経済産業省
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化学ビジョン研究会(第1回)-議事要旨

日時:平成21年11月13日(金曜日)8:00~10:00
場所:ホテルルポール麹町(サファイア)

出席者

橋本座長、石川委員、金井委員、橘川委員、小林委員、小柳委員、榊原委員、高橋委員、土屋委員、西村委員、蛭田委員、廣瀬委員、古河委員、水野委員、吉田委員。菅原委員は代理出席。田中委員は欠席。

議題

事務局説明、討議(化学産業の現状・論点)

議事概要

事務局説明、討議(研究会の主旨、化学産業の現状・論点)

配布資料について事務局より説明の上、以下のように委員による討議が行われた。

グローバリゼーション

  • 企業活動による貢献が、我が国に対する貢献になるようにすべき。会社法、税法、特区といった形で企業が世界と戦えるような条件を議論すべき。
  • LED、リチウムイオン電池、太陽電池など、今後の有望分野に中堅規模の会社が集中し、同じようなものが発表されるが、違いがわからない。以前は、国内の企業同士が切磋琢磨して技術力を高めるだけでよかったが、昨今ではアジア企業が機能性化学の分野でも力を持ち始めており、半導体のような凋落が化学で起きないようにするために、国、企業は何をするべきか検討すべき。

低炭素(CO2)社会等環境変化への対応

  • 環境問題は、産業の発展にとって大きな制約要因。環境課題に対しての先進的な研究開発支援への予算投入規模の拡大を大至急に行うことが国としての課題。
  • 25%削減のため工場4つのうち1つを閉めて海外からその分を輸入すると、世界的にはCO2排出が3割増える。世界の炭素量を減らそうということであれば、補助をしてでも日本で削減できるようにすべき。
  • 化学産業は製造段階では二酸化炭素の大きな排出源だが、化学製品のライフサイクルで見た場合に二酸化炭素の削減に大きく貢献するという認識を世界に広げていくべき。COP15や世界的な温室効果ガス削減の枠組みの中でもライフサイクル・アナリシス(LCA)的な考え方を取り入れるよう主導していくべき。
  • LCAが2020年までに何億トン減らせるのか。そのための限界費用を見える化すべき。
  • 排出量取引は、極めて高度な国家間の取引。LCA的な概念を世界に認識させるためには相当高度な外交交渉が必要となることを認識すべき。
  • 日本の化学メーカーが二酸化炭素排出量を外国で減らした場合に、排出権の買取量を減らすことができるような手法を検討すべき。
  • 温室効果ガス25%削減は国家が約束したことだが、国内でのバーデンシェアの議論がなされておらず、削減を議論すること自体が難しい。
  • 温暖化対策の議論からも分かるように、現在の企業活動ではMBA的な教育、MOT的な教育に加えて、マネージメント・オブ・サステイナビリティーが軸になる。
  • 我々化学産業は「錬金術師」ならぬ「錬炭素術師」である。低炭素社会というカーボンを否定するようなキャッチコピーは適切ではない。

ビジネスモデル

  • 世界トップの事業を持っている我が国企業が他の日本企業が持っている当該事業をまとめあげ、日本では1事業1社という形で戦っていくのが理想的。独禁法の制約もグローバルな視点で見直していくべき。
  • エレクトロニクス、自動車がメインであった時代から、産業構造も変わってきており、今後の主要分野のベースは環境や健康。日本として立脚すべき産学、次の展開は何か検討すべき。
  • 食やヘルスケア等の分野も有望。これらは第3次産業的な要素もあるし、ドメスティックな分野である。グローバル、新素材に限ることなく次の時代を創る産業を検討すべき。

研究技術開発(高付加価値化)

  • 化学産業の技術革新、特に環境対応技術が強く望まれる。さらに化学産業にきちんと人材、知財の確保をしていくことが必要。
  • 企業が技術での勝負に取り組めるように、人材育成、法整備の関係によるイコールフッティング、ターゲット分野についての集中的、精力的な官民一体となった対応が必要。
  • 機能性部材・材料は、開発と同時に性能評価を実施していくことが重要。しかし初期の段階では1社だけでの投資負担が大きいことからコンソーシアム、産学連携などに対して支援が必要。
  • 素材・中間財は、どちらかというと産業では隷属的な立場。研究開発等での価値を他産業に主張するには、開発力、品質、コストの3条件をそろえることが重要。
  • 新製品には、知財戦略が重要。発展途上国では、知財の権利の行使が実質的にできないので、制度の改定を積極的に働きかけていただきたい。
  • 標準化について、日本中心で進めるよう注力すべきとの観点を、提言にいれてほしい。
  • 共同の研究開発の進め方は、情報交換に意味があるのか、それとも一緒に研究をして製品開発は別々という形が成功してきたのか。現在の化学産業でも可能か検討すべき。
  • 化学産業は川上から川下に展開してきているが、川下での製品へのクレームは大きな影響となる。品質問題をスピーディーに解決することへの対応も重要。

人材育成

  • 人口減少の中で優秀な人材をいかに育てるかが重要。また高齢化社会の中で、いかに国が豊かになるのか。産業のあり方を考えることも重要。
  • 中国の研究発表が優秀になってきている。中国から優秀な学生が来ているが、卒業後日本の企業に就職せず、アメリカや母国に戻っていくことが問題。
  • 大学も含めて日本は産業の頭脳集団をどう育成するかの方針がない。グローバルネットワークにおいてハブを担える人材の育成が必要。

企業間や産学官の連携

  • 同業種連携、異業種連携と同時に更に重要なのは垂直の連携。縦横の連携を行う必要がある。
  • 技術連携・研究開発連携について、将来を見据えて、他国との関係で何を研究するか、何の特許を得るのか等の観点での企業間連携が必要。異業種との連携も重要。
  • 政府主導で産学官連携を進め、日本は強いと言われている基礎研究をうまく集積統合して進めていくべき。

総論・その他

  • 租税特別措置の見直しの方向については、原料非課税方式をとっている諸外国との競争が、イーブンにできるようにすることが必要。この意味で石油石炭税の免税は必要。
  • 論点それぞれに存在する大きな産業構造の変化を踏まえた上で、付加価値をどの分野で得るのかの視点を加えて、議論をする必要がある。また、論点・課題を実現するための具体的な施策についても議論を行うべき。
  • 生産者の視点もあるが消費者の立場の視点を考える必要がある。企業の強さが消費者に還元されることも必要。

事務連絡(今後の進め方)

本研究会の下に、具体的な事項を検討するため、ワーキング・グループ(WG)(座長:水野哲孝東京大学大学院教授)及び石油化学サブWG(座長:橘川武郎一橋大学商学系研究科教授)を設置し、WG及びサブWGにおいて、具体的な検討を進め、その検討内容・結果を、研究会において審議する。

問い合わせ先

経済産業省製造産業局化学課
電話:03-3501-1737
FAX:03-3580-6348

 
 
最終更新日:2010年3月23日
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