経済産業省
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産業構造審議会環境部会地球環境小委員会政策手法ワーキンググループ(第1回)-議事要旨

日時:平成22年6月10日(木)9:00~11:00
場所:経済産業省本館17階第一・第二・第三共用会議室

出席者

秋元委員、安部委員、逢見委員、井出代理(神津委員代理)、上妻委員、嶋津委員、進藤委員、高橋委員、辰巳委員、田中委員、寺島委員(座長)、天坊委員、浜野委員、前田委員、松橋委員、森本委員、山口委員、山本隆司委員、山本隆三委員

議題

  1. 政策手法ワーキンググループについて
  2. 地球温暖化対策の現状について
  3. 政策手法ワーキンググループの当面の進め方について
  4. その他

委員からの主なご発言

地球温暖化対策全般

  • 景気後退によって、CO2の排出総量が減るのも事実。単純にCO2を減らせば良いという話ではないことを、よく理解しておく必要がある。
  • 国民の理解は「温暖化防止は良いこと」というところで止まっている。負担に対する認識が無いので、もっとわかりやすく、実際にどうなるかということを伝えていく必要がある。
  • 温暖化対策の基本的視点として、雇用の安定が重要。
  • 雇用の安定の確保、国内産業の発展、経済の持続的成長ということが重要。経済に不安を持ちながら温暖化対策というのは難しい。
  • 温暖化対策の「攻めの手法」を明らかにすべき。ものづくりの強みを生かした視点、今あるすばらしい環境技術をよりよくしていく視点を織り込んで制度を設計すべき。
  • 排出削減の鍵は技術革新だが政策手法も大切。排出量取引だけでなく広く政策のバランスを取っていく必要がある。導入ありきではなく、制度がもたらす影響、既存の制度とのバランスを考えて、導入の是非を含めた議論をすべき。
  • 排出量取引、環境税、再生エネルギーの固定買取の3つについてはいずれも電力価格上昇につながるため、整合性が大切である。
  • 「あらゆる政策を総動員して」というが、それは違うのではないか。政策は最適なものを吟味して組み合わせる、ということが大事。
  • 日本の企業の強さは「長期的に物事を考える」ということで、そこを変えてもいいのか。なぜ、自主的手法が主要な手法に入っていないのか。
  • 温暖化対策基本法案については、議論の順序が逆だと感じる。企業の意思決定もそうだが、対策、実現可能性、コストといったことを考えてから目標を決めていくべき。真水がどれくらいかもわからないのに、導入ありきで議論するべきではない。
  • 日本が果たすべき役割や中期目標のとらえ方、エネルギー基本計画との整合性等、基本的な議論よりも、今は個別具体施策の議論が先行してしまっている。
  • 日本の効率は世界最高水準であり、削減ポテンシャルは少ないため後は技術開発しかないが、技術開発は規制をかけたからといって進むものではない。
  • 25%削減ということになると、日本の削減余地が少ないことから、海外から不足分を買ってくることになってしまう。本来その資金は技術開発にあてるべき。投資にお金が行かなくなることは問題。
  • 削減効果や負担についてはしっかり分析すべき。国内に規制をかければすべてよい、という考えは楽観的すぎる。
  • 温暖化対策というのはエネルギーコストの上昇につながり、貧困層へのインパクトが大きい点に留意すべき。

海外の状況等

  • 排出量取引には様々な課題がある。EU-ETSでは割当の問題や、そもそも有効に機能しているのかという疑問があり、米国でも法案の成立は依然不透明な状況だ。こうした諸外国の動向も十分に調査すべき。
  • EU-ETSは必ずしもうまくいっているとは言えず、排出量取引制度が第二のサブプライムの原因になるのではないかと言われていたり、税への移行をすべきだという意見があったりする。こうしたことを踏まえて日本に持ってきてよいのかということを考える必要がある。EU-ETSでわかっている問題だけでもつぶしていくべき。
  • 世界の合意の動向として、マルチな合意にこだわるのではなく、プレッジ&レビューが世界の流れになりつつある。日本は必ずしも世界各国共通の仕組みでやる必要はなく、独自に2国間で合意して、その成果を世界に発信していくという形が望ましい。
  • 国際合意のあり方は多国間から2国間へ移行しており、日本の25%削減目標も海外抜きでは難しい。
  • EUや米国はCDMはやめて、セクター別クレジットを利用すると言っている。ここには温暖化対策を通じて国内の産業構造を変えるということが意図されている。
  • 国際的な論調が「排出量取引制度の導入ありき」というところから流れが変わってきており、諸外国の動きをきちんとウォッチすることが重要。

排出量取引制度

  • 排出量取引市場を作ることは目的ではなく手段。真水でどれだけ減らすか、目指すところはどこかによって市場の作り方も変わってくる。前提によって左右されるのでそこをしっかり議論しなければならない。
  • 排出量取引というのは見えにくく、理解しにくい制度なので、公開の場で議論していくことが必要。産業界だけの問題ではなく、広く国民全員の負担の問題である。
  • 排出量取引制度はそれ自体が目的化してしまうおそれがある。いったん導入するとやめられなくなるので、慎重に議論していく必要がある。
  • 省エネに貢献できる製品の評価、ライフサイクルアセスメントが重要であり、工場での排出量だけに焦点を当ててはいけない。
  • もし排出量取引制度を導入するなら国内クレジット制度のようなもので補えるようにして、イノベーションを引き起こすようなものとすべき。
  • CO2削減について排出量取引はすべてではない。全体の枠組みの中で考える必要があり、バランスが大事だ。
  • 排出量取引等の環境関係の政策手法は、それがどういう影響があるのか、消費者からは見えにくいので、ここでの議論が消費者にとってどういう影響を与えるか見えるようにしてもらいたい。
  • 制度の設計にあたっては公平な目標が前提。キャップが不公平でないか、国益にかなうかということは議論が必要。
  • 計測の問題については、制度を導入するとCO2がお金になるので、不正な計算をするということも出てくる。信頼性のあるシステムを作らなければならない。
  • 経済情勢の変動に合わせて、企業のインセンティブを引き出すような柔軟な仕組みにするべきである。
  • 排出量取引が導入されて短期の削減目標を達成しなければならないとなると長期の投資に回す原資がなくなるおそれがある。また、排出量の価格が乱高下すると投資判断も難しくなってくる。
  • そもそも、排出量取引制度は量を固定して価格で調整するものなので、価格は動いて当然。一度作ると簡単にやめられないから、市場を維持するために価格を固定しようという変な議論が出てくる。
  • リーケージについては制度をやる前にビルトインすべきことで、具体的には、排出のコストを負担した製品を輸出する時にはそのコスト分を控除するような仕組みとすべき。
  • 政策手法や制度設計は合意形成の問題なので、シンプルでなければならない。

お問い合わせ先

経済産業省産業技術環境局環境経済室
TEL:03-3501-1679
FAX:03-3501-7697

 
 
最終更新日:2010年6月11日
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