経済産業省
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産業構造審議会地域経済産業分科会工場立地法検討小委員会(第11回)‐議事録

日時:平成19年7月11日(水曜日)10時~12時
場所:経済産業省別館10階各省庁共用1012号会議室

出席者

和田委員長、大西委員、塩崎委員、半田委員、前田委員

議題

  1. 環境規制法の変遷について
  2. 自治体・企業に対するアンケート調査結果
  3. 工場立地法見直しの論点整理
  4. 風力発電施設の工場立地法上の扱い

議事録

開会

和田委員長
産業構造審議会地域経済産業分科会第11回工場立地法検討小委員会を開催いたします。
本日は、太田委員、下村委員、森委員、土屋委員が御欠席でございます。
今日は、今までの議論を整理して工場立地法見直しの論点整理をするのがポイントかと思いますが、その前に環境規制法の変遷について事務局の方でまとめていただいたので、それをみんなでレビューし、それから、企業・自治体にアンケートをしていただいたようで、その結果を聞かしていただき、その後で、今まで我々が立地法に関していろいろ議論してきましたけれども、それの論点を整理していただいておりますので、それについて議論するということにしたいと思います。

大臣官房審議官挨拶

和田委員長
それから、7月6日付で川原田審議官がご異動になりまして、今回、ご後任として大塚審議官にご出席いただいておりますので、一言、大塚審議官からご挨拶をいただきたいと思います。

大塚大臣官房審議官
先週の人事異動で官房審議官になりました大塚でございます。どうかよろしくお願いいたします。
この工場立地法、本当に歴史の長い法律でございますし、世の中のニーズに合わせて随分変化を遂げてきている法律だと思います。今回も変えるべきところは変え、変えないところは変えないということでございますが、変えるべきところにつきましては、世の中のニーズを踏まえて果敢に変えていく必要があると思っております。
それでは、どうかよろしくお願いいたします。

配布資料確認

和田委員長
それでは、今日配付しております資料について事務局から確認をお願いします。

内田地域経済産業政策課長補佐
おはようございます。それでは、お手元の資料を確認させていただきます。まず最初に、1枚「議事次第」でございます。次が資料1「環境規制法の変遷について」、資料2として「工場立地法に関する地方自治体及び事業者アンケート調査結果概要」でございます。資料3として「工場立地法見直しの主要論点(案)」というものでございます。資料4に参考資料がつけてございます。資料5として「風力発電施設の工場立地法上の扱いについて(案)」ということでございます。最後に「今後の予定」というものがついてございます。
資料欠落はございませんでしょうか。

和田委員長
よろしゅうございますか。

議事

1.環境規制法の変遷について

2.自治体・企業に対するアンケート調査結果

3.工場立地法見直しの論点整理

和田委員長
それでは、議事に入りたいと思います。
議事次第に従いまして、まず事務局の方から各資料の説明をお願いします。

内田地域経済産業政策課長補佐
それでは順を追って御説明申し上げます。
まず、資料1をご覧ください。「環境規制法の変遷について」というものでございます。2ページをご覧ください。こちらは主な環境規制法の制定状況などを一覧に整理したものでございます。ご覧いただいたとおり、既に昭和30年代には水質汚濁、ばい煙等の対策が講じられたところでございますが、中ほど括弧書きでご覧いただけるとおり、昭和48年には工場立地法がその一翼を担うかたちで制定、整備されたところでございます。その後、環境省を始めとした関係者のご努力の結果、ここにご覧いただけるとおり環境規制法体系及び規制法、手法などにつきましては、より高度、より効果的・合理的なものに整備されてきたところでございます。
次ページ以降でその概要を簡単にご覧いただきたいと存じます。
それでは3ページをご覧ください。まず、大気関係の規制の変遷について概観したいと存じます。昭和37年に既にばい煙規制法が制定、施行されたところでございまして、その規制対象は、工場から発生するスス、硫黄酸化物等のばい煙、そのほか特定有害物質ということでございます。
規制方法としては、まず地域を指定して、その地域内のばい煙発生施設について排出口のばい煙濃度による排出基準で規制する手法であったようでございます。具体的な指定地域は京浜、阪神、北九州などでございます。
5ページをご覧ください。昭和49年に大気汚染防止法の一部改正が行われまして、硫黄酸化物の総量規制方式が導入され、規制方式の高度化が図られたところでございます。具体的には一定範囲の地域という単位で、大気汚染物質の排出総量の許容限度を科学的に算定いたしまして、その量以下に排出量を抑えるよう個別発生源の規制を行う方式、いわゆる「総量規制方式」ということでございますが、そのような新たな手法が導入されたということでございます。(1)に記載のとおり、この方式は千葉、川崎、東京、横浜、大阪など11地域において実施されております。具体的な規制方法は(2)以下に記載のとおりでございますので、説明は割愛させていただきます。
6ページに参ります。昭和56年になりまして窒素酸化物の総量規制方式も導入され、さらに規制内容の精緻化が図られたところでございます。こちらにつきましては東京、横浜、大阪の3地域で実施されてございます。
7ページをご覧ください。平成16年になりまして揮発性の有機化合物に対する規制も導入されまして、さらに規制内容の精緻化が図られてございます。
次に8ページでございます。こちらは時点が少々戻りますけれども、大気環境規制の一環として昭和46年に悪臭防止法が制定されまして、ばい煙だけではなく、臭いについても精緻な規制が行われているところでございます。
次に9ページをご覧ください。ここから水質関係規制の変遷について概観したいと存じますが、昭和45年に水質汚濁防止法が制定されてございます。これは昭和33年に制定された工場排水規制法、それから水質保全法に代えて制定されたものでございまして、施行は昭和46年、翌年でございます。
その規制対象としては、公共用水域へ汚水を排出する可能性のあるすべての工場・事業所となっておりまして、全公共用水域を対象として全国一律の排水基準(一般排水基準)が設定されまして、いまだ汚濁されていない水域についても事前予防が図れることとなってございます。また、都道府県条例において上乗せ基準の設定も可能とされたところでございます。
一般排水基準は、「人の健康に関する基準」について、カドミウム、シアン化合物、有機リン酸、鉛、ヒ素、水銀等の8項目、「生活環境の保全に関する基準」については、水素イオン濃度、BOD、COD、浮遊物質量、大腸菌群等の14項目について定められたところでございます。
次に10ページをご覧ください。昭和53年に水質規制においても水質総量規制方式が導入されまして、規制方式の高度化が図られたところでございます。具体的には、汚染物質が蓄積しやすい閉鎖性水域の水質保全を目的として、水域上流内陸部にある汚濁発生源について、汚濁負荷量の総量を統一的かつ効果的に削減することを目指すというものでございます。
これは水質汚濁防止法の従来の規制方式では、(1)のとおり、その水域の水質に関係する汚濁発生源の全体をとらえることができない。それから、(3)のとおり、濃度規制であるため特定施設の新増設、それから、希釈排水による汚濁負荷量の増大に有効に対処できないという制度的限界があったために、これらの問題解決を目指したというものでございます。
次に11ページをご覧ください。これは騒音振動関係の規制について概観しますが、昭和43年に騒音規制法が制定されまして、昼間、夜間などの時間帯別に基準を設定しまして騒音規制が実施されているところでございます。
12ページには、振動規制法。昭和51年に至りまして、振動に関する規制も講じられてきたところでございます。
資料1の御説明は以上でございます。
続きまして、資料2を御説明申し上げたいと思います。
資料2は、工場立地法に関する地方自治体及び事業者アンケート調査結果概要でございます。注意書きに書きましたように、自治体調査については、47都道府県、15政令市、そのほか1801の市町村を対象に実施したところでございます。回収数は、都道府県44、政令市8、市町村1010の回収率になっております。調査方法は、アンケート票の郵送回収方式によっております。
同じく2番、製造事業者調査につきましては、1449の回答をいただいてございます。調査方法は同じくアンケート回収の方法によってございます。実施時期は今年の1月でございますので、この時点では新法の企業立地促進法の概要などは周知されてございません。
めくっていただきますと調査内容がございます。まず1番でございますが、工場立地法の規制による影響がどのようなものかというところを見たものでございます。その結果、特定工場のうち16%の事業所において、工場立地法の生産施設規制、緑地面積規制、環境施設規制が障害になりまして、新増設や建て替えを断念したことがあるという御回答がありました。
断念したことがあるとご回答のあった事業所のうち、約4割が、生産施設面積規制がその原因であるというお答えでございました。さらに緑地面積規制が原因だとおっしゃるところは8割、環境施設面積規制が原因だとおっしゃるところが3割弱ございました。
次に3ページでございますが、立地法の規制が障害になったとおっしゃった事業者についてその後の対応をお聞きしました。その結果、左下のグラフでございますが、「国内の他工場で対応した」とおっしゃるのが29%、そのほか「事業計画自体を断念した」のが23%もございました。さらには海外流出ということでございまして、「海外工場で対応した」という御回答のところが6%ございました。
右のグラフでございますが、これは「仮に、生産施設規制が撤廃された場合、生産施設面積を拡大するか」というお問い合わせをしました。「拡大する」とおっしゃるところが11%、「多分拡大する」というところが23%、合計34%の事業所において、施設規制が撤廃されたら拡大していくだろうということでございます。
次に4ページの3.でございます。生産施設面積規制の今後のあり方について、規制実務者である都道府県、政令指定市の御意見を聞きました。その結果、31の都道府県市、いわゆる69%に当たるご回答で、「工場敷地の扱いについては、基本的に廃止でよいのではないか、基本的に建築基準法の建蔽率の規制に一本化する方向で検討すべき」というご回答がございました。
一方、4つの県市においては、9%相当ですが、「現在の生産施設面積規制を堅持すべきだ」というお考えのところもございました。
そのほか、「いろいろ分けてきちんとそれぞれ種類によって、生産施設面積規制と工場立地、建築基準法の規制を分けて精緻に規制すべきだ」というお考えもあるようでございます。
次に5ページに行かせていただきます。4.緑地面積規制の今後のあり方について、同様に規制実務者である都道府県、政令市にお伺いしました。4%の県市で「廃止してよい」、58%の県市では「緩和すべきだ」というお考えだと承りました。一方、31%の14県市においては、「現行のままでよい」というお考えもございます。
今ご紹介したのは全国基準、20%の基準を維持すべきかどうかということに対する回答でございますが、加えて地域準則についても同様にお聞きしております。5県市、11%相当では「廃止してよい」、59%の26県市では「緩和すべき」というお考えのようでございます。一方、10県市、23%相当でございますが、「現行のままでよい」とおっしゃっているところもございます。ただ、「厳しくすべきだ」という御回答は皆無でございました。
続きまして、6ページでございます。同じように緑地以外の環境施設面積規制について規制実務者のお考えを承りました。「全国基準5%」につきましては、12県市、27%で「廃止してよい」というお考えでございます。それから、23県市、50%相当は「緩和すべきだ」というお考えの回答でございます。一方、7県市、16%においては「現行のままでよい」というお考えのようでございます。
同じく「地域準則」に関して、14県市、31%相当で「廃止していいのではないか」、それから、22県市、49%は「緩和すべきだ」というふうにおっしゃっております。一方で、6県市、13%の県市では「現行のままでよい」という御回答がございました。こちらについても、「厳しくすべきだ」という御回答のところは皆無でございました。
7ページに進ませていただきます。こちらは法6条1項の届出があった場合に、着工を制限する法11条の規定に基づく制限期間でございますが、これについては今現在法定で90日となっております。ただ、これは都道府県知事の裁量で短縮も可能でございますので、「それについて短縮措置を講じていますか」という問いに対して、全体の86%の自治体で、大半の案件に対して期間短縮が実施されてございます。その他の届出についても同様の状況となっております。
8ページに進ませていただきます。こちらは今ほどお伺いした着工制限期間に関して、現実に期間短縮をされていることを踏まえ、実際にどのぐらいまで短縮が可能でしょうかとお伺いしたのがこの結果でございます。
(1)は、実際の着工制限期間、届出を短縮した期間、自治体における実際の着工制限期間はどのくらいかというのが29.1日という実績でございます。それを踏まえて、どのぐらいまで短縮可能かとお伺いしたのが(2)の方でございまして、こちらによりますと全体の約85%強のところで、30日以下、30日程度まで短縮しても事務処理対応可能だという結果になっております。
進みまして、9ページが自由回答で、工場立地法に関して各自治体から寄せられた御意見でございます。整理しまして、(1)が生産施設規制関係でございますが、緩和が必要だというのがございました。(2)で緑地面積規制に関して、「飛び緑地」を認めるべきだという御意見。その次は、緑を立体的に捉えることも含めて緑量確保を考慮した規制を考えるべきであるという御意見もございました。その次は、工場の環境負荷はかなり軽減されているので、工場のみに緑化義務を設けることはバランスに欠けるのではないかという御意見もございました。(3)で工場立地法全般に関するものですが、工場の立地環境(周辺の状況など)に合った規制を可能とするような法律にすべきだという御意見が1つでございます。次は、比率を全国一律に定めることの妥当性に疑問を感じている。市町村に権限をおろして地域の特性に応じた対応が可能となるような検討をせよという御意見でございます。3つ目は、地方都市はそもそも周辺に緑地が十分にあるので、全国一律の規制は不合理ではないか、より地域の実情に合致したあり方ができるように地方に権限移譲をせよという御意見でございます。4つ目は、企業がCSRということで大分環境の保全に配慮されている主体になっておりますので、CSR的観点で規制を考えたらどうかという御意見でございます。それから次は、環境緑化の規制は他の法律に委ねてよいのではないかという御意見でございます。最後は、今のと同様の御意見でございますが、都市計画法、建築基準法、環境規制法それぞれ規制している法律がありますので、十分に環境への対応はできているということと、それから、先ほど述べましたようにCSR、企業意識も高まっておりますので、既に工場立地法は役目を終えたのではないか。したがって、早期に廃止をすべきではないかという御意見もございました。
資料2については以上でございます。
続きまして、資料3、今までの審議の結果を踏まえて見直しの主要論点の形で事務局の方でまとめさせていただきました。
まず、「検討の視点」でございますが、工場立地法につきましては、1つはここに書かれたような改正法案の提案理由によりまして、調査法から工場立地法というふうに形を変えたものでございます。一方で、昨今でございますが、工場立地法の規制については、立地企業の敷地利用を大きく制限するものでございますので、企業における土地生産性を低下させ、ひいては国際競争力にも影響を及ぼすおそれがあるのではないかというのはこの審議会で指摘がなされたところでございます。またさらに、近年の工場立地をめぐる環境ということで、これは立地法が制定された昭和48年当時と比べて大きく変化を遂げているのではないかということでございます。
(1)は、今ほどご覧いただきましたとおり、環境規制法の体系はかなり整備されてきたという点、それから、公害防止技術ということでも長足の進歩を遂げているのではないかということで、公害問題という観点で見ますと、工場の問題としては著しく改善が図られているのではないかということでございます。そのほか、(3)にございますように構造改革特区の要望もございます。さらには、先ほど見ていただいたとおり企業が国を選ぶ時代ということで、国内で対応できないということになりますと、海外への展開、海外流出という事態が起こるということでございます。そういう状況変化が起こっているということでございます。
また、平成16年にこの小委員会で取りまとめていただきました報告書の中では、生産施設面積規制の廃止も含めて抜本的な検討が必要であるという御指摘も既にいただいているところでございます。こういった観点を踏まえて、まず生産施設面積規制のあり方について、それから緑地面積規制、環境施設面積規制のあり方などについて検討を行ってまいりたいということでペーパーをまとめてございます。
2ページ以下が具体の「検討課題」でございます。
まず、生産施設面積規制のあり方については、第1パラグラフが立地法制定当時の考え方でございます。生産施設面積率を一定割合以下に抑制することによって、一定単位面積当たりの生産量を抑制してその地域の環境負荷を抑制するということで設けられた規制のようでございます。
ただ、「また」以下でございますが、昭和55年の環境白書によりますと、産業公害の防止手法としては二つあり、一つは直接的な規制法、二つ目が(2)で土地利用規制などを補完的あるいは代替的に用いて、居住空間と発生源を隔離あるいはその間に緩衝物を設置する方法、間接規制法ということで行う防止方法があるということでございます。
間接規制法は、発生源が1地域に高度に集中したり、あるいは事業者の対応力、技術的理由などにより基準の達成が困難な場合に、排出規制に加えて採る間接手法だというのがこの御説明でございました。参考に入れてございます。
したがって、こういう考え方を踏まえますと、発生源が高度に集中している地域における基準達成のための規制措置が既に講じられている場合や、事業者の対応力・技術力の向上により基準達成が可能となっている場合においては、そもそも補完的・代替的手段である「土地利用規制」を引き続き継続することは、場合によっては過剰規制となるおそれがあるのではないかと考えてございます。
現状を見ますと、工場がその周辺地域に与える環境負荷については、総量規制の導入、先ほど御説明して見ていただいたとおりでございますが、その導入があるなど環境規制法体系は十分に整備されてきているようでございます。それから、公害防止技術といった点についても長足の進歩を遂げておりますし、公害防止機器の普及ということでございますが、脚注にございますが、お手元の資料4の2ページ、3ページが排煙脱硫装置(SOX対策機器)でございます。各事業所における排煙脱硫装置の導入の状況を見たグラフでございます。棒グラフが設置基数、折れ線グラフがその総処理能力でございますが、昭和48年当時、工場立地法制定当時と比べて基数で約4倍、処理能力では7倍の状況となってございます。資料4の4ページが、排煙脱硝装置の普及状況でございます。こちらはNOX対策機器となっております。5ページでご覧いただきますとおり、昭和48年当時、設置基数はわずか10基であったものが、平成14年度末現在では設置基数は1765基となりまして、当時と比較して設置基数で177倍、200倍近く、処理能力では950倍となってございます。以上、御参考までに公害防止機器の普及状況を見たものでございます。
さらに、工場立地法の制定当時に比して著しく低減しているということでも資料3に脚注をつけてございますが、今の資料4の6ページ、7ページでございます。大気中の窒素酸化物に係る環境基準の達成状況を7ページ目のグラフで見てございます。見ていただいてわかりますように、昭和48年当時かなり高かったものが、順を追って右肩下がりになっております。微妙な数字でございますけれども、二酸化窒素濃度で見ますと、昭和48年当時0.028ppmであったものが、平成17年には0.015ppm、同じく一酸化窒素濃度については0.021ppmが0.007ppmと改善されておりまして、環境省で測定している一般環境大気測定局における環境基準達成率は、ほぼ100%の状況となっているそうでございます。排煙脱硫・脱硝装置については、このような状況になっております。
それから、資料4の9ページが硫黄酸化物(SOX)の環境基準達成状況でございます。10ページ、11ページが二酸化硫黄濃度の年平均値の推移で、グラフでも明らかなとおり、48年当時の二酸化硫黄濃度は0.02ppmだったものが、平成17年では1桁違いまして0.004ppmに改善されているそうでございます。こちらについても、ほぼ一般環境局における環境基準達成率は、100%を達成しているようでございます。
資料3に戻らせていただきます。
以上ご覧いただいたような状況から、「補完的・代替的手段」である「生産施設面積規制(土地利用規制)」を存置する意義は既に失われているのではなかろうかという問題意識から、そのところを御検討いただきたいと思っております。
3ページに進ませていただきます。ここから緑地面積規制及び環境施設面積規制のあり方について書いてございます。こちらについては問題意識としては、「一方」というところに(1)、(2)、(3)と書いてございますが、先ほどアンケート調査でご覧いただきましたように、緑地等の面積規制がネックになりまして、工場の新増設や建て替えができないという声もたくさんございます。それから、コスト負担が大きい、工場転出の懸念が増大するということでございます。これは先ほど資料2でご覧いただいたとおりでございます。
このような状況を踏まえて、周辺住環境との調和を図りつつ、規制の弾力化を図ることを通じて、企業立地を円滑化することが必要ではないかということで、以下のような御検討をいただいたらどうかということでございます。
一つは、工場の敷地を離れて飛び緑地、飛び環境施設を認めてもよいのではないかということでございます。これは先ほどの自治体アンケートの結果でもそのような声が入ってございます。具体的な例としては、この審議会で御報告いただいたとおり、食品系の工場で、近傍に植栽があると虫が入ってしまうという現実的な問題もあるようでございますし、テニスコートなど一般に開放されている施設は、敷地内である必要はないのではないかという御指摘もあったようでございます。
4ページに参ります。(2)でございますが、公共の緑地、公共環境施設ということで、こちらは先だって横浜市からご報告いただきましたような事例でございますが、特に企業の所有地ではなくて、公共に設置するような街路樹、緑道、公園等の費用負担を企業がすることをもって、その費用負担割合相当について緑地面積に算入することを認めてもよいのではないかということを御検討いただいたらどうかということでございます。
次に、(3)で「緑の質」の反映ということで、この審議会でも明治大学の輿水先生から御報告いただいているところでございますが、こういった御指摘なども踏まえて「緑視量」、「緑の質」といったところを検討していただいたらどうかということでございます。緑視量というのは輿水先生の御紹介で御承知かと思いますが、国土交通省などもこのような視点で調査を実施してございまして、先ほどご覧いただいた資料4の12ページをご覧いただくと、国土交通省における調査結果が入ってございます。「都市の緑量と心理的効果の相関関係の社会実験調査」というのを国土交通省でやったそうでございます。こちらにおいて「緑視率」という定義がございまして、日常生活の実感として捉えられる緑の量として、特定方法で撮影した写真中に占める緑の割合を「緑視率」と言っているようでございます。
委員の右手の方にスライドを映し出しておりますが、資料では黒く見えているところが実は「緑」でございまして、特殊な方法でデジタル写真を加工処理して、写真の中に占める緑の率を算定しているようでございます。最近はこういうことが出来る市販のソフトも出ているようでございます。
資料3にお戻りいただきますと、川崎市から御報告がありました緑の質、緑を立体的に捉える考え方もあるということでございます。生け垣とか大景木の緑の量、質を面積に換算して、緑地面積率に加えることを認めたらどうかということでございます。
先ほどのスライドの方でございますが、資料4の13ページ、14ページに付けてございます。これは実際に私どもがいろいろ調査に伺って撮って来た写真ですが、これが生け垣です。道路に接道した状態で立派な生け垣というか植栽が並んでいる例でございます。こういったものも単に上から見た面積だけではなくて、この緑の量を換算するような手法で緑地面積率に加えていったらどうかということでございます。接道部に生け垣を設置した場合は、高さ×延長の面積を緑化面積として計上できるというのが川崎市の緑化指針でございます。
資料4の14ページ、大景木植栽、これも同じく工場にお伺いして撮って来た写真でございます。大変立派なクスノキでございます。大景木については、川崎市の指針では、高さ6m以上、目通周0.4m以上、葉張2.5m以上の高木を植栽した場合には、高さを直径とした円の面積を緑化面積として計上できるという方法で、量換算をされているようでございます。これは御参考まででございます。
それでは、資料の3にお戻りください。続きまして、(4)「緑地以外の環境施設」の範囲でございます。「緑地以外の環境施設」というのは、この審議会でも御議論いただきました。いろいろございますけれども、場合によっては太陽光発電といったものについてもいろいろ御要望があるようでございますので、ここについては各自治体が適当と認めるようなものについては、その地域地域の個別の御判断によって、環境施設と認める範囲を決めていただいていいのではないか、弾力性を持たせたらどうかということで考えてございます。
進みまして、5ページでございます。こちらも従来の工業団地特例、工業集合地特例を一歩進める考えでございますが、工業専用地域はもともと建築基準法上住居が建築できない地域でございます。そのように住環境が存在しないような工場専用地域エリアについては、特例措置を講じたらどうかということでございます。工場の敷地単位の規制から広域的な視点の仕組みを導入すべきという御指摘もございまして、工場専用地域相当のエリアについては、境界地点、すなわち住環境とその地域とが接する境界地点に必要十分なグリーンベルトを設けることをもって工場立地法の規制をクリアしているとみなすような考え方はどうかということについて御検討いただいたらどうかということでございます。
さらに3.でございますが、先ほどご覧いただいたとおり、法定の着工制限期間、したがって法律6条の届出から90日間は着工ができない、工場着手できないということになっております。実際は都道府県知事の裁量で30日程度に短縮した運用がされているようでございますが、ただこれはあくまでも裁量でございますので、予見性がないということで企業にとっては使いづらいのではないかということで、法定期間自体を実態に合わせて短縮したらどうかというのが最後の点でございます。
資料1から4の御説明は以上でございます。

和田委員長
どうもありがとうございました。
それでは、これから議論をしていきたいと思いますけれども、事務局の方からまず公害規制の資料が説明されました。これまでどういう形で公害の規制法が整備されてきたか。これは生産施設の面積を工場立地法では規制しているわけですけれども、それの意味が現在もあるかどうかということで、公害規制で十分に対応できているのではないかという意味での資料ではなかったかと思います。
それから、アンケートがありまして、自治体、事業所に対するアンケート調査の結果がありました。
それから、「論点整理」ということですが、今日の議論としては、事務局の方から出していただいた生産施設面積のあり方の問題、緑地・環境施設の面積のあり方の問題、それから法定着工制限期間の短縮の問題、この3つが論点として示されているということだと思います。
それで、我々は今までもずっと議論してきたわけですけれども、工場立地法というのは今何をやろうとしているのかという基本的な問題があって、もともとの性格としては立地促進という面があって、良好な立地地点を調査し、その情報を公表するというところから始まって、その後、一方で適切な立地が行われないといけないということで立地の規制が入ってきた。ですから今、立地の促進という観点と立地規制という観点という二面性を持った法律になっているのだろうと思います。それで、今でもまだ工場適地その他の調査は行われているわけで、立地の促進という面はある。
ただ、単に立地するばかりではなくて、適正な立地をしてほしいということで準則規定があって、そこでは生産施設の面積、それから緑地、環境施設等々の規制があるわけですが、今日は土地利用規制に関して議論していきたいと思います。
まず、生産施設の面積についてですが、事務局の方から御提示があったこれまでの公害規制の歴史をご覧になって、あるいは自治体からのアンケート結果からみて、生産施設の面積の規制というのはもう必要ないのかどうか、まだ必要があるのかどうか、そこら辺の議論で少し御意見を承りたいと思います。
まず、生産施設の面積。これは前の分科会のときに一応中間報告が出て、我々の中では生産施設の面積に関しては、1つは建築基準法、また公害規制等々があって、個々の施設についても水質、排気ガスの規制があって、工場立地法で規制する必要があるのかどうかという議論があって、これについては見直しを検討するべきだというところまでは行っているんですけれども、これに決着をつけないといけないということであろうと思います。これについてどなたか御意見があったらお伺いしたいと思います。今日決着をつけるということではなくて、御意見を承れればと思います。
実際の環境の改善の足取りというのは資料4で示されていて、だいたい現状として環境基準はほぼ達成されているということでした。工場立地法がどのくらい寄与しているかというのはわからないわけですけれども、一応現状の段階では環境基準が達成されている。

大西委員
何回か欠席しまして議論に付いていっていないかもしれませんが、今日の資料2の中でいちばん最後のページにフリーアンサーが整理されています。いま座長から論点として示されたところとはちょっと飛びますが、資料3の1ページの下の方にある平成16年1月にまとめた報告書で、生産施設面積規制を廃止する云々というところなんですが、このときの報告書の詳細について記憶しておりませんけれども、議論としては単に生産施設面積規制にとどまらなくて、工場立地法そのものについて存廃を含めた議論が必要だということもあったと思うんです。
それで今、資料2の最後のページの一番下のところに、どこかの自治体の意見として、早期に工場立地法の廃止を検討願いたいということがあって、理由として環境法規制、建築基準規制、あるいはCSR意識が高まっているということで役割が終わっているという議論だと思うんですが、これまでいろんな格好で地方分権も含めながら規制緩和を工場立地法についてはやってきたと思うんです。
そういう議論の仕方をすれば、今回についても一つ一つについてどこまで緩和していいのかという議論をしていくことは可能だと思うんですが、しかし16年1月に根本的な見直しという議論も出ているし、具体的に都道府県、市町村からもこうした根本にかかわる議論も出ているので、もし規制緩和型で今回議論を取りまとめていくことになるとしても、一方で工場立地法そのものは、依然としてこういう理由で必要なんだということもはっきりさせておく必要があるのではないか。
そういう意味では、全体としては例えば企業立地促進法ができて、その中に法律事項として工場立地法の緩和規定が入ったりしているので、工場立地法が廃止されると何か共倒れになるような法律もあるという感じもしまして、技術的にいろんな問題を検討しなきゃいけないという事情もあるのかもしれませんが、それはそれで置いておいて、根本的に今日の時代で工場立地法というのが必要なのかどうか。
必要だとすれば、その上であり方の問題ということで緩和論というのが出てくるだろうし、必要がないということであれば、そのあり方論というよりも存廃論を詰めていくことが妥当だと思うんです。そこのところを少し整理しておく必要があるのかなと。そうしないと絶えず議論が存廃論に振れていくのか、あるいはややテクニカルな規制緩和論を深めていくのか、そこが揺れ動いてなかなか議論がかみ合わない局面も予想されると思います。
今個別の問題については、私は特に生産施設面積規制について緑とは直接関係ない、裏返しとしては関係があるんですが、仮に緑地面積の規制の方が残るとすれば、そちらが優先されるということでカバーできるということであれば、この生産施設面積の規制は一番要らない廃止の対象になり得るのかなと思います。

和田委員長
どうもありがとうございました。
基本的な御意見で私も全く同感ですが、議論の仕方として、もう一度工場立地法の法律の意味、何を工場立地法でしようとしているのか、それをもう一度議論する手もありますが、逆に結局、いま工場立地法でやろうとしているのは「届出」と「調査」とそれから「準則」であり、その中で「準則」の意味が非常に強くて、準則は何をしているかというと「生産施設」と「緑地」と「環境施設」の3つ。それで、もしこの「生産施設」が要らない、それから「緑地」についてもどんどん緩和していけばいいという話になると、準則の意味が必然的に無くなってきて、工場立地法の重要な柱がもう要らないということになって、それによって工場立地法はもう要らないんじゃないかという議論が出てくるのかなという感じもしています。
それで、大西先生のおっしゃったように、初めに工場立地法は今どういう意味があるのかという議論をするのか、あるいはその柱である中身をどうするかという議論をしていく中で必然的に出てくるのか、そこのところはちょっと難しいところだと思います。
前回の小委員会では、特に適地の話をしていただきました。立地センターの德増さんから工場立地法の1つの柱である適地の問題が提起されて、最近、工場の国内立地が増え始めていてその観点から適地をちゃんと調査するというのは、全く意味がないわけではないという議論があったような気はするんですけれども、ただ、本当にそうかなという気持ちもないではない。
それから、準則で生産施設、緑地、環境施設の3つを規定している。生産施設についてはもうそろそろ廃止してもいいかもしれない。緑地もややなし崩し的に今まで緩和されてきている。それでもう地方自治体にお任せしたらいいんじゃないかという議論もあるということになると、確かに法律事項がなくなってしまうという感じもあるんです。

横田地域経済産業政策課長
事務局から少し補足させていただければと思いますけれども、大西先生に御指摘いただきましたように、あるいは資料2の9ページの個別の意見の(2)にありますように、工場立地法の規制というのは工場だけに課されていて、ほかの流通とか普通の業務用のオフィスとかには義務がないということで、バランスを欠くんじゃないかということを考えますと、本当に御指摘のように生産施設面積規制だけではなくて、緑地とか環境面積規制も含めて、もういっそのこと廃止してもいいんじゃないか、あるいは工場立地法は本当は要らないんじゃないかという御議論もあろうかと思います。
ただ、これまでこの小委員会では、先ほども御指摘がありました企業立地促進法における特例措置について、昨年末重点的に御議論いただいたんですけれども、その際の御議論を承っておりますと、例えば工場専用地域であって、老人ホームなども含めて住環境がない、いわゆる丙種地区について緑地面積規制を、例えばもうゼロでもいいんじゃないかとか、いやゼロまでというのは行き過ぎじゃないかとか、緑地面積規制については、かなりこの小委員会でも御議論があったように記憶しております。
そういう意味では、もしそういう緑地面積規制について何がしかの規制が必要なんだという御議論があるのが強いとすれば、立地法そのものの役割が終わったので廃止してもいいのではないかということには、この小委員会ではなりにくいのではないかということで、今回事務局の論点では、工場立地法の存廃ということにはせずに論点を整理させていただきました。
それから、適地調査についても今御指摘がございましたけれども、実際、自治体の方で企業誘致をする、あるいは工業団地の分譲をしていく際に、工場立地法の適地になっていることが一つの大きなセールスポイントになっているんだという自治体があることも事実でございます。それがどれだけ企業サイドから見て効果的かどうかということについては、よく調べてみないとわからないかもしれませんけれども、そういうこれまでの小委員会の御議論を踏まえながら、一応こういう論点整理にさせていただいたということを補足させていただきたいと思います。

大西委員
さっきの私の意見にちょっとつけ足したいと思います。私も工場立地法を廃止するべきかどうかというのははっきり結論を持っていなくて、というのは確かに規制緩和をずっとこれまでしてきたので、その流れからするとこうやってずるずる、ずるずるという表現はよくないかもしれませんが、規制緩和を続けていくということで、法律を存続させる理屈を持つのかという不安があるわけですね。
他方で、この緑化ということは時代の流れに合っていて、景観的な緑化ということで今日も紹介がありましたし、それから、CO2と温室効果ガスの吸収源に役立てようという動きもあるし、このあいだ聞いた千葉県の例では、里山の整備にCSRの観点も含めてだと思いますが、工場における緑化を緩和するかわりに全然離れた、千葉県内ではありますけれども、場所についての里山の整備に貢献してくれというのを、これは協定という手続を媒介にしてということだと思うんですが、既にやっていることもあって、緑化を進める、あるいは緑の形なんかについても工夫することについては、時代の流れに合った必要性の高い点だと思うんです。
したがって、工場立地法を廃止するような議論がそういう流れに対して消極的だということになっては、なかなか世論の支持もないだろうと思います。したがって、今後工場立地法を育てていく、再生させるという観点に立つならば、少し緑についての新しいニーズを入れながら考えていく方向を出さないと、規制緩和という流れだけではなかなか持たないというのが実感で、そこを詰めることができれば意義があるのかなと思います。

塩崎委員
立地法の規制については、大きく生産施設、環境施設、緑地というふうになるんじゃないかと思います。その意義ですけれども、もともとは例えば人や環境への影響について被害を防がなくてはいけないからというところで、私の考えでは人や環境への影響が見られる項目については、ある程度の規制はやむを得ないと思います。一方では、規制の根拠たるデータが、今日示されましたように種々の環境規制によってどんどんよくなってきて、この法律でその規制に値するものがあるかどうか、この辺を明確にしないといけないんじゃないかと思います。
それからもう1点は、人や環境への影響以外に考えられるのは、先ほど来ずっと議論が出ております景観的なものがあると思うんですけれども、これはCSRという言葉が出てきておりますけれども、この意味では、ある程度企業の自主活動に任せるべきものではないかと私は思います。したがって、環境施設、生産施設、緑地それぞれについて人や環境への影響がどういうものであるのかという事と、一方で、企業の自主活動、あるいは地域との協働という意味も含めて考える項目と2つあるのではないかと思います。
個々のアンケートとか環境の実績でいいますと、今見る限りではあまり規制する、あるいは規制してきたものの意義が無くなってきているのではないかという気がしています。ですから、環境、生産、緑地それぞれについて何をどうしようとしているのかというのをもう少し元々の意義と現状等を解析して、今後必要かどうかという観点から考えたいなと思っております。

和田委員長
環境施設とか緑地とかあるいは生産施設の、どういうデータをこれから揃えたらばその判断ができることになりますか。

塩崎委員
これは非常に難しいんですけれども、直接的な効果を示すデータはなかなか出てこないだろうと思うんです。したがって、事務局が示されたような傍証的なデータでしかしようがないんじゃないか。データで示すことが一番いいんですけれども、なかなか難しいということもありますので、例えば環境施設は何を目的として何を決めたんだと、それに対して今のデータがどうなっているのかと、そういうふうに私は考えたいと思うんですけれども、どうでしょうか、わかりますでしょうか。

和田委員長
生産施設から始まって、生産施設、緑地、環境施設それぞれについて、何で決めたのか、今どうなっているのか、効果があったのかどうか、これからもやるかどうか、そういう議論をしていくということですか。

塩崎委員
はい。

和田委員長
それで、今日いろいろな資料がお配りしてありますけれども、その資料をどう見るかということも議論しないといけない。かなりいろんな資料を揃えていただいているので。例えば自治体からのアンケートを我々はどう受けとめるのかということ。それから、法律の今までの変遷、あるいは環境のデータを我々はどう判断するか、それもぜひ御意見をいただければと思います。

半田委員
先ほど工場立地法の存廃の話をされていましたが、私は、工場立地法はあった方がいいと思います。そもそも公害規制、あるいは建築基準法があると言いながらも、例えば大気汚染などは測定局で測っているものであって、個別の工場がどうであるかということまではわからないと思うのです。例えば、今はいいかもしれないけれども、そのうち状況が悪くなったときに個別の工場について何か物を言えるような状態にしていく。逆に言うと、ある意味での権限を持っているというか、そういう必要がないのかどうか、まずお伺いします。
それからもう1つは、適地調査をされているそうなんですが、もし差し支えなければどのぐらいのオーダーのお金がかかっているのか、つまりコストベネフィットに合っているのかどうかという、そのあたりをお伺いします。

内田地域経済産業政策課長補佐
一つ目の個別の企業のところについては、環境規制法の排出基準が定まっておりますので、環境省で必要十分に個別企業の規制もできるのではないかと思っております。ばい煙などの排出に関して、御案内のとおり、排出口でオンラインで常時監視する体制と承っておりますし、もし万が一それが不適合な状況であれば勧告・改善という仕組みもあろうかと思います。

半田委員
ある工場である時期に重大な問題が起きたときに、この法律がなくても規制できるんですか。

内田地域経済産業政策課長補佐
そもそもこの工場立地法は工場の立地段階で規制する法律でございますので、その後の具体の生産活動においてどうかというときには、これは環境省の各環境規制法で今現在も規制していただいている状況です。

半田委員
例えば余りにも大きな生産施設をつくってしまったために問題が起きているのではないか、そういう話になったときでもこの法律がなくても何も支障がないということですか。

内田地域経済産業政策課長補佐
生産施設の大きさ如何にかかわらず、ばい煙なり環境物質を排出するような企業については、それぞれ環境法、公害法の大気汚染防止法、水質汚濁防止法がすべからく規制対象としてかかってございますから、そこできちんと総量規制も含めて対応されるだろうと理解しております。

半田委員
わかりました。

和田委員長
大体二重に規制されていると考えていいと思うんです。1つは、個々の施設ごとに排出の基準が決まっていて、厳しく規制されている。あとはかなり集積しているところは、地域を指定して総量規制という形でかかっている。ですから、二重にかかっているというふうに考えていいと思うんです。

内田地域経済産業政策課長補佐
それから二点目のお尋ねで適地調査、どのぐらいコストがかかっているのかということでございますが、実はバブル崩壊後、工業団地は大分余っておりまして、これ以上の適地を必要としないような状況がもう十何年続いてまいりました。その関係で今は大きくは工場適地の調査は行っておらず、過去に適地とされたところを毎年1回調査、メンテナンスしている状況でございます。調査は、地方経済産業局を使い、各都道府県及び市町村と共同いたしまして適地の選定をするものですから、その行政コストの中でございまして、幾らというのは明確にはお出しできませんが、何億と掛かっているようなものではなく、まさに行政の事務処理費の中で行っているものでございます。

横田地域経済産業政策課長
行政の方で発生するのは、実態的には自治体の方で適地の候補地を挙げていただいて、それを私どもの方で現況確認をするという事務を行っております。これは職員が行く場合と、今年度から少し委託も使ってそういう現況確認もやっていこうかなということでございますけれども、基本的にはそういう旅費のたぐいのものが少し発生するぐらいで、そんなに大きなコストをかけてやっているものではないと御理解いただければと思います。

前田委員
私の方から、初めに大西委員からのお話の中で、地方からの意見でこの法律自体の廃止の話もあるというお話もあったんですが、それに関しては同じ地方公共団体のデータを見させていただく中で、確かに生産施設の規制に関しては、かなりのところ今の規制は要らないのではなかろうかという意見かと思いますけれども、緑地面積の規制に関しては廃止の意見は非常に少ないと見受けられますし、この部分はまだ法律の存続をある程度必要としていると理解していいのかなと私は思います。
なお、これに関しては後でまた個々の議論のときにと思っていたんですが、この工場立地法での緑地の規制というのは、ある意味非常に先駆的な規制で、かなり強い規制が行われてきた経緯があります。そのためにかなり大変ではあったんだけれども、具体的な成果もかなり上がってきていることも一方で言えると思うんです。
それで今環境関係のいろんな規制等があって、緑被率とかいろんなものがいろんな自治体での条例等々、これはヒアリング等でもありますが、その中でもこの法律による準則を参考にしながら動いてきているという事案が多々あるんです。そういう意味では、ここまで牽引してきたという今までの実態も頭に置いておくべきかなという感じがしております。

和田委員長
ありがとうございました。
アンケートの結果を見せていただいても、今、前田委員がおっしゃったようなことが出てきていると思うんですけれども、生産施設については、規制を廃止してもいいというのが69%で、そして規制を維持すべきだというのが9%。それから緑地については、廃止してもいいというのは4%しかなくて、現行どおりが31%、緩和が58%ですから、何らかの形で残した方がいいというのがほとんどで90%です。それから環境施設については、廃止するべきだというのが27%で、何らかの形で維持するべきだというのが66%ですから、それぞれについて温度差はあるわけですけれども、生産施設については廃止の方向がかなり強い。それから、緑地は意外と支持者が多くて、維持するべきと、あるいは緩和すべきだけれども廃止はしないというところ。それから、環境施設はその中間というところが出ているように思います。
それは今までの御議論の中では、生産施設については大体同じような感じを委員のメンバーの方もお持ちかなという感じがします。緑地についても、大西先生の方からおっしゃっていただきましたけれども、もし緑を守るというスタンスならば、今のままではなくて緑の新しいニーズを取り込んだ形で補強していかないと、工場緑地法みたいな形だけではとてもやっていけないんじゃないかというのも、なるほどなという感じがしました。
いかがでしょうか、生産施設、緑地、環境施設それぞれについてどういう意味があるか、あるいは現在こういう意味がある、あるいはこうしたらいい。もし維持をするべきだ、あるいは緩和するべきだということになったときには、緑地についてはいろんな提案が出ているので、それを一つ一つ見ていくことになって、またなし崩し的な議論になることではあるのですが。

半田委員
資料3を御丁寧に御説明いただいたんですが、私から見ると何か大事なところをきちっと言っていただかなかったような気がするので。資料3の例えば1ページ目の6行目、改正法案の提出理由のところの、「進んで工場緑化等を行い積極的に地域環境づくりに貢献することを基本として進めることが不可欠である」という言葉とか、次の2ページ目の上から7行目で、「緑地等を確保し、周辺に配置する効果としては、地域社会を公害等の危険から空間的に遮断効果とともに周辺環境と十分融合していく一つのシンボルとして周辺住民との感情的な融和の媒体になる」というような非常にいいことをおっしゃっているんです。こういう考え方は継承していく必要がありますし、今日なおこのような必要性はあると思うんです。それが1つです。
それから、このアンケート調査はたぶん対象とした部局が都市計画とか緑の関係のところではないのでこういう結果になっているので、別の部局に聞いたらまた別な結果になるのではないかと思います。もっとその辺はよく検討する必要があります。もう1つは個別の工場に対して、例えば緑のマスタープランでこうなっているからもっと緑化してくださいと言っても、大きな規制力があるもので対応していただかないとなかなか実施していただけないのです。工場立地法のような明確な規定があった方が一層効果的に実行につながるということから、このような法律はあった方がいいと思います。

和田委員長
どうもありがとうございます。
アンケートについては、確かにアンケート対象のバイアスがあるかもしれないと。ここがよくわかりませんけれども。でも、バイアスがあるにしてもこういう結果が出ているということですね。

半田委員
そういうことですね。

前田委員
アンケートの件で若干これはお願いとして、もし可能であれば数値を知りたいと思うんですが、緑地面積の規制の今後のあり方ということで5ページに調査結果が出ているんですが、都道府県と政令市のデータでこのパーセントがはじき出されていますね。初めの御紹介で、1000余りの市町村からも意見を取っておられるとすると、市町村の意見はどうだったのかなというのが1点。それから、政令市と都道府県を分けて見るのがいいのかどうかあるんですが、後の環境施設なんかのところでは、都道府県と政令市との間の違いというのが、少し温度差が違うかもしれないなという感じもします。そんなところのデータももしお示しいただけると非常に今後の考え方に参考になるのではないか。そういうことでお願いです。

和田委員長
そういう資料整理はできますか。

内田地域経済産業政策課長補佐
日本立地センターに委託して実施したものでございまして、そのような整理ができるかどうかデータを見てみたいと思います。
それともう一つは、一般の市町村の御意見はどうだったかということでございますが、これは、そもそも規制の実務、工場立地法の実務をやっている方の御意見ということに意味があろうかと思いますので、一般の市町村のところは排除してございます。

大西委員
よろしいですか。
生産施設面積の規制について述べたいと思いますが、先日ある自動車関係の工場、大企業の工場ですけれども、見学に行ったら、何か災害があって、その災害で焼けて建て直したときに、従来は平屋だったのを2階建てにしたというんです。そういうケースも結構増えているのではないか。工場の種類にもよると思いますが、そういうふうに考えるとこれは建蔽率規制ですから、それでいいんだろうと思うんですが、というかそういうふうに理解していますけれども、その場合には、ここで面積を抑えることで環境負荷を合理的な水準以下に抑えるということはありますけれども、立体的につくられていると負荷そのものは一定の面積からたくさん出てしまうということになるので、もしこの精神を徹底するんだったら、建築基準の方に容積率規制にするとか緻密化が要るんだろうと思うんですが、そうなってくるとそこまでやるのかということになるので、生産施設面積については、そういう意味では規制の根拠というのはなくなってきているのではないかと私は考えます。
緑地についてはいろいろ御議論がありましたけど、私は塩崎委員のおっしゃった生命、健康を守るということとリンクさせた規制というのだと、法律で規制する根拠が確かにある。しかし、そうでなくて緑一般をふやしていくということで法律で規制を定めることになるのか、その辺をちょっと詰めないと。既にある法律だから、これをうまく使っていこうという考えは私の中にもありますけれども、それだけでいいのかという問題は残るんだろうと思います。かなり大きな点かなと思います。

和田委員長
法律の基本的なところですね。法哲学の話になって、そういうことができるのかどうかという話なんですけどね。生命の危険とか何とかということがなくなったときに、土地利用の私有財産の制限をするわけですよね。そういうことができるのかどうかということですけど。今までは大義名分としては工場生産、そこにある危険性、あるいは環境の問題を中心にして規制がかかってきたわけですけど、生産施設というのはほかの法律体系でもやられている。そうすると、それをなくしたときにまさに緑地だけになってしまう。
もう1つは、促進のほうはまだ残っているにしても、規制ということから言うと、緑地を何でこの法律で議論しなければならないかと、また基本的なところになってきますが。確かに全体の環境として緑地に対する、緑地を何とかしなければいけないという環境は随分追い風としては吹いている。じゃあこの法律でやるのかというところなんですよね。
課長、何か御意見ありますか。

横田地域経済産業政策課長
もともと工場立地法ができたときの精神も、先ほど半田委員から御指摘いただいた法制定当時の資料を見ても、基本は国内における立地促進だと思うんです。昭和48年当時は余りにも公害がひどくて、工場を新たに建てようと思ってもなかなかこのまま放置しておくと地域住民の方の御理解が得られなくて、立地も円滑に進まなくなるんじゃないかということで、ひいては日本の国際競争力にもかかわってくる問題じゃないかということで、むしろ生産施設面積規制とか、緑地規制とか、あるいは環境施設の配置をするということで、地域住民の方と融和を図ることを強制的に義務づけることによって、むしろ日本の国内の立地の円滑化を促進することが国益だということで導入されたのではないかと思うんです。
そういう意味では、私ども経済産業省がこういう法律を持っているということも、原点はそこにあるのではないかと考えています。そういう意味で見てみますと、生産施設面積規制につきましては、ずっと御説明しておりますように別途の環境規制や法体系で担保されているとすると、もう二重規制で最早役割を失ったのではないか。
それから、緑地面積については時代に沿っているということでございますし、今後の工場の立地の円滑化という観点からも、むしろこれを維持しながら、そうは言いながら国土の狭い日本でございますし、最近の工場立地を見ましても既存工場の増設といったようなこともふえております。そうしますと、この小委員会でいろんな有識者の方から御意見を伺ったように、緑地をふやしていくときに、自分の敷地の中で増やすことに余りこだわらなくてもいいんじゃないかという御指摘もございましたので、少しそういった点を柔軟化させながらやっていくべきではないかと考えております。
資料3の論点の方の3ページに、飛び緑地というこれも御要望があったので書いておりますけれども、大西先生の方から、千葉県の方で、里山を整備するかわりに工場の敷地内の緑については少し軽減するということを自治体と企業さんが協定を結んでやっているというお話がありましたけれども、この飛び緑地の例には挙がっておりませんけれども、その工場周辺の住民の方がかなり離れた里山みたいなところであっても、週末そういうところで自分たちが憩える場所があるんだったら、多少工場の敷地内の緑地は緩和してもいいですよみたいなことでコンセンサスがとれるのであれば、工場立地法の周辺住環境との調和という精神を担保しながら、かなり弾力化していけるのではないか。それはかなり地域ごとに実情が違うと思いますので、そこは地域の御判断に任せながらということで進めていけないかなと考えております。

和田委員長
どうぞ。

大塚大臣官房審議官
緑地については、この法律は工場の立地のときに係る立地の法律ですから、立地の際に環境というか、緑化をかなり配慮しなさいよという意味で非常に私は意義があると思います。それと緑化については、仮に生命とかに必要不可欠でないとしても、炭酸ガス削減という観点から、工場の立地に工場の中の緑地だけではなくて、その周りも含めて社会と配慮した形で緑化を促進しなさいという先ほど里山の御議論もありましたが、そういう意味で緑化促進、炭酸ガス削減という観点から非常に意義はあるのではないかと私は思います。これは次回の議論だと思います。

和田委員長
どうもありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。

半田委員
炭素固定や景観形成など、そのようなところまで広げて意味があるという今のご発言については私も大いに同感であるということを申しておきたいと思います。それから、せっかく資料を御用意いただいたので、その先の話をしてもいいですか。

和田委員長
どうぞ。

半田委員
カウントの仕方の「緑の質」の反映というところで緑視率の資料が出てきました。緑視率という考え方はいいんです。けれども画像の中に占める緑の割合を緑視率と定義する場合には、画像の範囲の取り方によって緑視率が変わってしまったりして、ちょっと難しい面があると思います。同じやるなら川崎市における方法、つまり面積の1.何倍といった方法の方が現実的ではないかと思いますので、コメントしておきます。

内田地域経済産業政策課長補佐
ありがとうございます。川崎市のような方法、それから緑視率のような方法ということで、幅広く検討していただきたいということで提案させていただきました。

和田委員長
環境施設については何か議論がありますか。環境施設というのはちょっと中間的な位置づけになっていて、このアンケートでもやや迷っているところがある。環境施設の元々の意味がどういうところから来ているかということになるわけですが、緑地が取れないときに環境施設で一部代替するという性格があったのと、ただこれも我々今までずっと議論してきて、環境施設の性格が変わってきて、それは工場と周辺地域との交流の場であるとかそういった形で環境施設を使う。そういうふうに使われていれば環境施設として積極的に認めていくということで、周辺と工場とのコミュニケーションをより深めていくという意味での環境施設が求められてきた。
ただ、最近の議論だと、環境施設を工場の中に作ると人がいろいろ入ってきてセキュリティの問題があるという話もあって、環境施設についてはやや位置づけが難しくなってきているのかなという感じがするのですが、これについてはいかがでしょうか。場合によっては環境施設は、交流の場とか地域貢献ということであればもう外に出しても構わないと。ただ、緑地を飛び地でどんどん外に出したら、これは工場立地法で緑化をする意味がどういうふうになっているのか、そこの論理構成がよくわからないところがあるのですが、環境施設について何か御意見があればいただきたいと思います。

大西委員
環境施設がどういう経緯でこういうぐあいになってきたのか、ちょっと正確に理解しているかどうかわからないんですが、要するに緑地についての規制があって、それはどうしてもクリアできないケースもあって。もしそうであれば、工場の施設ではなく、緑でもないけれども、近隣に対してはサービスできる施設なら準緑地としてカウントしようということだと、一つの規制緩和の便法として使われてきたと思うんです。
これから、もし、さっきの議論のように私も飛び地とか自治体、自治体というのを市町村と考えるのか県と考えるのかで範囲が変わりますけれども、そういった範囲の中に緑地を他の場所に確保することもあり得るということになれば、その施設、工場敷地の中に緑地がきちんと取れなくても、その外側に代替的なものを取るということは道が開けるわけです。そうすると工場の敷地の中における規制緩和をいろいろ工夫する理由がなくなってくるのではないか。だから工場の敷地の中で取りにくければ、外で取ることも考えるということで、環境施設についての代替案になるのでこれは要らなくなるのではないかと私は思います。
それで、じゃあ全部飛び地でいいのかということになりかねないんですが、この工場緑地制度を残すとすれば、工場が直接的公害ではなくても、いろんな意味で周りの住環境とは違う施設であるのは事実でしょうから、なるべく工場の施設の中に緑を確保するのは一つの原則になるべきだと思うんです。それができない部分について、地域の実情に応じて飛び地とか、場合によってはかなり離れたところでまとまった緑地をつくることに貢献してもらうといういろいろな新しい手だてを考えていくことになるんだろうと思うので、何らかの格好で工場についての一定の緑の確保は、考え方としては少なくとも残しておかないと確かに崩れてしまうのかなという気はします。

和田委員長
どうもありがとうございます。
工場というのを土地として見るのか、生産機能として見るのか。生産機能として見るのであれば、離れてどこかで生産機能に対する対応として、緑地を取ったり何かしても構わないかもしれない。だけど工場という土地に張りついている場合には、工場を中心にして緑地とか何かを見るということになるのでしょうか。ただ、工業専用地域とか一体として工場地帯が広がっている場合には、そこの中でならば飛び地もできるということなのか、ちょっといろんな意見があり得ると思うのですが、里山まで飛んでいいのかという感じもしないではないですが。

前田委員
そういう意味で飛び緑地という表現が果たしてこういう議論でいくと、何か飛んで行っちゃうみたいなところがイメージとして大分ありまして、何かもう敷地と全く無縁でも、みたいな感じがちょっと受け取れるんですね。私もこの考え方は今後詰めていくべきだと思いますし、気持ち的には賛成しているんですが、ヒアリングのときに輿水先生の発言にもありましたが、ある程度の地域、エリアで物事を考えて整理したらというお話があったかと思うんですが、そういう捉え方の中での敷地外ということを何かうまくあらわしていただくといいかなと。パッとこう「飛び緑地」と言ってしまって、それが認められますみたいな感じのことは非常にセンセーショナルで、何か全然今までと違うイメージのところに行ってしまいそうな気がしております。

塩崎委員
環境施設については、私は委員長おっしゃったように緑地が取れない場合のことがかなり入っていると思うんです。そういうことからすれば緑地と切り離しては考えられなくて、緑地と一体化して考えるべきだろうと思っております。それでまた緑地の話になるんですけど、緑地の意義については今後議論されていくだろうと思うんですけれども、例えばいろんな効果がある中で、景観の効果、CO2の削減の効果、こういうのは確かにあると思うんですけれども、それが工場の中にあるのが本当に一番効果的かという観点から議論して、その緑地の議論の中で、環境施設がどういう意味を持つのかということを議論していくべきではないかと私は考えます。

和田委員長
時間がちょっと押してきたので、まだ議論されていない資料5というのをやらないといけないんですね。もう1つ事務局の方からお願いしなければいけないことがありまして、とりあえず今日の論点についての議論は、ちょっとまだ中途半端でしたけれども、いろんな議論が出てきたので、もう一度整理して次回もう一度やると。それで今度は、緑地が本当に必要かどうかという、その緑地に絞って議論をすることにさせていただければと思います。

4.風力発電施設の工場立地法上の扱い

和田委員長
それでは、その次の議題を。

内田地域経済産業政策課長補佐
それでは、資料5をご覧ください。先だってこの委員会でも御議論いただいたとおり、1.にございますとおり、風力発電施設の取り扱いについてでございます。兵庫県から特区要望ということで出されたものでございますが、「市街化区域以外の区域における風力発電施設の設置について、水力発電所及び地熱発電所と同様に工場立地法の適用除外とする」という提案に対しまして、「森林、丘陵地、原野及び海上等、山間部又は海岸部において周囲に広く自然環境が存在する区域に立地する風力発電施設について、水力発電施設及び地熱発電施設と同等の扱いとすることが妥当」というのがこの小委員会での結論だったと承知しております。
この結論をいただきまして、事務局の方で具体の取り扱いを検討してきたところでございますが、ちょっと問題点が出てまいりまして、2.にございますように、水力、地熱というのは工場立地法第6条の政令で届出義務を免除しているものでございますが、これを検討いたしましたところ、風力発電施設は必ずしもすべて山間部、海岸部に立地するわけではなくて、場合によっては住環境のそばに立地するようなこともあり得るということでございますので、すべてを法6条の政令で届出適用除外としてしまうと、その点のチェックができなくなってしまうということでありまして、さらには山間部、海岸部という要件を考えると、特に風力発電施設だけに限ったものでもないであろうということを考えてまいりました。その結果として、対応策としてこのようにしたらどうかと考えております。
まず1つは風力発電施設についてですが、「山間部、海岸部」の要件適合、人里離れているのかどうかを確認する見地から、まずは届出書は出してもらう。具体的には風力発電施設の敷地面積が9000平米以上または風力発電施設の附帯建築物の建築面積合計が3000平米以上になる場合は、引き続き法6条により「届出書」の提出をしていただくということでございます。
その結果、(2)でございますが、この審議会でお認めいただいた要件に該当する場合には、都道府県知事の裁量によりまして、「4条準則」を弾力的に適用することを可能としたいと考えております。
具体的には、知事がその建設予定地が「山間部、海岸部」に該当することによって、「周辺の地域における生活環境の保持に支障を及ぼすおそれ」がないと認める場合には、法9条2項1号に規定する「法4条準則不適合の場合の勧告基準」、すなわち「4条1項の規定により公表された準則(略)に適合せず、特定工場の周辺の地域における生活環境の保持に支障を及ぼすおそれがあると認められるとき」に該当しないということで、4条「準則」を緩和適用できるような運用にしたいと考えてございます。このことを明確化する意味で、運用例規に追記する形で明確化をしたいと考えております。
さらに先ほど申し上げたように、この地域要件というのは特に風力発電施設に限ったものではございませんので、すべての製造業、この立地法対象工場についても同じような扱いにしていきたいとの考えでございます。

和田委員長
という御説明だったのですが、御質問とか御意見ございますか。
これは一番最後には、「本措置は、風力発電施設以外の工場及び事業場にも適用する」ということは、結局、山間部あるいは海岸部地域においてはどんな事業所でもいいということですか。都道府県にお任せしてということになりますか。

内田地域経済産業政策課長補佐
そのように考えております。

和田委員長
山間部及び海岸部については、もう工場立地法は適用されないと。届出だけはするけれども、その地域を見て山間部であると都道府県知事が認定すれば、準則はなしというふうに考えていいわけですか。

内田地域経済産業政策課長補佐
単純に山間部ということではありませんで、山間部、海岸地域というのは周辺住環境そのもの自体が存在しない蓋然性が高いものでございますので、そこは1つの例示でございますが、山間部、海岸部であってかつ周辺の地域、近傍に住居が存在しないような、配慮すべき周辺環境、住環境が存在しないような場合にあっては、準則を弾力的に適用してよいのではないかというのが先回の小委員会での結論であったと承知しております。したがって、そういう考え方は特に風力発電施設に特定のものではございませんので、公平性の見地から同様の扱いにするのが適当ではないかと考えた次第でございます。

和田委員長
私の理解するところでは、前回の議論は、風力発電所というのは太陽光であるとか地熱とかそういった自然エネルギーであるということで、特に炭酸ガスその他を排出するものでもないし、ちょっと違う工場ではないか、生産施設ではないか。それがまず前提にあって、そして山間部、その立地地点も大体山間部と海辺であろうと。だから風力発電所というのは、そもそも適用除外してもいいのではないかという議論だったように記憶しているのですが、どうでしょうか。ちょっと皆さんで御記憶の方は御発言をいただければと思います。

前田委員
ただいま委員長おっしゃられたような経緯で、風力発電所というものを対象に検討させていただいたと記憶しています。今日の御提案の出だしのところは、そういうふうにしたときに届出義務もなくなって、ノーチェックになるおそれがあると初めは受け取ったんですが、届出というところはわかったんですけれども、何かそれに被せてほかの施設と横並びというふうにしてしまうと、我々の議論した時点での話とどうかなというのが若干気になる。
それから、山間部なり海岸部なりは自然公園とかそういう面での自然地でもあるわけですから、そういう観点の話も一方に配慮していく必要が出てくるのではなかろうか。風力発電所という一つの施設として見た場合には、ぎりぎり景観とかそのほかにもある程度は認め得るというふうに理解したと思っておりますので、そのほかの事業所等がすべてこの観点で、立地が可能みたいな感じにとられるのはいかがかというふうに私は思いました。

和田委員長
太陽光はどうなっていましたか。

横田地域経済産業政策課長
太陽光はそもそも議論の対象になっていませんけれども、一応太陽光発電協会の方が来られて議論されたときには、今、業として太陽光発電をして電力供給している実態がないものですから、太陽光発電で規制対象になっている特定工場はないと、将来の話ですねということだったですね。

塩崎委員
私も確認のために発言しますけど、経緯は委員長おっしゃったとおりだと思いますので、今回の資料はちょっと違うかなという気がしております。風力発電以外の件については、もう少しこれを広げるのであれば議論が必要かなという気がしております。

和田委員長
事務局としては、水力発電所という業種を特定することはできないと、ほかの業種と同じだと。それで風力発電所だけ、山間部云々のときには準則から外しますよということはできなくて、風力発電所を入れるんだったら、全業種が同時に扱われるべきだという議論ですか。

横田地域経済産業政策課長
私どもの頭の整理は、もともと構造改革特区提案で風力発電をということで議論が始まったわけですけれども、そのときに一括して風力発電施設を地熱とか水力発電施設と同じように抜いてしまうと、地熱や水力発電所については、もともと住環境がないところにしか立地しないようなものだから問題がないかもしれないけれども、風力発電施設についてはそうでもないかもしれないということで山間または海岸部に限って、風力発電所を除いたらどうかという御議論をしていただいたわけですけれども、先ほど申し上げたような問題点が出てきたものですから、少し整理の仕方を変えたわけです。
あくまでも工場立地法というのは、風力発電施設を含めた工場とその周辺住環境との調和ということでありますので、仮に海岸部とか山間部の風力発電施設について適用を除外した場合に、ほかの工場との横並びがとれないのではないか。実態的にはほとんど山間部とか海岸部に立地するような工場は風力発電施設以外に余り想定されないと思いますけれども、全体の体系とか整合性を考えるとこういう整理になるのではないかということで御提案をさせていただきましたけれども、議論を要するというのであれば、必ずしも今回で御了承いただきたいということではございませんので、継続検討にしていただいても結構だと思います。

和田委員長
我々というか私の意識としては、何か風力発電所というのはほかの事業所とは異質のものであって、特別のものであって、それだったらば少し緩和してもいいかとそういう何かイメージがあったと思うんです。例示が風力発電所しか出てきてなかったので、風力発電所というのはいいんじゃないのかというのが基本的にあって。そこで今度は風力発電所とほかの工場が同質であるという議論は、少し議論した方がいいかなという感じはしますけど、どうでしょうか。

横田地域経済産業政策課長
実は前回の小委員会の議論の後、大西委員に会長をやっていただいております地域経済産業分科会でも御議論いただいたんですけれども、むしろ分科会の方では、普通の工場に比べると風力発電施設は非常に威圧感もあるし、場合によっては騒音も問題になっているし、野鳥などの飛来を妨げるとか、こんなものを緩和していいのかという御議論が結構あって、そういう意味からすると、果たして風力発電施設がほかの工場に比べて特別環境負荷が少ないものとか、あるいは周辺住民の方から見て特段何か規制を緩めてもいいような施設かどうかというと、必ずしもそうではないんじゃないかなという気はいたします。確かに風力発電施設以外のものについてどういう整理をすることができたのかということについて、全くこの小委員会で御議論をしていただいておりませんので、継続検討ということにしていただいたらよいのではないかと思います。

和田委員長
わかりました。ちょっと時間も過ぎておりますので、風力発電所については申し訳ないのですが、継続審議にさせていただきたいと思います。

5.今後のスケジュールについて

和田委員長
今日はこれで大体終わりですか。スケジュールがありますね。
それでは、事務局の方からお願いします。

内田地域経済産業政策課長補佐
それでは、最後の資料の「今後の予定」と書いたペーパーでございます。次回第12回小委員会については、8月28日、火曜日の15時から17時を予定してございます。こちらにつきましては、今ほど議論がありました緑のところを中心に御議論いただきたいと考えております。その次の第13回は、9月の下旬に予定してございます。議論は8月の末で終えまして、9月に報告書(案)の形に取りまとめていきたい、9月、10月と報告書(案)についての御審議をいただきまして、その結果を10月中旬から11月中旬にパブリックコメントに付して、その結果を踏まえまして、第15回小委員会を11月下旬に開催して、報告書を取りまとめいただければと事務局として考えてございます。

閉会

和田委員長
それでは、長いこと御議論いただきまして、ありがとうございました。

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最終更新日:2007年9月5日
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