経済産業省
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今後の繊維・ファッション産業のあり方に関する研究会素材・技術市場化促進ワーキンググループ(第2回)-議事要旨

日時:平成22年3月10日(水)15:00~17:00
場所:経済産業省本館9階西8共用会議室

出席者(五十音順)

飯室委員、伊藤委員、岩佐委員、大河原委員(代理塩谷氏)、樫野委員、梶原委員、杉原委員、鈴木委員、土谷委員、堀委員(代理家元)、丸山委員、三澤委員、柳下委員、田中氏(オブザーバ)

議題

  1. 委員、オブザーバーからのプレゼンテーション及び質疑応答
  2. 報告書(案)に関する意見交換

議事概要

委員等からのプレゼンテーション及び質疑応答

3名の委員等からそれぞれの立場での現状報告及び取り組みなどについてプレゼンテーションがあり、それを踏まえた意見交換が行われた。主な論旨は以下のとおり。

不織布について

  • 世界の不織布生産量の全体は総計609万トンであり、日本の割合はわずか6%である。しかし金額では約11%であり他の国と比べると、高付加価値のものを生産している状況。アジアの中では日本が一番進んでいたが、最近は中国が日本を追い抜き存在感を増している。
  • アジアの不織布生産推移は日本・韓国・台湾は頭打ち状態であるが、中国のみ伸びてきている。かつての合成繊維の流れになるのかが、今後の課題。
  • 不織布の輸出入推移において数量、金額ともに徐々に拡大傾向である。数量としては輸入超過であるが、金額ベースでは輸出金額が輸入金額を上回っており、高付加価値素材として、流通している証拠だといえる。
  • 新興国の不織布の必要性は高いと予測しているため、今後に期待している。ニーズに的確に対応していくことが、今後重要だと考えている。
  • 不織布には一次電池や二次電池のセパレータ、使い捨てオムツなどの用途もあり、特にオムツは新興国にあまり普及してないので、今後の需要が期待できる。これまで不織布は自動車のような強い産業に付随して伸びてきている。

建築等について

  • 社会のあり方や課題、ライフスタイルの抽出などをあらかじめ行い、投資を最小にして応用できるメニューを多く揃える方が不況下では強い。環境エネルギーやヘルスケアなど繊維以外の素材や技術との連携も必要。アンチエイジング(抗加齢)、消臭、医療、電子機器関連などが今後成長が見込まれる分野。
  • 建材の分野では大量・安定供給が必須条件。最近のトレンドとしては「癒し」と竹繊維などの「天然素材」。吸水、保温、保冷などが注目されている。非石油系繊維は今後も需要が伸びていくと思われる。また、使い捨て文化は終わり、長持ちして維持管理しやすいものが望まれている。補修需要は大きい。今後も耐震補強における繊維の需要は高いと思う。特に炭素繊維は需要が高い。
  • 注目しているのは環境対応で、都市や街作りにおける二酸化炭素削減など。全体をどう統合し如何にビジネスに繋げるか模索中。マネジメントの仕組みなどでお金が稼がれているのが現状。ソフト(例えば電力供給のムラを少なくする仕組み)がビジネスに繋がる。
  • これからは技術的優位性だけではもたない。技術は5年で追いつかれる。プロセスの優位性とその先にあるビジネスの優位性まで考えていく必要があると言える。これらは追いつかれるまで10年、15年かかる。

報告書(案)について

本WGの報告書(案)取りまとめに関して、素材・繊維技術の新市場創出の対象領域・実施体制のあり方、研究期間(拠点)の必要性及び今後の素材・繊維技術の開発の方向等について意見交換が行われた。主な意見は以下のとおり。

  • 「環境・エネルギー」、「健康・医療」分野は成長戦略にもあるので、良いと思う。この2分野についても市場調査は必要と思う。日本化繊協会や化繊企業だけで実施するには限界があるので、コンサルやシンクタンクなどを活用するなど、やり方を考えながら、出来るだけ協力していきたい。各企業から知恵を集められれば面白い調査などが出来ると思う。日本化繊協会が調整役として、経済産業省の傘下の中で行うのもひとつの手だと思う。
  • 国家プロジェクトとして大きな出口を決める必要性を感じる。出口には2種類あると考えられ、1つは「環境・エネルギー」、「健康・医療」で、もう1つは炭素繊維や様々なファイバーを駆使して国家レベルで大きな出口(航空機や海洋開発など)に向かうものだと思う。
  • 日本の環境ビジネスは海外と比較して相当進んでいる。ビジネスとして海外にいかに展開していくかが必要になるのではないか。このようなビジネスをする場合、相手国の市場状況を時系列で把握してどの辺りにビジネスのチャンスがあるのかを見極めることが必要。ひいては、それが素材・技術の市場化の促進に繋がっていくと思う。ただし、個社だけでの取り組みだけでは相当難しいので、国レベルなど全体で進めないとなかなかうまくいかない。
  • 医療の分野では、2007年4月に内閣府・文部科学省・厚生労働省・経済産業省取りまとめの「革新的医薬品・医療機器創出のための5ヵ年戦略」を策定し、施策のパッケージを作っている。大きく分けた8分野から約40~50の施策が記載されており、決められた時間軸の中で設計して行い、毎年フォローアップしている。繊維もファイバー分野」の技術戦略マップがあるのでこれを上手く活用し、医療分野のこのような取組を参考として、研究開発などに時間軸を設定しフォローアップしながら進めるような試みも良いのではないか。先進国では耐久財より消費財が伸びる余地がある。新興国は両方。
  • 医療と建築など対象分野によって、志向が異なる。同業種間での取組として建築で上手くいっている例として経営者を集めたベンチマーク会合を開催し、会社・業界全体の底上げを図っている。
  • 競合他社間での水平連携は正直難しいところがある。ただし、全てが難しいということではなく、全体的な市場、今後の推移予測など基礎的なことは水平連携でも可能かもしれない。協力できるステージを基に段階的に連携を組み始めは水平連携、ある時期を超えると垂直連携というように使い分ける必要性があると思う。
  • 光触媒の研究開発の企業間連携の事例では、始めは自由参加、具体化の段階になると一業種から1社の参画が原則となっている。
  • コーディネーターは人次第。最近は全体を束ねるプロジェクトマネージャーの役割が増している。位置づけ、役割を明確にする必要がある。実際には権限や内容に見合った報酬が必要で人事に関することは今後の課題。同業連携の場合の知財の権利の調整が重要となるが、そのような調整を出来る人はほとんどいない。連携当初の段階から知財フォーメーションをきちんと組んでおく必要がある。
  • 別の業界のことは事情が分からないことが多い。異分野間での話し合いの場を国が作ることは重要。
  • ブランディングを上手くやり、良い意味で製品を高く売るような仕組みを作ることが良いのではないか。
  • 国の支援は誰に対してもというのはおかしい。やはり意欲が高くリスクを背負う覚悟のある者に対して支援することが重要。
  • 時間軸と企業の連携の仕組みをしっかり分けた方が良い。また、大企業向けなのか中小企業向けなのかも必要だと思う。全て100%補助で行う事業とそうでない事業を分ける必要性もあると思う。
  • ドイツでは、10年以上のプロジェクトは100%国の支援、短期は企業負担と明確に分けている。日本もこのように考える時期に来ているのかもしれない。

問い合わせ先

経済産業省製造産業繊維課
電話:03-3501-0969
FAX:03-3501-0316

 
 
最終更新日:2010年3月16日
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