経済産業省
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産業構造審議会地域経済産業分科会工場立地法検討小委員会(第13回)‐議事録

開会

和田委員長
おはようございます。お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいまから、産業構造審議会地域経済産業分科会第13回工場立地法検討小委員会を開催したいと思います。
本日は、下村委員、太田委員、森委員がご都合で欠席をされています。
本日は、前回に引き続いて、緑地面積規制と環境施設面積規制のあり方について審議をしていただき、その後、生産施設面積規制のあり方についても事務局案が出てきておりますので、それについて審議をしていただきたいと思います。
最初に、本日の配付資料について事務局より確認をお願いいたします。

内田地域経済産業政策課長補佐
それでは、お手元の資料を確認させていただきます。まず、議事次第と座席表がございます。そして、資料1は「工場立地法の今日的役割について」、資料2は「緑地面積規制等のあり方に関する個別検討事項(案)」、資料3は「飛び緑地に係る特区要望等一覧」、資料4は「生産施設面積率の緩和に関する検討事項(案)」、資料5は「今後の予定」でございます。以上でございます。

議事

1.緑地面積規制及び環境施設面積規制のあり方について

和田委員長
よろしゅうございますか。
それでは、早速、議事に入りたいと思います。資料1~3をまず議論していきたいと思います。資料1については、工場立地法の今日的役割についてということで、今までの工場立地法の基本的な考え方についておまとめいただいて、問題点その他が書いてございます。資料2は緑地のあり方について、資料3は「飛び緑地」に関する補足資料でございます。それでは、資料について事務局からご説明いただきます。

横田地域経済産業政策課長
まず、資料1をご説明いたします。これまで、小委員会の方で緑地規制のあり方を中心にご議論をいただいてまいりましたが、その間、各論を議論する前に、そもそも工場立地法というものは必要なのかという総論についてしっかり議論すべきではないかというご指摘を踏まえまして、考え方を討議用にまとめてみました。
まず、1.でありますが、これまでの小委員会で具体的に工場立地法の必要性、存在意義についていただいたご指摘をカテゴリーごとにまとめております。
(1)の(1)は、そもそも個別の規制のあり方について議論する前に、工場立地法全体の議論をすべきではないかという話。
(2)は、工場立地法は、工業等制限法、工業再配置促進法と並んで工場制限3法といわれてきている中で、2法が廃止されたということで、そもそも工場立地法自体についても、もう廃止すべきではないかというご意見。
(3)は、昭和48年の緑地面積規制の導入でかなり緑地の導入というのは進んでおり、効果は上げているので役割は終わったのではないかと。あるいは、そもそもこういう企業の社会的責任に関するものについて規制でやっていくということは不適切ではないかと。やるにしても、緑地の状況について企業から公表させるといった、ソフトな規制に転換すべきではないかというご意見があったかと思います。
(4)は、工場立地法というのは、もともと工場適地に関する調査等を母体に、昭和48年に生産施設面積規制と緑地等環境施設面積規制が入って3本柱になっているわけですが、生産施設面積規制については撤廃が必要ではないか、緑地等環境施設面積規制については一層の規制緩和が必要ではないかということでやっていくと、3本柱の2本がかなり要らなくなってくるということであれば、工場立地法自体が必要ではないのではないかといったご指摘があったかと思います。
(2)工場立地法の役割に関するご指摘としましては、もともと工場立地法というものが過密地域の工場の移転促進ということが目的であったとすれば、むしろその目的どおり工場立地法によってなかなか工場が存続し得なくなり、それが地方に移転する、あるいは海外に移転して、その跡地が緑になるということはむしろ環境の改善にとっていいことであって、特区要望でいろいろな規制緩和要望が出てきても対応する必要はないのではないかと。こういったご趣旨になろうかと思います。
2ページですが、時代の要請に従って工場立地法の役割も見直すべきではないかというご指摘もあったかと思います。180度違うベクトルのご意見だと思いますが、緑に関するニーズということで、例えば里山であるとか、あるいは都市計画的な観点から緑を配置するといったニーズがあるので、これを工場立地法の中にも取り込んだらどうかといったご意見もあれば、むしろ、国際競争力というのは非常に大事なので、工場立地法の緑の基準みたいなものについても、国際競争力という観点から設定をすることにしていくべきではないかといったご意見があったかと思います。
そこで、2.で、工場立地法というのはそもそもどういう役割で制定されたのかについてまとめております。別添としてつけている平成16年1月の工場立地法検討小委員会報告書を要約する形でまとめておりますけれど、昭和34年に工場立地の調査等に関する法律ということで制定されましたが、その後、公害問題の深刻化の中で、昭和48年に工場立地法という形になり、周辺住環境との調和を図るために、生産施設面積あるいは緑地面積の規制といったものが導入されたということでございます。
その効果につきましても、緑地面積率については、昭和48年の規制導入当時から、これは平成16年の報告書でございますので、平成14年時には15%ということで3倍に増加しておりますし、公害の苦情件数に占める製造業の割合というものも、昭和48年当時45%だったものが平成13年に14%ということで、3分の1に減少しているという効果を上げているということでございます。
ということを総合しまして、1.においてご指摘いただいた工場立地法の役割についての考え方ということですが、まず、工場立地法の現在の役割についてでありますけれど、先ほど1.の(1)の(2)や(2)の(1)で、もし工場立地法というものが工場制限3法の他の2法と同様に移転政策を担うものであるとすれば、これは廃止することが適当ではないかということだと思いますが、脚注で3法の目的規定を並べて書かせていただいておりますけれど、工場等制限法あるいは工業再配置促進法については工場の再配置・分散といったことを目的にしておりますが、工場立地法というのは結果的に移転促進的な効果をもった側面はあるかもしれませんけれど、法律の目的はあくまでも工場と周辺住環境との調和ということを目的としております。
そういう観点からしますと、今日でも、工場とその工場周辺の住環境の調和を図るという役割を担っていくニーズはあるのではないかということでございますので、これまでのご指摘の中で、工場立地法の役割について認識が異なった観点からのご指摘なのかなということでございます。
2番目に、工場立地法については、もう一定程度成果を上げているのだから、特に緑地規制などについてはもう要らないのではないかというご指摘がございました。確かにそういうご意見もあろうかと思いますが、逆に、一定の効果を上げているのであれば、それを持続させるためにも引き続き規制が必要ではないかというご意見、あるいは、緑地というのは時代の要請があるので、これを廃止するのは時代の要請に逆行するというご意見もあったかと思います。
ただ、今直ちに緑地面積規制を廃止するということについては、社会的なコンセンサスはなかなか得られないのではないかと考えておりますが、企業の社会的責任といったことでやっているものについて法律で義務づけるということの妥当性については引き続き検討していく必要があると思いますので、そういった意味では、将来の課題として、いろいろな制度のあり方について検討はしていく必要があるのではないかなということでございます。
いずれにしましても、現状、直ちに廃止できないということであるとすれば、その法律の目的である工場と周辺住環境との調和ということが図れる範囲内で、構造改革特区等の要望が出ておりますので、それに可能な対応は図るということについてぜひ検討をお願いしたいということでございます。
最後に、(3)として、工場立地法の役割を見直すべきではないかということでございます。これはもちろん時代の環境変化がございますので、役割の見直しをしなくてはいけないと思いますし、事務局の方からも、そもそも法制定時に工場立地法によって緑の規制をしていたときの緑の機能については、当時は騒音や振動やばいじんやばい煙といったことの遮へいということについても役割を担っていたと思いますが、環境規制法制の方でこういった問題について一定の担保がされている中では、今日的にいうと緑の機能というのは、視覚的な緑の潤いとか周辺住環境との調和といったところに限定されてきているのではないか。そういった中で、工場立地法における役割というものも変わってきているのではないかなと思います。
ただ、これも小委員会の中で何度もご議論いただいていますが、地球温暖化対策とか里山再生といったところまで工場立地法の中で対処するということになりますと、この産構審地域経済分科会のもとに設置されました小委員会の守備範囲をやや逸脱しているのではないかなと。例えば、地球温暖化対策や都市計画的な緑の適正配置といったことであれば、都市計画といった場でご議論いただきながら、その中でもし工場立地法が担える分野があれば、それについては対応するということで、関係省とも連携を図りながら対応していくべき課題ではないかなということでございます。
続きまして、資料2のご説明に移らせていただきます。

内田地域経済産業政策課長補佐
それでは、資料2をごらんください。前回ご議論いただきました緑地規制について、ご説明が足りなかったように思いましたので、少し資料をつけ加えさせていただきました。
まず、「1.敷地外緑地・環境施設」でございますが、現行制度におきましても、敷地外の緑地ということは一定程度認められてございます。詳しくご説明いたしますと、工場立地に関する準則の第3条として「緑地を含む環境施設は100分の25以上の割合とする」という規定がございますが、それに関しまして「備考」がございまして、その「4」として、「第3条を適用する場合には、工場等の周辺の区域の大部分が海面若しくは河川である場合又は工場等の周辺の区域に当該工場等のために設置されていると認められる相当規模の環境施設がある場合であって、実質的に同条の割合が担保されていると認められるときは、これらの事情を勘案することができる」となってございまして、今現在も工場周辺の区域に敷地外の緑地を認め得るところでございます。
これをさらに詳しく説明する形で、「運用例規」にも規定がございまして、「2―2―3」といたしまして、「法第4条第1項の規定により公表された準則に適合しない場合には原則として勧告する」わけでございますが、ただし書きとしまして「次のような個別事情が存する場合には当該事情を十分審査の上、勧告しないことができるとなってございます。
(1)といたしまして、工場等の周辺の区域に当該工場のために設置されていると認められる相当規模の緑地がある場合であって、実質的に緑地に係る準則が満たされていると認められる場合は勧告しなくていいという現行規定になってございます。
実際、この規定を使って実質運用をしている自治体も相当程度ございます。
そして、2ページですが、前回の委員会でのご指摘も踏まえて、少し内容を見直してまいりました。
1つは、3ページのイメージ図でみていただくのが一番わかりやすいと思いますが、真ん中に工場がございまして、そこに接した形で、緑地A、緑地Bというのは「工場の周辺の区域」という範囲内でございます。これは現在の備考の4で敷地外として認め得る範囲でございます。今回の提案はその範囲を超えて、緑地Cについても一定の条件の下で認め得ることとしてはいかがかという案でございます。
戻っていただきまして、2ページの(2)見直し案の四角囲みの中でございますが、現行制度に加えて、既存工場については、「工場の周辺の区域」の外にある敷地外緑地または敷地外の環境施設について審査をする自治体に企業が自らの意思で申し出を行って、その緑地が周辺住環境に近接して住環境との調和に資するものとして、その工場の敷地隣接地域の住民の賛同とともに届け出自治体の同意が得られる場合には、その面積を緑地面積の一部と考えて勧告をしないといったことでよろしいのではないかという案でございます。
具体的には、条件(1)としまして、現在、準則適合していない既存工場に限って適用する、条件(2)としまして、工場の周辺の隣接地域の住民の賛同及び届け出先自治体の同意が得られること、ということでございます。
(注1)としまして、「工場の周辺の区域」というのは現在も既存の制度としてございますので、この状態は個別に地元の自治体がご判断をするということで現在も運用されております。したがって、そこについては引き続きそのような形で継続をしていきたいと考えてございます。
(注2)でございますが、「工場の敷地隣接地域の住民の賛同及び届け出先自治体の同意が得られたことをもって、周辺住環境に接近しており住環境との調和に資する緑地等であると判断する」、地元住民が「よし」と、そして自治体が「よし」ということであれば「調和が図られている」と判断するのが適当ではないかということでございます。
(注3)としまして、「敷地隣接地域」という概念の範囲は、「原則として工場の敷地に直接接している住宅など、直接影響を受ける範囲」を考えておりますが、この点についても個別事情を踏まえて地元の自治体にご判断をいただければいいのではないかというのが趣旨でございます。
(注4)でございますが、「住民の賛同」ということにつきまして、これは事業者もしくは届け出を受ける自治体が必要に応じて住民説明会等を開催して賛同を得るという形で、それぞれやっていただいたらいいのではないかと。これも地元のご判断にゆだねるというのが今回の案でございます。
次に、4ページ、「2.緑の質の反映」でございます。これも前回の議論を踏まえましてご意見を入れて改訂いたしました。大きく変えたところは、前回はすべての工場ということでございましたが、既存工場に限って適用する制度といたしました。
同じように、事業者の申し出によって、周辺から視認した場合に十分な緑視量が確保されていると認められる場合には、周辺環境の調和が図られているということで、勧告をしないことができることにしてはいかがかということでございます。
条件(1)としまして、周辺から視認した場合に十分な緑視量が確保されているということ。
条件(2)としまして、現在、不適合の状態で、敷地が狭隘であって、もうこれ以上緑地もふやせない状態で、なおかつ工場立地法の規定がネックになって、建物の更新もできないという状態よりは、建物の更新を認めることと引きかえに、工場敷地の周辺に緑地をふやすことの方が、セカンドベストではございますが、単に緑地が少ない状態で固定するよりも、より良いのではないかという考えでございますが、更新する場合について、より生活環境の保持に寄与するということが認められれば、その適用を自治体が同意した場合には、こういう制度の適用を選択的に適用できるということでよいのではないかということでございます。
留意事項といたしまして、蛇足ですが、十分な緑視量というのは、現在、私どもは定量的な数字をもっているわけではございませんので、これからその実態を把握した上で決定をしていきたいと思ってございますが、考え方といたしましては、工場の周辺の地域4~8地点で立面図を作成して、その立面図の上で緑視率というものを算定したいと考えております。そのときの状態は、1年で植物は様子を変えるわけでございますから、一番緑が繁茂した状態を中心に考えて、1年時点での状況を勘案していったらいいのではないか。これもこれから細部は詰める話でございますが、とりあえずこういった考え方でございます。
また、「十分な緑視量」というのはどれほどの水準かということについても、実態を調査した上で設定をしていきたいと考えております。
5ページがそのイメージ図でございます。前回、観念的な四角い平面をご提案いたしましたが、それでは余りよろしくないのではないかというご指摘もございましたので、木や主要な建物のシルエットを分母といたしまして、その中にどれだけの緑量があるかという割合でとらまえていったらどうかというのが、今回の変更点でございます。
ご説明は以上でございます。

和田委員長
それでは、審議に入りたいと思いますが、今までのところでご質問などはありますでしょうか。
まず、資料1の「工場立地法の今日的役割について」で今までの議論をおまとめいただいていますが、結論としては、緑地規制を直ちに廃止するというのは無理であると。それで、いろいろな議論があって緑地規制を廃止するということのコンセンサスが得られないということで、今の緑地規制は継続をするということ。ただ、法規制で緑地をとらせるということについては、将来の検討課題であるということを書くこと。それから、緑地規制を残すということであれば、工場と周辺環境の調和ということを勘案して、弾力的な対応が図れるように検討するというのが結論になっております。
今までの議論をうまくまとめていただいていると思いますが、今までの議論でここに書かれていない重要なポイントがあるかどうか、あるいはその結論について何かご議論があるかどうか、ご意見をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

大西委員
質問ですが、3ページの(2)工場立地法の効果と存在意義のところの2つ目の段落の「特に」から始まるところですけれど、「緑化に関する規制については、これを廃止することは時代の要請に逆行するとの意見もみられる。しかしながら、将来の課題として、企業の社会的責任に関する認識の高まりを踏まえて、現在のように法律で義務づける規制から、よりソフトな規制のあり方について検討を行うことが必要であると考えられる」とありますが、この後段の「よりソフトな規制」というところは、「規制」という表現が妥当なのか。
「規制」というと、法律で義務づけていると私は解釈するのですが、そうすると、「よりソフトな規制」というのが、例えば建築でいうと、公開空地を出してくれたら容積率の上増しをしますよとかというのは、誘導的な手法ではないかと。つまり、公開空地をつくるということからすると、それを義務づけてはいない、それをつくると容積率のボーナスがもらえるので、インセンティブになっていると。だから、公開空地をつくるように誘導しているということだと思います。
おっしゃる「よりソフトな規制」の中身ですが、この中にそうした誘導的なものが含まれていると、この前のところの「義務づける規制」が文字通り「規制」とすれば、「よりソフトな規制」は「規制」とは表現しない方がいいのではないか。
そうすると、「いずれにせよ」とちょっと飛ぶ表現ですが、「現時点において、少なくとも緑地面積規制を廃止することに関して社会的コンセンサスは得られない」とありますが、この緑地面積規制という規制は、もし前のところの「ソフトな規制」を「誘導」とかほかの表現にすると、「規制」という一語ではくくれなくなるのではないかと思うのですが、その点はいかがでしょうか。

横田地域経済産業政策課長
ここで念頭に置いております「ソフトな規制」の中身については、1ページの1.の(1)の(3)に書いてございますが、この工場立地法検討小委員会で有識者ヒアリングをした際に、日本総研の足達上席主任研究員の方からプレゼンテーションがあり、この場でも議論されたかと思いますけれど、例えば20%以上緑地をもちなさいということを義務づけるのではなくて、工場の敷地内にどれだけ緑があるかといったことをそれぞれの工場が算定をし、国に報告し、国が公表するような、温暖化対策推進法でCO2でも同じような制度がございますが、そういう自主的に公表させることに通じて、足達さんの表現を借りると、マーケットにおいてその企業がどれだけ緑化や環境保持に取り組んでいるのかということの評価を受けると。場合によってはそれが株価に反映するとか。
そういう意味では、緑化に取り組むことによってマーケットの評価を受けて株価が高くなるという、緑化を進めることについてのインセンティブになると。そういったやり方があるのではないかなと。実際、社会的責任投資みたいなことをやっている立場で、そういうものがあれば我々はやりやすいといったお話がありましたので、そういったことを念頭に置いて書いてございます。
そういう意味では、特に一定の緑地をもちなさいということを義務づけていないという意味ではインセンティブだと思いますが、公表を義務づけるという意味では、「規制」ということなのかなと考えております。

大西委員
そうすると、ここでは、緑地の確保そのものについての規制という意味とは少し違うということであれば、つまり、この「特に」という段落に「規制」ということと「誘導」という2つの概念が入っていると。そして、そのいずれかが必要だということであれば、次の「いずれにせよ」のところで、「少なくとも緑地面積規制を廃止することに関して社会的なコンセンサスは得られない」というのは、今のように解釈するとちょっと言い過ぎになって、つまり、ここは緑地面積に関する規制あるいは誘導というものが必要だというのが社会的コンセンサスだと、文意としてはそうなるべきではないかと思うのですが、どうでしょうか。

横田地域経済産業政策課長
この辺につきましては、次回、きょうのご議論も踏まえて、この工場立地法の役割も含めて、報告書としてまた文章をつくってまいりますので、その際に今のご指摘も踏まえて表現ぶりについては少し検討させていただきたいと思います。

大西委員
もう一言。ただ、そうやってそこのところを少し幅広くとらえると、かなり基本的スタンスが変わってくるように思います。ここはあくまで原則としてこれだけの面積は確保してくれという規制が必要だという流れで書いてありますが、そしていろいろな場合に応じて規制を緩和するという、そういう論理構成になっていると思うのですけれど、当初から、規制だけではなく、誘導的な手法もあり得て、誘導的な手法を中心とした体系にするという議論もあり得るとすれば、それは規制とはまた違った概念になってくると思うのです。
違反しても罰せられないけれども、緑地を増やせばそれだけメリットがあるはずだと。それは市場を通じたメリットとか、あるいは容積率の緩和などであれば、この場合はどういうものが適用されるのかというのは、生産施設面積比率などが緩和されるということになるのかもしれませんが、なかなか難しい面もあると思いますので、組み立て方が大分変わってくるのかなという感じがいたします。

横田地域経済産業政策課長
現時点で誘導的な手法に切り替えたときに、各企業の社会的責任の認識によって大分違うと思いますが、「公表制度に切り替えても、現実的に緑化が大事だからちゃんとやるのだ」というのか、それとも、これ幸いと、「やっと緑地面積規制がなくなったので、公表なんかどうでもいいや」ということで、せっかく高まってきた緑地面積比率がまたどんどん下がっていくということなのか。その辺は企業の社会的責任の認識度合いによって恐らく違うのだろうなと思います。
ですから、現時点でインセンティブ方式に切りかえても、「もうこれで十分担保できるのです」と我々も言えるだけの実態の認識がないものですから、そういう意味では、少なくとも今の規制をベースにしつつ、あくまでもインセンティブ方式への切り替えというのは将来の課題で、それは各企業さんの認識みたいなものについても我々も検証しながら検討していかなければならない課題なのかなと考えております。

和田委員長
私の感じですけれど、「いずれにせよ、現時点において、少なくとも緑地面積規制を廃止することに関して社会的コンセンサスは得られていない」という、この緑地面積規制というのは、誘導は含まないで、現行の緑地面積規制のことだと思うのです。
それで、現行の規制とソフトな規制については、まだ議論があって、どちらがいいかということについてはコンセンサスが得られていないと。したがって、現行の緑地面積規制を廃止することはできないと。そういう文脈ではないかと思うのですが、どうでしょうか。

横田地域経済産業政策課長
すみません、ご説明が悪かったかもしれませんが、そういう趣旨でございます。

和田委員長
ですから、大西先生の場合には、この緑地面積規制の中に「誘導」等の考え方も入っているということで読んでおられるようですが、そうではなくて、ここはあくまで現行の規制の体系をそのまま維持するのだということが書いてあるのだと思うのですけれど。

大西委員
そういう解釈もあり得ることはわかりました。それですと、例えば、1ページのところで、(1)工場立地法の必要性が述べられていて、ここは工場立地法自体必要がないという考え方について整理されているわけですね。そういうコンセンサスを得られないという断定をするには、それがどこかで否定されないといけないと思うのですが、それがどこなのでしょうか。
それがこの文章の中のどこかで否定されていなくて、ただ、集約すると、緑そのものが必要だと、そして義務づけ規制なのかソフトな規制なのかという案があると。「いずれにせよ」というのは、そのどちらにせよ、少なくとも緑地面積規制は廃止してはいけないと、そういう理屈になっているのではないかと思うのですが。
ですから、おっしゃるように、ソフトな規制のことは言っていないのだと、義務づけ規制だというと、その前に、(1)で述べられている立地法自体必要ないということを否定しておかないといけないと思うのですが、その否定の場所はどこでしょう。

横田地域経済産業政策課長
(1)には4つほど書いておりますが、(1)の各論の前に総論を議論すべきというのは、それはそうだろうということです。(2)は、工場立地法というのはもし移転促進法制であれば廃止すべきという論点です。これは移転促進法制ではありませんというのが、3.の(2)のところでそれぞれ3法の法目的からご説明をしています。そして、(3)の効果を上げているなら要らないじゃないかという点については、この工場立地法小委員会の中でも、効果は上げているから要らないというご意見と、緑の必要性というのはむしろ高まっているのだということで、その効果を維持するためにも存続させるべきだというご意見があったということで、これも効果を上げているから直ちに廃止とはいえないのではないか。
ただ、将来の課題として、公表制度のようなソフトな規制に移っていくということはあり得るのではないかと。(4)の方は明示的に議論していませんが、むしろこれは法制的な問題であって、仮に生産施設面積規制の撤廃や緑地面積規制を撤廃したときに工場立地法全体を廃止しなくてはいけないということには、内閣法制局的にいうと直ちにそうはならないと思いますが、特にこれについて反論するような記述はございませんけれど、法制的にいうと、役割縮小をした場合に廃止をしなければいけないということではないと認識しております。

大西委員
もう一言だけいいますと、1.の(1)の(3)のところに書いてあることは両論併記だと思うのです。「役割を終えたとして廃止すべきであるとの指摘がある一方で、一定の効果を持続させるためにも引き続き規制が必要である」と、両論が併記されているので、少なくとも(1)の(3)については、廃止ということも選択肢として残っていると。(1)の(1)と(2)については論点が違うということはここでも議論してきたと思います。だから、2法が廃止されても1法が残っているということだと思うのですけれど。
論理にこだわるというか、この文章の論旨にこだわって、これを最後の質問にしますが、今のような意味で、論旨が少しきちんとしていないところがあるのではないかという気がします。そして、それは結構重要なことになるのかなと。ソフトな規制まで考えられるということを前提にすると、相当幅広い検討が必要になると思うのです。

和田委員長
大西先生のご意見では、(1)の工場立地法の必要性というところで、(1)は議論すべき点ですけれど、(2)が廃止すべき、(3)が廃止または抜本的見直しをすべき、(4)が不要になるということで、みんな否定的なものばかりなので、そういう意味では、両論併記という感じではないというところだと思います。
それで、(1)のところで「必要ない」「廃止すべき」ということでずっと言っていながら、一番最後にガラッと、やはり緑地面積規制についてはまだ廃止することにコンセンサスは得られないという論理になっているので、ちょっとおかしいのではないかというご指摘だと思うのですが、両論併記にして書き直してみるということでしょうかね。事務局の方で、大西先生の議論も踏まえて少し書き直していただければと思います。それでよろしいですか。

大西委員
はい。それに関連して議論が出るのかなと思いますけれど。

土屋委員
今のことに関係すると思うのですが、今の緑地面積率20%、環境施設面積率25%という規制、これに代替するものがあってもいいのだろうというところが、さっきの緑地面積の公表やソフトな手法ということなので、それは企業の側からすると妥協線だと。ある意味、1ページの(2)に書いてある、あるいは(4)で書いてあるような話で、本来、役目は終わっているのだから、なくてもいいでしょうと。けれど、それを今、世の中に訴えて、あるいは国会で審議してもらってという部分では、法そのものの廃止というのはなかなか通らない。そこは私も了解しているつもりです。
けれど、緑地面積率の今の数字を保った規制のあり方というのは改定されてもいいんじゃないか。要するに、それを改定するということは立地法の存続そのものという見方をしていたんです。ですから、緑地面積率という規制そのものがなくなるのであれば、当然ながら法の廃止だということですが、法を残さなければいけないという観点からいうと、その中で、大西先生がいわれたように、緑地面積率の規制というのか、誘導策というのか、呼び方は別にしても、私もそれはあるのかなと思ったんです。
それで、このペーパーの中に書いていないことのお話ということだったので、1つ困ったことは、今回、例の企業立地促進法ができましたね。それで、1%もあり得るという1つの状態が出てきてしまった。一方では、緑地に限っていえば20%という規制は相変わらず残っている。普通の公害規制の法律でも、こんな格差のある規制のあり方というのはちょっと異常ですよね。
ある意味、NOXだ、SOXだ、あるいはCODだとかというところは、非常に問題になっている地域では、法律は一律の枠を決めてあるけれども、地方の自治体で条例を上乗せして大きく下げた排出基準を設けている例はあると思います。けれど、それは明らかに環境基準が達成されないという大きな命題があるという状況だと思います。
この緑地に関していえば、そういった解決すべき命題は何もないと思うのです。20%だからどうだとか、5%だからどうだとか、環境の状態で解決されるべきターゲットというのは何もない。その中で、1つの法律の中で20対1というような大きな格差を生むことというのは非常に大きな問題で、これを決めてしまった以上、こうやって残しておいていいのかというのはきちんと考えなければいけないと思うのです。
場合によっては、今度、岡山県あたりで動きがあれば、そこが実現するかもしれませんが、たまたまそこに立地した企業はいいけれど、隣の広島県の企業は20%のままですねと。そういうことがあると、本来、こうやって緩和を進めてきたのは、工場のリプレイスを進めやすいようにとか、何とかしてあげたいということでいろいろやってきたのだけれど、たまたま立地したところの状況でそういう格差が出てきてしまうというのは、企業にとってみれば非常な不公平感を持たざるを得ないという気がします。
ですから、これをそのまま残しておいていいのかというところからすると、大西先生の指摘の規制の廃止とか緩和という話とは別かもしれませんが、今のままの緑地面積率規制25%、20%というものをそのまま存続させることには大きな問題がある。ですから、それは解消しなければいけないと思うし、場合によれば大きく変換させて、ここに書いてある「ソフトな規制」というところへ移行しないと、企業の側からすると不公平感があって、同じ法律の中でというのは受け入れがたいような気がするのですけれど。

内田地域経済産業政策課長補佐
事務局のつたない文章で恐縮でございますが、考え方といたしまして、生産施設規制と緑地規制というもののそれぞれの意義というのを分けて考えるべきではないかと思ってございまして、生産施設規制はまさに公害抑止という目的をもっているのではないか。したがいまして、平成16年のときの報告書におきましても、公害の状態、そしていろいろな技術水準が高まってきましたので、将来、廃止に向けて検討すべきではないかという結論だったと思っております。また、緑地に関しましては、公害防止のための緑地ではなく、周辺住環境との調和を図るための緑地なのではないかと思っております。
したがいまして、昭和48年当時の工場の敷地内に緑地を設けることと、今現在、敷地内に緑地を設けることの意義は、依然として変わっていないのではないかと思ってございます。したがって、緑地面積規制に関しては単独で存在する意義があるのではないかと考えてございまして、工場立地法は、緑地面積規制、環境施設面積規制のみをもって引き続き存在する意義があるのではないかと考えてございます。
ただ、そうはいっても、緑地面積規制は昭和48年当時のままでいいとも思ってございませんで、その現在的バランス、企業の土地生産性という観点と周辺環境調和というところを現代的に再バランスをさせる作業が必要ではないかと思ってございます。その提案が今回の敷地外の緑地の話、さらには抑止率という提案につながってございます。さらに、その線を進めますと、今、課長から申し上げたような「ソフトな規制」という表現自体は妥当かどうかわかりませんが、そういった路線もあり得るのではないかと考えております。

横田地域経済産業政策課長
補足させていただきますが、土屋委員の方からは、企業立地促進法で場合によっては自治体が条例を定めれば1%まで緩和できるということになったときに、そういう対応をとらない地域とのアンバランスというご指摘だと思いますが、この1%という数字の設定ができるというのは、ご議論いただきましたように、企業立地促進法の中では丙種地域ということで、工場専用地域であって、かつ、老人ホームみたいなものも含めて住環境がない地域ということで、配慮すべき周辺住環境がない地域という枠内の話でございます。
かつ、もともと工場立地法というものが周辺住環境との調和ということが目的となっていますので、そういう中で、どの程度緑地の緩和をすることが適切かということについては、その地域ごとの実情でご判断いただくべきではないかということで、市町村の条例に委ねるという形をとっております。
そういう意味で、地域の実情によって、ここは思い切って緑地規制の緩和をしていいという地域と、そうではなくて、やはり緑地は必要なのだという判断の地域と、そういう差が出てくることはあるかもしれませんが、企業の側からみれば非常に不公平だという感覚が出るかもしれませんけれど、それはある種、周辺住環境を図るという観点からすればやむを得ないことなのではないかなと考えております。

土屋委員
私は、現実には自治体が動かなければ、同じ丙種の条件であっても1%と20%が存在するという認識なんです。ですから、私は、例はあまり多くは知らないのですけれど、水質汚濁防止法で国の排水基準、例えば、CODとかBODが160mg/lでしたか、ppmの単位だったと思いますが、それがある自治体へ行くと、特定地域について10mg/lでしたか、16分の1ぐらいでしょうか、落ちた例は知っているんです。でも、それはそこの水域の環境基準が達成されないがために、こういう設定をしている。はっきりした目的があるわけです。
今回、この場合は数字が大きいのと小さいのが逆になるのかもしれませんが、20%まで必要だということは、この委員会の中でも、なぜ必要なのかという議論があったと思うのですけれど、そういう意義というか、ニーズというか、そういうものがない状態で、1対20というのが1つの法律の中であるということがおかしい。それははっきり言って、規制される側にとっては大きなデメリットですよね。20と1の違いの分だけの面積を有効な生産活動に使えるわけです。
これははっきり言うと、その工場の競争力につながってきますよね。だから、以前、大西先生がいわれたように、この法律ではっきりそういうことを規制するのであれば、ちゃんとしたことが成り立たないと、経済原則に則らない規制だという格好になりますよね。経済産業省が所管する法律で、工場に意味がないのに規制をかけるということで競争力のアンバランスをとらせるということを持ち出しかねないような格好になると思いますので。つい最近になってから私どもの業界なり会社なりでそういう指摘があったものですから、あえてここで言わせていただきました。

和田委員長
確かに土屋委員のおっしゃるように、自治体の判断に任せているわけですけれど、必ずしも定量的な裏付けがない、その中で1%から20%の差が開いてしまうと。なぜその差が開くのかという、その判断の根拠が企業側にわからないというのが非常に不満であるという、そういうことなのだろうと思いますが、そもそも緑地というものの定量的な評価というのはできないので、これはどのように考えたらいいのか、非常に難しいですね。非常に大きな課題だという感じがします。ここで結論を出せそうもないので、そういう議論があったということをテークノートしていただくということで。

土屋委員
話は飛びますけれど、もう既に平成12年のころに環境基本計画に自主的取り組みというのが入っていて、先ほどご紹介がありましたけれど、地球温暖化でのCO2の削減ですとか、廃棄物のリサイクル化、その後に化学物質に関するPRTR制度、こういった中で自主管理という話で取り込まれましたよね。あれ自身、確かに規制というターゲットは何も設けていないわけです。排出があるから、自主的に管理して削減することを目的にと。緑地というものをみていったときに、せいぜいその程度の対象でいいのかなと。規制という言い方は、大西先生のご指摘もあったのであれですけれど。
そういう意味では、先ほどご紹介のあった足達先生のご指摘のとおり公表していく。そういう部分だと、結局は、あとは企業の自主判断だし、自分たちでどれだけのものをどこでと。例えば自治体の動きの中でも、工場の隣接地域に敷地を提供するから、企業からお金を出して緑地を整備してくれとかというのはあるのですが、でも、それは企業がタイムリーにそのときに設備の増設でもあればいいのですけれど、そうでない場合は環境貢献みたいな形でということですよね。ですから、自治体がそうやって動いてくれるところも、今の立地法の枠組みの中ではうまくミートしない部分もあるんですね。
けれど、これは全部自主でという話になってくると、そういう部分も取り込みやすいし、ある意味、同じ都道府県の中で、自分の敷地はだめだから、ちょっと離れたところで少し植林させてくれとか、そういうこともつながってくるとすれば、こういったものすべて考えると、企業にとっては、自分たちで考えさせてやってくれというところへ話はいってしまうんですね。その方がむしろ、やれるところはやるし、やれないところは少ししかやらないしということで、不公平感を法律でかぶせられるよりは、自分たちに責任を与えられてしまった方が、小さい会社にとってみれば過酷な部分はありますけれど、その方がむしろ公平感につながるんじゃないかなという意見はありました。

和田委員長
ありがとうございました。土屋委員の議論だと、ソフトな規制のあり方というのはありますけれど、「ソフトな規制」という、規制はもうないと。先ほどの課長のご説明ですと「ソフトな規制」というのはある程度誘導的な法体系を残していくということですが、むしろそれもなくしてしまって、全面的に企業の自主的な判断に任せるという考え方ですよね。そうすると、「ソフトな規制」ではなくて、規制もしないと。「ソフトな誘導策」といいますか、そういうものも視野に入れるべきだということですかね。ですから、「ソフトな規制」という、規制を必要とするかどうかという議論は1つのオプションとしては当然あり得ますよね。

土屋委員
ただ、規模を指定して、どのくらいの規模かわかりませんけれど、毎年、緑地面積率を届け出なさいとかというのは、今のPRTR制度に近いものなんですね。

和田委員長
そこまでは認めると。

土屋委員
そこまでは考えています。

和田委員長
そうすると、ソフトな規制でいいということですね。ソフトな規制までやめるというところまではいわないと。

土屋委員
今の段階で私どもとしてはなかなか言えないというのが今までの議論の中でありましたので。

和田委員長
では、書き方としては、「ソフトな規制のあり方についての検討を行う」と、そういう文言でいいということですね。

大西委員
その点ではないのですが、さっき文章についての質問をしたので、自分の意見を申し上げたいと思います。私は全体の構成にやや不満があって、3ページのところで、1の(2)、つまり、工場の地理的配置について工場等制限法とか工配法が関与していて、この法律はそれとは違うと。周辺環境との調和だということで、立法趣旨が違うということで整理をしていますが、もともとこの法律は国が一律の緑地面積の規制をしていたわけですね。ということは、国全体に絶対一律の規制を敷くことによって、大都市等でそれがなかなか実現できそうもない工場密集地帯とか人口が稠密な場所においては、自ずから工場の新増設というのはできにくいだろうということが含まれていたのだろうと思います。
ですから、間接的ではあれ、地理的配置ということにかかわっていたと。しかし、そのことが政策の趣旨から消えて、2つの法律が廃止されて、周辺住環境との調和ということだけが強調されて残っていると。そして、周辺住環境との調和というのは普遍的なテーマだと思います。ただ、それはまさに周辺がどういう住環境にあるのかということと、あるいは周辺が現状としてどうあるかだけではなくて、何を目指しているのかということと非常に密接にかかわっているので、かなり測地的な話ではないかと思います。
それで、私は、こうした測地性のある土地利用のあり方というのは、基礎自治体が決めていくべきことだと思います。ただ、それが一定の規制を含む場合には、法律によって、例えば財産権と対抗しないとなかなか強い条例はできないということなので、いわゆる委任条例という格好でつくっていくのが望ましいと思っています。そういう観点からすると、この法律も周辺住環境との調和ということを目的とするのであれば、限りなく委任条例のスタイルにしていくべきではないか。
今も地域準則等で条例ができるようになっていますが、もっとこの部分を手厚くして、自治体の条例制定ということを重視していく、そういう流れにして、その場合にはまさに自治体が判断して、自治体の中で、ある場所に工場を集めて、ある場所には工場はあまり立地させないのだということは、国全体の地理的配置の政策はなくなっても、自治体的にはあり得ると思います。都市計画の規制だってゾーニングしているわけですから。
ですから、そういう観点にのっとって、工場が集まるところでは、まとめて緑地があるから個々の敷地についてはあまり考えなくていいですよと。しかし、工場がばら建ちする場合にはこれだけの緑地をつくってくださいと。そういうことを自治体が条例で定めて、そのことでその地域の住環境との調和を含めたレベルアップを図っていくということはあると思います。
ですから、そこをもっと手厚くするような格好で法律を組み立てるということが改革としては必要なのかなというのが私の意見で、それから先、緻密にどうやっていくのかというのはまだ考えていませんけれども。

横田地域経済産業政策課長
ご指摘はごもっともだと思います。ある意味、ご指摘をされている部分についてまさにさっきの企業立地促進法の中で、工場立地法の中では都道府県に対する地域準則ということだったわけですが、今回、企業立地促進法の中の基本計画というのをつくらなければいけないというのはありますけれど、その上で、市町村に自由に、地域の都市計画なりゾーニングなりのことを念頭に置きながら、条例で緑の基準も設定できるという法制にしてありますので、ぜひそれをご活用いただきたいなと考えています。

大西委員
つまり、20%という規制があるから緩和ができるわけですよね。そういう組み立てになっているわけですね。けれど、そうではなくて、何%かということ自体も自治体で決められると。国は、工場が地域と調和しながら存在することが必要だという建前だけを法律で述べて、何%という全国一律の規制の数字は法律には載っていないと。そういうことが望ましいと思うのです。今のは規制が国の法律にあるから緩和の条例がつくられるということなのですが、そもそもこの規制の値が妥当なのかという根拠が怪しくなると、こちらが問われているわけですね。ですから、組み立てをかえて、そこの数字はないということで自治体が自主的にやると。そういう手法をとる場合には、インセンティブを導入するということがあってもいいと思うのです。そういうことが手法として国の法律の中で例示されているということもあるいはあっていいとは思います。

和田委員長
大西先生の議論は、法改正を抜本的にしろということだと思います。そういう議論が当然あり得ると思いますが、どうも今回の議論はそこまではいかないで、それはそういう検討課題であるというところにとどめている、そういう報告書になりそうな感じではありますね。

大西委員
前の報告書はそういう報告書だったんです。

和田委員長
そこまで踏み込むかどうかですね。

横田地域経済産業政策課長
前の報告書の中では、生産施設面積規制についてはもう役割を終えたのではないかというところだったと思いますが、緑地については今回のようなご議論はあまりなかったものですから、そういう意味では、前の報告書よりは一歩踏み込んだものになるのではないかなと思いますけれど。

大西委員
この別添1となっているのは、前の報告書の一部ですよね。たしか最後に「抜本的な検討をするべきだ」ということで結んだように思うのですが、これは全文ですか。今、手元にないんですけれど。4ページと5ページですが。

横田地域経済産業政策課長
前の報告書は全体で10ページあるわけですが、そのうち、工場立地法の成り立ちについて記述された2ページの部分だけ付けております。

大西委員
多分その最後のところに、抜本的な検討が必要だという、新しい時代に対応してといったことが入っているのではないかなと思いますけれど。

横田地域経済産業政策課長
抜本的な検討というところについては、生産施設面積に関する規制について、いろいろな環境規制の整備を踏まえて、将来はこの規制を根本的に見直して、廃止することも含め抜本的な検討が必要であろうということでございます。
緑地面積規制については、「地方公共団体が地域の実情に応じて対応できるようにすることを検討の視点とすべきである」という記述になっておりまして、この報告書自体についても経産省のホームページでいつでもご覧いただけるようになっておりますが、次回にまた配付させていただきたいと思います。

内田地域経済産業政策課長補佐
先走りますが、今のご指摘のところは、資料4の冒頭のところに抜粋してございます。

和田委員長
それでは、いろいろな議論が出てきて、基本的な話というのは幾らでも出てくると思いますが、きょうの意見も踏まえて、次回、少し書き換えてまたお出しいただきたいと思います。
それでは、資料2に移りたいと思います。
資料2は緑地面積規制の特例の話ですが、1つの方は、工場等の周辺の区域内については、工場の中でない緑地についても緑地と認めることがあり得るということだったのですが、今回の案では、工場等周辺区域の外であっても工場緑地として認めることがあり得るという、そういう案です。
2つ目の方は、緑地の質を反映して、それを準則に適合しない場合であっても適合したとみなすことができるということ。この2つの提案になっています。
ただ、条件がついていまして、少なくとも、現在、既存工場であるということが1つと、更新をする場合に緑地面積が足りないという場合であって、住民あるいは地方自治体の了承が得られれば、こういうものも特例として認めたらどうかと。細かい、例えば緑地率については何%だったらどうなのかというところについてはここでは議論されていなくて、今後の検討課題になっているということです。
これについてご意見があれば、伺いたいと思います。

土屋委員
2ページですが、「工場の敷地隣接地域の住民の賛同」というところですけれど、企業の側からすると非常に難しい課題だと考えます。環境影響評価法などで住民説明会というのを開催しますが、(注4)のところにそれが書いてあって、「必要に応じて住民説明会等を開催し」ということですけれど、こういう言い方はあれなんですが、どちらかというと反対目的の方しか出てこられない、というと変ですけれど、注文のある方がほとんどなんです。では、「賛同を得た」というのはどういう基準でもってするのだというところが、これは多分、自治体に預けてもすごく困る話だと思うのです。
もう1ついけないことが、この工場立地法という緑地面積にかかわる話であったとしても、例えば、半年ほど前に地震があって火災があった工場がこういうことを言い出したときに、そういう保安面の話の中からどうしても印象が悪いということになって、賛同を得られるプロセスというのに相当苦労しなければいけないと。そういう立地法と関係ない部分でのいろいろな評価がこういうところで出てきてしまうことを考えると、単純にこの「住民説明会等で賛同を得る」という一言は、企業にとっては非常に難解な問題になる可能性があると考えます。
そういう意味で、せっかく届け出先自治体の同意ということで、今までの法体系がすべて自治体との届出だけで行われていましたので、私はそれだけで十分ではないかと。そうしていただかないと、これ自身を生かすのは結構難しいのかなと感じます。

和田委員長
ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。
私がちょっと気になるのは、周辺区域のこのポンチ絵でみると、今までは工場等の周辺の区域ということで点線に囲まれた地域の中の緑地ということだったのですが、それで場合によっては工場緑地とみなすと。今度は周辺の外に出てしまった場合に、どこまでが外なのかというのがよくわからないところがあって、全世界にまで広がってしまうというところはあるんですね。ですから、ここのところをある程度縛る必要があるのではないかなという感じはしないではないです。これは地方自治体に任せるということで、そこまで細かく書くことはないということなのかもしれませんけれど、それが1つ問題かなと。
あとは、土屋委員がおっしゃるように、住民の賛同のとり方というのは確かに難しいかもしれません。具体的にはどうしたらいいんでしょうか。何かこういう事例はございますか。規制を緩和するということについて、住民に集まってもらって説明会を開いて、「いいよ」と、そういう手続ですね。ほかには、こういう手続をするというのはありますか。

土屋委員
私は、唯一、環境影響評価法の住民説明会しかこういう例を知らないです。

大西委員
同意はないですよね。説明ですよね。同意まであるというのは。

和田委員長
同意というのは、確かに定義は難しいですね。

大西委員
私も、この点は、さっき申し上げたような条例との関係というのは非常に大事で、集団的に工場があるケースと単独立地で周辺への影響も違うわけですから、それぞれの地域における具体的なルールを示していなければいけないのではないか。つまり、住民が納得すればいいということになりますと、例えば、当該地域の住民も替わっていくわけですね。そして、新しく前の住民と全く関係ない人が来るわけですから、自分は反対だと、あるいは賛成だというふうにそこで意見が変わったときに、賛同の内容が変わってしまうことになりますよね。
ですから、住民に説明するとか疑問に対して答えるというプロセスは必要だと思うのですが、いいか悪いかというのは何か条例のようなルールで示されていて、それに適合しているから自治体としてはいいと判断したと。そして、さらに住民から要望があって、そこが工場として受け入れられれば、その要望を受け入れていくと。そういう組み立てにしないと、非常に混乱してしまうのではないかなという気がいたします。

大塚大臣官房審議官
ここは前回の我々の提案にも入れた点で、そのときには例として自治体を入れていたでしょうか、周辺住民の何らかの関与が必要ではないかという考え方を前回も今回もしております。
それで、この3ページのイメージ図の緑地等Cですが、周辺から離れた場合について、そもそも周辺の住民の何らかの関与というのを入れるか入れないかは別として、それを認めるかどうかというところについて、これはイエスでしょうか、ノーでしょうかという議論はまず必要だと思います。そして、これを入れるとなったときに、周辺住民の何らかの関与というのを入れるのか入れないのかという選択肢が次にあって、つまり、その場合は何らかのガイドラインを設定するにしても全く地方自治体に任せてしまうというのと、さらに、周辺自治体の、ここには住民の賛同と書いてありますけれど、隣接地域の住民の賛同とするか何とするか、単に説明会だけとするかとか、どのようにそれを盛り込むかという議論はもちろんあると思います。
ただ、その前に、このCを認めるかどうかというところについては、皆さん、どんなご意見でしょうか。

和田委員長
いかがでしょうか。

大西委員
この間も発言したと思いますが、要するに、緑地Cというのは自治体としてのローカルなルールがない場合には、あまり離れていると不自然だということで、点線の工場等の周辺の区域というのに隣接しているとか近接していて、事実上離れていないとみなされるということが必要なのではないかなと思っています。
ただ、さっきいったような制度で、もし自治体がこの工場地帯について緑地の確保をこうやってやるのだということで、少し離れたところを含めて一帯の緑地として整備していくとかということを出せば、そういう範囲について含むということはあり得ると思います。それについて、条例ですから、条例をつくる過程で近隣の同意が、近隣といっても条例ですから特定地域だけの同意ということではないわけですが、場合によってはそのプロセスの中で該当する地域について説明をして、合意形成を図るということもやっているのが普通ですから、そういうことがある程度確保されていると。それが近隣を含めた周辺との調和ということにある程度なるのではないかと思います。その上で、具体的な行為が行われるときに説明をして意見を聞くというプロセスはあってもいいと思います。

横田地域経済産業政策課長
ご指摘は、住民の同意に代えてある程度自治体が自主的に自分のガイドラインなりある程度広域的な計画をもち、その中に適合するものについて認めていったらどうかと、そういうご趣旨ですね。

大西委員
はい。

横田地域経済産業政策課長
わかりました。確かにそういうアプローチはあると思いますので、この点も引き続きご指摘を踏まえて検討させていただきたいと思います。

和田委員長
審議官から問題提起された工場等の周辺の地域外でもいいかどうかということについては、今、大西先生からご判断が出ましたけれど、ほかにいかがですか。

前田委員
2ページのところの表現の仕方が若干疑問で、「周辺の区域」というのと「隣接地域」という2つを使い分けておられますが、例えば(注3)だと、「隣接地域というのは工場敷地に直接隣接している住宅地とする」という言い方ですけれど、これは周辺区域にまずあって、さらに外にあるのかとか、どうもこのあたりの定義づけがちょっとはっきりしないんじゃないかなと。このままだと、周辺の区域と隣接地域を議論するのはちょっと難しい感じがするのではないかなという感じはしますね。
今、大西委員がおっしゃられたように、条例なり何なりで規定したという、何かそういう別な枠組みで仮にこの緑地等Cを位置づけるとすれば、そういったもので位置付けていった方がいいのではないか。このイメージ図のような形で位置関係を理解するというのは非常に難しいかなと思います。

和田委員長
そうですね。ほかにいかがでしょうか。
住民の合意という話では、現行はどうなっているかというと、住民の合意というのはないんですね。

大塚大臣官房審議官
そもそも現行はCがありません。

和田委員長
Cもないし、「飛び地緑地」の場合、A、Bの場合には、地方自治体に届け出ればいいということなんですね。ですから、工場内緑地でなくても一部認められているわけですが、住民の合意は必要がないと。外に出たときに、住民の合意というものをもう1つ条件につけたということですね。これもなかなか悩ましい問題ですね。

横田地域経済産業政策課長
区域の外に出るというところで、周辺住環境との調和というところをどう担保していくのかという中で住民同意というのをご提案させていただいたのですが、大西先生からご指摘いただいたようなアプローチも周辺住環境との調和を担保する1つのやり方かと思いますので、いただいたアイデアをもとに、また代案を考えさせていただきたいと思います。

和田委員長
それでは、地域に何かルールをつくってもらって。その判断基準なりルールがないと自治体も困るし、住民を納得させることもできないということで、その辺のところも考えていただきたいと思います。
それでは、「緑の質」についてはいかがでしょうか。これは、「緑の質」というのを考慮するべきだというところにとどまっていて、具体的にどのようにしろというところまでは踏み込んでいないのですが。

前田委員
基本的にここで書かれているような考え方というのは私は賛成します。ただ、ここに書かれていない、質をどう判断するかというあたりのガイドライン的なものの整備が不可欠だと思いますので、その点はよろしくお願いしたいと思います。

和田委員長
ほかにいかがですか。半田委員、何かご意見はありませんか。

半田委員
前回に比べると、「既存工場」などを入れて、配慮していただいたとは思いますので、大体こんなものかなと思います。ただし、「緑の質」といった場合に、緑視量だけでもないと思います。けれども質の評価については判断が難しい問題なので、やはり緑視量だけになるかなと。基本的な考え方を述べて、あとの具体的なものについてはそれぞれの判断に任せるというのがいいのではないかと思いますが。

和田委員長
前田委員がおっしゃったように、ガイドラインを少し考えなければいけないということですね。これについてはそのとおりだと思います。
それでは、基本的に、「緑の質」というのをある程度勘案していくという方向については一応納得するということで、ガイドラインを今後考えるということにさせていただきたいと思います。

2.生産施設面積率の緩和について

和田委員長
それでは、その次ですが、資料4に入りたいと思います。これはもう要らないんじゃないかという議論があったものですが、やや復活をした感じではありますけれど。資料4についてご説明いただきたいと思います。

内田地域経済産業政策課長補佐
それでは、資料4をご説明いたします。
生産施設面積率につきまして、平成16年の当委員会の報告書で、将来に向かっては廃止も含めて抜本的な検討が必要だというご指摘をちょうだいしているところでございます。そこの考え方は既にそういうことで了解をしているところでございますが、今現在すぐにというのもなかなか難しい状況の中で、我々としてご指摘を踏まえて最善の努力をしていくという観点に立ちまして、現在できることは何かというのがこの資料4でございます。
生産施設面積率に関しましては、平成9年と平成16年の2回、業種区分の見直しを行ってきているところでございます。見直しの仕方といたしましては、2.(1)の(イ)でございますが、平成9年時点に公害物質を、SOX、NOX、ばいじん、COD、BOD、SSをメルクマールとして調査いたしまして、生産施設面積1単位当たりの公害物質の排出量を昭和48年当時、この法律の制定当時から、調査時点の最新値までで比較をいたしまして、その平均の低減率を算出いたしました。これを当時の率と見合わせまして、実際にその時点の業種区分の率に見合っているかどうかといった比較をしたようでございます。
その結果が、(2)にございますが、10%業種を15%業種等々、27業種につきまして業種区分の見直しをしたところでございます。ただ、この際には、急激な緩和というのもいかがかということで、頭打ちをしてございまして、業種区分の見直しを1段階に限るという頭打ちの状況で見直しをしたところでございます。
2ページでございますが、平成16年も同様に、平成9年に見直しを行ったところについては平成7年から平成14年の低減率、見直しを行っていないところについては最初の昭和48年から平成14年までの低減率を算出して、同じような作業を行ったところでございます。
このときも頭打ちというところをしておりまして、24業種について見直しが行われたところでございます。これにつきまして、頭打ちというところがいかがなものかということで、そのところを勘案せずに、現在、各業種について実際のところ、頭打ちをしない中でどれほどに業種区分の見直しをするのが適当なのかを考えたのが、(2)以下でございます。
具体的には、「(注)具体例」とございますが、(1)石油精製業につきまして、平成9年時点で、当初10%の生産施設面積率であったものを15%に見直しております。これは低減率が0.43ということだったことに基づくものでございますが、そこから平成16年時点でそれを15%、さらに20%見直してございます。これは平成7年、平成14年時点の低減率が0.64ということで、それぞれ頭打ちを踏まえてやってございます。
ただ、それを実際に頭打ちをなくしてみるとどうかというのが試算の計算式になってございまして、平成9年の0.43、さらに0.64というところを割り戻していきますと、仮定の数字でございますが3.6、したがって10%当初の率からみると、3.6倍まで率を増加させても、そもそも昭和48年当時に目指した10%という数字が当時の状態よりも理想を目指したもので、この10%までいけば理想の状態が追求できるということで設定された数字でございますので、この10%に至れば理想の数字ということでございますが、それに至る数字として、その低減率を考えると3.6倍までいいんじゃないかということでございます。そうしますと、素直にフラットに考えると36%という数字が妥当な数字ということになってございますが、実際は石油精製業につきましては現在20%となってございますので、フラットに考えると30%に移行させてもいいのではないかという試算でございます。
そのほか、(2)パルプ製造業につきましては、試算でございますので数字が少し大きくなってございまして、135という100を超える数字になってございますが、より大きい数字で、現在、40%というのが生産施設面積率の上限でございますので、公害物質の低減率から考えると、40%を超えた設定でもいいのではないかと思われるのがパルプ製造業、セメント製造業、電気供給業といったところになってございます。

横田地域経済産業政策課長
補足しますが、前回の見直しからもう4年ぐらい経過しておりますので、今の時点で環境負荷排出量低減率みたいなものについて試算をしまして、それをもとに見直しをしたらどうかというのが第1点です。その見直しの際には、内田からご説明をしましたように、本来、非常に改善は進んでいるのだけれど、分類の見直しは1段階に限るという運用をしていたところについては、むしろそういう1段階に限るというところは取り払って、実態の改善を反映するという方針で作業をしたらどうかということでございます。以上です。

和田委員長
ということだそうです。今までは1ランクアップしか認めなかったけれど、これからは2ランク、あるいは3ランクアップでも、実態に基づいてランクアップを認めるということと、平成18年度までの低減率も勘案してもう一度見直すと。この2つですね。
ただ、会議の前にお伺いしたのですが、第1種業種、第2種業種というのはもうほとんどなくなってしまって、みんな第3種業種、第4種業種になってしまっているという実態はあります。ですから、生産施設面積の規制というのはやや実態から離れてきたかなという感じはしますが、最初にもお話がありましたように、今回、法改正という状況ではないということでありますので、こういう形で対応し、抜本的な見直しはまた先送りということなのかなと思います。
土屋委員、何かご意見はございますか。

土屋委員
環境負荷の低減率という考え方が、これはSOX、NOXだけですか。

内田地域経済産業政策課長補佐
ここでは5つございます。

土屋委員
今一番問題になっているのは、むしろそちらではなくて、例えばCO2の問題とか廃棄物とか化学物質の排出量というところになってくるので、そういう意味で昭和48年のメジャーというのがもう違ってきているので、何か適当な枠付けというのは要るのかもしれませんが、そうした場合も、むしろCO2の排出量の多い業界、石油業界は特にそうだと思いますし、電力業界などは極端にそれがあると思いますが、そういう業界だけ規制して、ほかは要らないとか。
正直いって、今、私たちは、SOX、NOXの排出量で問題になっているというのが何かピンとこないんです。でも、やりようがないからしょうがないのかもしれませんけれど。

和田委員長
CO2の規制で生産施設面積を規制するというのは、ちょっと大変ですね。

土屋委員
ただ、届出をやらせていますから、業界平均で考えると。

和田委員長
生産施設面積を小さくすればいいかというと、炭酸ガスの場合は全然関係ないですね。

土屋委員
ええ。まして、例えばしわ寄せが必ず行くのが電力業界だったり石油業界だったり、いわゆるエネルギー供給業に全部しわ寄せが行くわけですよね。それはしょうがないと思うのですけれど、ただ、今の世の中で何をメジャーにすべきかというのをいろいろみると、やはり一番の問題はCO2なのかなと。将来的にも解決される目処が立っていないテーマがCO2だとすれば、それをメジャーにすべきなのかなという気がしないでもないですね。

横田地域経済産業政策課長
もちろんCO2は大事なのでしょうけれど、工場立地法自体、周辺住環境との調和ということを考えると、CO2の問題はまさにグローバルな問題ですので、ここではSOX、NOXだけではなく、資料に書いてございますように、ばいじん、CODほか、6種についてということでこれまでやってきております。

土屋委員
ただ、今の環境問題は、その周辺環境をという話であれば、例えば大防法を自治体が条例で上乗せして、特に悪いところは総量規制で、水も、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海で上乗せ基準をやってと。ですから、ある意味、ローカルなそういう問題というのはもうほかの法律に任せておけばいいと思うのです。
そして、今、一般的にいろいろなこういう問題を考えていくときに、やはりグローバルな問題が絶対第1位に来ると思いますので、そうすると、この工場立地法が確かに地域との共生という話を謳っているかもしれないけれど、工場の生産施設面積が環境負荷を排出するという角度でみれば、グローバルな問題もひっくるめて考えるべきで、そうすると、やはりエネルギーをどれだけ使っているのかというのが今は工場にとって一番の問題だろうと思っています。環境影響評価法の中でも、当然ながら、企業は環境保全策を盛り込んでいろいろやりますという中で、環境大臣が「CO2問題で」というクレームをつけられた例が幾つか出てきているわけで、そういう意味では、1つの工場がグローバルなCO2の問題でという観点で物を考えられてしかるべきかなと思います。
正直いって、委員長がおっしゃるように、「難しいから、この辺でどうでしょうか」といわれれば、「まあ、しょうがないですね」といわざるを得ないと思うのですけれど、ただ、何か割り切れない感じがありますね。

内田地域経済産業政策課長補佐
平成16年のときの廃止に向けた議論というのは、公害物質の抑止の見地からメルクマールとして、当時、SOX、NOX、BOD、COD、SSを採ったものと思います。

土屋委員
だからこそ、役目が終わったという意見を出したわけです。

内田地域経済産業政策課長補佐
今回もその答申を踏まえ、そういった物質について規制をする「生産施設規制」であるものとして、「将来的廃止」の基本路線の下で、現状できる最善として業種区分の見直しの案を用意させていただいているわけですが、もしその「生産施設規制の役割」として「CO2」という新たな観点を加えるべきだというご指摘であるとすれば、廃止という線がまた変わってくるのかなと思ってございます。「生産施設規制」に新たな役割を付与するということでございますから、またそれはこちらの委員会のご審議結果次第でございますが、平成16年のところから結論が変わってくるのではないかと思いますが。

土屋委員
新しい考え方でいろいろなものを見直していくという観点で、図らずも私はそういう問題を言ってしまったので、逆にそういうことでこの生産施設面積率というものを何らかの格好で業種・業界ごとに割り振られるのだったら、それはそれで私はいいと思うのです。要は、私たちが考えてきたことは、少なくとも地域の環境負荷という面でいうと、工場はもっと生産施設の数を減らして負荷を減らすことを考えて工場をつくりなさいとこの法律で言っていたと思うのです。けれど、大防法や水濁法やらの効果もあって、地域での環境負荷というのはどんどん減ってきましたよと。そういう意味では、工場の生産施設の面積は増えてもいいのかなという部分があると思います。ローカルな部分でいくと。
問題は、新しくCO2のような問題が出てきましたねといったときに、地域への影響からすると、当初の目的を果たしているわけですから、今のレベルを後退するのではなくて、もっと緩めてもいいですよねという論議の上に、CO2という問題を考えていったときに、各業界は当然ながら自分たちで工夫しながらやっているわけですから、けれどやはり燃料を燃やすという事実の上にCO2というのが立っているわけですから、そうしたら、新しい角度として、そういうもので新たにベースを引き直してもいいよねというのはあってもいいと思います。それは平成16年に新たに設けた数字をベースにどうしましょうかという調整をやっていくのは構わないと思います。
ですから、この工場立地法が存続するということを前提にされて考えるということであれば、工場立地に関して何らかの仕組みを考えている法律であれば、CO2の話が取り込まれて当然だろうなと私は思います。

大西委員
幾つかありますが、1つは、法律改正の時期ではないというのを前提にすると議論が非常にわかりにくくなるように思います。本来、必要があるから法律を改正したりつくったりするので、その必要性を議論しているのはまさにこの場だとすれば、この場と違うところであらかじめ枠が決まっているというと、何となくためにする議論をしなければいけないという感じになりますので、そこのところは主客転倒しないようにした方がいいというのが1つ目です。
それから、今の議論については、そもそも生産施設面積等、ここで上げられている公害物質の排出というのが既に相関していないと。公害物質の排出についてはそれぞれの規制があって、それによって縛られているので、工場について生産面積が大きいからたくさん出していいということにはなっていないと思うのです。ですから、そういう意味では、規制がある程度整備されているということを前提とすれば、それとリンクさせる議論はもう既に成り立たなくなっているのではないか。
それで、今、CO2の議論がありましたけれど、行政的対応という枠の中で考えるとすれば、緑地が1つのテーマなわけですよね。ですから、緑地の確保と生産施設面積率の緩和というものをリンクさせる、つまり、緑地がきちんと確保されていれば目いっぱいつくってもいいと。緑地が確保されていなければ面積も少なくしますよと。これは誘導になるかもしれませんけれど。それはもし規制が残るということであれば、あり得るのかなと思います。

和田委員長
新しい考え方として、緑地と生産施設面積をリンクさせると。その考え方は今のところ事務局にはなかったわけですが、いかがでしょうか。
塩崎委員、何かご発言いただけますか。

塩崎委員
生産施設にしろ緑地にしろ、結局は工場のレイアウトになるわけですね。そういう意味からいえば、できれば緑地と生産施設の面積率というものをある程度リンクさせる考え方があった方が理解がしやすいのではないかと思います。
ただ、そういう概念では非常に整理しにくいということで、この法律を残すという前提であれば、こういう従来から考えてきた延長で緩和するという考え方もあるのではないかなと。これは工場の中のレイアウトをどう考えるかというときに、最後に環境の技術が進歩して、もうほとんど関係なくなったけれども、1つの指標としてあり得るかなとは私は思います。

和田委員長
ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。
大西先生がおっしゃるように、生産施設面積と公害物質の排出量というのはもうかなり相関性がなくなってしまったという現実を前提にしてしまうと、確かに今までのような形で緩和していくということはなかなか説明が難しいという感じもしますが、そのほかに今のところ適切な指標がないということも考えると、今回は従来の方式でとりあえずやってみるということかなと思うのですが、いかがでしょうか。
そして、緑地と生産施設面積のリンクというのは、今、塩崎委員からもお話があったように、レイアウトの中でどうするかというのは非常に重要なポイントであるということでしたが、今直ちにその関係をどのようにするかというのは難しい感じがしますけれど、大西先生、何か具体的なアイデアはありますか。緑地と生産施設の面積について。

大西委員
ですから、緑地が完全に満たされていれば生産施設は完全につくっていいと。この現行の規制でいえば、最大が40%ということですね。本来、建ぺい率でもいいと思いますけれど。しかし、規制を残すということであれば40%ということになるわけですね。それが満たされていないということであれば、それに対応して減らしていくということになりますよね。それをどの程度に減らすかということはあると思いますけれど。そこは一定の比率でやるということかなと思います。

和田委員長
ただ、現実問題として、生産施設面積の規制で困っているところというのは多分あまりないですよね。いかがですか。

大西委員
多分あり得ないと思いますね。

和田委員長
石油精製はもう全然関係ないですよね。

大西委員
ええ、多分だめですね。

塩崎委員
前々回でしたか、もう1つ前でしたか、アンケートのご説明がございましたでしょう。あのときには生産施設によってあきらめたという数字がございましたね。私は意外と思ったんです。

横田地域経済産業政策課長
2割ぐらいでした。

塩崎委員
2割ぐらいでしたか。これは業種によるのだと思います。例えば、私どものようないわゆる外にプラントがある装置産業では緑地規制の方が厳しくて、生産施設面積はそうでもないと。ただ、建屋の中に工場などがある業種があって、やはり業種によっての差が出てきているのではないかなと思っています。

横田地域経済産業政策課長
それから、今、上限が40%ですが、パルプのようにもうほとんど100%でもいいじゃないかというところもありますけれど、いろいろニーズを聞いてみると、40%に該当している業種でも「もう少し緩和してほしい」という声も聞こえてきておりますので、新しいジャンルとして50%とか、40%を超えるところについても、今回、実態をみながらお諮りしたいなと考えております。

内田地域経済産業政策課長補佐
今、課長から申し上げましたように、上限を少し見直して、恐らく建ぺい率60%あたりが頭打ちになると思いますが、40を超えて、50、60といったところも必要があれば考えてみたい、それから、現状は10%の刻みになってございますが、10%というのは大きい数字でございますので、例えば、さらに細分して5%に刻んでみるとか、そういうこともちょっと考えております。

大西委員
現行制度下の見直しの考え方というので、さっき土屋さんに言われた具体例で、これはほとんどが40%に近くなってしまっているということですね。

内田地域経済産業政策課長補佐
はい。

大西委員
そうすると、今おっしゃった50%に伸ばすときに、緑地率を満たしているところについては50までいける、そうでないものは40だと、そういう整理もこの際あり得ますよね。

和田委員長
ソフトな規制をここに考えると。誘導規制ですか。

大西委員
リンクさせるという考え方を導入するということですね。

横田地域経済産業政策課長
法制的にいうと、それぞれ異なる目的でやっているので、リンクさせるというのはかなり事務的な説明が難しいかと思いますが、事務局の思いとしては、大西先生がおっしゃるようになるべく早く法改正を行って、撤廃なら撤廃ということにしたいと努力をしていきたいと思いますが、仮に法改正に時間がかかるとすると、それまでの間、この生産施設面積規制がネックになって支障を来しているという事例を放置することになりますので、抜本的な法改正を目指すにしても、現状、それまで待ってということではなくて、できることは一生懸命やりたいなということでございます。
そういう意味で、考え方としては、すべての業種について生産施設面積規制を100%にするということにすれば、これは絶対的に撤廃したと同じことになるわけですが、制度が残っている建前、事務的にはそういうことが難しいものですから、これが支障になって事業活動に問題が生じることがないような対応をしていきたいと思っております。
現状、生産施設面積規制が2割という業種で石油精製の例が挙がっていますけれど、ほかにセメントとかパルプとか石油化学系がございますし、3割業種というところで20ぐらいの業種がございますので、ほとんどが4割ということでもないのかなということでございます。

和田委員長
いかがでしょうか。議論としては大体出尽くしたような感じがいたします。それでは、きょうの議論も少し勘案をしてまた修文をしていただくということでお願いしたいと思います。

3.今後のスケジュールについて

和田委員長
それでは、時間が来ましたので、これできょうの議事を終了したいと思いますが、最後に、今後のスケジュールについて事務局からお願いいたします。

内田地域経済産業政策課長補佐
資料5にございますが、次回は10月31日(水)10時から12時でお願いしたいと思います。そのときには、今までご議論いただいたことも踏まえて、報告書の案ということでお示しをさせていただきたいと思います。そして、そこで合意をしていただいた案についてパブリックコメントに付しまして、最終的にその結果も盛り込んだ形で、12月上旬の第15回でこの小委員会としての報告書をとりまとめていただければと考えております。

和田委員長
それでは、次回、10月31日にまたお会いしたいと思います。それまでに事務局の方でまた作業をお願いしたいと思います。
それでは、本日はどうもありがとうございました。

閉会

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最終更新日:2007年10月26日
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