経済産業省
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総合資源エネルギー調査会総合部会基本計画委員会(第2回)-議事概要

日時:平成22年3月24日(水)18:30~20:30
場所:本館17階西3国際会議室

出席者

委員:
黒田委員長、安部委員、岡本委員、柏木委員、崎田委員、嶋津委員、白石委員、種岡委員、内藤委員、中上委員、橋本委員、松村委員、三村委員
経済産業省:
直嶋大臣、松下副大臣、増子副大臣、高橋大臣政務官、近藤大臣政務官、石田資源エネルギー庁長官、本部資源エネルギー庁次長、上田総括審議官、北川経済産業政策局審議官、齋藤省エネルギー・新エネルギー部長、木村資源・燃料部長、横尾電力・ガス事業部長、高橋総合政策課長、笹路室長
オブザーバー:
大谷環境省大臣政務官、松本仙谷国家戦略担当大臣秘書官、大塚国土交通省環境政策課長

議題

基本計画見直し骨子(案)について

議事概要

  • エネルギー基本計画見直し骨子(案)について (資料3に基づき上田総括審議官より説明)
  • 委員によるフリーディスカッション

エネルギー基本計画見直し骨子(案)について

  • 環境省のロードマップと、今回のエネルギー基本計画、さらに成長戦略はそれぞれ関連している。最終的にこれらの整合性がとれた形でのとりまとめが必要。
  • エネルギー基本計画・新成長戦略・温暖化対策の議論を、立体的に、シンクロしながら進めるべきで、いずれかが先走らないように、しっかり議論してほしい。
  • 我が国の産業競争力の強化、温暖化対策など、喫緊の課題が山積していることは承知している。そのために意欲的目標や達成時期の提示が大切。同時に各産業の実態もつぶさに見ていただき、時間軸の視点を大切に、検討を進めてほしい。
  • 地球温暖化との関係で、日本の排出抑制の真水の比率を時系列で明確にすべき。
  • エネルギーセキュリティの定量目標を、国際比較も可能で、かつ国民の行動に結びつくものとすべき。自主エネルギー比率を新たに導入しようとされているが、これは適当ではないと思う。従来どおりエネルギー自給率とエネルギー資源自主開発比率の2本立てで考えることが国民にはわかりやすい。
  • 官民の役割分担、研究開発、人材育成等、産業政策として具体的に展開することが必要。国際標準化が特に重要だが、日本は常に失敗してきた経験を踏まえて、欧米との協力体制を整えるべき。
  • エネルギーの産業体制について、成長戦略の一環として、技術力、製品開発力、生産力、運営力の実績があり、世界的に存在感のある企業の形成と、政府との一体的取組みの政策意図と方針を明記すべき。日本企業は横並び意識が強くなりがちで、世界のチャンピオンになるという視点に乏しい。日本でも世界最先端を行くという意識をもって産業体制問題を検討すべき。
  • 野心的な目標を掲げているが、具体的施策をどう講じていくかが重要。
  • 日米クリーンエネルギー技術協力はほとんど進んでいないが、米中クリーンエネルギー共同声明はかなり進んでおり、スマートメーターの基準づくりや蓄電池技術についても共同研究が行われ、デファクトスタンダード化が米中の間で進められている。
  • これだけの野心的な基本計画骨子案を示すに当たり、科学技術、特に基礎研究の支援強化も含めて総合的に考えるべき。技術の研究開発について日本では主に民間企業が取り組んでおり、政府によるものは17%、欧米では30%くらい。国は、エネルギー関連技術の研究開発にもっと取り組んでいくべき。
  • 原子力の設備利用率の向上で一番ネックとなるのは、原子力安全・保安院の立ち入り検査であり、各国に例を見ないほどに短い間隔で実施しなければならない。そこは政府の課題であるが安全規制に関して国と事業者はかなり対話をしなければならない。
  • 自給率が低いことを認識するからこそ、エネルギーを大事にして、これからのことを考えていくことに対するインパクトは非常に強くなるのではないか。エネルギー自給率を明確にし、目標もそこに入れながら、新しいエネルギー指標を明確にしてほしい。
  • ゼロエミッション電源比率の目標値には、再生可能エネルギーと原子力の両方が含まれていると認識しており、再生可能エネルギーと原子力の割合をどの程度向上させていくのか、目標の内訳をきちんと出すことが、国民全体からの信頼感につながっていくと思う。
  • 「くらしと地域」という視点を入れて目標設定を行ってほしい。「くらしのCO2を半減」「産業部門では世界最高水準の省エネ水準の更なる向上を図る」との記載があるが、課題はくらしと地域の事業部門の両方と考え、「くらしと地域のCO2の半減」とし、目標値についてはもう少し高めに設定すべき。
  • 地域で利用するエネルギーと、地域を越えて利用する大きなエネルギーがあると思うが、地域エネルギーの視点を明確にし、地域で電気・ガス・熱などを全てきちんと利用していくことを考えると、エネルギー産業を、全体に対してしっかりと対処できるような産業構造にしていくことが重要。
  • モデル事業の総合的特区を創設することが記載されているが、この点は大変良いことだと思うので、特区で実証し、どう全国展開していくかを明確にすべき。
  • 日本の1世帯あたりのエネルギー消費量は欧米の先進国と比較して、欧州の約半分、米国の約3分の1である。決して贅沢しているわけではないことをもう一度念頭に置いて議論しなければ、消費者にとって「なぜ家庭だけツケがまわってくるのか」といった話になりかねない。エネルギーはくらし、ライフスタイルに応じて必要になるものであり、このあたりも考えておく必要があると思う。
  • 2020年までにはもう10年しかないが、2030年までは20年、2050年までは40年もあり、それまでに相当シナリオは変わってくるはず。相変わらず15%削減か25%削減かの議論で本当に良いのか。
  • 日本にはまだまだ世界に誇れる省エネ技術があり、そのような技術の枠組を利用して、アジア全体で日本がリーダーシップをとっていく発想があってもよい。アジア全体を日本がサポートしてアジア全体のCO2を削減していく大きな枠組があっても良いと思う。
  • 「時間軸」の観点をもって、今すぐにやることと長期的にやることを仕分けして整理する必要がある。効率の悪い住宅が建てられてしまうとこの後30~40年使用されることになってしまうし、効率の悪い自動車・給湯器・家電製品も5~10年使われることになる。2020年、2030年を目指して技術開発していくという話と、産業としてすぐやるべきことをやるという話とを分けて考える必要がある。
  • 自給率の目標が書いていないことで誤解を招きかねないことからこの数値も目標として掲げてはどうか。
  • 我が国ではガスパイプラインが脆弱で、日本全体を見ればパイプランが通っているところの方が少ない。未整備地区についてもローリーで輸送することもありうるものの、それによりエネルギー効率が低下してしまう。したがってガスのインフラ整備がなければ、「天然ガスの重要性」は絵に描いた餅になることを認識すべき。
  • 現在のヒートポンプ給湯器がヒートポンプのポテンシャルを十分に活かしたものであるかについては疑問。湯切れを防ぐために大きな貯湯槽を設置し、高い温度で給湯することが本当に効率的かどうかについて考える余地がある。例えばガスと組み合わせることにより湯切れを防ぐとすればヒートポンプのポテンシャルをさらに活かせるのではないか。ヒートポンプがオール電化の囲い込みのための道具であると位置づけられていると決してそうした発想は出てこない。電力市場が独占状態で運営されていることを認識し、長期を見据えた場合にはどのような技術が効率的か、そのような技術開発を行うためにはどのような市場構造がよいのか、ということを長期の時間軸では考える必要がある。
  • 2030年には、電力系統の末端に自動車、家電製品がぶら下がっている可能性があり、家電等の末端からエネルギーシステムが変わることになる。ガスアンドパワーというと、大規模に分散型電源をうまく組み込み、廃熱等を地域に取り込んでいくいわゆるスマートコミュニティを構築することが1つのパターンになるかもしれない。したがってエネルギー産業構造の在り方を検討するのは重要。例えば電力会社の民営化は1951年であり、発送電全てに所有権を与えたものだが、ガスアンドパワーには具体的にどういうプロセスで持って行くのか。具体的に詰めないと言葉だけで終わってしまう。2030年に実現しないのは困る。
  • 成長戦略の1丁目1番地が環境となっており、その点に全く異論はないが、そのためには環境と経済を両立する必要がある。国民負担と産業政策の間でどのように整合性をとるか。やはり経済産業省自体がイニシアチブを取り合意形成を進めるべき。ポリシーミックスも重要。規制をし、それに対し支援を行うということが国の成長戦略になるのであれば、ポリシーミックスをやるべき。
  • CCS Readyではない石炭火力は認めないということになれば、結局石炭火力はフェードアウトしていくことが既定路線になる。それがエネルギー安全保障上問題なければよいが、石炭火力を放棄するという国は今のところ世界のどこにもなく、こうした点を踏まえ慎重に検討してほしい。
  • エネルギーの確保に当たっては安全の確保が極めて重要。エネルギー政策基本法やエネルギー基本計画にも「安全」を盛り込むべき。
  • エネルギー大競争のなかで総合エネルギーサービス事業という点が記載されている。例えば、東京電力と東京ガスの需要期は冬と夏とで異なっているが、各種施設をオーバーラップして持ちながら事業を行っている。こうした点について、大変な無駄を削減するためにどのように調整を図っていくか、国として取り組んで行くことが必要。
  • 今回の計画全体がハードに偏っていると感じている。例えば、業務用ビルの設備、家電等に関する記述が多い。どれほど省エネ家電を作ったとしても使い方が悪ければ意味がない。お風呂に家族の一人は夜に入り、あと一人は朝はいるということでは駄目。宅配についても今は時間指定であり、同じ地域に何回も運んでいる。そのような国民生活のあり様も含めて提案することも必要。その際には、地方公共団体、各種団体との協力が不可欠。
  • 最近の消費者は、1970年代以前は別として、安定供給は当たり前だと思っている。突然停電が起きても蝋燭もないので何もできないという状況になる。エネルギー基本計画においては、どのような形でも安定供給、エネルギーの安全保障は守るとはっきりと表に出る形で記載してもらいたい。それが消費者の希望でもある。
  • エネルギー自給率が低い日本でエネルギーを消費している私たちにとっては、準国産の原子力は嫌でも避けて通れないが、もんじゅの再開、新増設、経年原子炉、バックエンドなど色々な課題があると言われている。原子力を消費者の大事なエネルギー源であると位置づけるには、原子力立地地域と消費地の信頼関係を築くことが重要で、そのために説明責任を果たし、消費者に十分な情報を提供することが必要。
  • グリーンエネルギーという言葉は十分浸透しているが、消費者にとって、太陽光発電等と違い自宅に設置されていない風力等のグリーン電力の意義は分かりにくく、グリーン電力基金、グリーン電力証書により環境価値を買うことに踏み切れないでいる。Gマーク制度の普及等を通じ、グリーン電力を使って活動する産業の育成が必要であることを消費者にも説明し、消費者がステークホルダーとしてグリーン電力を育てていくべきと位置づけてほしい。
  • どの程度の負担なのかも見えない、どのような形で負担がかかってくるかも見えない。電気料金だけでなく、環境税の負担もあるかもしれない。色々なものから消費者に負担がくるのは困るため、2020年、2030年を見据えたうえで今後の消費者のあり方、エネルギーとの関わり方を考えていただき、いくつかのシミュレーションの中から消費者に分かりやすい言葉での説明責任を果たすべき。
  • 日本のシステムの国際展開では、将来の国際標準化まで見据え国籍にとらわれない企業連合の形成を促進することが政策として重要。必ずしも日本企業だけで組むことがいい訳ではない。
 
 
最終更新日:2010年4月2日
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