経済産業省
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デジタル・ネットワーク社会における出版物の利活用の推進に関する懇談会(第2回)‐議事要旨

日時:平成22年6月8日(火曜日) 17時~18時30分
場所:ホテルオークラ東京 別館2F オーチャードルーム

出席者

安達 俊雄、足立 直樹(前田 幸夫構成員代理)、阿刀田 高、内山 斉(村山 悦昭構成員代理)、相賀 昌宏、大橋信夫、小城 武彦、金原 優、北島 義俊(北島 元治構成員代理)、佐藤 隆信、里中 満智子、末松 安晴、杉本 重雄、鈴木 正俊、高井 昌史、高橋 誠、徳田 英幸、長尾 真、楡 周平、野口 不二夫、野間 省伸、三田 誠広、村上 憲郎(佐藤 陽一構成員代理)、山口 政廣
(敬称略)

議事概要

1. 電子書籍配信事業に関する事業企画会社の設立についての説明

  • 米国法人ソニーエレクトロニクス野口上級副社長より以下のとおり説明があった。
    • ソニー株式会社、凸版印刷株式会社、KDDI株式会社、株式会社朝日新聞社の4社において電子書籍配信事業における事業企画会社を7月1日に設立する。これは民間において、オープンな形で、日本の電子書籍ビジネスを日本のメーカーを中心として広げていこうという1つの活動のスタート。
    • 今までは北米、ヨーロッパの動きが早かったが、最近、韓国や中国を含めアジアにおいて、非常に早い動きがある。このような中で、我々もスピードをもって、電子書籍を大きなビジネスにしていきたい。
    • まずは日本の市場に合った電子書籍ビジネスをどう立ち上げていくのか、それから出版社、新聞社、コンテンツをつくられる方々、著作者の方々が安心してデジタルコンテンツを提供できる環境の整備、さらに読者の方がコンテンツを購入するに際して信頼関係が構築できるような場をつくっていきたいと考えて、今回の事業企画会社を設立。
    • この事業会社は、基本的には出版・新聞コンテンツの収集、電子化、管理、販売、配信、プロモーションを業務の内容として、その事業に必要なシステムの企画、開発、構築、提供を実施。事業会社自身がすべてを仕切るのではなく、参加されている方々、お話合いができる方々と一緒に、この配信のプラットフォームをつくっていきたい。
    • 読みたい電子出版物を手軽に楽しめる機会を読者の方に提供し、国内の電子書籍市場の発展を目指す。オープンなプラットフォームをつくることによって、より日本の文化を守れるような電子書籍配信事業の立ち上げに貢献していきたい。

2. 意見交換

  • 日本語の文字は多様であり、現在のコンピューターでは表示出来ない漢字が実に多い。国が補助して書体をつくり、それを無償配布することが必要。(三田構成員)
  • 国立国会図書館でアーカイブされたデータを配信するには権利処理が必要であるが、1960年代のものは著作者が不明な場合が大半であり、許諾を求めようにも継承者が分からない。これらを利用出来るようにするためには出版社の協力を得た上で、権利処理が可能なシステムを作ることが必要。(三田構成員)
  • 米国のデジタル出版物には強い規制がかかっている。現在取り組んでいる試みが全世界へ日本の文化を発信していく出発点になればいいと考える。(三田構成員)
  • 図書館のサービスについて、利用者・読者の立場から検討すべきである。図書館に対する慎重な意見は理解出来るが、前向きに検討し、関係者で合意したことから試すべきである。例えば、出版社と図書館で全文検索を行うなども考えられ、具体的に試行しながら一番いいシステムをつくり上げていくという努力がこれから期待される。(長尾構成員)
  • フォーマットや書誌データの標準化に向けた会議体についてはぜひ取り組んでいただきたい。(長尾構成員)
  • 電子書籍の流通、保存、あるいは利用を支えるプラットフォームの構築というのは大事であり、国立国会図書館も積極的な役割を果たしていきたい。図書館と出版の在り方、またプラットフォームについても相互協力により、いい形のものをつくり出していきたい。(長尾構成員)
  • 出版物がつくり続けられる環境を担保すること、また著者のモチベーションを維持することが重要である。つまりきちんと利益が上がることが重要であり、それと広く国民に知らしめることは相入れない関係にある。(佐藤構成員)
  • 紙の本の場合には、図書館の貸出と出版者の商売とは、図書館が不便だったがためにバランスが保たれていた。デジタル化社会では、図書館のデジタル貸出と出版者の商売は真っ向から対立する関係になる。今後、図書館の役割は何かというところからぜひ議論をしていただきたい。(佐藤構成員)
  • MARCについて、国立国会図書館がMARC21へ仕様変更するための検討を行っていることが資料に書かれているが、学術情報センターのNACSISフォーマットは全く独自のフォーマットであり、JAPAN/MARCともまた異なる。これを二十数年続けており、1,000の大学が使っているほか、最近は公共図書館にも公開している。高等教育においての学術情報センターというのは重要な役割だと思うが、この辺についても議論が必要。(高井構成員)
  • 基本理念として、著作者の利益、権利を確保すること、読者の利便性に資すること、紙と電子の連動を図ることを念頭においている。(野間構成員)
  • 5月に2つほど実験的に電子書籍配信を行ったところ、デジタル配信にとっても紙の本にとっても、いい結果が出た。今後も紙と電子の連動等で何か実証実験的なものができたらいいと思っている。既に電子書籍を比較的手軽に読める端末が出てきている中で、実際に実証実験できることがあるため、ぜひそのような方向性を出していただきたい。(野間構成員)
  • デジタル化を機に紙とデジタルをハイブリッドにして、市場を広げていきたい。(小城構成員)
  • 図書館と書店は、これまでバランスのもとに日本全国で読者の知のアクセスポイントを担ってきた。日本国民に対する知のアクセスポイントを確保する、もしくは広げるためにいかなるアクセスポイントが日本国にあるべきなのかという図書館と民間書店の役割分担については、ぜひ議論をしていただきたい。(小城構成員)
  • 出版物をデジタル化する場合には、出版者が管理、運用、あるいは保有しているデータを最大限活用すべきである。出版者の協力がないとこのプロジェクトは動かないため、出版者が積極的に参画しようという気持ちを持てる計画にしていただきたい。(金原構成員)
  • 中間ファイルフォーマット、書誌データのフォーマットの標準化活動は、ある意味でいい活動であるが、このようなフォーマットを特に世界に広げていく際は、一企業や一特定団体がコントロールするのではなく、オープンにし、またそれに係るロイヤリティーをフリーにすべきである。(野口構成員)
  • 国が支援するような活動に関しては、なるべくフォーマット部分にいちいちお金がかからないように、逆にいうと、そのような部分に関してはぜひ国が支援し、中間フォーマットなり書誌データを早く整備していくことが必要。(野口構成員)
  • 現状、米国において、書籍の電子フォーマットは、アマゾンのAZWとEPUBしか存在していない。ヨーロッパでも1バイトの国においては、多くの電子書籍配信事業会社はEPUBを使って、電子書籍を配信しているのが現状である。(野口構成員)
  • 中間フォーマットに関してオープンでロイヤリティーがないほうがいいという意見には、賛成する。日本語表現に実績のあるXMDFとドットブックの協調による中間フォーマットについて資料2には記載されているが、今回の発表でも具体的にこのフォーマットがいいと報告した方が良かったのではないか。(佐藤構成員)
  • 紙の本による読書という環境について、どのようなビジョンで考えるかという視点をもって検討していただきたい。(阿刀田構成員)
  • 今まで紙の本に馴染んでいない方が電子書籍に触れることによって、紙の本でも読んでみたいということになり、本の総量としては増えると思う。またそのような環境をつくっていかなければならない。(三田構成員)

問い合わせ先

経済産業省商務情報政策局文化情報関連産業課(メディアコンテンツ課)
TEL:03-3501-9537

 
 
最終更新日:2010年8月1日
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