経済産業省
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産業構造審議会環境部会地球環境小委員会政策手法ワーキンググループ検討タスクフォース(第3回)合同会議-議事要旨

日時:平成22年9月1日(水)15:00~17:00
場所:経済産業省別館10階1028共用会議室

出席者

秋元委員、上妻委員、前田委員、松橋委員、山口委員(座長代理)、山本隆三委員

議題

  1. 検討タスクフォースにおけるこれまでの検討のまとめについて
  2. 排出削減に関する限界削減コスト面等からの分析について
  3. その他

議事概要

質疑応答等

事務方より、資料につき説明。
委員からの意見の概要は以下の通り。

  • 海外での排出削減を我が国の目標達成に使うことは有用。
  • 他方で、我が国の技術を使っての削減でなければ、我が国経済に良い影響を与えるものとはならないので、その点を考える必要有り。
  • また、環境政策を進めることは、食料やエネルギー価格の高騰を招き、格差の拡大につながりうることでもある。
  • 再生エネルギーの固定価格買取制度についても、エネルギー価格を押し上げるという面や、太陽光発電市場における我が国企業のシェアに留意する必要がある。単に外国の太陽光発電メーカーに補助する制度にしてはいけない。我が国企業の技術を促進させる政策が必要。
  • 現行のCDMでは我が国が得意とする技術である超々臨界圧発電やCDQ(コークス乾式消火設備)が認められないという問題点や、制度があまりに複雑化してしまい、国連での審査がたいへん時間がかかっているという問題点がある。
  • そうした中、経産省で検討を進めている二国間クレジットや、JBICのJ-MRVという実践的な基準に基づき、海外環境技術案件をファイナンスする「グリーン」という仕組みには期待している。
  • 特に、二国間クレジットには期待をしている。これが利用できなければ25%削減の達成は不可能であり、少なくとも10%くらいはこうした仕組みを利用していくべき。
  • 秋元委員の用いたモデルは産業部門・エネルギー転換部門については技術を丁寧に見ているものであり、信頼できる。他方で、民生部門や運輸部門の限界削減費用分析については、消費者の効用の不確実性等の事由があるので、留意が必要。
  • このモデル分析を見ても、我が国の産業部門の省エネ技術は底をついており、キャップをかけて縛ったとしてもイノベーションは起きないし、排出枠の取引価格が徒に高くなるだけである。このため大口排出事業者を対象としたトップダウン方式のキャップ&トレードは、我が国において適切でなく、別の対策が必要となる。
  • そうした中で、海外での削減との関係では、二国間クレジットという政策手法を育てていく必要があり、また、国内での削減の関係では、国内クレジットという政策手法を拡充していく必要がある。
  • 目標をどのように設定するかということと、目標を所与としてそれをどのように実現するのか、ということは別の問題である。
  • 他の先進国と比べ我が国における限界削減費用が飛び抜けて高いという点を考慮しても、引き続き25%削減目標を堅持するというのであれば、考え方を変えて二国間クレジットのような、我が国の技術を活用しつつ、費用対効果が優れた、海外での削減を促進していく政策手法に目を向けなければならない。
  • 二国間クレジットは有効かつ実現可能性のある試み。他方で、国富の流出ではなく、我が国にお金が戻ってくるような仕組みとすることが必要。
  • 本日のプレゼンで用いたモデルは社会における実際の投資回収年数を考慮しており、限界削減費用の分析に整合的なもの。
  • 民生部門については個別の対策を積み上げることが必ずしも有効でないことから、積み上げを行っておらず、過去のトレンド等から分析を行っている。
  • グローバルなモデルにおいて民生部門における個々の省エネ機器の普及による削減を見ることは困難。
  • 一方、産業部門・エネルギー転換部門についての分析にはぴったりはまるモデルだと言える。
  • 現在のところ、政府内で真水をどうしていくかは決まっておらず、そうした条件下で議論していく必要有り。
  • 民生部門での削減のために省エネ機器をどうやって普及させていくかということを考える際に、省資源性についての情報を省エネラベルに記載するというのも一つの考え方。
  • 3R性能のようなものは消費者に波及しづらいが、省エネに関する情報と合わせて、トータルで考えればこちらの方が安い、といった価格メッセージがあれば消費者は動く。
  • 生産者サイドにおけるトップランナー規制、消費者サイドにおける省エネラベルのところで、3R性能のようなものも含めて、もう少し打つ手があるのではないか。
  • 設定された削減目標を実現する手段はいくつかあり、経済的手法はそのうちのひとつ。
  • 経済的手法は価格インセンティブを与えることで、外部性を補正する。価格インセンティブを与えるということにそもそも合意できないのであれば経済的手法を採用することはできないが、価格インセンティブがある程度必要であるということについてはコンセンサスが得られていると認識。
  • 外部性を補正する価格メカニズムには、お金を取ることだけでなく、補助金のようにお金を支出するのもひとつの有用なツール。目的性を持ったピグー補助金のようなものも有効な政策手法。
  • 排出量取引制度のような制約をかけていく経済的手法が適用が難しいのであれば、環境技術向けという目的を持ったピグー補助金をもっと活用していくべき。
  • 補助金は、財源の問題があるが、薄く広くとる環境税等で対応したらよい。
  • クレジットを政府が買うこともピグー補助金と同じ効果がある。
  • 経済学におけるピグー補助金は、温室効果ガスの排出1トン当たりに対していくら、という補助金であると認識。
  • 価格メカニズムが日本で機能するかということについては、難しいと考える。技術導入余地の少なさや投資回収年数の短さを考えると、相当程度大きな補助金を出さなければならないため、予算の制約が問題となる。むしろ直接規制やトップランナー制度等で対応するのがよいかもしれない。
  • 前回のタスクフォースでも議論されたが、排出量取引制度では、取引が起こらないということが公平な割当ということであり、一番大事なのはキャップをどう公平に割当するかということ。キャップはきつすぎても、緩すぎても、不公平であってもいけないが、それが難しい。
  • EUで起きた現実は、トップダウン方式でのキャップの割当に関してロビイングが激しく行われ、合理性の必ずしもない、ロビイングの結果としてのキャップしか実現しなかった。
  • 取引に効果を求めるのではなく、産業の生産設備で、現実に導入可能な最新の技術(BAT)を見極めてキャップの割当を行うべきである。そのためには技術をよく知る産業界からのプレッジ&レビューを行う制度が望ましい。
  • 価格インセンティブは広い意味でとらえるか狭い意味でとらえるかによって違う。広い意味で言うならば、二国間クレジットも再生エネルギーの固定価格買取制度も価格インセンティブを利用しているもの。問題なのは、それが日本企業の成長につながるのか、ということ。
  • 補助金については財源が問題となるが、企業に加速償却を認めるといった方法もある。
  • ピグー補助金の効果を持つものとして国内クレジットがあり、排出削減に貢献している。買い手の問題があるので政府が買えるようにすることが望ましい。
  • 温暖化対策は非常に重要であり、25%削減目標の舵取りを間違えれば日本が危うくなるほどの問題。このような問題に対処する際にはオールジャパンで取り組むべきである。
  • 企業の投資回収年数の短さの話が出たが、広い意味ではそうしたことも外部性と言える。
  • 明示的に価格をつけると投資回収年数の長短により違いが出るため、高い価格をつけなければならなくなる。
  • 二国間クレジットについては技術流出へのケアが必要。技術流出への対策としては新しい技術の開発を加速させることが考えられるが、そうした技術開発をどう支援するのかについては丁寧に政策パッケージを検討すべき。
  • 秋元委員のプレゼンにもあったように、我が国において産業部門とエネルギー転換部門では、排出量取引制度における、EUの実績、予測などを見た現実的な炭素価格とされる、CO2トン当たり$0~$50でできる対策はあまりない。従って、我が国で排出量取引制度を入れることについては、有用性が高くない。

問い合わせ先

経済産業省産業技術環境局環境経済室
電話:03-3501-1679
FAX:03-3501-7697

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最終更新日:2010年9月8日
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