経済産業省
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産業構造審議会環境部会地球環境小委員会政策手法ワーキンググループ(第8回)‐議事要旨

日時:平成22年11月17日(水)15時30分~17時30分
場所:経済産業省別館9階 944号会議室

出席者

秋元委員、安部委員、逢見委員、木村委員、神津委員、嶋津委員、進藤委員、鈴木委員(岡山代理)、高橋委員(寺尾代理)、辰巳委員、田中委員、天坊委員、浜野委員、前田委員、山口委員、山本隆三委員

議題

  1. グリーン・イノベーションの検討状況について
  2. 国際交渉の状況について
  3. ボトムアップ方式に関する基本的な考え方について
  4. その他

議事概要

  • グリーン・イノベーションで成長を目指すとのことだが、米国のグリーンニューディール政策は、新しい雇用を生んでおらず、失業率が高止まりしているのではないか。グリーン・イノベーションで、少なくとも短期的な成長が図れるかは疑問である。
  • 京都議定書的なメカニズムではなく、日本発の新しいメカニズムを構築したいとの話があったが、それは政府の中で共通認識となっているのか。削減幅が大きければ大きいほど成長に資するという考え方に未だあるのではないか。国際交渉が停滞する中、日本だけが25%という考え方で、突っ走ってしまうということは妥当でないのではないか。
  • 目標の設定方法については、設定された目標をどう社会的にオーソライズするか、透明性をどう確保するか、ということが重要。
  • しかしながら基本的な考えは、社会的責任に基づいて企業が自主的に行う取組であり、政府が経済活動に介入するような仕組みは避けるべき。あくまで企業が主体的に決定する仕組みにすべき。
  • 目標設定を行わない者に目標設定を義務づけるという考え方はわからないでもないが、それでもダメなら処分するというサイクルが回り始めると、実質的に政府が決定するという仕組みになってくるのではないかと危惧する。
  • プレッジ・アンド・レビューの基本コンセプトから考えると、参加はあくまで自主としてはどうか。自主としても、目標設定を行わない者にはそれなりの社会的評価が下ることとなるため、問題はないと考える。ISOのようなものを想定してもらいたい。
  • 基本法の議論があり、適切な削減目標があって、真水の議論があって、その中で各政策手法の受け持つCO2削減量があって、それぞれの国民負担が総合的に了解されるというのが理想的な順序。
  • 規範性を追求するあまり、ボトムアップがトップダウン方式と同じようにならないようにやっていただきたい。
  • 製品のイノベーションが重要であり、LCA(ライフサイクルアセスメント)をもっと重視すべき。製造段階のみに着目するのでなく、使用段階での排出削減に貢献する製品の開発・普及に力を入れることで、グリーン・イノベーションを達成すべき。
  • 日本のエネルギー効率が世界最高水準であるのは、日本企業が自主的に効率改善に取り組んだ結果である。限界削減費用が欧米の10倍以上の日本に規制をかけて義務化することになると、企業は経済合理性がない話なので、仕事をやめるか、海外に行くかの選択になる。自主性は絶対に残さないといけない。
  • 国際交渉の状況を見ても、各国に排出削減を義務づけるということになる見込みは低い。国が義務を負わないにもかかわらず、企業に義務を負わせるというのは妥当でない。
  • これまでの検討を踏まえると、一番最初にいうべきことは、排出量取引制度は導入すべきでないということ。
  • 第二に、自主行動計画は一切国が関与しない自主的にやるものだということ。説明責任は企業が負うということで、社会的評価が許さなければその企業はダメになるというところに、任せればいいのではないか。
  • 主要3施策の取りまとめにあたっては、本ワーキンググループでの議論をしっかり踏まえてほしい。
  • 政府には、現下の厳しい経済情勢を踏まえた判断をしていただきたい。中環審の案と足して2で割ったようなものにしてはならない。
  • 国際交渉については、本日説明していただいた内容を、国民の共通認識としていくことが望ましい。
  • 日本のエネルギー効率が世界最高の水準にあるのは、各分野における企業の自主的、主体的な取組の賜物である。こうした自主性を重んじる精神が損なわれないようにしなければならない。
  • 日本の製造業が持つ高い国際競争力を削いではいけない。世界の企業と同じ競争条件を確保することが重要。
  • 日本企業の強みは、短期的な利潤拡大で動かないところにある。排出量取引制度によって、日本企業が目先の利益を追うようになってしまうと、そのような日本企業の強みが失われる可能性がある。
  • 米国の目標が無い中でどうするか、そういう基本認識で考えないといけない。
  • 日本の最大の美点は、自主的に宣言したことを本当に実現してきたという実績を持っていることである。
  • 他方で、産業界には、自主的に設定した目標を、政府でなくてもいいので、信頼できる第三者に検証させるというところまで踏み切っていただきたい。
  • なお、EU ETSが航空部門を対象に含めようとしていることは大きな問題。
  • EUの2020年目標は、よく見ていけば、達成が比較的容易であるとの見通しがある。米中も引き続き義務を負わない可能性がある中、日本だけが厳しい目標を持ち、義務を負うのは問題である。
  • 米国では、再生可能エネルギーに関する補助金の大半が海外メーカーに流れたと聞いており、ヨーロッパでも、再生可能エネルギーの固定価格買取制度によって、安価な太陽光パネルを製造できる中国や台湾のメーカーが利益を得ていると聞く。
  • 簡単な技術のみで製造できる製品においては、日本企業はコスト面で中国・台湾のような国の企業には勝てない。グリーン・イノベーションの推進にあたっては、技術の開発に政府が補助金をつけなければいけない。
  • 自主行動計画は世界で認知されていないので、世界に訴えていく必要がある。自主的取組への参加を促すために、参加者に補助金をつけることも考えられるのではないか。
  • 企業の自主性は尊重しつつも、現行の自主行動計画では、目標設定を行わない企業がある等、不十分な部分があることは事実。産業界の委員から、自主的にやりたいという意見が出ていることに驚いている。
  • 国民にわかりやすく説明するという観点からは、何らかの歯止めを設けることが必要なのではないか。第三者を交えた検証を行うことも一案。
  • 企業はサプライチェーン全体でのマネジメントがまだまだできていない。価格の安さだけを追い求めるのではなく、ライフサイクルでCO2の削減に貢献できる製品を、適正な価格で購入できるような社会にしていくことが望ましい。
  • 国自主行動計画の下で努力している企業がある一方で、全く削減目標も設定せずぬくぬくと世の中で仕事をしている企業があることは、アンバランス。きちんとやっている企業は任せてくれと言うかもしれないが、国民目線では信頼できない部分も多くある。
  • 透明性をどう高めていくかは大事な話であるが、国が企業に義務を負わせたり、ペナルティを与えたりすることは、時代の流れに逆行するもの。
  • 日本だけが厳しい義務を負うことは、企業の負担を通じて労働者の負担ともなり、雇用を他国に奪われることにもつながるため、労働界としても許容できない。
  • 再生可能エネルギーの全量固定価格買取制度については、太陽光パネルを買うお金のある人とそうでない人との間の格差を拡大するおそれや、電力を大量に消費する産業へ悪影響を与えるおそれがあるので、影響を十分検証して善後策を検討してほしいと考えている。
  • 排出量取引制度が我が国に本当に必要なのか、というところに立ち帰って考える必要がある。米国や欧州の動きを踏まえて考えた時、我が国が必要以上に負担を負わないようにというのは基本の話。
  • 規範性の強化を進め、企業に規制をかけることとなれば、トップダウンと変わらず、ボトムアップ方式の良さが失われてしまう。
  • 自主性をベースとして、それをどう伸ばしていくかということ。第三者にチェックしてもらうというのも一案。
  • 国際交渉の状況や、産業界の取組について、きちんと国民に説明することは非常に重要。
  • 京都議定書の第二約束期間における削減へのコミットについては、拒否すべき。日本の企業が国際的に不公平なルールの下での競争を強いられることは、雇用にも悪影響を及ぼす。
  • ボトムアップ方式が優れているということを内外にきちんと説明していくことが重要であり、そのためにも、目標設定の仕方や遵守についてのルールを、きちんと定めておくべき。現行の自主行動計画には、外部から見てルールがわかりづらいという問題点がある。
  • 国ボトムアップ方式の基本性質から考えて、罰則を与えることはできないと思うが、責任の所在を明らかにすることや、目標の妥当性について第三者が関わることは必要。第三者との関わり方として、ISOで取り入れられたようにステークホルダーと幅広く対話する場を設けることが考えられる。
  • 公正な競争のため、目標設定を行わない者への何らかの規制は必要。アウトサイダーが存在して、そこが競争上、優位になるということはあってはいけない。
  • 余剰枠の売却については、認めるべきでない。
  • 家庭等における排出削減を進めるためには、国内クレジット制度等の取組に加えて、省エネに関する情報提供やコンサルティングといった、ソフト面での支援が必要。
  • 国内でどれだけ削減するのかが決まっていない状態では、政策手法のベストミックスはできない。国内削減分について前提を示すべき。
  • 住宅への省エネ規制により家庭部門が負担を求められる等、他部門が負担を負う中で、産業部門だけが自主、自主とだけ言っていてよいのか。
  • 取組が不十分な企業や業界に全く何の網もかけずに、一般国民には負担を受け入れろということは、妥当ではない。産業界も一定程度歩み寄るべき。
  • 法的なのか別の仕組かは別にして、何らかの検証を受けるのはむしろ当然であって、そこを抜きに考えるのはおかしいのではないか。
  • 我が国の中期目標が、国際的な公平性から見て本当に妥当なのかという点について議論すべき。国際的な公平性の視点を欠いた目標設定は、有効な政策を打ち出していく際の足かせとなってしまう。
  • 京都議定書は、過去の努力が報われない仕組みであり、失敗であった。その反省を生かして、プレッジ&レビューの仕組みを作っていくべき。
  • 余剰枠の売却を認めないことや、複数年での目標設定を行うことは、妥当。
  • 自主行動計画は、透明性という面で疑問があると考えている。自主的な取組について、透明性をどう確保するかということが最も重要になってくる。
  • 日本はボトムアップという考え方で進むべきだが、ボトムアップ方式にも、何らかのオーソライズするプロセスがないといけない。
  • 産業ごとの自主目標の設定を、どのようにして客観的に説得力のあるものとしていくかという点が課題。

問い合わせ先

経済産業省産業技術環境局環境経済室
電話:03-3501-1679
FAX:03-3501-7697

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最終更新日:2010年12月8日
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