経済産業省
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産業構造審議会環境部会地球環境小委員会政策手法ワーキンググループ(第3回)-議事要旨

日時:平成22年7月23日(金)10:00~12:00
場所:経済産業省本館地下2階講堂

出席者

秋元委員、安部委員、逢見委員、木村委員、神津委員、上妻委員、崎田委員、嶋津委員、進藤委員、鈴木委員、高橋委員、辰巳委員、田中委員、寺島委員(座長)、天坊委員、浜野委員、前田委員、山口委員、山本隆司委員、山本隆三委員、米倉委員

議題

  1. これまでのWGにおける論点の整理について
  2. 海外調査団(欧州)の結果報告について
  3. 海外調査団(米国)の結果報告について
  4. 各政策手法の目的と効果について
  5. 検討タスクフォースの設置について
  6. 政策手法ワーキンググループの今後の進め方について
  7. その他

議事概要

委員からの主なご発言

欧州出張関連

  • 全体として、EUにおいては壮大な実験が行われており、よく見ていく必要がある。COP15によって、京都議定書型のトップダウンによる目標設定から、各国ができることを約束(プレッジ)するボトムアップ型へとパラダイム転換が起こり、世界全体にEUETSを広げていくという期待がしぼんだ。それによってEUETSの目的自体も変わってきている。
  • EUETSは、未だに効果に関する評価が定まっていない制度。他方で、欧州においてもほぼ意見が一致しているのが、EUETSによっては、技術開発や長期の投資は促進されないということである。
  • 元々、ETSは政府が量を固定して価格で調整する制度だが、市場での価格の変動を受けて、現在は価格を少しずつ上昇していくように誘導している。本来は市場に委ねるという考えなのに、そこを統制しようとしており、矛盾している。一体、何のために排出量取引をやっているのか分からない。
  • 欧州では、2020年に20-30ユーロ程度の炭素価格が想定されているのに対し、日本は25%削減を目指すなら限界削減費用は5万円という試算。前提としての削減費用の桁が全く違っていることを再認識すべき。
  • 排出量取引により電力料金にどれだけのコストが加算され、これからどうなるのかという情報は重要であり、これにより消費者などが正確な判断ができるようになる。
  • EUでは、排出枠の割当を巡り、排出量取引制度が非常に複雑化している。結果として、排出枠の割当の設定を巡り、ブラッセルはロビイストの温床となっている。
  • ベンチマークは、上位10%の施設を元に設定するが、これによりEU域内の最高効率に揃うことになる。他方、日本が自主的手法でやっても、世界最高水準を目標としてきており、問題なのは手法ではなくて実際の削減水準ではないのか。
  • 国際競争に晒されている産業で無償割当を受けられるのは、上位10%の施設のみである。下位の企業は相当程度買わなくてはならず、欧州委員会の担当者もリーケージは起きうると言っていた。
  • 元々、EUにおいては税は加盟国全体での合意が難しく、また自主的手法には重点を置いていないので、排出量取引となったことを改めて認識すべき。日本はどの政策手法も活用可能であり、広く考えるべきである。
  • 今回の海外調査で得られた知見は貴重であり、今後の検討に生かしていくべき。

米国出張関連

  • 実際に米国に行ってみると、ケリー・リーバーマン法案はほとんど成立の見込みがないということで、既に多くの関心はリード法案に移っていた。だが、それさえも夏以降に延期されており、中間選挙後においても情勢は厳しい見込みである。
  • 欧州と米国は状況が似通っている。どこに聞いても、法案が議会を通過するのは困難であるとのことであった。唯一可能性があるのは電力セクターのみにかける案であるが、これも税は政治的に無理で、EPAによる規制は裁量が大きくて不安定であることから、消去法的に仕方がないという理由である。
  • 今回調査した先で、排出量取引は総量担保を効率的に行えるものであるという意見はなかった。現実には色々な政治的配慮からうまくいかなくなっており、マーケットの期待感もしぼんでしまっている。
  • 炭素税への期待感もあったが、政治的に絶対に不可能であるという意見だった。産業界は、一番よいのは自主的取組で、排出量取引は無意味という意見だった。なお、ブラッセルと同じく、ワシントンもロビイングの温床となっていた。
  • 炭素価格による技術開発ということは全く考えられておらず、むしろそのためにはR&D税制とか、他の施策を組み合わせなくてはいけないということが言われていた。
  • また、原子力への関心が高まってきており、どういった政策が一番効果があるのかということを長期的に考えていく必要がある。
  • 今回の調査で感じたことは、米国における議論は先が読めないということ。だが、米国の立法過程は複雑なようでいて、実は案外単純な論理で動いているのではないか。
  • 第一に、自らの州の利益と合衆国の利益が最も大事なのであって、国際貢献は二番目、三番目の関心であるということである。彼らにとっては、マクロ経済とエネルギー安全保障が最も大事。
  • 第二に、アメリカ人の信条は自由至上主義であり、仮に気候変動のためであろうと、財産をとりあげたり、自由を制約したりすることには合意が得られず、税という選択肢はあり得ない。
  • 日本もアメリカと同じ方法をとる必要はないが、何を最も大事にするかということのプライオリティをつけて、それを元に次のステップを決定していくべきである。
  • 私も先週英国に行ってきたが、どこもアメリカと同じで国益重視であり、日本だけが異質である。日本が25%目標を掲げても世界はついてこず、実際の取組が世界全体の削減につながると認識されて初めて世界が動く。また、日本の技術の優位性自体が相当揺らいでいると感じた。

政策手法の目的と効果について

  • ポリシーミックスの整理は重要であり、温暖化対策に関する政策手法の目的と効果について横断的に検討する場として、タスクフォース設置には賛成。
  • 政策間の整合性が取れていること、国民に負担が見えており透明であること、責任に応じた負担がなされていることが重要。
  • 最初の段階では資料6-2のような形で政策の棚卸しをすることになると思うが、次の段階としては政策の役割とか重みが反映されたものとなるようにしてほしい。
  • 資料6-2について、タテ軸の並べ方も検討すべきだが、ヨコ軸の項目については、その政策手法がどの主体、分野に一次的にはたらき、どういう人が負担をするのかということがわかるようにしてほしい。
  • 政策手法の検討にあたっては、炭素価格のレンジがどうなのかという視点が重要。タスクフォースの中でその整理についても考えていきたい。
  • 誰が損をして誰が得をするのかというような、負担の所在を見えるようにしたい。
  • どういう技術体系が実現性を持って地球環境の改善に貢献するかということを考えるべき。ライフサイクルでの貢献を正しく評価しないと中長期の地球環境の改善につながらない。
  • CO2の削減余地が高いセクトラルアプローチや二国間協力について検討すべき。
  • エコ社会の実現には家庭・民生部門の取組が重要であり、これを盛り込むべき。
  • 住宅への省エネ規制等の、現在検討が行われている制度設計の情報も盛り込んでいただきたい。技術開発や地域社会での取組についても、全体像を把握することが大切。
  • 中期目標の中でも国民運動ということが言われているが、内容を明確化すべき。一般の消費者は心理で動くため、消費者に対しての施策は企業に対しての施策とは違うものであるべき。マクロ経済の分析も良いが、そうした心理面を入れた分析もしてほしい。
  • カーボンフットプリントについて明確に書いてほしい。
  • 国民が前向きに参加できる可能性があるかという視点での評価も重要。
  • 政府は情報発信をすることで社会のやる気を掘り起こしてほしい。

お問い合わせ先

経済産業省産業技術環境局環境経済室
電話:03-3501-1679
FAX:03-3501-7697

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最終更新日:2010年7月5日
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