経済産業省
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次世代送配電システム制度検討会第2ワーキンググループ(WG2)(第3回)‐議事要旨

日時:平成22年10月7日(木)10:00~12:00
場所:経済産業省別館5階526会議室

出席者

委員
金本座長、大橋委員、大日方委員、城所委員、林委員、藤井委員、山内委員

議題

  • 買取費用の回収スキーム等に関する技術的論点(2)について
  • 自由討議

議事概要

曳野課長補佐より資料説明。
以下、主な発言の要旨。

1.外生的・固定的なコスト要因の取扱い

委員
料金改定プロセスについて、きちんと区分し、料金価格を機動的に改定することは正しい方向だと思う。
オブザーバー
再生可能エネルギー全量買取制度は、全てのお客さまに広く負担いただく制度であり、お客様の理解が前提となるが、十分な審議の上、法令等で算定ルールが明確化されたコストであれば、事業者の恣意性が入る余地はないため、簡便で円滑な料金反映ができる仕組みを作っていきたい。

2.系統増強に係る費用負担ルールについて

委員
P.13の系統増強に係る費用負担ルールの中で、案の2に「系統増強対策費用が発電施設の設置費用のX%以上」と記載されているが、ドイツにおいては25%の数字の具体的根拠や、どのようにして、この数字が決まったのか。
P.14の風力発電に関するモデルケースについて、案の2を適用し、立地地点BとCを比較した場合、立地地点Cは、系統増強対策費用が発電設備の25%以上を超えてしまうので、立地はできず、他方で、立地地点Bは、25%を超えないので、立地が可能となる。
この場合、立地地点Bは、何故、風力発電施設の立地が可能となり、立地地点Cは、何故、立地ができなくなるのかについて、論理的な説明が難しいのではないか。
事務局
ドイツの25%ルールについては、WG1において、9月にヨーロッパへ調査団を派遣し、当局にインタビューを行ってきた。25%の数字は、一つの目安であり、法的に規定されているものではない。25%の数字の根拠について、ドイツ当局にも確認を行ったが、明確な回答は得られなかった。
P.14のモデルケースについて、立地が可能となるか不可能となるかは、25%ルールを適用しているからとしか言えない。結局、立地の可否は、程度問題。
委員
P.15について、費用対効果を考えれば、案の1が望ましいと考えられる。しかし、経済効果があまりないと思われる案の2も、固定価格買取制度の実施を始め、環境対策自身に意義があるとの哲学に基づけば、無理をしてでも再生可能エネルギーを導入することとなる案の2の方が良いと思う。P.14 における発電立地に伴うコストのボリューム感は、どれくらいになるのかがわかれば、2つの案について、イメージが掴みやすくなる。
事務局
系統増強に係る費用負担ルールについて、一つ重要な点として指摘できるのは、再生可能エネルギー導入促進のためなら一般負担がよいという単純な話ではなく、再生可能エネルギー間でも、立地競争があるのに社会的なコストが高い方が有利になり得るということである。
系統増強に係る費用負担に関する定量的データはないが、例えば、北海道をイメージして、25%ルールを適用した場合、本州との系統増強費用を考えれば、設置は進まないと考えられる。
費用負担のボリューム感について、今までの例だと、多くの電力会社においては、再生可能エネルギーの導入枠があり、その枠内において導入されてきた。したがって、従来のデータで負担の発生額を整理しようとしても、それほど系統増強費用が発生していないので、ボリューム感を出す資料として適当ではないと考える。
委員
一つの大きな、ある種の時間軸を持って、政策を考えていくのが適当ではないか。
事業用太陽光の出力抑制では、太陽光発電の導入の進展を見つつ、将来の対策が考えられているが、他の論点については、必ずしも、そうなっていない。また、風力の系統増強負担については、これから全量買取制度が導入されることで、どの程度高く買うことで、風力発電がどのくらい導入されるか、必ずしもインパクトがわからない。
国民負担の最小化を言いつつ、これまでの特定負担の在り方を変えて、系統増強(全体に)を負わせることが適当なのか。再生可能エネルギーの導入の進展状況を見つつ、もし目標に達しなければ、系統増強の負担のあり方について、見直すといった方法もあるのではないか。
委員
そもそも、P.5にある「国民負担の最小化」と「再生可能エネルギーの最大限の導入」の両立が矛盾している。再生可能エネルギー導入のアクセルを踏んだ上で、その後、国民負担の最小化を議論するか、さらにアクセルを踏み続けるのかを議論すべき。
委員
案の1の方が良いと思う。今回の全量買取は、電源別に買取価格を変えない制度となるため、ある種のマーケットメカニズムが働いていると考えられ、このような観点からも案の1の方が整合的である。
オブザーバー
系統増強に係る費用負担について、一般電気事業者が負担することになると、風力発電所の立地がどんどん増えることになるが、再生可能エネルギーの発電事業者が負担するとなると導入が進まないのではないか。一般負担に期待したいところであるが、もし案の1で進む場合には、P.15の「戦略的な支援策」を是非実施してもらいたい。
オブザーバー
P.15の系統増強費用の負担については、基本は原因者負担にならざるを得ないのではないか。社会的負担の最小化は重要。ただし、風力発電が増えるたびにパッチをあてるような増強の仕方ではなく、長期的な観点で最適なコストになるように検討すべき。

3.住宅太陽光発電設置に伴うトランス増設費用の負担

委員
トランスの費用負担について、トランス設置費用は、太陽光発電を設置した者が支払い、トランス設備の所有者は、一般電気事業に移ると思われるが、この際、例えば、後年リプレイスなどが発生した場合や、メンテナンス費用は、誰が負担するのか。
また、太陽光発電の設置が増えると、配電構造自体が変わるものと考えられ、具体的には、配電線そのものやトランス設備を更に増強する必要が発生する。また、太陽光発電以外の要因でも、電力の需給バランスが変わる可能性がある、このような場合、どのように費用負担をするのか。また、現状の制度を作ったときに、どのように考えたのか。
事務局
設備の所有・管理主体については、一般電気事業者に属する。
配電等の設備増強が必要となった場合、まずは原因者が特定できなければ、その負担となる。原因者が特定できなければ、一般負担となる。
オブザーバー
後年リプレイス等が発生した場合には、電力会社の負担で実施している。
委員
トランス増設費用の負担については、保険のように薄く広く負担を求める制度が必要。その場合、誰が保険主体になるのか工夫がいるかもしれない。
オブザーバー
P.17のトランス増設費用については太陽光発電協会でもタスクフォースを設置して検討しているところ。長期的には社会インフラとして考えるべきであるが、短期的には、配電対策実態調査を実施する予定なので、実施にあたっては、電力会社などにも協力を求めたい。本調査と本WGの結果を踏まえて、業界としての取組みを考えていきたい。

4.事業用発電設備への出力抑制と補償措置の可否

委員
出力抑制の補償措置について、案1、案2があり、上限値を超えた場合、蓄電池を設置して対応するとのことだが、案1の補償措置の方が、国民にとって安く済む可能性もある。
高い装置を入れてY%にするよりは、お金を払って、発電事業者に抑制した方が、安くなると思う。
発電事業者間の公平性を考えると、経済的な補償と一緒に組み合わせた方が、やり易い制度が作れるのではないか。案の1と2の折衷もあるのではないか。
事務局
P.19の案の1の評価にも記載したが、経済的に見れば、委員の言うとおり、結果的に安くなる可能性もあるが、本件においては、買取価格を動かさないことと合わせて提案している。出力抑制を前提に補償をする場合、財源の問題がある。再生可能エネルギーの出力を止め、かつ、その負担を国民、電力需要家に負わせることが、国民から御理解いただけるかということが、最大の論点。
委員
出力抑制の補償についてだが、案の1と2はある意味同じのような気がする。補償額と出力抑制を比較してみた時に、リスクからすると同じことをどちらからやるかということ。案の2の方がわかりやすい。
委員
P.19の出力抑制と補償措置について、案の1と2があるが、案の1については抑制された発電量の計測がしにくく、逸失利益の算定が複雑なものになる。案の2の方がシンプルであり推薦したい。
オブザーバー
出力抑制の上限値年間8%は大きすぎる。4%ぐらいにしてほしい。8%はFITの1.5円に相当し、負担が厳しい。
オブザーバー
出力抑制のY%ルールについてだが、Yの値は、技術的に系統運用のあり方を検討する中で、結果として出てくるものである。

5.買取費用と回避可能原価の考え方

オブザーバー
買取価格と回避可能原価について、案の1だと、発電事業者が蓄電池をつけて安定化するという話もあるが、安定価値として見た場合、火力、バイオマスと比較して、ベース部分はそんなに大きくならない。蓄電池のコスト回収に見合わないのではないか。案の2の場合は、入札もしくは市場取引の義務化を(セットで)検討してもよいのではないかと考える。
座長
経済学の教科書的に言えば、環境価値的な部分を固定し、電気としての評価の上乗せを認める案の1が自然。
事務局
案の2は、買取りを求める権利を与えておきながら、入札を条件として義務づけるという制度が使い勝手の良い制度といえるのかが課題。

6.複数の電気事業者による買取について

委員
複数事業者による買取りは、そもそも一括で買うことの方が、安定的であり望ましい。分割しても良いという話であれば、制度が食い物にされ、結果として国民負担が増大しかねない。まずは一括買取りを導入、その後複数事業者買取りについて議論するべきではないか。
委員
P.25の「不安定な電源であっても」以下の説明に疑問。安いスジ肉を努力しなくても、ある程度の価格で買ってくれるのであれば、事業者は努力はしないのではないか。FIT価格か、FIT価格導入した上で、アクセルを踏むかは、議論が別れる。
委員
複数事業者による買取りについては、BとAにはプレミアムがあるかもしれない。Cはスジ肉のようなもの。買取主体にとってどうなのかを考えるとプラスの面だけとは言えない。
オブザーバー
複数事業者による買取りの問題については、最終的なお客様の負担に配慮した設計が必要である。
オブザーバー
P.25の複数事業者による買取りについてだが、PPSの立場としては、現在でも一般的に行われていることなので、選択肢として残してもらいたい。PPSによって事情が異なるので選択肢に配慮してほしい。
座長
P.25について、価値の低い電力、価値の高い電力、ピーク時の電力等があり、これら電力が差別化されていないことは問題である。このことを前提に、どのような制度を作るのかが論点である。
電力会社が、最終的な買い手となり、残り物を全部引き受けるという仕組み以外にも、購入者が、全部買わなければならないという仕組みを作ることも想定できる。いずれにしても、電力会社と購入者側の競争的な条件を整えることについて議論すべき。
事務局
Bの部分は余剰利益というわけではない。発電事業者はFIT価格だけでなく、プレミアムも含めて採算性を考えているはず。この部分を高く評価する買い手がいることによって、再生可能エネルギーの導入が進むということではないか。
パンに例えれば、白い部分と耳の部分を抱き合わせに販売するのではなく、別々に販売するということ。白い部分に高い価値に見合う評価がなされれば、開発インセンティブになるのではないか。ただし、買い手A、BおよびCの競争において何らかの規律が必要であろう。市場原理での調整が必要である。

7.一般電気事業者の自社設備等の取扱い等について

オブザーバー
(PPSの)自社設備の取扱いについては、可能であれば自社設備についてもできるようにすべき。

問い合わせ先

資源エネルギー庁電力・ガス事業部電力市場整備課
電話:03-3501-1748

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最終更新日:2010年10月21日
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