経済産業省
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中小企業憲章に関する研究会(第3回)-議事要旨

日時:平成22年3月12日(金)18:00~19:50
場所:経済産業省本館17階東7第1・2共用会議室

出席者

委員:
松島委員(東京理科大学専門職大学院教授)、三井委員(横浜国立大学大学院環境情報研究院教授)、安田委員(東洋大学経済学部教授)、山口委員(立教大学経済学部教授)(※五十音順)
中小企業経営者等:
梅原勝彦株式会社エーワン精密取締役相談役、林和夫朝日建設株式会社代表取締役社長・有限会社朝日ケア代表取締役社長、デービッド・A・リーブレック アイ・モバイル株式会社代表取締役社長、團野久茂日本労働組合総連合会副事務局長、小出宗昭富士市産業支援センター長、上甲肇祐株式会社日本政策金融公庫国民生活事業本部事業管理部長(※発言順)

議題

中小企業憲章の制定に向けての中小企業経営者・支援機関等の方々との意見交換

議事概要

中小企業経営者等の方々からの意見表明

  • 今、多くの町工場はみんな困っている。親企業からコストを下げろと圧力をかけられ、日本の町工場は近く消滅するのではないかというくらいの危惧を感じている。下請取引の適正化に政策を講じてほしい。
  • 個々の企業の環境や状況は異なる。安易に一律な規制を敷かないでほしい。
  • 前政権時から「建設から介護へ」と言われてきたが、介護福祉事業は建設業者にとって簡単にできるものではない。
  • 「コンクリートから人へ」が、どれだけ建設業者の意欲を萎えさせてきたか。新卒の学生も建設業界には見向きもしない。
  • 米国では事業拡大のための無料サービスが活用できる。日本にも無料で利用できる民間のサービスがあるが、中小企業はそれらを活用しきれていない。様々なツールの提供のみならず、その活用のための適切なアドバイスも必要。
  • 日本では、起業家に対するイメージが否定的、3年間黒字が出ないと銀行が支援してくれなくなる、中小企業には前払いを請求するなど信用がない、といった面がある。
  • 中小企業のマーケティングを支援し、国際展開を促進するべき。
  • 中小企業の従業員の地位向上を実現するためには、中小企業の経営基盤の強化が不可欠。さらには、イノベーションによって中小企業が自立的に発展することが必要。
  • 中小企業を産業政策の中心に置くことが重要。中小企業の生産性を向上させると共に、優越的地位の濫用に伴う不公正取引を排除し、公正な取引関係を構築することが重要である。
  • 憲章の制定においては、単なる中小企業の地位向上を目的とした理念を掲げるだけではなく、中小企業基本法に足りない機能の補完も目的として、国が積極的に関与する具体的な中小企業政策の実行につながるものとするべき。
  • 国家戦略としての中小企業政策が重要。日本の持つ高水準の技術を活かした部品生産を強みとして、日本国内だけではなく、海外と新たな取引関係を構築していくべき。例えば政府や地域が支援し、商社機能を担うことも一案。
  • 経済産業省、中小企業庁の施策ツールはハードもソフトも素晴らしいが、運用方法に問題がある。特に産業支援人材の不足が大きな問題と言える。
  • これまでの中小企業に対する経営指導は問題点を指摘するばかりだったが、セールスポイントを発見し、それを基に戦略を立案し、結果につなげることが重要。
  • 大企業、中企業の業況はようやく回復傾向となってきたが、小企業は若干の改善は見えるものの、依然として厳しい。
  • 日本公庫では、セーフティネット貸付の推進、返済条件の緩和等に対応するとともに、相談態勢の強化や創業企業への積極的な支援などに取り組んでいるところ。

質疑応答・自由討議

  • 高収益経営を実現するポイントは3つある。1つ目は、経営者から従業員まで時間の使い方がシビアであるということ。2つ目は、当社は取引先に依存せず、「いつでも契約をやめてもよい」というスタンスを維持すること。3つ目は、製造業でありながら強力な販売網を自社で有していること。
  • 行政は、失業者を人手不足の介護事業に回すための施策など色々の施策を講じているが、現場の実態をしっかり把握した上での政策の立案と実行を望みたい。
  • 施工能力の無い建設業者が一般競争入札に参加して低価格で契約し、一括外注する事例が全国で発生しているが、公正な競争環境の醸成をお願いしたい。
  • 大手コンサル会社などが相手にする大企業は、ヒト・モノ・カネすべて揃っているため、支援の選択肢も豊富。他方、中小企業はそのすべてがないため、知恵で勝負するしかない。だが、この分野には、まだプロフェッショナルと呼べる人材がいない。
  • 産業支援人材の育成のためには適正がある人を見極めること。具体的には、(1)ビジネスセンスがあること、(2)コミュニケーション能力が高いこと、(3)情熱があることの3つの要件に当てはまる人をしっかり教育することが重要。
  • 産業支援人材として、士業(弁護士、税理士、社労士)の方々を、より活かしていくことも重要。
  • 中小企業が国内マーケットだけを相手にして生き抜ける状態ではない。中小企業のための海外マーケティングを支援すべき。
  • 中小企業が海外進出しても問題が生じないような国内の体制作りが必要。
  • 中小企業の自立のために、他企業との共同研究、異業種交流、大学等公的研究機関との研究開発が必要。
  • 日本で起業家に対するイメージを向上させるためには、(1)国として起業に関する数値的目標を掲げること、(2)起業家に対し投資支援すること、(3)起業家理念などの教育機会を設けること、(4)メディアが起業家を肯定的に取り上げることの4点が必要。
  • 従来の民間金融機関による再生支援は、バランスシートをすっきりさせることに主眼を置いていたが、それだけでは中小企業の売上は伸びない。もっと直接的に売上を伸ばすための支援や、新分野進出に対する支援が必要。
  • 憲章には、頑張っている中小企業にいかにさらに頑張ってもらうかという考え方を盛り込む必要がある。公的金融機関には、担保、個人保証、連帯保証はできればやめてもらいたい。頑張っている企業の本質を見抜き、頑張らせ、結果を出させ、金利を取れるようにしてほしい。
  • 日本公庫(国民生活事業)では、すでに担保・保証人に頼らない融資に取り組んでおり、約8割は、第三者保証人を取っていない。残り2割は、金利面でメリットがあるため、顧客が第三者保証人つき融資を選択している。

問い合わせ先

中小企業庁事業環境部企画課
TEL:03-3501-1765
FAX:03-3501-7791

 
 
最終更新日:2010年3月29日
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