特定工場の新増設する場合の緑地面積が阻害要因になっているということです。これは先程の日産の話ではないですけれども、跡地として活用したいけれども、結局、緑地をどう取っていくかということになると、面積が制限されてくるということもあって、なかなか活用の目途が立たないというところもあります。
また、「工場跡地活用の事例」で、新たな産業誘致を図っているところもあります。大手の臨海部の工場団地が閉鎖したり、海外に移転した跡地をどう活用するかという課題があり、それに対して工場自体を貸し工場にして、新たな産業誘致を図り成功したケースを紹介します。一つが上越テクノセンター。これは新潟県の上越市でございます。上越市で三菱化成の跡地をそのまま建屋を活用して、貸工場にしたものです。
ただ、こういうところのメリットは何かといいますと、緑地等もこの企業がある程度確保していますので、それを活用するということで、新たに緑地を必要としません。そのまま入れるということです。もう一つは新日鐵八幡のシームレス工場です。ここに入れば緑地の心配も全くなくて、全体で必要な緑地を確保しておりますので、ここは入ればそのまま使えるというようなメリットがあるわけです。
また、跡地を工業団地として再開発をしたケースもあります。宇治市にあります日産車体の京都事業所が抜けた後どうしようかということで、マンションとか、宗教団体とか、多方面から譲渡希望がありましたが、地元自治体が調整など入り、新しく産業用地として再生していこうということです。本来ここは、工業団地としてある程度の緑地全体を団地整備に合わせてすべきかどうかという課題はありますけれども、基本的には立地する事業者が立地法に基づく緑地を確保していくということになっております。
それから、アルプス電気とかテクノWINGとか企業が抜けた跡地を上手に活用しているケースも各地に結構あります。この辺のことも、適地、それから緑地の問題も含めて、工業適地と一体的な開発というのはできないものかなと、少し私ども立地を促進する立場としては考えております。
説明は以上でございます。

和田委員長
どうもありがとうございました。
我々、工場立地法の検討小委員会ということで、工場立地法は緑化比率だけではなくて、適地の調査というのも大きな柱になっているわけですが、今日は徳増様に最近の工場立地の状況、それから適地の問題といったことについてお話を伺いました。何かご質問やご意見がありましたらお願いします。

太田委員
先程この中で優遇制度が人材の方に、むしろ要件といいますか、シフトされてきているとのことですが、優遇制度は全国でいろいろ競争して、結構それは水面下に潜っているのではないのかなと思っているのですが、決して優遇制度そのものの順位が下がったのではなしに、これは最低限の条件なのではないかなと思います。ですから、各府県なり市町村、出揃っているようなのですが、なお重要な要因にはなるのではないかと思います。
それともう一つ、立地法との関係で、今回のテーマであります工場立地法提案を、例えば大規模な土地を求める立地のケースでは、例えば規制緩和が10%ダウンすることでかなり土地の活用が有効にできるということで、工場立地法の規制緩和というのが非常に大きな要素になるのではないかと私は思っております。
それともう一つ、土壌汚染対策法との関係でいいましたら、工場から工場は多分適用除外になっていると思うのですが、ただ、近年、環境、それと資産を取得するという面から非常に深刻な問題がありまして、土地の価格に影響するぐらいの対策費用が要るケースも沢山あります。そういう点で、土壌汚染対策法等、いろいろそういったものでスムーズにできるような動きというのはあるのかどうか、その辺を少しお伺いしたいと思います。

徳増氏
最初の優遇措置ですけれども、おっしゃるとおり、表面に出てこないところで、土地の割引とか、いろいろなことはやられると思います。ただ、そこが決定的な要因になって立地するということは、多分、私はないと思います。
堺市は、今回いろいろ話題になっている電子メーカーがあるのですけれども、その社長に聞きますと、優遇措置があるからという話ではなくて、基本的に我々が生産とスピードを考えた場合、一番適地がどこだということを考えていると。その中で、幾つかの候補地があったときに、それは一つの条件として考えると。基本的な線で、これがあるから行くということはほとんどないと私は聞いております。ですから、こういう面では、将来を見て、一時の補助金でどれだけ動くかということはあまり考えられないと思います。
それから大規模立地の場合の緑地規制緩和は大変大きいです。かつて私どもも大手メーカーの話を聞くと、駐車場を緑地として認めてくれないのかとか、いろいろな形で緩和要望がありました。ですから、10%ダウンすることは、企業にとって非常に大きい。従って、有効面積が広がりますので、土地が高いところであれば、そこで何億というお金が変わってくるので、それは非常にありがたいということでした。これはおっしゃるとおりです。
それから、土壌汚染対策法に関しても、今私どもの方も相談に来ているところがあります。環境省の方で、私もお話を聞いたりしているのですが、これに対する補助金というのはなくて、基本的に土壌汚染対策は土地所有者がやるべき話だということで聞いております。また、自治体が一回買ってしまったというのもあります。地域問題で企業からどうしても跡地を買わざるを得なくなった。取得した理由が企業の土壌汚染の問題ということで、自治体としてはこれを何とかならないかと用地を取得したとのことです。しかし、自治体では国の補助金等もなかなかなく、その後の対策に困っていると聞いています。ただ、情報によると、そのような対策に対して新しい動きもあり、補助金関係も何かできる方向にあると聞いております。

和田委員長
私から少しご質問させていただきますが、1つは、適地でない工場立地の事例というのはどのくらいあるのか。例えば先程日本電産やトヨセットの駒ヶ根の例がありましたが、これは適地に立地したのか、あるいはそうでないところに自分で立地したのか、その辺はどうでしょうか。

徳増氏
日本電産の場合は適地ではなかったです。日本電産自体が高速道路沿いに欲しいということもあって、伊那近辺の市町村が一生懸命に提案をしたのです。その中で、駒ヶ根が開発のスピードが一番早いという状況でした。隣の市は良い土地がありましたが、まだ農地だったので、とても間に合わないということで、結局は駒ヶ根市に決まったということです。
最近工業団地が良く売れてきておりまして、用地不足で単独立地が意外と最近多くなっております。ただ、スピードの速さというと、どうしても造成されたところでないとだめなので、そういうところから売れております。九州などは20年ぐらい売れてない用地が、自動車産業の立地が進んだことで、20年来の立地だということで、地元は大変喜んでいるところもあります。
やはり企業のスピードに対応するためには、適地の指定が重要で、造成された工業団地でなくても、ある程度エリアの中で農地の事前協議ぐらいはしておいた方が時間的に短縮になり、そこで勝負になってくるのだろうということです。特に地方の力のない市町村が企業誘致をしようとした場合には、そういう方法でいかざるを得ないところがあります。その面から適地を指定するということが重要かなと思っています。

和田委員長
適地の指定をされたということは、既に農地法との調整は終わっていると考えてよろしいですか。

徳増氏
今のところ、適地簿に入っているのには、調整されてないものも入っています。その中に農地調整の項目があって、そこに了というところ、また保留というところもあります。保留は、農地調整が済んでないというものです。ですから、そこが、今、農林水産省との農地調整が非常に難しい状況にあり、自治体の中では本当は早く行ってほしいという要望が多いと聞いていますが、今のところ農振法の事前協議の制度がこの適地調査にないので、農地法に進むことができないのです。農地法の中では事前協議というのはあるのですけれども、農振法が除外できなければ農地転用も全くできないという話で、農振ではないところは農地転用できますので、そこは了解しましたという話になってくるのです。地方ですと、農振・農用地を抱えているところがほとんどなので、どうしても関わってきます。そこで弾かれてしまうと立地の方が辛いというところが現状にありますので、適地を何とかというのは我々の願いです。

和田委員長
全体、マクロ的に見て、工業敷地というのはまだ増えるのか、あるいは減少するのか、それはどうでしょう。工業生産を縮小して、それで空き地が出てくる。一方で新しい立地が進んでいる。全体のバランスとして、まだ工場立地は新しい敷地として必要なのか、あるいは既存のものでまだ空き地が一杯あって、そこを埋めていけばいいのか、その辺のバランスはどうでしょうか。

徳増氏
適地はやはり少なくなってきています。新しい用地が必要との要望も多く出てくると思います。ただ、立地動向が今後どうなるかというのは少し予想が分からないのですけれども、伸び率は来年、再来年あたりはピークになるかもしれません。しかし、設備投資自体も、国内でという企業も結構多いので、そういう面では今後も必要になるのだろうという気がしてます。
もう一つ、横浜市のように旧臨海部をお持ちになっているところはどうしても会社自体で、その中でリニューアルしながらというケースが多くなってきます。その辺の絡みが私どもまだ読めないところがあるのですけれども、昨今のいろいろな設備投資の企業を見ますと、自社の用地をリニューアルしながら新しくしていくというのが増えてきているというのは確かです。だから、増えるかどうかというのは、私も予測がつかないところです。

和田委員長
地域によって差があるということですか。

徳増氏
地域によってかなり差があると思います。都市部などはかなりそういう土地をどう活用するかという方向にいくし、地方部においては、やはり農地調整で新しい開発をどうしていくかという、二面性があるという感じが少しします。

森委員
徳増様のお話は、神奈川県のおかれている企業立地の現状を非常に端的に要約していただいておりまして、今自治体が企業誘致をする際に抱えている課題を非常に良く整理していただいていると思います。
特に神奈川県の場合、最大の課題が、1つは、今お話に出ました跡地をどうしていくかということと、それからもう一つは、先程住工混在のお話も出ましたけれども、特に準工業地域、工業地域を中心とする既存の都市部の工業地域は、マンション化、宅地化、商業化が進んで、どんどん歯抜け状態になっていくという問題があって、その跡地は工場用地としてはもう活用できないのです。従って、神奈川県でも、そういった新しい移転の受け皿をつくる必要があるということで、実は最大の課題はやはり工業用地をどう確保していくかということになるわけです。
その時にやはりネックになってくるのが農振法でございまして、実は神奈川県では今、圏央道の整備が進んでおりますが、そのインターチェンジ周辺というのは大体農振法の網がかかっている地域でございまして、地元の自治体、あるいは企業からも立地したいという要望があるのですけれども、現状では如何ともし難いという状況がございます。そういう意味で、本日の徳増様のご指摘は、企業立地の際の課題というのを的確に要約していただいたと思っております。

和田委員長
ありがとうございました。立地条件がだんだん変わってきて、既存の工場から別の新しい地域に工場立地の条件が整ってきたときに、移らざるを得ない。そうすると、それは結局農地法との関係になってしまうということでしょうか。

徳増氏
都市部の問題としては、跡地のリニューアルと新しい展開をするのと一体としてどう考えていくかというのがあるのです。だから、そこは放ったらかしてしまって新しいところばかりという話もどうかと思います。既存用地のリニューアルの時にどういうふうな計画をするか、また、新たな受け皿としての工業団地開発は何がベストかを議論しておかないといけないと思っております。絶対農地を守るということも前提にはありますので、やたらむやみに工場用地にするという話ではないと思います。

和田委員長
それでは、次に事務局の方から、パブリック・コメントの話と今後の予定について説明願います。

工場立地法準則等告示案のパブリック・コメントの結果について

多田地域活性化企画官
それでは、お手元の資料3をご覧いただければと思います。前回4月の小委員会の方でご説明、ご了解いただきました新しい法律でございます企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律に基づきます特例措置ということで、緑地面積率等に関する同意企業立地重点促進地域についての区域の区分ごとの基準、それとそれに伴います工場立地に関する準則、これは環境施設を周辺部に配置するという話でございます。
その2件につきましてご了承いただきまして、その後、4月17日から5月16日まで1カ月間、パブリック・コメントをさせていただきましたところ、特段のご意見がなかったということで、これで今回ご了解いただきまして、6月11日に法律が施行される予定でございます。その翌日、6月12日に当小委員会の親会でございます地域経済産業分科会の方に諮問させていただきまして、そこでご了解いただきましたら、6月中下旬に告示施行という段取りにさせていただければと思っております。

当面の検討スケジュールについて

多田地域活性化企画官
また、資料4でございますが、次回の委員会の開催でございます。これまで数回に渡りまして、有識者の皆様、あるいは自治体の関係者の皆様からいろいろご意見をいただきましたものですから、今後それらを基にいたしまして、工場立地法の見直しの具体策をご議論いただければということで、当方が自治体あるいは企業にアンケート調査を行っているものを用意いたしまして議論の素材にさせていただければと思っております。
日程につきましては、また後程皆様のご都合を伺わせていただきまして調整をさせていただきたいと思います。以上でございます。

閉会

和田委員長
準則改正に関しては、我々が了承した案がそのまま告示されることが決まったということでございます。
それから、次回は6月中旬から下旬にかけて、日程調整をさせていただきますけれども、アンケートを取っているとのことなので、その結果を見せていただきながら議論するということにさせていただきたいと思います。
ご意見がないようでしたら、今日はこれで終了いたします。どうもありがとうございました。

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最終更新日:2007年6月27日
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