経済産業省
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スマートメーター制度検討会(第8回)‐議事要旨

日時:平成22年12月16日(木曜日)10時00分~12時00分
場所:経済産業省本館17階第1~第3共用会議室

出席者

林委員長、石王委員、伊藤委員、梅嶋委員、大野委員、城所委員、小林委員、齋藤委員、重松委員、篠原委員、新野委員、辰巳委員、土井委員、中山委員(川井代理)、服部委員、藤原委員、前田委員、松村委員、米原委員

議題

スマートメーターに求められる機能について

議事概要

山下電力市場整備課長より資料説明、その後自由討議。各委員からの主な発言は以下の通り。

1.電力等使用情報の活用について

  • 消費者が自らの消費パターンやトレンドを分析するなど、主体的に関与する流れが、海外の数々の地域で出てきている。
  • エネルギー品質が高く、技術力の高い企業が多い日本において、スマートメーター及び関連する制度がどのように構築されるのか、世界各国から非常に着目されている。
  • 日本ではエネルギー効率化に資する料金体系を家庭用でも早くから導入してきた。スマートメーターの時代になれば、より合理的・効率的な世界に誇るべき料金体系を、引き続き開発していくことが可能となる。
  • 合理的な料金体系はHEMSを発展させる基本的な前提になる。HEMSが進展しない理由としてコストパフォーマンスが合わないという意見を聞くが、合理的な料金体系がないという側面もある。
  • 狭義のメーターを導入する場合、HEMSは消費者側で選択・購入して設置することとなる。HEMSの普及を進めるためにも、消費者が購入したくなるような夢のある話をする必要がある。

2.電力等使用情報の需要家への提供ルートについて

  • 需要家への情報提供ルートは今のところWeb経由での情報提供(Aルート)を検討している。メーターからHAN側への直接提供(Bルート)も決して否定はしておらず、いろいろと検討していきたい。
  • 情報の提供ルートについて、まずAルート、第三者経由での情報提供(Cルート)を進め、最終的にはBルートによる情報提供も行うという整理がされたことは賛成である。
  • コストを考えると現実的にはA、Cルートになる。Bルートについては、今は実証試験などを通じて知見を得ていく時期であり、通信インフラや家庭内における情報の取扱なども考える必要がある。
  • A、Cルートを基本として始めることは賛成であり、Bルートについても今後のニーズや費用対効果、通信方式の標準化等を踏まえながら検討を進めていけば良い。
  • 将来的にA、CルートからBルートへ変更することが技術的に容易なのか。また、必要とされるリアルタイムの情報がBルートで提供できるのか。
  • A、CルートとBルートでは使用するメーターが異なるが、どういった形でスマートメーターの導入を進めるのか関心がある。
  • 新しいサービスの創造や自由競争の観点から、A、B、Cのルートの間で情報が共有される条件は同一にすべき。

3.Bルート(メーターから直接需要家へ提供)による情報提供について

  • メーターの大きさの制限やコストの観点から電力側通信装置のHAN側への併用を検討しているが、技術的課題は多い。また、需要家側にどういったニーズがあるのかについても十分検討する必要がある。
  • 電力会社の業務の効率化やサービス向上のために通信機能の一層の活用を検討していることもあり、Bルートでの情報提供機能の追加が可能なのか今の段階では判断が難しい。
  • Bルートによる情報提供については、各家屋でのメーターの設置状況の違いなど、いろいろな技術的ハードルがあるほか、十分なセキュリティー方式についても検討していく必要がある。
  • Bルートの検討については、定性的な議論に留まらず、インターフェースの構造や通信機の設置方式等に関する技術的難易度を定量的に評価し、乗り越えなければいけないハードルを明らかにした上で検討していく必要がある。
  • 通信事業はこの10年で供給者側からは想像もつかないようなパラダイムシフトが起こった。第三者が新しいパラダイムシフトを起こし得るという前提を考えておかないと、電気事業でも同じことが必ず起きる。そうした変化に備える意味でもBルートは有用である。
  • Bルートによる情報提供が有用な理由として、(1)情報の発生場所と使用場所が同じならば直通のルートで結ぶべきであること、(2)需要家自身がマッシュアップ的に情報を加工できることによるサービス性の向上、がある。Bルートを用意しないと新しい世界が拓けていかない。
  • (1)消費エネルギーの需要家側での見える化、(2)事業者からの供給や料金情報の送信、(3)需要家側で発電したエネルギーを系統に流す際の事業者との連携、こうしたデータの流れがユースケースを用いて定義されていくのであれば、Bルートも有用である。
  • Bルートによる情報提供が一番優れている。技術的課題についても、例えば、無線LANを用いた方式では何が難しいのか、具体的に教えて欲しい。
  • 需要家側に過去データの蓄積を行える設備があれば、Bルートで提供される情報でも高度な分析を行うことは十分可能である。

4.情報提供のタイミングについて

  • リアルタイム性をどの程度まで高めるかは、需要家側と電力会社側で情報交換をしながらより深く検討していくことが必要である。提供される情報の活用方法が具体的になることで、初めて本格的な検討が可能となる。
  • 先日、米国の電力会社であるPPL、PG&E、SCEを訪問したが、いずれも、リアルタイムの情報がどこまで必要なのか、コストに見合うだけのメリットが得られるのか、について判断をしかねている様子であった。
  • 海外において「ニア・リアルタイム」という用語も出てきており、リアルタイム性をどこまで高めるのか、様々なユースケースを考えて合理的に見極める必要がある。
  • リアルタイムの情報は非常に重要である。しかし、個別機器の消費電力が分からないと需要家自身では分析ができないなど、今はまだリアルタイム性が必要な段階まで至っていない印象を持っている。
  • リアルタイムの情報は、メーターの設置当初は非常に価値があるものの、見る側は次第に飽きてしまうため、これをさらに発展させて需要家の行動変化までつなげることには限度がある。
  • 自宅ではリアルタイムで消費電力が見られる環境になっているが、経験上、リアルタイムの情報は人の行動を変え、現実に需要量も減ると考えている。
  • メーターからHEMSへのリアルタイム情報提供は将来的には必要になる。
  • 本来であればリアルタイムでの情報入手が非常にリーズナブルである。既存の慣習やシステムの制約をいったん取り払い、あるべき姿がどこにあるのかという価値に基づきユースケースを作り、制約があれば実現の期間を決めていくことが必要である。
  • 今後も普及が期待される太陽光発電や燃料電池もリアルタイムでの電力使用量の表示機能を有しており、スマートメーターとの整合性をどう考えるのかが課題である。

5.スマートメーターが満たすべき要件について

  • 導入されるスマートメーターはインフラであり、10年20年先の将来の変化に対応できる必要がある。スマートメーターが満たすべき要件については、各家庭において太陽光発電が行われ、蓄電池も設置されているという前提で考えるべきである。
  • メーターの検定満了期間が10年であることを考慮すると、今後10年間を通じて、消費者視点で、どういった時期にどのような情報提供ルートやメーターの機能が発生するのかを規定する必要がある。

6.スマートメーターの導入について

  • 現在行っている新計量システムの実証を着実に進めていきたい。今後メーターの導入率が高まればシステムの負荷はより大きくなる。まずは電力会社のニーズとして正常にシステムが作動するかどうかを検証している。
  • スマートメーターが社会的なシステムである以上は、全体として何が重要か見極める必要がある。ニーズを電力会社が考えるのではなく、第三者がニーズを酌んで何かをするという世界を認めるべき。
  • スマートメーターを全数普及する上でコスト上の問題が残っている。メーターの検定満了期間の延長など制度面の制約を除くか、あるいは何らかの政策的支援があったほうがよい。
  • 電力等使用情報を活用したアプリケーションやサービスについては、大企業よりフットワークの軽いITベンチャーの方が活躍できる。ベンチャーファンド等の活用も含めて、そうした環境整備のための政策支援をすべき。

7.第三者への情報提供について

  • 電気の使用情報は非常に秘匿性が高いということを十分に念頭に置いて検討すべき。情報の厳正管理という意味で、基本的にはデータは需要家本人に返すべきである。(大野委員)
  • アメリカのOPENADEの検討事例は参考になるが、認証機関等の設置によるコストアップに見合ったサービスが提供できるのかが不明であり、セキュリティーの面からもかなりの整理が必要である。
  • 第三者が情報を何の目的で利用するか不明である。例えば、省エネコンサルをするならHANやHEMSから得られたデータを用いる方が良いなど、メーターの情報に対してどの程度のニーズがあるのかをよく考える必要がある。
  • 第三者が情報を利用して新しい市場や雇用を作る場合、国内だけでなく海外の企業もサービスを提供する可能性がある。日本の企業が新しい市場でどのようにサービスを提供していくのかもユースケースの一つとして検討が必要である。
  • Cルートについて、例えば第三者が倒産するなどして情報漏えいがあった場合、電力会社が責任を負うことがあるのか。責任を避けるためは例えば中立機関のような大がかりな仕組みが必要になるが、どれほど実現可能性があるのか教えて欲しい。

8.その他

  • スマートメーターから提供されるデータのフォーマットは合わせるべきであり、具体的な検討を行うワーキンググループを立ち上げてはどうか。
  • 新計量システムの通信費は、現在、一軒当たり10円となっているが、この価格はバケツリレー方式と光回線の組合せ以外の方式では実現が難しい。
  • 年間百数十万台のメーターを取り替える中で、日本の検定制度のもとで技術進歩が激しい通信に対応する必要から、一体型よりも少しはコストが高くなるものの、現在のユニット式を採用するに至っている。
  • 事務局資料中の国内電力会社の実証実験のリストについて、記載のない電力会社においても熱心に実証実験を行っているところがある。
  • 有線・無線等の物理層に関しては、現在電力会社が取り組んでいるメーターを活用すべき。
  • HANの通信機器を外付け方式とするのは構造や価格の面で不安がある。一方で、内蔵型はメーター自体のコストアップにつながることから、例えば、希望する需要家のみHAN機能を内蔵するようなメーターを需要家負担で設置することも考えられる。
  • 公衆通信ネットワークを用いた通信について、セキュリティー方法にはいろいろな手段があり、オープンな形での実証研究が必要になってきている。

9.事務局より

  • ご提案の通り、データフォーマットに関するWGを立ち上げ、今後検討を行っていく。
  • 第三者への情報提供について、基本的な制度設計の理念として、本人の許可により情報を渡した場合は、渡された本人は存在している限り法律で責任を問われるが、渡した側が遡及して責任を問われることはない。

10.座長より

  • 本日の議論で以下の3点がまとまった。
    • (1)現状におけるスマートメーターが満たすべき要件
      機能、情報、提供先、情報提供のタイミングの4つの要件で定義する。ただし、情報提供のタイミングについては、A、B、C、のいずれの情報提供ルートにも拘らないが、将来リアルタイムで情報提供されることの検討が望ましい。Bルートについては早急に標準化なども含めた技術課題等の検討を進めることが期待される。
    • (2)新型電子式メーターの位置づけ
      電力各社が実証を行っている新型電子式メーターは、(1)で定義したスマートメーターの基本要件を機能的に満足しており、スマートメーターとして位置づけられる。したがって、電力各社が行っている、Aルートによる情報提供を含む新型電子機メーターの実証実験については、引き続き積極的に進めることが期待される。
    • (3)今後の進め方
      スマートメーター導入に向けて今後の検討のスピードをどのように考えるかが最後の課題となっている。データフォーマットWGの立ち上げや、本検討会終了後のフォローアップ等も含めて次回議論していきたい。また、報告書の骨子についてもご審議いただく。
  • スマートメーターの設置は、需要家自身の主体的な関与による省エネの行動や、さらなるビジネス展開を期待した上でなされるべき。HEMS側の新たなアプリケーションの普及は、スマートメーターの普及とともに世界最先端の日本型スマートグリッドを実現するための両輪である。
  • HEMSやHANに関連される企業は、メーターからのデータを活用した需要家にとって非常に魅力的なアプリケーションやサービス、機器の開発促進を積極的に推進していただきたい。オールジャパンの力を期待している。

11.連絡事項等

  • 次回開催は2月3日を予定している。

参考:欧州出張報告中の事例について

料金プログラムの実証について

  • 欧州調査の結果について、リアルタイムプライシングを実施しているような表現だが、現状はまだ前日にWeb経由で価格が送られているだけと聞いている。また、見える化等の表示端末は無償で配布されており、料金が上がった時は補償をするなど、補助金ベースの実験であり、実験後のビジネスモデルも未定と聞いている。
  • リアルタイムプライシングに基づく需要誘導についてはかなり疑問をもっており、小さな幅でのベネフィットの提供で大きな需要変動が起こると思えない。
  • ドイツの事例について、電気料金による需要家の行動変化が省エネへと繋がっているのかが心配である。
  • ドイツの実証においては、電気料金は削減されたが、仕様時間帯が異なるのみで電力量使用量自体は変わらないという結果が出ている。
  • MVVは市場から電力を調達しており、価格が高い時に調達量が少なくなることで利益が出るため、需要家とWin-Winの関係である。ただし、送電や配電など全体を通して損をしている人がいないのかはもう一つ検証の必要がある。
  • 送電や配電、卸市場まで含めた全体においても、市場が正常に機能していればWin-Winの関係を築くことは理論上可能である。

EDFのメーター単価について

  • EDFのメーター価格が非常に安価だが仕様を知りたい。資料中に示されているスマートメーターの満たすべき要件を満たしているのか確認したい。
  • EDFにおけるメーターのコストについて、耐用年数や購入規模等の前提条件を明らかにして欲しい。
  • メーター単価がこれまでの検討会で想定されていた日本の普及単価と異なるが、日本で現在普及しているような精度を保ったまま実現可能な価格なのか。
  • EDFのメーター価格については仕様が分からないので判断できない。IEC規格のため安くできる可能性はあるが、メーカーサイドとしては非常に厳しい数字である。アメリカでは百数十ドル程度が一般的な価格となっている。

その他

  • HANの通信方式はZ-waveを採用しているが、遠隔操作の応答が遅いのが問題であり、もう少し需要家側からの検討が必要だと感じた。
  • 海外事例を参考にする際も、例えばドイツの事例を我が国の基準とせず、我々の立ち位置は何なのかを考える必要がある。
  • ドイツにおけるスマートグリッドの取組に関連インフラを世界各国に展開しようという意思表示を感じる。この事例は、我が国国内の状況評価以外の別の視点も含めてしっかり検証する必要がある。

事務局より回答

  • ご指摘の通り、ドイツの事例は実証プロジェクトである。大胆な取り組みをしており、重要なインプリケーションを得られるのではないかと考えている。
  • 実証の内容もリアルタイムではなく、限られた段階の実証であるが、来年からかなりダイナミックプライシングを想定したものが始まるものと聞いている。
  • 調査結果については、スマートコミュニティアライアンスを通じてコンセンサスを取っていくこととし、今回は事務局の理解の範囲で参考資料という形で整理させていただいた。

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 電力市場整備室
電話:03-3501-1748
FAX:03-3580-8485

 
 
最終更新日:2012年3月9日
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