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産業構造審議会地域経済産業分科会工場立地法検討小委員会(第5回)‐議事要旨

日時:平成18年11月29日(水)10:00〜11:45
場所:経済産業省本館2階 西8共用会議室

議題

  1. 産業構造審議会地域経済産業分科会における「戦略的な企業立地促進を支援するための新たな法的枠組み」に関する検討について
  2. 緑地面積率等について一段の緩和適用を可能とする区域の設定に関する検討について
  3. 風力発電施設の工場立地法の適用除外化に関する要望について

出席者

和田委員長、太田委員、塩崎委員、下村委員、土屋委員、半田委員、前田委員、森委員

議事要旨

(1)産業構造審議会地域経済産業分科会における「戦略的な企業立地促進を支援するための新たな法的枠組み」に関する検討について

事務局から、地域経済産業分科会における検討状況として、資料1(戦略的な企業立地促進を支援するための新たな法的枠組み(案))について説明し、質疑を行った。主な発言は以下のとおり。

  • 新たな法的枠組みでは、企業の論理と環境保護の論理とがうまく両立できるのか、都市計画や緑の基本計画との整合性が担保されるのか、という点がよく見えない。
  • 新たな法による指針には、緑の保全も含む町づくりに関することにも含むことが想定されるが、具体的にどのようなツールを用いてどのように保全するかについては、地域の考え方に委ねられるものと考えられる。
  • 地域の緑をどう保全するかは地域で判断すべき、ということは理解できるが、制度的なものも含めて、緑の保全を具体的にどのように謳うかを考える必要があるのではないか。緑地については、過去の議論においても、地球環境問題との関係も含めて前向きに評価しているところであり、例えば、新たな法的枠組みの下で定める指針において、「緑の基本計画を踏まえなければならない」というようことを書くことも必要ではないか。
  • 工場立地法は工場周辺の環境保全を図ることを主目的とするものであり、その法の枠を超える環境に対処するためには、より大きな枠組みが必要となる。その意味で、新たな法の枠組みを使うことにより、工場立地法で可能な対応よりも一歩進んだ対応が可能になると考えられる。
  • 広域での緑の保全という考え方は、新法により対応する方が活かされることになると思う。当小委員会の意見として、規制緩和に関する意見のみが出るということではこれまでの議論が活かされないこととなるので、環境への配慮だけでなく、もう少し具体的なものを指針に盛り込むよう、当小委員会から分科会に求める必要がないか。
  • 新たな法の枠組みにおいて、例えば、地域における緑地保全を義務付けるといったことはそぐわないと考えられる。地域の主体的な判断に委ねるものとしては、配慮を求めるというところで一定の限界があると考える。
  • 工場は、工場立地法の他に、大気汚染防止法や港湾法など既に種々の環境規制を受け、また、環境影響評価には3年もの期間を要するなどの制約の下で立地している。そうした中で、この新法において、新たに緑の保全に関する義務が課されるというようなことになれば、実体上の新たな効果は生まないにもかかわらず、手続きや制約だけが増えるということになりかねない。
  • 当委員会で議論するテーマではないが、例えば、環境アセスメント手続きにかかる時間の短縮にも配慮してもらうと、立地促進に役立つと考える。

(2)緑地面積率等について一段の緩和適用を可能とする区域の設定に関する検討について

事務局から、資料2(緑地面積率等について一段の緩和適用を可能とする区域の設定に関する主な論点について(案))及び資料3(地域産業活性化法(仮称)における工場立地法に関する特例措置について(案))について説明し、審議を行った。主な発言は以下のとおり。

  • 今までの地域準則における面積率の規定と、新準則における面積率規定との整合性はどうなるのか。準則を都道府県と市町村双方が異なる準則を定めることになった場合、どうなるのか。
  • 現在でも、例えば、緑化条例を都道府県と市町村が共に定めている場合には、都道府県の条例の適用は当該市町村については除外するといった対応が図られているが、いずれにしても、その間で齟齬が生じないようにしたい。
  • 丙種区域においては、緑地面積率ゼロという選択もあり得るということになるが、それは極端過ぎないか。
  • 工場立地法は周辺環境への悪影響の排除に重点を置くものであり、そのために配慮を要する生活環境が存在しない区域である場合には、緑地面積率ゼロもあり得るという形は可能であると考える。
  • 緑地面積率をゼロにすることを可能にするということは従来の立地法の考え方を大幅に変えることにならないか、そこまで緩和して良いのか、といった点は大きな検討課題。計画における指針で緑の確保を担保できるのか、個別工場の緑地といったミクロから押さえないと結局緑地は減少してしまうのではないか、ということもある。
  • 前回の議論では、新設工場と既存工場とで取扱いに差をつけるのはどうか、という議論があった。これまで緑地を減らさずに、緑地の確保に努力して来たという事実に対する配慮が必要ではないか。最低限、既存の緑地面積は確保させることにするという方法もあるのではないか。新設工場についても緑地面積率ゼロを認めることが良いことなのか、検討する必要がある。
  • 工場に現存する緑は公共財でもあり、それを守るか否かの判断を市町村に委ねて良いのかという点も検討が必要である。市町村をどれだけ信用するかという問題ではあるが。
  • 周辺が工場だけであり、周辺住民への配慮が不要である場合も、工場従業員への配慮は必要ではないか。工場内の環境改善を通じた効率化の観点からも、緑地面積ゼロを認めるのは良くないのではないか。
  • かつて製造業からの人離れが問題になった時、工場内環境の整備(ニューファクトリー化)を、法律ではなく、運動として推進した。今は、工場内環境も整備しなければ人が集まらないという時代。
  • 既存の工場は、屋上緑化や工場内のごく小規模な緑地等の面積を積み上げて、立地法の規制をクリアしており、現状を維持することにさえ非常な困難を伴っている。そのような本来の緑ではないとも言えるものまで含めて対処している現状の緑地を維持することに、どれ程の意味があるのか疑問だ。
  • 自治体では、開発条例などで独自の緑地面積率を設定しているケースがある。そのような場合、仮に立地法で緑地面積率ゼロの設定が可能とされたとしても、産業担当部局と環境担当部局の間で調整が付くとも思えず、開発条例の水準以下に緩和することは実体上困難。現実問題として、市ではゼロまで下げることはできないと思われる。
  • 工場の立地に際しては、各種環境規制や労働安全衛生法など多くの規制があり、それらをすべてクリアする必要がある。我が国の環境保全技術が世界トップレベルであることもあり、これらの規制に上乗せして緑地面積規制を行うことが本当に必要なのか。緑地については、個々の企業が競争力確保努力の一環として対処するものとして十分ではないのか。丙種区域の設定は問題ないと考える。
  • 地域的な広がりを持った対応の観点から、緑地面積率の扱いを新法に吸収する形は大変良いと考える。環境に対する地方自治体の意識も高くなってきており、中には30%といった高い緑地面積率の条例を制定している自治体もある。その意味で、法的枠組みに基づいて策定される計画において、緑地面積ゼロとならないことは担保されていると考えられる。また、工場も地域との共生の観点から自主的な緑化の取組を行っている。原案通りで良いのではないか。
  • 現実的に、自治体が緑地面積をゼロにすることは困難かも知れないが、ゼロでもよいという考え方を示すことは、スタンスの問題として問題ではないか。国として緑地を残すべきと考えているとの姿勢を示すためにも、少なくともゼロ以外の数値を入れるべきではないか。

・本議題については、次回の小委員会において、今回の議論も踏まえ、小委員会としてのとりまとめ案の審議を行うこととなった。

(3)風力発電施設の工場立地法の適用除外化に関する要望について

事務局から、資料4(構造改革特区提案における風力発電施設の工場立地法の適用除外化に関する要望について)を説明した後、審議を行った。主な発言は次のとおり。

  • 風力発電については、景観等の問題も存在するのではないか。
  • 自治体によっては、風力発電施設の設置に際して環境アセスを義務付けているケースもある。
  • いずれにせよ、風力発電施設に関する景観等の問題は、立地法以外のスキームで対応する事項である。

・本議題については、事務局案にもとづき対応することが了承された。

(4)次回の日程について

次回は12月13日に開催の予定。

文責:経済産業政策局地域経済産業グループ
地域経済産業政策課

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最終更新日:2006年12月1日
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