経済産業省
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産業構造審議会地域経済産業分科会工場立地法検討小委員会(第6回)‐議事録

日時:平成18年12月13日(水)10:00〜11:30
場所:経済産業省 別館3階 第4特別会議室

出席者

和田委員長、塩崎委員、土屋委員、半田委員、前田委員、森委員

議題

市町村での緑地等の面積率の設定を可能とする新たな制度の考え方について

議事録

開会

和田委員長
産業構造審議会地域経済産業分科会第6回工場立地法検討小委員会を開催いたします。
今日は、太田委員、大西委員、下村委員がご欠席です。塩崎委員は、後程見えられます。

配付資料確認

和田委員長
それでは、本日の配付資料について事務局より説明をお願いします。
熊川地域活性化企画官
それでは、お手元の資料をご確認いただきたいと思います。
議事次第が1枚、資料1としましてカラーの資料が1枚。資料2としまして4ページの資料、最後に資料3としまして1枚の資料があると思います。それと、参考資料としまして1枚紙のものが一つと、8枚紙の資料があると思います。

討議

【「地域産業活性化法(仮称)」】

和田委員長
よろしいですか。それでは、審議に入ります。
今まで、我々は市町村の提案制度ということで今後の工場の緑地に関して議論してきたわけですが、前回、事務局の方から地域産業活性化法という法律(仮称)をつくり、その中で、市町村提案制度を糾合したらどうかという話がありまして、少し方向転換したわけですが、まず地域産業活性化法の現在の進捗状況をご説明いただいて、その後で、それに取り込むべき我々の考え方を整理していただいているので、それを議論するということにさせていただきます。
それでは、今検討されている地域産業活性化法について、事務局から説明をお願いします。
横田地域経済産業政策課長
それでは、お手元の資料1をご覧ください。前回11月29日の小委員会におきましては、分科会で検討中の新しい法的枠組みのイメージということでご説明をさせていただきました。その後、事務的にも検討を進めておりまして、今内閣法制局と協議中でございますけれども、現在考えております法律のスキームについてご説明をさせていただきます。
まず、この資料の左上の方に、「これまでの経済産業省の地域活性化策」というのがございます。これまでの立地政策の歴史を振り返ってみますと、もともと戦後から60年代あるいは70年代、集中的なインフラ整備をすることで、今の4大工業地帯のようなものをつくっていこうといったことで進めてきたわけですけれども、それに伴う公害あるいは過疎過密の問題、あるいは人手や用地不足という問題もございまして、それから分散政策の時代に入ります。そういう中で、72年に工業再配置法が制定され、あるいは地方における拠点をつくっていこうというテクノポリス法や頭脳立地法といったものをつくりました。
一方で、90年代中頃になりますと、都市から地方への分散ということを言っている時代ではない、日本全体が地盤沈下をしてしまうといった、産業空洞化問題が起こってまいりました。そこで、地域産業集積活性化法という法律をつくりまして、この時初めて、大田区や東大阪といった大都市部を含めた集積に対しててこ入れを行いました。この時は、製造業の海外移転によって、それを支えている鋳物や金型といったサポーティングインダストリーが疲弊し、日本に製造業の基盤がなくなってしまうのではないかといった集積を念頭に置いた対策を行ってきたわけです。
そういうことを行ってきたわけですけれども、分散政策については今年の4月に工業再配置法を廃止するといったことで、全体の流れとしては分散政策というよりは日本全体の立地の国際競争力強化という流れに来つつあったということであります。
その下、「新法の考え方」というところがございます。今、地方も、こういうグローバライゼーションの流れを踏まえた上で、どのような活性化をしていかなければならないかということを考えなくてはいけない、いわゆるグローカルな時代だということです。そういう時代にあって、これまでの地方拠点づくり、あるいは集積活性化法というものは、ある程度国の方で、地方で整備される拠点はこういう理想像がよろしいのではないか、あるいはサポーティングインダストリーがへたっているため、支援する産業集積を国の方でひな形をある程度示して、それにご賛同いただける自治体に対して支援をしていくということで行ってきたわけですけれども、今の時代は、国の方で一つのひな形を示すよりは、地域それぞれが自分の地域の強みを考えながら、どういう産業集積、どういう産業立地を目指すべきかということを、創意工夫に基づいて考えていく時代になったのではないかということです。これが今検討中の地域産業活性化法の大きなコンセプトの一つであります。
もう一つ、企業立地という視点からしますと、この(2)、 (3)のところは非常に重要になってくるわけですが、ターゲットとすべき産業を地域の強みをもとに考えていただくわけですが、特に自動車や電気・電子といった裾野の広い産業になればなるほど、人材確保について1市町村とか、場合によっては1つの県だけでは不十分で、複数市町村、場合によっては複数県が協力しながら、いろいろな人材育成あるいは研究開発支援といった体制整備を行っていくことがポイントではないか、特に自動車につきましては、現在、岩手県、山形県、宮城県が3県合同で協議会をつくり、そこに秋田県も加わってくるといった各県共同で取り組みが行われたり、北部九州でも同様に、福岡県、佐賀県、大分県といったところが、連携をしながら人材供給体制の整備をされています。もちろん、ターゲットにする産業によって、どういった広がりで支援を行っていくことが適切かということは個々それぞれ違うわけですけれども、ある程度広域的な取り組みが大事ではないかということであります。
三番目に企業立地ですが、今、企業からすると、スピードが非常に重要になっているという時代でございます。いろいろな開発手続に時間がかかるということですと、むしろ日本ではなくて海外の立地を選択してしまうという時代になっておりますので、スピーディーな立地を実現する仕組みが必要ではないかということであります。
そこで、真ん中の二番目の「スキーム」というところですが、まず、国の方で企業立地を進めていく際の基本方針をつくろうと考えております。この中では、今申し上げたように地域の強みを生かしたターゲットを設定していくことが非常に重要であるとか、あるいは、ターゲットとする産業によっては広域連携というものが非常に重要になるとか、企業立地をする際に、企業の側からすると人材確保は凄く重要になっているので、人材確保をしっかり行ってくださいとか、地域経済産業分科会の方でも、人材確保を考えた時に、働く人はもちろん、働く人の家族の視点まで含めて地域の環境は非常に重要であり、緑とか歴史文化、自然、いろいろなもので環境の保全が非常に重要になるというようご指摘があります。
したがって、そういったことを基本方針の中には盛り込む予定としております。この国の基本方針に基づきまして、地域で基本計画をつくっていただくことになりますが、この基本計画の策定主体は、地域産業集積協議会という協議会をつくっていただくことをイメージしています。協議会は、単独もしくは複数の市町村が都道府県と共同してつくっていただく。更に各地域の実情に応じて、この下の※にございますように、自治体の首長や議会の議長、経済団体、金融機関、有識者など、このような方にお入りいただいてつくっていただくということでございます。
この協議会の中で、その地域としてどういう産業にターゲットを当てて活性化をしていくのか、そのために必要な人材育成や、あるいは地域全体としての環境保全、環境整備としてどのようなものが必要かということを計画の中に盛り込んでいただき、国の方では、先程ご説明した基本方針に合致しているかどうかをチェックさせていただいた上で同意をするというスキームになります。
先程申し上げた協議会でつくる基本計画の中には、特に企業立地を促進させる地域、企業立地促進地区のような地区を設定することを予定しております。この地区については、まだイメージの段階ですが、工業団地とか工業専用地域と準工業地域というようなエリアを限って設定していただくことをイメージしておりまして、国の同意を受けた基本計画を持つ地域においては、今度は都道府県と共同してということではなくて、協議会に参加している市町村は、企業立地促進地区において工場立地法の準則を設定する権限が委譲されるということになります。
協議会で基本計画を出していただく時に、個々にどの工場立地促進地区においてどのような緑地規制を設定するかというところまでお決めいただく必要はなくて、ひとまずこの地区に企業立地を促進させたいということだけ決めていただき、同意を受けた後は権限委譲が可能になりますので、その後でそれぞれの企業立地促進地区を抱えている自治体の方で、この地区は少し緑地規制の緩和をしようとかいうことをご判断されて緑地面積率の設定が可能になるようなスキームを考えております。
ご参考までに、同意を得た時にどのような支援を用意しているかということで3.の方をご覧いただければと思いますが、大きく1、2、3と書いておりますが、まず、国際的な立地条件のハンディキャップ是正ということで、人材面で今も文部科学省と連携しながら、大学や工業高校、高専といったところと連携をしながら地域に必要な人材育成のカリキュラムを作成することに対する支援や、あるいはそういった大学や高専を使った地域の人材育成を行っておりますが、こういったことをやっていこうと。あるいは厚生労働省の方で、疲弊した地域で頑張っていこうというところに対する奨励金や委託費を出されるスキームについて来年の通常国会で提出を予定されていると聞いております。
したがって、この我々のスキームに基づいて基本計画をつくられるような地域については、厚労省の方の支援も重点的に行っていただければと考えております。
その他、経済産業省の方でも、人材育成のための研修費用の補助を来年度新しく予算措置するとか、研究開発支援ということについては、研究開発型の企業立地を目指すといったところについて、地域コンソーシアム予算を優先的に採択するといったこともあるでしょうし、それから、貸し工場や貸し事業所、研修施設に対する補助金も来年度新しく創設する予定です。
それから、そういった計画に基づいて立地する企業について設備投資減税を来年度新たに創設することが、おそらく今日の税制改革大綱で決まるのではないかと思っております。事務的に今のところ、設備について15%の特償、建物について8%の特別償却といったようなことをつくっていきたいと考えています。
二番目に、スピードが大事だという話がございました。ここでは四つ程マルを書いておりますが、まず、立地に際して企業は50ぐらいの手続が必要だと言われております。もちろん、立地する場所によって、かかってくる規制、かかってこない規制があるわけですが、これについて関係省庁連絡会という中央6省庁の連絡会を立ち上げておりますが、ブロック毎にも設置しまして、ここに企業立地の専門家を常駐させることで、地域や企業のご相談に迅速に対応できるようにしたいと考えております。
それから、この小委員会でご検討いただいています工場立地法の特例。
それから中小機構、旧地域整備公団が全国につくってまいりました工業団地がございます。例えば、頭脳立地法であれば研究開発拠点の誘致のためということでつくってきたわけですけれども、当初つくった時と今の状況がそぐわないこともありますので、この計画があれば、特に当初予定していた用途に限らず企業誘致ができることにしたいと思っております。
それから、農地転用に非常に時間がかかるという声が全国から届いておりまして、今、農水省とご相談させていただいておりますが、農地転用の迅速化ができるようなことも検討していきたいと考えております。
最後に「頑張る地方自治体の支援」ということで四つ程書かせていただいておりますが、一つは地方交付税について、企業立地に頑張られた自治体については特別の措置を講じていただくよう、現在、総務省と調整をしております。
それから、企業立地の中で、道路、港湾といったインフラ整備が非常に重要だという産業もございます。実は国交省も来年の通常国会で、新しい地域活性化の新法を出される予定をしておりまして、それと連携しながら、インフラ整備が必要な産業集積については、国交省の施策の方で道路、港湾の整備が戦略的にできるようにしようと考えております。
それから、その下のマルでございますが、各地域で協議会をつくっていただくわけですが、そこで実際ターゲットを絞りながら企業立地を進めていく、あるいは企業訪問をやっていくという時に、やはり専門家が必要だという声がございます。そういった意味で、専門家を配置して取り組んでいくことに対する新しい補助制度も来年度の予算で新しくつくっていく、あるいは基本計画をつくる前の段階で専門家の意見などを聞きながら行っていきたいということに対する補助も考えていきたいと考えております。以上が、現在検討中の地域産業活性化法の全体像でございます。
和田委員長
ありがとうございました。
今、検討中の地域産業活性化法の概要、枠組みのご説明があったわけですが、何かご質問やご意見がありましたらお願いします。
では、私からご質問させていただきますが、今ある地域産業集積活性化法との関係はどのようになるのかというのが一つと、例えば、今、クラスターなどといった産業集積を活性化させるということはいろいろな形で動いていると思うのですが、それとの関係で今度の地域産業活性化法というのはどういう関連になるのかを教えていただきたいのですが。
横田地域経済産業政策課長
まず、現在あります地域産業集積活性化法につきましては、来年6月までに廃止をするという廃止法になっております。したがいまして、今、ご説明しました地域産業活性化法については、この地域産業集積活性化法の後継法ということで、今ある法律を廃止し、その代わりにこの新しい枠組みで支援をしていくということを考えております。
それから、産業クラスター政策などいろいろな政策を展開しているわけですが、産業クラスター自体はブロック単位あるいはブロックを超えて、あるいは国も超えていろいろなネットワーク形成を展開していきたいと考えておりまして、例えば、今、近畿のバイオ、中部のバイオ、北海道のバイオそれぞれクラスターがございます。クラスター本来の役割を考えますと、ある程度クラスターの拠点なりクラスターマネジャーのような方がいて、その方が目の届く範囲内でどういう企業、どういう研究者、どういう研究機関があり、そこにどういうシーズ、ニーズがあるかをある程度一元的に把握できるようにしていく。そうしますと、例えば北海道バイオの100社ぐらいのベンチャー企業がいたとしても、その中だけでなくて、そのクラスターマネジャーを介することによって近畿バイオクラスターや中部バイオクラスターと迅速につながることができる。それがもっと国際的に展開をすれば、海外のクラスターとも有機的なネットワークを張れるというような形で進めていきたいと思っております。
来年の通常国会で提出を予定しております地域産業活性化法についても、今進めている産業クラスター構想とうまく連携・補完関係があるような形で展開していただければと思っておりますが、もう少し小さなエリアごとのリージョナルクラスターのようなものがここで出てくれば、うまく産業クラスターとつながっていけるものもあるのではないかと考えております。
いずれにしましても、これは既存の集積対策というよりは、先程説明を省きましたが、一番右上の最終目的というところに幾つかイメージが書いてあり、この中でDの「サービス産業集積型< 沖縄県コールセンター>」とございますけれども、なかなか企業誘致といっても、製造業などになりますと多かれ少なかれ、いろいろな物流のインフラや情報のインフラが必要になってまいります。どうしても物流のインフラがないところはどうすればよいのかという時に、一つモデルになるのがこの沖縄のコールセンターの集積だと思っておりまして、特に道路やそういったインフラが何もないところに、今、沖縄では50以上のコールセンターの誘致に成功し、1万人ぐらいの雇用を創出しているという取り組みをされております。そういった意味で、今ないところからある程度ターゲットを絞って集積の均整を目指すといったようなところも含めた支援ができればと、新しい枠組みの中では考えているということでございます。
和田委員長
ありがとうございます。他に何かございますか。
森委員
先程企業立地促進地区を各エリアごとに設定して、そこを対象にするというお話でしたけれども、この企業立地促進地区というのは、例えばそのエリア全体の工業地域、工業専用地域全てを含むというふうな設定の仕方というのも想定されているのでしょうか。それとも、ある程度まとまりある計画的に開発された例えば工業団地単位というふうな形を想定されているのか、そのあたりはいかがですか。
横田地域経済産業政策課長
これはまだ検討中のところもございますが、基本的には各地域地域のご判断で設定できるような形にしたいと思っています。工場専用地域とか工場地域ということもあるでしょうし、計画的に開発された工業団地というようなこともあると思いますし、そこは地域のご判断で設定できるようにしたいということでこれからも調整を進めていきたいと考えております。
和田委員長
結局、今度の法律のポイントは、産業集積の形成なのですね。新たな産業集積の形成ということと、既存の産業集積については活性化、この二つの面があるという感じですか。そうすると、既存の産業集積についてももちろん対象にはなり得るということですか。 また、広域連携というのは少し分かりにくいのですが、広域というのはどのくらいの広域を考えておられるのですか。単位としては市町村を単位として、広域連携というのは、市町村を超えた、あるいは県を超えた、あるいは国を超えた、いろいろな広域があると思うのですが、その辺のところはいかがでしょう。
横田地域経済産業政策課長
可能であれば、少なくとも複数市町村でと思っておりますが、ターゲットにする産業によって、どの程度広い広域連携が企業立地を促進していく上で効果的かというのは、おそらく変わってくるだろうと思いますので、一律に複数でないといけないことでもないのではないか、いろいろなケースが想定されるのではないかと思います。ただ、理念として国の基本方針の中では、広域連携で企業立地を進めていくということは効果的ではないかということを盛り込みたいと考えております。
和田委員長
この広域というのは、複数の市町村という意味ですか。
横田地域経済産業政策課長
少なくとも複数市町村ということもあるでしょうし、場合によっては複数県のようなこともあるでしょうしというのが理念ではあります。ただ、法律のスキームとして、複数市町村が都道府県と協議会をつくらないと計画を出せないかというと、そういうことではなくて、単独の市町村が、ある程度広域的にということを担保する上でも県とは一緒に協議会をつくっていただきたいと思っていますが、1つの市が1つの県と協議会をつくるというようなものも排除はしないと考えております。
土屋委員
通常に工業団地的なところで物を見るときに、環境と安全というのはかなり大きなキーワードなんですけど、そういう意味で、ここに環境省の名前が1つも入ってないということにちょっと、どうなんでしょうかという感覚が出るのと、それから、環境の方は例えば県が一括してとか、政令市がない場合はほとんど県単位で話があるんですけど、例えば保安の方でいくと、消防なんかというのは結構細かく分かれていますよね、市町村別にとか。そういうものの連携なんかもやらないと、隣の町だと、こっちの消防の言うのと若干違っているなとかというような例も間々あるんですね。そういう意味で保安に関しても、ある部分、広域的にどういうことをやっていただけるのかなというのが、私もそういう場合の自治体の組織ってよく分からないんですけれども、全く違う市町村が寄り添って今回の計画をやろうとして、持っている消防に対する考え方が少し違っていると、それを誰が折衝してとかいう部分が出てきそうな気がしますので、その辺で、この全体枠の中に環境とか保安とかというキーワードが入ってこないのが、何となくどうなんでしょうかという気にさせられるんですけど。
横田地域経済産業政策課長
ご指摘の点については、先程の関係省庁連絡会議をというところで対応していきたいと考えております。環境省にもこの法律の枠組みをご説明して、この連絡会議にお入りいただくのかどうかについても、今ご相談をさせていただいている状況です。
もう一つ、各地域でつくります協議会の中では、地元の商工団体などに入っていただくことを考えておりますので、そういう意味で経済界からも是非ここにご参加いただいて、市町村ごとに保安とか環境とかあまり整合性がとれていないということがあれば、積極的にご議論いただいて、企業サイドから見て、もちろん環境とか保安とか要請は満たさなくてはいけないわけですが、やや不整合なところがある、合理的でないところがあるということであれば、日本全体の立地の魅力を向上して、アジアに負けないように環境整備をしていこうということでございますので、国からしますと、環境省もかなり都道府県に権限委譲しているので、国の方であまりどうこうできることはないのではないかというようなこともおっしゃっておられますので、そのところがこの連絡会議に入っていただくかどうかの一つのポイントにもなっているわけですが、そういった意味では、地域レベルで環境なり保安規制のあり方の合理性や妥当性などについても積極的にご議論いただければと思いますし、その時に、そもそも法律を持っている国の解釈はどうなんだということがあれば、ブロック協議会なり中央の協議会に上げていただいて、ご相談に応じるような体制をしっかりつくっていきたいと考えております。
和田委員長
我々の関心事としては、この法律によって工場立地法の特例が認められるという規定が入ることと、各協議会では基本計画をつくるわけですが、その中で工場立地法の特例に関して何らかのコメントが出るのかどうか。国が出す基本方針(ガイドライン)の中に工場と緑地の関係が何か触れられるのかどうか、あるいは、今後どういう形で工場の緑化率についての考え方が基本計画の中に取り入れられそうなのか、その辺のところを少しご説明いただけますか。
横田地域経済産業政策課長
基本方針の中では、工場と緑地の関係といいますよりは、もう少し広い観点で企業立地を促進していくための法律の枠組みでございますので、先程申し上げたように、企業立地に際しては人材確保ということが非常に大事であって、人材確保のためには地域全体の環境整備が非常に重要になっているという観点から、この小委員会でも、本来、緑地の整備のようなものは工場と工場周辺だけやっていればいいということではなくて、もう少し都市計画的な観点を踏まえた広域でやっていくべきではないかというご指摘があったと思います。
そういった意味では、企業立地の円滑化という観点から、地域全体の緑も人材確保の観点から必要だというようなことを基本方針に盛り込むことによって、結果的にこの工場立地法検討小委員会の方でもご指摘いただいているような、エリア全体での緑を含めた環境整備に各地域で取り組んでいただくようなインセンティブになるのではないかと思います。
もう一点、市町村に権限委譲した際に、緑地の設定についてどういうガイドラインを示していくかについては、資料1の方と多少かぶっているところもあるのですが、資料2でお示しをしていくということになるものですから、資料2のご説明をしながらまた質疑ということにさせていただきたいと思います。

【市町村での緑地等の面積率の設定を可能とする新たな制度の考え方(案)】

和田委員長
分かりました。では、資料2の説明をお願いします。
熊川地域活性化企画官
それでは、資料2をご覧ください。これまでご議論いただきました事項を踏まえまして、事務局として整理させていただきました案でございます。
全体で大きく三つに分けて整理をさせていただいております。この小委員会での検討といいますものは、そもそも構造改革特区要望などで自治体などから規制緩和要望が出てきたということを踏まえて検討を始めたわけでございますが、そうした要望に対する当小委員会としての考え方を一番目で整理してございます。二番目に、工場立地法の面積規制のあり方の具体的な話といたしまして、面積率の設定を行う区域とはどうあるべきかということを整理してございます。三番目といたしまして、区域においてどのような面積率が設定されるべきかという考え方について整理してございます。
1枚目に戻っていただきましてご説明申し上げます。まず、第1に「緑地等に係る面積規制緩和要望に対する考え方」でございます。(1)の「自治体からの規制緩和要望」とはどういうものであったかということですが、工場立地法の緑地及び環境施設に係る面積規制については、都道府県及び政令指定都市は、国が定める全国一律基準に代えて、区域区分基準の中で地域の状況に沿った緑地等の面積率を条例で設定可能という形にしてございます。しかしながら、これまでに、この地域準則を設定している自治体は1都6県4政令指定都市にとどまっているという状況でございます。
こうした中で構造改革特区要望などを通じまして、まず大きく(1) と(2)としまして性格分けしてございますけれども、(1)の方でございますが、工場の敷地拡大の余地が小さく、必要な緑地などが敷地内に確保できないということで工場の建て替えや新増設が進まないという問題を抱えておられる自治体。これは我々が議論しましたコンビナート地区といったところについて、市町村提案制度の中でご議論いただきましたが、そういった類の問題を抱える自治体。
他方、(2) の方でございますが、森林や農地等に係る利用上の制約がある山間部に立地する工場について同様の問題を抱える自治体。これは我々の議論の中では、周辺に十分な樹林地がある場合、工場が森林に囲まれているようなところについてどう扱うかというご議論をいただいたと思いますが、そういった問題を抱える自治体から要望がございました。これにつきましては、政府としましては平成17年10月の構造改革特区提案に対する政府の対応方針ということで、本年度内に対応をするということにしてございます。
続きまして(2)でございます。こうした「規制緩和要望に対する対応方針」でございす。当小委員会におきましては、本年3月からこの問題について検討を開始いたしました。規制緩和を求める自治体からの提案を受けて、国の準則で一定の地域に対して規制緩和を行うという形の市町村提案制度について検討を行いました。その検討の中で最大の論点となりましたものは、先程も話が出てございますけれども、緑地の整備のあり方については、本来、都市計画的な視点から行うことが望ましいといったところが最大の論点かと思います。しかしながら、工場立地法は工場の周辺の生活環境の保持という観点からの規制でございますので、こうした要請に対応するには限界があるということでございます。
そうした中で、このような要請に対応していくためにはどうするかということでございますが、現在、政府において検討が行われている地域産業活性化法の枠組みを活用するということが適切であろうと考えられます。これによりまして、広域的な視点からの緑地の整備についても配慮を求めることが可能と考えられます。このため、市町村提案制度に代えて、地域産業活性化法において市町村への権限委譲を行うことが適当であろうと考えられます。
具体的には地域産業活性化法に基づく計画を策定し、国の同意を得た市町村、これは特別区も含むものとして扱いますが、これらに対し権限委譲を行うということにいたしまして、同法の指針において、地域が企業立地の促進を図る際に、環境の保全に配慮するということの重要性を盛り込むということにしたいと思います。こうした指針に則った企業立地促進に関する計画の策定を市町村に促すことによって、地域の実態により即した形で産業活性化と緑地などの適切な確保による生活環境の保持の両立に向けた取り組みが行われることが期待されると考えられます。
(3)はその権限委譲を行う時の考え方でございます。地域産業活性化法において権限委譲を受けた市町村の行う緑地などに係る面積率の設定については、まず、市町村においてより地域の実情に沿った対応を可能とする制度とすること。二番目としまして、構造改革特区提案などにおける要望について自治体が対応し得る枠組みとすることにつきまして配慮する必要があると。その際、国は市町村で設定する面積率に係るガイドラインを示すべきであるというご意見をいただいてございます。
したがいまして、産業構造審議会の意見を聞くということを経た上で、地域産業活性化法のもとに緑地などの面積率に関する区域の区分ごとの基準を策定し、公表するということが適当であろうかと思われます。
続きまして、この法のもとにおきまして面積率の設定を行う対象とする区域についてでございます。(1)といたしまして全国一律基準、これは緑地でいいますと20%、環境施設面積でいいますと25%という基準がございますが、これに代わって地域において緑地などの面積率の設定ができるという区域でございます。地域産業活性化法は、地域における企業立地促進に係る取り組みを、自治体への権限委譲により、地域の実情に即した規制水準の設定を可能とすることなどによりまして支援しようというものでございます。また、緑地などの面積率の緩和適用に係る構造改革特区提案などにおける要望について、自治体が対応し得る枠組みとするという必要性もあろうかと思います。
こういったことを踏まえまして、地域産業活性化法のもとで全国一律基準に代わる緑地などの面積率の設定を可能とする区域は、工場の周辺の生活環境の保持の観点から、面積率の緩和適用が可能と認められる区域ということとすることが適当であろうかということでございます。
具体的には、甲、乙、丙という区域を対象とするわけですが、前回までにご説明申し上げております区域の要件と基本的に同じでございますので、その中身の説明は省かせていただきます。
続きまして、「なお」というところでございますが、先程も話にありました都市部におけるものですとか、周辺に十分な樹林地がある場合ですとか、いろいろございますが、それについての話でございますが、甲、乙、丙といったところには要件を設定するわけですが、それぞれの要件を満たす区域といたしましては、都市部において工業の用に供されていることによって要件を満たすということもありましょうが、都市部以外の地域におきましても、周辺に森林や海、運河などが存在することによって区域の要件を満たすといったような場合もあり得ますので、都市計画法の用途地域の定めがないといった地域におきましても、要件を満たすものについては同等に区域の設定ができるということにすべきであろうということでございます。
この議論の中で特に議論が集中してございます丙種区域の考え方でございます。工場立地法の緑地などの面積規制は、工場が周辺に与える負荷を軽減するための緑地などを工場が整備することで周辺の生活環境の保持を図るということを目的としてございます。したがいまして、工場が整備すべき緑地などの面積は、本来、工場の周辺に配慮が必要な生活環境が存在する程度に応じて異なるべきものであるということでございます。
このため、現行の区域区分基準におきましては、住居の用にあわせて商業などの用に供される区域(第1種区域)においては、高い面積率の設定を可能としてございます。他方、住居など一般住民の生活の用に供されている程度が低い、主として工業などの用に供されている区域(第3種区域)においては、低い面積率の設定ということを可能としているわけでございます。
こうした緑地などの面積率設定の考え方を踏まえれば、一般住民の日常的な生活の用に供する建築物が存在しない、専ら一般住民の生活の用以外の用に供されている区域であれば、工場の周辺の生活環境の保持を図る必要性が小さいとして、面積率の一段の緩和適用を可能とするということが適当であると考えられます。その際、工場立地法では環境施設という概念の施設がありますが、その環境施設につきましては、周辺の生活環境の保持に寄与するように管理がされるというものとして認められる施設でございますので、環境施設があることをもってこれらの要件を満たさないといったにことにすることは適当ではないと考えられます。
三番目の柱でございますが、面積率そのものの設定のあり方でございます。(1)ですが、これは区域の設定の時の考え方と同様でございます。2の(1)のところで述べてございます考え方を踏まえまして、この地域産業活性化法のもとで設定可能とする面積率は、全国一律基準に比べ緩和適用となる面積率とすることが適当であろうかと思います。
具体的には、上記2の区域の要件のところで示した工場の周辺の生活環境の保持の必要性に応じた区域の区分に応じて、面積率の設定可能な範囲を示し、その中で市町村が具体的な面積率を設定するということにすることが適当であろうということでございます。
4ページ目でございますが、甲、乙、丙として、緑地の面積率と環境施設の面積率を並べて書いてございます。この丙種区域の面積率の考え方のところでまた出てまいりますけれども、従来、ご説明申し上げておりましたところからの変更点は、従前ですと緑地につきましては100分の10未満ということだけ記載してございましたが、ここでは100分の0超、100分の10未満、環境施設につきましては、100分の0超、100分の15未満という形に変えさせていただいております。
これらは区域の中における要件を踏まえて設定するものでございますけれども、「また」というところでございますが、その設定をする時には、市町村はこの区域の面積率の範囲の中で具体的な面積率の設定を行うわけでございますが、その際は、区域に接している周辺の地域が一般住民の生活の用に供されている場合には、その状況なども勘案して、工場の周辺の生活環境の保持がなされるように行うこととすべきという考え方を示すべきだろうと思われます。
最後に丙種区域におきます面積率の考え方でございます。ここは一番の議論になったところでございますが、(1) といたしまして、丙種区域は専ら一般住民の生活の用以外の用に供されている区域であります。このため、同区域においては、保持すべき生活環境が周辺に存在しないといった場合もあろうかと思われます。同区域に係る面積率の範囲といいますものは、こうした区域の性格を踏まえて、市町村が区域の状況に応じて対応可能なものとすることが適当であろうという考え方を示させていただいております。 (2)といたしまして、「なお」と書いてございますが、当小委員会では、本件につきましていろいろご議論いただきましたその概要を整理させていただいているパートでございます。当小委員会では、工場が整備する緑地は、結果として、地球温暖化防止やヒートアイランド対策に係る効果などを含めて、工場立地法の緑地面積規制が主として考慮する範囲を超えた環境の保全に係る効果を持ち、地域における公共財的な側面も有しているため、丙種区域について何らかの一定の下限値を設定すべきというご意見がございました。
また、工場の緑地の扱いについては、市町村の緑地の保全や緑化の推進に関する計画との整合性をとることが必要であるとの指摘もございました。
また、事業者には既存緑地の重要性を認識してということでございますが、今ある緑地を維持するといったことを求めることができないかというご意見、また、面積率の緩和適用を既存工場に限って、その後に設置された新設工場は規制緩和の対象外という形での制度はどうかというご意見もございました。
他方、工場の緑地保全につきましては、市町村が面積率を設定しようとする際には、その市町村の都市計画や環境対策との調整が行われることで担保されるという趣旨のご指摘がございました。また、事業者との関係につきましては、既に各種の環境保全に係る規制が実施されている中にあって、実質的な効果が小さい規制や手続の上乗せとなるものは排除されるべきであるというご指摘もございました。
また、新設工場を規制緩和の対象外とすることにつきましては、緑地などの整備を通じて周辺の生活環境の保持を図る必要性が小さいと認められる区域に同じく立地しておりながら、一方の事業者にのみ必要以上の緑地の確保義務を課すというような形になりますことは、公平性に係る問題があるのではないかという指摘もありました。
なお、委員の方々に先日送りました資料には、この後、再度、上記を踏まえ、1.の(2)のところに書かれていることと同様のことを繰り返し述べてございましたが、ここは繰り返しになるということで省いて整理させていただいております。
資料2の説明は以上でございますが、少し時間を拝借して、参考資料を簡単にご説明申し上げたいと思います。委員の方々には、参考資料としまして2点配付させていただいておりますが、まず、8枚綴りの資料をご覧いただきたいと思います。これは、地域経済産業政策課の方で、地域における緑地の保全や整備に関する主な制度についてまとめてみたものでございます。
結構いろいろありますので、掻い摘んで現状をご報告申し上げたいと思いますが、まず緑の基本計画と呼ばれるものでございます。1.の(1)のところでございますが、これは義務ではございませんが、市町村が計画をつくることができるという制度になってございます。ここにありますように、そこそこの市町村が計画を策定しているという状況でございます。
その計画の中で定める事項でございますけれども、緑地の保全及び緑化の目標、緑地の保全及び緑化の推進のための施策に関する事項といったことが定められます。また、必要に応じまして、都市公園とか緑地の保全地区の関係とか緑地地域に関するといったことも定めることができるという形になってございます。
続きまして事例1、事例2として主なところを事例的に並べてございます。それぞれ計画の中で年度を定めまして、どのくらいの緑地の整備を図る、維持する、増やすといったようことが定められている状況がお分かりになっていただけるかと思います。
3ページ以降には、またいろいろな制度を紹介させていただいております。まず、(2)のところで緑地保全地域制度というのがございます。これは都道府県が行うものでございますけれども、地域を指定して、そこでの建築行為などを禁止するということを行える制度でございます。
また、(3)といたしまして特別地区に関する制度、これは市町村も指定することができるというものでございまして、ここにおきましても、地区を指定いたしますと自然環境などの保護のために建築行為などを禁止するということができる制度でございます。
4ページ目の(3)の条例の関係でございます。これは市町村ができるという制度でございまして、ここも地区計画というものを使いまして、建築行為などの行為を禁止するという対応ができるものでございます。
飛びまして、(5)のところに緑化地域制度というものがございます。これも市町村ができるという制度でございまして、良好な都市景観の形成に必要な緑地が不足している、敷地の中に緑化を推進する必要があるといった区域を市町村が指定いたしまして、工場立地法でいいますところの緑地面積率、ここでは「緑化率」という言葉が使われていますが、それを義務付けることができる制度でございます。この制度は、もちろん建築物の種類を問わず、一般建築物が対象になるものでございますが、面積率といたしましては、例えば25%といったような数値を設定できるという形になってございます。
(6)、(7)、(8)は土地を所有している民間の方々との関係で、いろいろな制度があるというご紹介でございます。
5ページ目ですが、その他の都市計画関係の制度といたしましては、風致地区といった制度がございまして、これも市町村が指定して建築などの規制をするといったようなことができる制度でございます。
6ページ目ですが、都市計画法の施行規則ということで、開発区域がある場合に、開発をする時に一定の公園、緑地などを取らせるという規制がございます。その他には、近郊緑地の関係とか都市公園に関係する法律がございます。
また、その他の法律関係といたしましては、農業関係で生産緑地関係の制度、更に森林とか自然環境保全といった制度、さらに国立公園、自然公園といった形で保護する制度がございます。
最後に4.といたしまして、自治体における緑化条例ということを簡単に整理させていただいております。若干時点が古く、平成15年3月末時点の数字でございますが、自治体におきまして、緑化の義務付けについてどのような条例が制定されているかということを整理したものでございます。事業者に対して何らかの緑化の義務付けをしている条例がありますのは、自治体の数でいきますと都道府県で41、市町村485、条例の数にいたしますと589ということでございます。
緑化率、工場立地法でいいますところの緑地面積率でございますが、こういった類の率を規定している条例といいますものが113、緑化率は規定せずに緑化の努力義務だけを規定している条例が476ということでございます。この緑化率を規定している条例の内訳でございますけれども、対象事業所の規模要件を課さずに全ての事業所を対象にしたもの、他に、それぞれ規模要件を付けて一定の規模以上のものを対象にするといった形で制定しているといったものがございます。
これに関する事例といたしまして、大阪府と堺市の例を事例で付けさせていただいております。大阪府におきましては、敷地面積から建築面積を引いた面積についての25%分といった形の面積率になってございます。また、堺市の方におきましては、規模によりますが、例えば9,000平米を超えるようなものにつきましては、面積率として15%以上といったことが規定されているという事例がございます。
以上が地域の緑地関係の取り組みの関係でございますが、もう1枚、「緑化優良工場等経済産業大臣表彰について」という資料が付いているかと思います。これは当課におきまして、工場の緑地について行っている政策のご紹介でございます。これは大臣表彰ということで行ってございます。
趣旨でございますけれども、工場立地法の精神を踏まえて、工場緑化を積極的に推進し、工場内外の環境向上に顕著な功績のあった工場を表彰するというものでございます。昭和57年から行ってございまして、これまでに129の工場を表彰してございます。
どのような内容について表彰しているかということですが、3.のところで簡単に整理してございますけれども、緑地ですとか環境施設の割合といったものがあります。また、それがどう配置されているか、その内容はどうなっているか、維持管理はどうなっているか、周辺地域環境との調和はどのように図られているかといったようなことにつきまして審査いたしまして、優秀なところを表彰してございます。これはご紹介でございます。以上です。
和田委員長
ありがとうございました。
今日の本題になるわけですが、事務局の方で案をつくっていただいた「市町村での緑地等の面積率の設定を可能とする新たな制度の考え方」は我々の委員会の結論という形で、今後パブリック・コメントを経て分科会に提出されるということになるわけですか。
熊川地域活性化企画官
分科会に提出をした後、分科会の報告書と一緒にパブリック・コメントに付します。
和田委員長
この資料を見せていただくと、基本的には自治体から規制緩和の要望があって、規制緩和をする。ただ、都市計画的な観点から行うことが望ましいという話があって、これがポイントだと思いますが、新しい法律に基づいて、「同法の指針において、地域が企業立地の促進を図る際に環境の保全に配慮することの重要性を盛り込むこととする」といった基本的な考え方を書き、あとは市町村に権限を委譲するということ。今までとの大きな違いとしては、丙種区域というものを設定し、100分の0超から100分の10未満という設定をすることができるという今までにない更なる緑地率の緩和が可能になっているということ。また、この4ページの後の方では、我々の議論でどういう議論があったか紹介されているという内容になっています。
基本的には、市町村に判断を委ねる、市町村の判断を尊重するということで、国としては計画策定時の指針に留めるという考え方。それから、丙種区域というものを設定して、緑地率の緩和をする。ただし、前回も少し議論がありましたけれども、0から10%未満というのは、いかにも0でも良いという感じがあるので、「0超」という言い方に変えているということです。
この考え方、案が示されておりますけれども、これについてご議論いただきたいと思います。何か意見がありましたらお願いします。
前田委員
先程ご説明いただいたと思っているんですが、この特例といいますか新たに決める基準に関して、基本計画を上げてきますね、国が同意しますね、同意した後にこういった特例を執行することができるということで、この基本計画をつくらなければ、今までの準則を適用している県などではそのまま使われるでしょうし、そういうのをしていなければ、それ以前の基準でしか物事は動かないと、そういうことで理解してよろしいでしょうか。
横田地域経済産業政策課長
前田委員のおっしゃったとおりでございます。
和田委員長
いかがでしょうか。
基本的には、我々が今まで議論してきたことをまとめていただいていると思いますが、半田委員、何か意見ございますか。
半田委員
今までの意見をまとめていただいて、特に「100分の0超」ということを書いていただいて、ありがとうございました。あとは質問なんですけど、同じ4ページの(2)の(1) に、「丙種区域は」云々と書いてありまして、「区域の状況に応じて対応可能なものとすることが適当である。」というのは、これはある意味では当然のことなんですけど、わざわざ書いてあるというのはどういうことなのかなという問題意識を持ちました。というのは、2ページの上から3行目に「地域が企業立地の促進を図る際に環境の保全に配慮する」と書いていただくのは非常にありがたいことだと思うんですけど、「環境」という言葉と「生活環境」という言葉はちょっとニュアンスが違って、人が住んでいれば生活環境だけど、自然だけの環境というのもあり得るわけで、環境の保全に配慮しなさいと書いていただくのは非常にいいことだと思うんですね。だから、そういう目で見るとなおさらのこと、先程言った(2)の(1)が書いてあるというのは、どうしてわざわざ書いているのかなというところを、ちょっとお考えをお示しいただきたいんですけど。
横田地域経済産業政策課長
まず、2ページ目の「環境」ということですが、これはまだ詳細はこれから検討していかなくてはなりませんが、基本的な考え方は、企業立地円滑化のために人が必要で、いい人材を確保するためにも、その地域の環境をということでございますので、これは生活環境も含むような「環境」というようなことで指針には盛り込んでいきたいと考えております。
4ページ目の方については熊川からお答えしますけれども、実情に応じてなるべくフレキシブルに下限を設定できるようにということで、0超ということにしたという趣旨でございます。
熊川地域活性化企画官
今、課長の方から説明があったところと同じでございます。前の方に出てきます「環境」といいますものは、工場立地法から見ますと、工場立地法の外にある配慮すべき環境といった事項も含みますが、4ページのところで書きましたものは、工場立地法の中だけで考えた時の工場立地法から見た時の考え方ということで、「生活環境」と記載してございます。
その時の「市町村が区域の状況云々」は当たり前といえば当たり前というご指摘ですが、この区域の要件を満たすものとして「0超10%未満」という幅を設定する意味は、こういう状況に応じて対応が可能になるようにするということを意識して書いたものでございます。
半田委員
何か無理をしないで、あまり高い率にしなくていいんですよというふうに読もうと思えば読めてしまうかなと思ったものですから、念のために聞いたんです。本来は、できるだけ高く、この範囲の中で高く取っていただきたいと希望いたします。
横田地域経済産業政策課長
そこは、権限委譲はしますけれども、市町村の方で、議会でご審議いただいた上で、条例をもってお決めいただくということを想定しております。そういう中で、企業立地促進によるいわゆる地域の活力ということと、緑の確保、生活環境の保護といったこととうまく両立が図れるようなレベルで、各地域地域でご判断いただくという趣旨ですので、ある程度区分ごとの基準は示しますけれども、そこは各地域の方でご判断いただくということで、何か一定のバイアスをかけようということではないとご理解いただければ幸いです。
和田委員長
他にいかがでしょうか。
半田委員 この文章そのものとはちょっと離れた観点ですが、今まで面積についてずっと議論してきて、結局緑化する面積や敷地がなかなか取れないことがネックになっていることは理解しているんですけれども、緑化する予算がないとか、経費がかかるからというような理由はないのでしょうか。つまり、先程、地域産業活性化法(仮称)の説明がありましたけど、支援策について、緑化に対する支援、緑化経費に対する支援措置というのは、今のところ特に何も考えておられないようです。現在検討中の地域産業活性化法の枠組みにおいては、特に人の育成というところが重点的に考えられているようですが、緑化に対する支援は特に考えていないということなんでしょうか。逆にいうと、そういうことは特にネックになってないということなんでしょうか。
横田地域経済産業政策課長
緑を保持するための経費負担というのは、おそらく今日来ておられる産業界の委員の方の方からコメントがあるかもしれませんが、それぞれの企業の実情によって、厳しいというところとそうでもないところと、いろいろあるのではないかと思います。それはそれで、一定の法律の要請に基づいて行う措置ですので、経費がかかっても、義務ですから、それはそれで対応いただくということかと思います。
国の方の支援で、経済産業省がここで並べている中には緑がないではないかというご指摘があったのですが、私ども経済産業省の予算としては、財務省に新しい予算を要求しに行きますと、人材のところも多少ご議論がある部分ですが、各省の予算のダブりはないかというようなことについて、厳密にチェックを受けるのが通常でございます。そういった意味で、我々も人材などについても、うまく棲み分けをしながら予算を確保しようというふうに思っているのですが、なかなかその辺の調整の関係もあって、緑の補助というところまでカバー仕切れていないということだと思います。各省の施策の中で、何かそういう活用がないかどうか、そういったことも少し勉強しながら、活用できるものがあれば利用を呼びかけるといったようなことを考えていきたいと考えております。
和田委員長
緑地に限らず環境整備のための支援はあまり考えられないという感じですか。今のところ、ここには入っていない。インフラ整備とかでは読めないでしょうか。
あと、先程の2ページの指針の中の「環境の保全に配慮する」という、この「環境」の定義というか考え方なんですが、今課長がおっしゃったように、人材育成、雇用にとって必要な環境という、やや限定された環境の定義を示されたような感じがするのですが、それはどうでしょうか。人の雇用に役立つような環境に限定するのかどうかなのですが、それは限定をするということでしょうか。
横田地域経済産業政策課長
一般論として、企業が立地しやすくなるということからしますと、周辺住民の受け入れのようなことを考えても、企業が来て全体的に地域の環境が悪くなったということになると、なかなか地元に受け入れられないということもございますので、先程は企業にとっていい人材を確保するための環境という少し狭い意味で申し上げましたけれども、そういった意味では、もう少し広い意味での環境ということも当然重要になってくると思います。
もう一つ、先程、国交省の方も来年新しい地域活性化の法律をご検討中だとご紹介しましたけれども、その中で、都道府県向けに交付金のようなことを出されるような枠組みを検討されているというふうに聞いていまして、そういったものの中で、一部そういう緑化に取り組む自治体なども支援できるようなメニューをお考えなのではないかというふうに考えております。まだこちらの方もご検討中で、詳細は固まっていないのではないかと思いますが。
和田委員長
是非経済産業省からも国交省の方にお願いしてください。
他にいかがでしょうか。
塩崎委員
この案について、説明がございましたように、市町村の状況とか、それにいろいろ配慮しているとか、その辺、それから、私どもが今までディスカッションしてきた結果ということで、丙種区域を設けるということで、まとまった案として私はいいのではないかと思っています。
先程来出ています環境とかいい人材とか、これらについてはご承知かと思いますけれども、企業といたしましてはCSRについて最近かなり配慮をしておるような状況でございまして、ご承知のとおりコーポレート・ソーシャル・レスポンスビリティーということで、これは全てのステークホルダーに対してちゃんと配慮しながら企業活動をやっていきますよということでして、従業員に対してもそうですし、従業員が働きやすいいい環境をできるだけつくっていこう、あるいは人材育成がきちっとできるような体制に持っていこう、あるいは、地域あるいは工場の周辺の皆様方にも工場の立地について、あるいは操業についていろいろご説明を申し上げて、ご理解を得ながら進めていく、こういう時代じゃないかと思っています。
そういうことで、企業の自主的な活動をしやすいようにということで、技術的にスクラップ・アンド・ビルドによって新しい技術、これによってもっともっと環境もよくなるよと、こういうようなことがこれによってできるのではないかということで、非常にいいのではないかなと、そういうふうに思っております。
和田委員長
ありがとうございました。
今の「全てのステークホルダーにとっての環境」というのはいいですね。
他にいかがでしょうか。土屋委員、何かございますか。
土屋委員
ここまで、どちらかというと企業の側からすると、ある程度便宜を図っていただけた話かと思うんですけど、実はこれをうちの会社へ持って帰って、一部の人間からなんですけど、これでもまだ不十分だとする考えなんですね、大体が。例えば乙種区域と書いてあって、主として一般住民の生活の用以外の用に供されている。この中には工業地域と工業専用地域という考え方をされていますよね。だから、それと今回のこの丙種の地域との違いはどれ程なんだという。実態上、本当にこれだけの差が出てくるのかなと。
確かに臨海部の突端の埋立地なんかはほとんど丙として解釈していただけるんだろうと思うんですけれども、じゃ一方、臨海といいながらもどっかの区分のところでは、工業専用地域と住居地域の区分の部分が出てきますよね。そこのところで、今回のこういう特区みたいなことで、先程、地区の設定という話がありましたけれども、そうした時に、先程半田委員がこだわられた部分は、逆に市町村が区域の状況に応じて判断しなければいけないといった時に、工業専用地域でありながら敷居から一歩先は住居地域だという場合に、現実にそういうところでの工場が、従来からの既存の権利を持っていて数%しか緑地がないような企業の場合、今回の乙種の場合は10%以上という足かせはどうしてもつきますから、そういう敷居に立っている工場というのは、今回救われないという見方も一つできるかなという意見が出てきましたので、今回一歩前進させていただいたので、これも次の課題かなとは思うんですけれども、そういう意味で、これからまだいろいろ投資を図りたい、いろいろ隣の工場との連携を図りたいという工場にとっては、まだ今一歩、これだけで全てが救われるというものではないなと。
それはちょっと分かりませんけど、この工場立地法だけの話じゃないかもしれませんし、私先程から申し上げていますように、環境の法規だとか保安の法規だとか、50幾つもの届け出のうち、大半が環境と保安の届けなんですよね。その辺の手続の簡略化なんていうのをもうちょっとやっていただかないと、本来は幾らここの部分でやってもという部分が出てくると思うので、ちょっときつめの見方をすると、まだまだ私どもとしては満足してない部分もあります。ですけれども、今回、一歩前進したのではないかなというふうに解釈しています。
和田委員長
ありがとうございました。
何か意見ございますか。
横田地域経済産業政策課長
ご指摘を踏まえて、これを一歩として、私どもの役割というのは、今企業立地が国際間競争になっている中で、日本の立地の魅力を高めていくということがミッションだと思っておりますので、そういった意味で環境規制、保安規制それぞれの目的、役割があってやっているわけですが、その役割の範囲内でスピーディーな立地のようなことが可能になるようにどういうことができるか、今後ともいろいろご指導いただきながら取り組んでいきたいと思っております。
和田委員長
支援措置の二番目の柱で「スピーディーでかゆいところに手が届く企業立地のお世話」というのがありますから、ここで頑張ってもらうということなのでしょう。
その他いかがでしょうか。森委員は何かございますか。
森委員
この案で、私は全く異論ございません。特に地域の活性化、企業立地を通じて地域の活性化をしようとする自治体にとっては、非常に強力な支援措置になるのではないかというふうに考えております。この工場立地法の規制緩和だけではなくて、特に農地転用の緩和など盛り込まれていますので、これが実はスピーディーな企業立地には今大変ネックになっておりまして、全体の方向性として、私は大変いい方向にまとめていただいたということで大変評価をしております。
和田委員長
他にいかがでしょうか。前田委員は何かございますか。
前田委員
全体として皆さんの意見を踏まえた形にまとまっているなというふうには、感想として持っております。
希望的なことをあと言わせていただくとすれば、環境の保全という指針においての記述がございますが、先程ご説明いただいた時に、基本計画の中で環境保全、環境整備といったような言い方もされておられました。この法律上は面積率の話ですから、質の話はここではあまり問われていないんですが、面積をある程度緩和することで質を少しでも高めていくという、緑の質といいますか、そういった観点のこともどこかに触れていただいて、そういう努力もしていただくというようなことがあれば、なお有り難いなという感触を持っております。
和田委員長
ありがとうございました。
半田委員、最後にもう一言どうぞ。
半田委員
この文面についてはよくまとめられたということ、先程も申し上げたとおりです。ここでの議論の先の方の話になるのかもしれませんけど、せっかく今日も緑地保全の制度などに関する資料を出していただいていますし、世の中の方々の目に触れるものというと、「工場立地法解説」などになるわけですよね。だから、地方においては、そういう文献や資料を見ながら地域の実情に合ったかたちを検討されていくということになって、その時にはよく検討されるだろうし、調整もされるだろうと期待するというようなスタンスになっているわけなんです。しかし、そういった資料が作成されるような時も、専門家の意見もよく取り入れながらつくられることを希望しています。それはつくるところがご検討されることかもしれませんけれども。最近は、状況もかなり変わってきているし、いろいろな制度も整っていますし、むしろ表彰によっていい事例が出てきていると見受けられますので、そういうものを促進するような方向を是非お考えになっていただけると有り難いと思います。
和田委員長
ありがとうございました。
皆さんからご意見をいただきまして、この考え方、今日示された考え方の案については、ご了解いただけたと思いますが、よろしいですか。
(「異議なし」の声あり)
和田委員長
それでは、この新たな制度の考え方、基本的内容について、当小委員会として了承したということにいたします。
なお、一部字句の細かい修正などがあった場合には、私と事務局の方にお任せいただくということにさせていただきます。

今後のスケジュールについて

和田委員長
今後の予定ですが、今ご了承いただきました新たな制度の考え方については、19日開催予定の地域経済産業分科会に諮るということにしております。そこで、我々が今日決定した考え方を分科会の報告書に付けてパブリック・コメントに付すということでございます。
今後のスケジュールについては、事務局からご説明をお願いします。
熊川地域活性化企画官
それでは、資料3をご覧ください。
今、委員長からもお話がございましたが、12月19日にこの小委員会の親会でございます地域経済産業分科会が開催されます。ここにおきまして、本日ご了承いただきました我々の考え方を審議していただきます。分科会の方におきましては、分科会自身の報告もございます。それらを総体といたしましてパブリック・コメントを募集するという手続に入る予定でございます。期間としては1カ月ぐらいを想定してございます。
その後のこの小委員会の審議でございますが、パブリック・コメントに1カ月かかることも踏まえまして、来年の2月上旬ぐらいを目途に、別途日程を調整させていただきながら開催できればと考えております。その際には、今回ご了承いただきました案につきましてのパブリック・コメントの概要についてご紹介させていただくことができようと思います。
また、この話で少し逸れておりました、本来の今後の工場立地法のあり方に関する検討の議論に戻っていきたいと思います。その進め方でございますが、当小委員会としまして、事業者団体の方、環境団体の方、地方公共団体の方、学識経験者の方などいろいろな関係者からいろいろお話を伺いながら検討を進めるという形にしてはどうかと考えてございます。委員長とも相談しながら行っていきたいと考えておりますが、各委員の方々におかれましても、例えばこういった人から聞くと有益な話があるというようなものがございましたら、是非事務局の方にご連絡いただきたいと考えております。そういったことを2月下旬、3月のあたりのところで繰り返しできればと思っております。
また、我々の方で別途アンケート調査を実施中でございますので、その結果などもご紹介しながら見直しについての議論を深めていきたいと考えてございます。以上です。

閉会

和田委員長
分科会を19日に行って、その結果をパブリック・コメントに付す。それで、次回は2月上旬ぐらいにお集まりいただいて、どういうコメントが出てきたか、それを皆さんで議論する。あとは本題の工場立地法のあり方の議論に入る。事務局の方では、関係者からヒアリングを行い、我々としても工場立地法の問題をもう少し勉強する機会を与えていただけるということです。
それでは、今日はこれで終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。

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最終更新日:2007年1月17日
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