経済産業省
文字サイズ変更

産業構造審議会環境部会地球環境小委員会政策手法ワーキンググループ(第7回)‐議事要旨

日時:平成22年10月25日(月)10:00~12:00
場所:経済産業省別館9階 944号会議室

出席者

秋元委員、安部委員、逢見委員、木村委員、神津委員(井出代理)、上妻委員、崎田委員、嶋津委員、進藤委員、鈴木委員、髙橋委員(寺尾代理)、田中委員(岡代理)、浜野委員、前田委員、山口委員、松橋委員、山本隆司委員、山本隆三委員、米倉委員

議題

  1. ボトムアップ方式に関する基本的な考え方について
  2. クレジットメカニズム(国内クレジット、二国間クレジット等)について
  3. 産業界からのヒアリング
  4. その他

議事概要

産業界からのヒアリング内容について

  • 業界団体で目標を設定することの理由は、(1)OEM(委託)生産の際の切り分けが難しいからということと、(2)市場規模予測等が、業界単位の方が精度が高く、より適切な目標設定ができるということでよいか。委託生産については、責任を切り分けられるのではないかと問われたらどう答えるか。
  • また、次世代車の生産は、通常の車より却ってCO2排出が増えるということだが、使用段階も含めた、ライフサイクルでのCO2削減への貢献を評価できる方法について、何か具体案はあるのか。
  • 業界単位で目標設定をすることについて、説明は理解できるが、結果としてその業界が目標未達となった場合は、個社にどう分担させるか、きちんとしておく必要があるのではないか。説明が重要。
  • 業界単位で目標設定をすることについて、説明は理解できる。他方で、目標達成をきちんとしていくよう、団体として厳しくフォローアップを行っていくことが大事ではないか。
  • 自分はボトムアップ方式を支持するものだが、既存の技術を想定してボトムアップで目標設定を行うことは、新しい技術によるブレークスルーを阻害する可能性もある。別途、イノベーションをどう促進していくか、よく考える必要有り。

産業界の回答

  • OEM生産の際の切り分けが難しく、個社で排出枠を決めてしまうと、柔軟なOEM生産ができない。現場では、混合して流れる、いわゆる混流生産のため、切り分けは技術的に困難。
  • ライフサイクルでのCO2削減への貢献を評価する方法については、検討はしているが、技術的に困難で、具体的な結論は得られていない。
  • 目標未達となった場合の対応については、外部クレジットを購入し、事後的に排出量の割合で分担する、と自動車業界の自主行動計画の規約に明記されている。
  • フォローアップについては、自主行動計画の中でこれまでもきちんと行ってきており、今後も続けていく。
  • 新しい技術の開発においては、どのような技術が今後普及していくのかということについて、各社が10~20年後を見通してリスクを負った上で、技術開発を行っている。開発すべき技術を国が定めるのではなく、各社の自主性を尊重すべき。
  • 目標未達の場合の対応については、現在検討中。
  • フォローアップは行っていく。ただし、製品構成の変遷が速いため、変化の全体を見ながら行う必要がある。
  • 技術開発については個社間で競争が行われている。
  • 製紙業界は海外での植林活動によりCO2吸収に貢献しており、そうした貢献分のクレジット化について、国際動向を見ながら検討していただきたいと考えている。目標未達の場合の担保措置については、こうした森林クレジットについても検討してほしい。

ボトムアップ方式に関する基本的な考え方について

クレジットメカニズムについて

  • 業界単位で目標設定していくことも理解。他方で、その場合は、目標設定を行うにあたっては、目標設定の厳しさについての判断基準を明確にすることや、結果に対する責任についての透明性を確保することが重要
  • 国内クレジット等の制度の広がりを通じて、地域での取組に人々が関心を持って関わるようになれば、民生部門での削減につながるものであり、期待している。
  • 産業界、民生等がそれぞれどのような役割を果たし、政府がそれをどう支援していくか、ということについて対話を行うことが重要。
  • 産業界がボトムアップで目標設定を行うことには意味があり、支持しているが、国民の目線で説明を行うためには、結果への責任を含め、透明性をきちんと確保すべき。
  • 業界単位で目標設定を行うことについても理解するが、護送船団方式で一番低いところに合わせること等にならないように、技術導入余地から最大限の目標設定を行っていること、きちんと説明していくべき。
  • また、目標達成ができなかった場合の対応について、しっかりと定めておくべき。
  • 参加しないアウトサイダーがいては責任を果たしたことにならないため、目標設定を行わない者についての制裁措置を含めて検討すべき。
  • 家庭等、個々人の努力を促し、クレジットとすることで、民生部門での削減を進めるような仕組みとして、国内クレジットに期待している。
  • 責任ある企業として、目標未達となった場合のクレジット購入はあってよい。ただし、制度の趣旨からして、過達時の売却については認めるべきでない。余剰枠の売却がインセンティブになるという議論は、自ら厳しい目標を掲げ、削減努力をしていく、制度の基本コンセプトと矛盾し、本末転倒。
  • 目標設定の主体を業界単位とすることで、産業のトレンドや国際競争上の位置づけを見通した目標設定を行うことができる。行政コストの抑制という観点からも、業界単位が望ましい。
  • 業界団体単位の目標だと緩くなるという意見があるが、我が国産業界の生産効率は世界最高水準にあり、これを維持、向上させていくということで目標を設定すれば、そうしたことは起きない。
  • 電機・電子業界のように生産している製品構成の変化が大きい業界に対して、それを無視してトップダウンでキャップをはめるということは問題である。
  • 産業界による目標設定に政府のチェックが入る制度とする場合、産業界と政府との間の信頼関係が重要となる。政府が過度にチェック、介入する場合、我が国の産業界を壊すことになる。
  • 2国間クレジット制度は国を挙げて推進すべき。ものづくりの技術に加えて、メンテナンスの技術やファイナンス等、日本の総合力でやっていくことが重要。
  • 技術開発の促進、イノベーションは、支援措置によって行うべき。
  • コペンハーゲン合意の後、ボトムアップでの目標設定が世界の流れになっている、ということを理解するべき。
  • トップダウン方式による目標設定は、遵守期間が短期となりがちであり、したがって帳尻合わせのために、取引を重視した制度となるが、そのような制度は望ましくない。遵守期間を長期にしなければ本当にCO2削減効果のある制度とはならない
  • ボトムアップ方式による目標設定と、我が国の産業界の努力による二国間クレジット、国内クレジットを調和させていくという方向性が重要。
  • 余剰枠を売却できる制度とすると、自ら厳しく目標を定める、目標設定の妥当性、制度自体の本質が失われる可能性がある。
  • 目標設定を個社ベースにしていくことは、場合によっては、目標を精度の低いものとし、不必要に取引を生じさせる可能性有り。業界単位で目標設定を行うことの精度上の優位性は理解。他方で、社会への説明責任からは、目標設定の方法について、透明性を持って説明していくことが重要。
  • ボトムアップ方式による目標設定を支持。技術に着目することが重要。
  • 自動車業界では、OEM生産だけでなく、自社内の生産においても、複数の工場の間で、生産を寄せたりラインを止めたりして調整を行っており、こうした調整によってCO2が削減されている。
  • 二国間クレジット、国内クレジットについては、引き続き意欲的に取り組んで欲しい。他方で、クレジットを政府が管理するなど、マネーゲーム化を避ける仕組みの構築が必要。
  • 政府においては環境税の検討が先行しているが、環境税は国内排出量取引制度と同じ目的で同じように負担を求める制度であることから、環境税の導入を踏まえた上で国内排出量取引制度をどう考えるか、ということについての整理が必要。
  • 余剰枠の売却を認めるかどうかについては明確にすべき。売却を認めないとすれば、より直接規制に近い性質のものとなる。
  • 制度対象に運輸部門や業務部門を含めるのかについて、明確にすべき。
  • 業界単位で目標設定をすることはあってよいが、目標未達の場合に誰が責任を持つのかを明確にすべき。
  • 二国間クレジットへの期待は大きい。国富の流出やマネーゲームにならず、環境に貢献できるような仕組みとしてほしい。
  • ボトムアップ方式において、規範性を強化していくことは、突き詰めていくとトップダウン型に近づく。慎重に検討してもらいたい。
  • 日本が持つ個別の技術が優れているということと、トータルパッケージとして優れているということは違う。ファイナンス等を含めたトータルパッケージで考えることの重要性を認識すべき。
  • 産業界が技術に基づいて積み上げで目標を立てるという現在の形は尊重しつつ、産業界と政府との契約ないし制度化としていけば良い。
  • 日本の業界団体は、真面目で信頼性が高く、業界団体を通じた技術情報の共有も行われている。このため、業界団体で目標設定を行う場合には、できること以上の目標を積み上げてくるものと考えている。
  • 目標を設定する際の透明性を重視した仕組み作りが必要。
  • ボトムアップ方式で目標を定めた際に、何をもってその目標の妥当性を見ていくのかという基準についての視点の一つとして、対策のコストが挙げられるのではないか。
  • 自ら設定した目標であっても、追加的に費用は発生しているはずであり、負担の程度を示すことで、説得力のある説明が可能となるのではないか。
  • 環境省の中環審国内排出量取引制度小委員会で、排出量取引制度の検討が進んでいるが、基本的な点で問題があるものと感じている。
  • 例えば、中環審の同委員会では、排出量取引制度の導入による雇用等への影響は、審議の対象ではないとし、また、排出量取引制度の導入により、市場から退出する産業が出ることも仕方がないとの議論があると聞く。
  • 中環審の同委員会には、労働者代表や消費者代表の委員がおらず、また、議事録も公開されてこなかったため、国民の納得が得られるオープンな議論とは言えないのではないか。
  • 本ワーキンググループにおいて、実効性のある議論を続けるとともに、政府内の認識を共有していただくことを願う。
  • ボトムアップ型の目標設定において、目標設定の妥当性は重要な論点だが、客観的な評価・検証が可能であると仮定してしまうと、トップダウンで目標設定を行っても同じだということになる。
  • このため、情報開示を行うことによって、目標の妥当性を確保していく、という視点が重要ではないか。
  • 原単位での目標設定には賛成だが、総量の管理にも配慮をした方がいいのではないか。その場合、排出総量についての情報を開示することが考えられる。
  • 目標設定については、業界単位もあり得ると考える。ただし、透明性の確保は必要。
  • 業界単位の目標設定は、個社単位での目標設定を排除するものではない。基本を個社単位としつつ、業界単位での設定を認める場合に一定の条件を付すことで、透明性を確保することが重要。
  • 我が国は、幸い欧州の先行事例を見ることができる。欧州の実態を踏まえて議論することが必要。
  • その欧州でも、EUETS(欧州域内排出量取引制度)を見直そうといった動きがあると承知している。経済学の教科書どおりにやってもうまくはいかないということだと認識。
  • 日本企業の強みは、短期の利潤追求に走らないところにある。これらを踏まえて今後も検討していくことが重要。

問い合わせ先

経済産業省産業技術環境局環境経済室
電話:03-3501-1679
FAX:03-3501-7697

関連リンク

 
 
最終更新日:2010年10月29日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.