経済産業省
文字サイズ変更

産業構造審議会消費経済部会基本問題小委員会(第5回)-議事要旨

日時:平成22年7月5日(月曜日)8:00~10:00
場所:経済産業省本館17階西2国際会議室

出席者

委員
上原小委員長、青山委員、大久保委員、大西委員、呉委員、佐野委員、原田委員、日和佐委員、松原委員、宮坂委員、鷲田委員
オブザーバー
山本修(独)製品評価技術基盤機構(NITE)製品安全センター所長

議事概要

冒頭、事務局から「消費者による満足等の評価を活用した市場の調査・分析」について説明の後、討議。その後、事務局から「報告書の骨子案」について発表後、討議。委員からの主な発言の概要は以下のとおり。

「消費者による満足等の評価を活用した市場の調査・分析」について

  • 調査結果に共感する。消費者からすると、それぞれの業界に対して、あって当然と考えていることについては、それができていたとしても納得するだけ。企業が消費者の納得から一歩踏み込んだサービスを提供することが、消費者の予定している以上の購買行動を引き出すことにつながる。企業としては、当たり前に期待されること以上のことを消費者に示すことが大きな課題である。
  • 調査結果は実感に合う。消費者はまず品質を重視しており、価格については、「品質が良い割には安い」ということが重要。ただディスカウントすることは消費者の実際のニーズと合っておらず、ひたすら安く売るスーパーは業績が悪化している。コンビニの事例では、「居心地が良い」ことが消費者満足につながるとのことだが、自分がこれまで従業員に対して「売上を気にするよりもとにかく挨拶を」と言い続けてきたことが、単なる信念ではないと証明されたと思う。
  • 調査結果では、スーパーの消費者満足が低いが、客の声を十分に聞いて経営できていない実態があり、いまだに価格重視の経営をするところが多い。価格を下げて、品質が落ち、利益が減り、サービスが落ちるというように、ディスカウントが消費者満足を押し下げる方向に働いている。この調査結果をアピールすることで、価格以外の要素が重要であることを広く知らしめてしてほしい。
  • 今後の調査について、政府は大きな方向性を示し、個別課題の調査は個々の企業がやっていくべきである。政府が大きな方向性を示すに当たっては、今回紹介されたサービス業の調査をベースに枠組みをつくることがひとつのやり方である。
  • 消費者満足の調査はメーカーとしても参考になる。調査は、実施する時期が重要だと考えている。家電でも、購入直後は以前使用していた製品との性能差で満足度が高めに出る傾向がある。今後は、製品を使いなれた頃に評価をしてもらうようにしていきたいと考えている。
  • 欧州各国が消費者満足の調査をしている背景にはグローバル競争があり、他国から流入する安い製品に対し、自国製品をどのように対抗させていくかという発想がある。今後我が国で調査をするに当たっては、アジアを視野に、日本主導で指標をつくり、その指標が中国や韓国でも同じ基準で判断できるものとしていくことが重要。
  • 調査結果は非常に興味深い。企業は当たり前のことを当たり前にやっても評価にはつながらない。企業は業種や地域等を踏まえた独自なものを打ち出すことが必要。消費者の期待と企業がやっていることにミスマッチがあるが、消費者の期待に応えていかなければならない。デンマークの調査は有用。
  • 食品については、消費者4団体が基準をつくって評価していく動きがあるが、食品以外でも企業が評価され、その結果が公表されることで、消費者が選択できるようしていくことが重要。
  • 調査結果について、ネットアンケートであるが故に通販の満足度が高く出ているのではないかと思われる。スーパーの満足度が低いのは、一番身近で頻繁に使うためではないか。コンビニ業において消費者満足と相関が強い項目である「居心地が良い」というのは、曖昧な指標なので、企業は対応するのは大変だと思うが、逆に興味深くもある。今後サービス業以外での調査はぜひやってもらいたいが、活用できるものにしてほしい。調査に当たっては、ネット調査だけでなく、ペーパーや電話を使った調査もお願いしたい。
  • 今後の調査に当たっては、企業の評価だけでなく、消費者がどの程度知識を持っているのかという視点での調査も重要ではないか。消費者からの提案が出てくるようになるためには、消費者教育も重要。
  • 洗剤などの日用品はコンビニの場合とは異なり、消費者の居心地が良くして滞在時間が長くなったとしても、多く買われるわけではないだろう。売る商品によって企業の対応は異なるはずであり、消費者満足の向上につなげるためには、各企業による調査が必要だと感じている。
  • 調査に当たっては、探索時間の長短等商品の特性を踏まえて実施することが重要。
  • 一般的に企業評価はしづらいものだが、消費者団体は企業からの依頼があれば評価をしやすいので、今後、企業には消費者団体に積極的に依頼をしていただきたい。サービス業以外での緻密な分析も楽しみにしている。経済産業省が業態ごとにどう考えるべきかを示すことは企業をバックアップすることにつながる。企業が何を売りたいかではなく、消費者が何を求めているのかが重要だというメッセージになる。
  • 家電の消費者満足が低いのは意外だともとらえられるが、通常聞かれる不満としては、商品がどこにあるのかわかりづらいことや店のレイアウトや店内に流れる音楽が騒がしく特定層のみを対象としていることがあげられる。
  • 既存の調査のデータを公開してもらえれば、企業でも分析できてよい。今後の調査に当たっては、高齢者や働き盛りの層、雇用が不安定な人、10代の若者等様々いる消費者から出てくる数値を平均することなく、セグメント化してみていくのがよいのではないか。
  • 調査に当たっては、高い満足につながる項目も重要だが、逆にこれがないと不満が発生するという項目も必要ではないか。提供する商品や価値そのものだけでなく、スーパーにおける子育て支援など社会課題に対応しているか否かが消費者満足に大きく影響する業界もあるのではないかと思う。都会のネットに慣れた人と過疎地の人とでは、違った回答が出てくるだろう。
  • コストが安くすむネット調査だが、標本集団の調整が必要となる。

報告書の骨子案について

  • 表現の統一を図ってほしい。報告書の骨子案では、経済産業省として何をすべきか書かれているが、他省庁の所掌に係る問題も多い。横串の視点が欠けているので、経済産業省がイニシアティブをとって、実行していく旨をしっかり書き込んでもらいたい。
  • 網羅的になっていて、施策の優先順位がわからない、しっかり強弱をつけて実施していってほしい。タイムスケジュールの記載がないが、報告書をまとめて終わりにならないようにしてほしい。まず買い物弱者対策について官民連携ガイドラインの作成などメリハリのつけた政策展開に取り組んで欲しい。
  • 消費者は情報を持たないのではなく、持てないこと、交渉力が違うことをしっかりうたってもらいたい。最近では「消費者保護」という表現は使っていない。消費者の権利の尊重と自立支援ということしっかり書いてほしい。また、企業と消費者の「協働」という表現はしっくりこないので、「協力」の方がよいのではないか。
  • P4:インターネット調査結果を引用する際は、ネット調査である旨を明記すべき。P9:SQIの説明が必要。P13:地域家電販売店へリコール情報が伝わっていないのではないかと危惧している。ここへ情報を流すことが重要である旨を書き込んでほしい。P14:リコール情報を国で一元化し、その情報を被害拡大防止のために社会に共有してもらいたい。P16:ネガティブリスト化するならば、日本版RAPEX、市場監視システムを構築することが必要。P17:消費者と企業の情報格差は今でも変わらずあることを明記すべき。P35:第三章は漠然としているので意図が明確になるよう、工夫してほしい。「消費者『も』積極的に企業を理解する」という表現はいかがなものか。
  • この報告書の意義は、国際的な消費環境の変化への対応と国内の消費構造の変化という大きくふたつの問題意識があるものと考えているが、前者についての対策があまり書かれていない。たとえば、他国も活用できる消費者インデックスを作るなど国内の優秀な基準を他国に適用していくことが考えられる。消費者保護も大切だが、同時に、流入してくる安価なものに対して、積極的な対策をとることも重要。経済産業省の通商交渉力を生かして、日本の品質の競争力で勝負して、デフレスパイラルを抜け出せるのではないか。この点について、踏み込んで記載してほしい。
  • 優先順位と誰(企業・行政)がこれから何をするのかを大きな方向性を示して欲しい。地方の中心市街地の空洞化は、行政が政策対応しないと解決しない。また、内需拡大や無駄排除の観点から、サプライチェーン構築は重要。また、日本の地方の優秀なつくり手が疲弊している。小売としては、made in Japanを強く意識しているが、これについても、行政に大きな課題としてとらえてほしいと考えている。
  • 「安全・安心」についての記載は、食品以外が中心になっているが、食品についても、トレーサビリティが実現しにくい状況があるので、食品の分野についても消費者視点で考えていくことが重要。関係省庁が連携してイノベーションを起こし、新たな仕組みづくりをお願いしたい。食品の安全・安心について情報が伝えられる体制を考えてほしい。
  • まちづくりやコミュニティの活性化に関して、小売の役割が大きいが、今後は規制ではなく活用を図ることが重要。報告書には影響度が比較的小さいところが書かれているが、影響が大きいショッピングセンターや大型店を活用し、暮らしやすい社会を実現するという方向性を示していただきたい。
  • 施策の優先順位は、何に着目するのかによって違ってくるので順位をつけるのは難しいのではないか。
  • 事業者と消費者が影響しあって、市場をつくっていくことが重要。消費者の購買行動が市場にあまり影響を与えていないのが日本の市場だが、消費者ニーズの把握を通じて、消費者の購買行動が市場に影響を与えていくことが重要。
  • 今回の報告書では扱う内容の幅が広く、他省庁との連携も必要な事項も盛り込まれている。他省庁との連携を考えて欲しい。
  • 「安心・安全」という表現について、「安全」は事業者が確保するもので、「安心」は消費者が決定するもの。これらを使い分ける必要がある。消費者に安心してもらうために安全を確保するという流れになる。キャッシュレスについても、安心感を確保するのではなく、安全を確保する取組ということではないか。
  • 安心という表現は、少なくしたらいいかも知れない。
  • まちづくりに関する記載は、縮小傾向の取組だけクローズアップされるが、観光資源の活用など、一部分でも拡大することができることが書き込まれていると、夢が描きやすいのではないか。
  • まちづくりに関して、見直しを求めたい規制については、道路のみならず建物のコンバージョン(用途変更)に当たっての建築基準の制約も見直されるとよいと考えている。
  • 品質改善に当たって消費者の声を生かすのは当然だが、製品開発についても、消費者の声を糧にして驚きのあるものを提案していくことがこれからのメーカーに期待される役割だと感じている。こうした企業を応援するような報告書にしてほしい。
  • よくここまでまとまった。施策の優先順位をつけるにはどの時間軸でみるかという点がある。現在既に顕在化しているまちづくりや買い物弱者対策と、アジア展開やインターネットの利用拡大といった今後大きなインパクトを及ぼす可能性がある施策とに分類できるのではないか。
  • 「安全」と「安心」がそろって、はじめて消費者は商品を信頼することができる。
  • 企業サイドからは「消費者志向の経営」、消費者は消費者からの発信、行政は「消費者起点」といっている。こうした使い分けについても、整理が必要。マーケティングの学術的な知見も活用して整理することとしたい。
  • 消費者と企業の情報格差を解消するために、出来る限り情報を消費者に移転していくことが重要。
  • 報告書のとりまとめに当たり、施策の優先順位をつけるのは難しいが、努力したい。

関連リンク

問い合わせ先

経済産業省商務流通グループ消費経済政策課
電話:03-3501-1905
FAX:03-3580-6407

 
 
最終更新日:2010年7月8日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.