経済産業省
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産業構造審議会消費経済部会基本問題小委員会(第2回)-議事要旨

日時:平成22年4月26日(月曜日)8:00~10:00
場所:経済産業省本館2階2西8共用会議室

出席者

上原小委員長、青山委員、阿南委員、大久保委員、大西委員、呉委員、佐野委員、原田委員、日和佐委員、松原委員、宮坂委員、山田委員、鷲田委員

議題

  1. 事務局、山田委員、呉委員、大西委員による発表及び自由討議

議事概要

事務局、山田委員、呉委員、大西委員による発表及び自由討議

事務局から前回の自由討議をうけて、「消費者動向の経年変化の状況」にについて補足説明。山田委員から「生活者のインターネット利用動向とアットコスメから見る購買行動の変化」について発表、呉委員から自社の調査考察である「消費者をとりまく環境と消費者の意識研究」について発表、大西委員から「消費者動向の変化」について発表後、自由討議。委員からの主な発言概要は以下のとおり。

  • 各委員からの発表のなかで、情報の重要性についてよく言及されたが、生産者、小売り、消費者をどうつなげ、どういう内容を伝えていくか、という点において、経済産業省の役割が大きい。伝える内容は価格以外の点、即ち安全・安心の内容もあるだろう。自由競争との兼ね合いもあるが、伝達につき適正な業界標準による効率化の検討が必要。以下の3つが必要だと感じている。(1)食品のトレーサビリティーにつき、商品識別コードによるトレーサビリティーが、牛肉以外の肉、加工食品等においても必要。同じ商品でも加工工場が違うロットだと区別不能であり、消費期限も各商品によって異なる。JANコードだけでは足りない。(2)食品表示につき、アレルギーの表示等原料素材自体の表示をきっちりさせてほしい。小売りの現場で総菜を作る際にどこまで素材に含まれているかわからないと困難。(3)受発注における情報システムの効率化が必要。ウェブEDIなどを経済産業省が推進しており、自社も流通BMSに参加をしているが、生産者と小売り間でより統一的な標準として普及しないと、卸も色々な種類の納品規格があって困る。
  • 消費者起点になるということは、見方によって色々な側面が出てくる。前回の資料6の情報の入手経路が限定的という内容、山田委員からの能動的な消費者のネット上での動きの報告等を聞いていると、消費者情報の入れ方の場面と出し方の場面がバラバラになっている。企業は消費者の声を拾いきれておらず、もっと見るべきである。前回紹介された蒸気レス炊飯器は、蒸気の熱による子供への危険を防止するためだと聞いている。これは企業に対する消費者の声が吸い上げられて開発された良い例ではないか。また、リコールをどこまでやるかという問題がある。最後の1台までやるべきというのは大事であるが、無理だとういうのは皆解っている。事業者と消費者で意見交換しながら検討してコンセンサスを得ていくことが必要。それには会話が必要。消費者(消費者団体を含む)との意見交換の場を広げることが重要。
  • 蒸気レス炊飯器を開発した際に感じたことは、消費者はストレートにものが言えるわけではないということである。確かに消費者ニーズから探った結果による開発とは言えるが、元々のニーズは「炊飯器に持ち手をつけてほしい」ということがきっかけだった。ニーズはあるか、その背景等について聞いてみると、蒸気が壁を蒸らしてしまうから移動させたい、蒸気による湿気が不快、狭いスペースで引き出す際に不便などのニーズが意外にあったため、技術開発に持ち手というよりは蒸気レスについてそもそも何とかならないか相談に行ったところから始まった。消費者が何を言いたいのか根本まで考えないと、消費者が真に欲しているものが何なのかよくわからないのが実状である。
  • 企業と消費者の認識ギャップは大きい。企業はお客様と消費者を別に捉えている。お客様は自社製品を買ってくれるので最近では第一に大事にするが、消費者・消費者団体は怖い人たちの集まりという見方でいる。実際、消費者団体側にも企業を批判する対象としたいために、仲良くなりたくない、独立でいたいとするところもある。それでも企業と消費者はコミュニケーションの場を持つことが大事である。こうした場があってもお互い必要以上緊張したりしている。自社では、年に3~4回東京と大阪でオピニオンリーダーを迎え入れ、意見交換を開催している。企業と仲良くなることは企業に取り込まれることではなく、企業にうまく意見を反映させてもらうための反映手法の一つとみなせばいいのである。またややもすれば企業は意見を聞きっぱなしになりがちだが、企業は消費者・消費者団体に聞く以上、意見を企業経営に採り入れる覚悟が必要。企業にはよくお客様センターが存在するが、問い合わせ・意見が多いなか、苦情は4分の1程度、更に企業側に要因があるものはうち4分の1程度。こうした情報をどう受け止めていくかのセンスが問われている。
  • 消費者の声によって開発までいった事例の有無は、表示の分野において多い。逆に販売をやめたものもある。また、コンプライアンス活動報告書をドラフト段階から消費者・消費者団体に見ていただいて、具体的意見をもらい反映させている。
  • 消費者の声を聞くことに関しては、自社ではイントラネットに消費者の声を共有閲覧できるようにしており確認できる。また、月1回、社内から幅広く人を集め、品質向上検討会を開催している。共有化することで、閲覧はできていて、絶えず意見を聞いているつもりではあるが、少数の意見は見逃しているかもしれない。多い意見と重要な意見をどう見分けるかが大事である。
  • お客様と消費者団体はやはり同じでなくズレがあるとは認識してしまっている。自社が取り組まなければならないと考えていることは3つある。1つはクレームに対して起こったことへの対応をきちんとすること、2つめはグループインタビューなどによって定期的に消費者の意見を聞くようにすること、3つめは今後の小売りとしての生きる道であろうが、潜在的なニーズの顕在化としてお客様が気づいてないことをメールやお褒めの言葉等から見抜くことが必要ということである。
  • 自分ではお客様の声には全て目を通し、ものすごく聞いているつもりでいたが、改め振り返り、自社でお客様の声を十分に経営に取り込むところまでできているかを鑑みるとまだ改善の余地がある。100万人のお客様のうち1週間に100件くらいのメールがくる。うち4割がクレーム、2割がお褒めの言葉、残りが問い合わせである。社内で項目別に配信し、担当者にも個別に送付、経営者会議にもかけているが、もっと真面目に向き合う必要がある。1%程度しか反応がない状態であり、声を出されないお客様、消費者の声を能動的に集める仕組みが作らないといけない。
  • 呉委員の発表にもあったが、信頼できる情報をいかに提供するかが大事。ある成長している大手のテレビショッピングでは、働く女性のニーズを捉えており、コマーシャルに出す以前のものをレビューして専門家を招いて不当表示がないか等についても事前チェックをして信頼を得た情報を発信して伸ばしている。外に出す情報は事前にしっかりチェックをして消費者の目線を入れてほしい。
  • 消費者団体と企業の付き合いとして、乳製品メーカーは消費者団体を呼ぶ場を設定し、毎年その場での意見をチェックすることができるようにしている。化学メーカーはある社会的なニュースになった事件のとき招聘した際には2回連続して学習会をしてくれた。また家電メーカーは冷蔵庫の偽装事件があったとき招聘した際には説明をしてくれた。薬事法改正の際に、対面販売でしか商品を安全に売れないとされたということが問題になったが、ネットの仕組みで安全性を補完することまでできるかという点は問題だと思う。
  • これまでの議論では消費者の声をもっと聞こうという議論があり、確かに消費者が声を発しているのに企業が見ておらず残念な面があると思う一方、消費者が企業側に声を聞いて欲しくない、かまってほしくないと思っているところがある。企業が何でも消費者にあわせるのではなく、消費者が主体的に選択する権利を持ち、行使してほしい。ある男性用のシャンプーは男性用であるにもかかわらず、女性にうけた。これは自分向けでないものをあえて選択した結果、売れたということである。
  • 自分で発見する知識のほうが人から教わる知識よりも喜びが大きいという話と類似している。
  • 教育では叱って育てる方法と誉めて育てる方法と2種類あるが、企業に対し誉めて育てるという部分がネットに分散してなかなか入手しづらい状況にある。鳥インフルエンザの際に結局のところ関係なかった地域の観光分野までかなり落ちた。叱る方法だけでは企業が防衛的になり、それでは価格を下げればよいかという間違えのない回答に陥りやすい。
  • 地方の商店街や中小企業の現場では今回のような話に非常に感度が低い。ご用聞きなども、実際の売上げのボリュームが出るまでに力尽きてしまうケースは多い。
  • ネットビジネスは光と同じく影の部分も多いが、影の部分だけをとりあげても成長はなく、光の部分も取り組んでいく必要がある。企業も人も年を重ねるほどものを言う力は強くなれども聞く力が衰えていくことから、ネットであるが故に耳の力を増幅することもできるので聞く力を落とさないようにしていかないといけないと自戒を込めて感じた。ネットの世界では、話すのはうまいが聞く力の弱いデジタル・イミグラントと、生まれたときからネットを使いこなしてネット上で話すのも聞くのもストレートにできるデジタル・ネイティブというネットユーザーを形容する2種類の言葉がある。今はネット上の消費者も企業のなかでもこの2種類の人が両方存在している過渡期である。
  • 1人の消費者内にも多様化が始まっている。多様化している消費者の視点を維持するのは難しい。企業経営は本来的に企業内の論理で動くものである。ここをどう改善していくかが課題。

問い合わせ先

経済産業省商務流通グループ消費経済政策課
電話:03-3501-1905
FAX:03-3580-6407

 
 
最終更新日:2010年5月12日
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