経済産業省
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低炭素社会におけるガス事業のあり方に関する検討会(第1回)-議事録

平成22年7月28日

議事概要

  • 米田ガス市場整備課長

    それでは、定刻となりましたので、ただいまから第1回低炭素社会におけるガス事業のあり方に関する検討会を開催させていただきます。私は、本検討会の事務局を務めます、ガス市場整備課長の米田でございます。委員の皆様方におかれましては、本日はご多忙のところ、また、暑い中お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

    それでは、まず本検討会の開催に当たりまして、増子副大臣よりごあいさつを申し上げます。

  • 増子副大臣

    皆さん、こんにちは。座ったまま失礼させていただきます。本日は、大変お忙しい中、低炭素社会におけるガス事業のあり方に関する検討会にご出席を賜りまして、ありがとうございます。まずもって御礼を申し上げたいと思います。

    我が国を取り巻くいろいろな環境が大変変化しております。その中で、低炭素社会をいかにつくっていくかということが、今国の極めて大きな方向性として出ているわけであります。そういう中で私どもは、第1番目に資源ナショナリズムの高揚や新興国の経済成長に伴うエネルギー需要の急増というものを考えながら、しっかり取り組んでいきたいと思っています。このため、資源小国の我が国が今後どのような形で資源エネルギーの安定供給確保への取り組みをしていくかということは、極めて重要な課題だと思っておるところでございます。

    第2に、地球温暖化問題のことでございます。CO2削減の問題が大変喫緊の課題となる中で、地球温暖化対策と表裏一体のエネルギー政策には強力かつ包括的な対応が求められていることは、ご案内のとおりでございます。先の通常国会で、残念ながら地球温暖化対策基本法は審議未了の廃案となりましたけれども、私どもは鳩山政権、管政権と続けて、温暖化対策にしっかりと対応していきたいと思っているところでございます。これらにあわせて、本年6月に閣議決定をさせていただきました新成長戦略において、エネルギー・環境分野は経済成長の牽引役として極めて期待されるものがあるわけでございます。

    こうしたエネルギーを取り巻く環境が非常に大きく変化する中で、ガスが引き続き我が国の経済社会と国民生活に必要不可欠なエネルギーであることは、申すまでもございません。都市ガスの主原料である天然ガスは、化石燃料の中でCO2排出の最も少ないエネルギー源であることは、ご承知のとおりであります。また、近年シェールガス等の非在来型ガスの開発により、アメリカでは天然ガス価格が下落するなど、低廉で安定的な供給に期待が高まっていることも皆さんご承知のとおりでございます。

    このクリーンさと新たな供給源への期待から、天然ガスは本年6月に閣議決定をさせていただきました新たなエネルギー基本計画において、低炭素社会の早期実現に向けて重要なエネルギー源として位置づけられております。天然ガスシフトを推進すべきということも、皆さんご案内のとおりでございます。反面、足元のガス事業を取り巻く環境は、天然ガス価格の乱高下、他のエネルギー産業との競合の激化、バイオガスの導入拡大などの地球温暖化対策の要請の高まりなどにより、厳しさを増していることはご存じのとおりでございます。

    本検討会では、こうしたガス事業の環境変化を踏まえて、エネルギー基本計画に定められた天然ガスシフトを推進するための施策と、ガス事業者の有する高度な環境・エネルギー技術の内外への普及促進のあり方を検討していくことになっているわけでございます。

    柏木先生を座長として、皆様方にいろいろな形の中でご意見、ご指導をいただきながら、この検討会をしっかりと進めていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

    大変暑い中おいでいただいたことに、重ねて心から感謝と御礼を申し上げ、私の冒頭のごあいさつにさせていただきたいと思います。本日は、まことにありがとうございます。

  • 米田ガス市場整備課長

    それでは、続きまして、近藤大臣政務官からごあいさつを申し上げます。

  • 近藤大臣政務官

    遅参して失礼いたしました。政務官の近藤洋介でございます。委員の皆様方、第1回低炭素社会におけるガス事業のあり方に関する検討会にほんとうに暑い中ご足労いただきまして、まずもって心から感謝申し上げたいと思います。また、柏木先生にはさまざまな会合でお世話になっているわけでございますけれども、柏木座長のもと、これからの日本の低炭素社会の一つのビジョンの骨格をこの場で発信していただけるように、議論をリードしていただければありがたいと思っております。

    天然ガスの今日的な意義、可能性については増子副大臣からお話があったかと思いますので、私のほうからは重複を避けたいと思っております。1点、天然ガスが極めて重要なエネルギー源であるということは論をまたないわけでありまして、また、日本はそれを多くの国から買っているという現実があるわけであります。為替やエネルギー価格が変動する中で、この貴重な資源をいかに有効に活用し、熱エネルギーを有効に活用する仕組みを、流通網も含めてつくっていくかということは、非常に大事なことでございますので、どうぞ率直な意見をぶつけ合い、政策提言をいただければありがたいと思っております。

    また、ガス事業は、一般のガス事業者だけではなく、中小企業の方々が大変多いのが特徴でございます。211社存在し、中小事業者が大半を占めているわけでございますので、経営基盤が弱いところも多いわけでございます。他のエネルギー産業との競争の中で、ガス事業の産業構造をどうするかということも大きな論点ではないかと思っていますし、今のままではなかなか展望が開けない。中小事業者が多いという現状も踏まえながら、他方で海外展開をどのように進めていくのか、また、新たなサービスをどのように国内において提供するのかということも、ぜひご議論いただければありがたいと思っているところでございます。

    こうした検討会は、委員の先生方がたくさんいらっしゃると、その場で瞬間芸のように10分ぐらい、5分ぐらいでの発言で終わりということも会議によってはあるのかもしれませんが、どういう運営の仕方になるかはこれからの柏木座長ご差配かとは思いますけれども、必要に応じてワーキングなり何なりを開いていただいて、実りある議論が進められ、ご提言いただきますことを心よりお祈り申し上げて、必要に応じて私ども政務も加えていただければありがたいということも一言加えさせていただいて、ごあいさつとさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

  • 米田ガス市場整備課長

    それでは、委員の紹介に移らせていただきます。お配りしております資料のうち、資料2としてお配りしております委員名簿に沿いまして、本検討会の委員のご紹介をさせていただきたいと思います。なお、本検討会の座長につきましては、まことに勝手ながら、事務局からの推薦として柏木東京工業大学統合研究院教授にお願いしてございます。

    それでは、まず柏木座長から一言ごあいさつをいただきたいと思います。

  • 柏木座長

    増子副大臣と近藤洋介政務官のご臨席を得まして、かつご主導のもとと私は理解しておりまして、低炭素社会におけるガス事業のあり方を大所高所からの皆様方のご意見をよく勘案して、今後の方針を明確にして、政務三役の先生方に今後のエネルギー政策についてご提言申し上げる機会を得たいと思っております。よろしくお願いいたします。

    ご存じだと思いますけれども、この委員会は、一応母体としては去年ほぼ同じメンバーの方々と審議をさせていただいて、公的な文書にさせていただきました。その結果は、新政権でお作りになり、かつ閣議決定していただいたエネルギー基本計画の中に極めて明快に入っておりまして、そういう意味では、去年審議させていただいた内容を今後のエネルギー政策の骨子の中に入れていただけたということは、我々の喜びとするところであると思っております。

    エネルギー基本計画は、先ほど副大臣がおっしゃっておられたように、今度の成長戦略も踏まえてつくっておられると思っておりまして、2030年が目標だったわけですけれども、2020年の数値目標を書いておりますのが、天然ガスの高度利用。特に天然ガスに関しては、化石から非化石への流れと同時に、化石燃料の高度利用を意識する。この両輪がうまく回らないと、万国共通のエネルギー政策にはなり得ないと私どもは考えておりまして、そういう意味では、化石の高度利用をどう持っていき、今後中国、インド等の新興国、我が国の誇れる技術をどうやって成長戦略に結びつけるかというのは、我々に課された責務だろうと思っております。

    特に、たしか基本計画の46ページだと思いますけれども、天然ガスコジェネレーションに関しては、1次エネルギーですからもちろん2次エネルギー、熱というカスケード的な利用、あるいはコプロダクションの原料にもなるわけでありまして、これが2020年で800万キロワット、約50%増。これから低炭素というのは言い換えればエネルギー市場の縮小と意味する訳ですが、天然ガスの高度利用に関しては極めて積極的な書き方をしていただいたということは、それだけ重要視されている。2030年で1,100万キロワット、現状の約倍近くにまで増大させる。

    そのぐらい我が国としては重点を置いたポイントになっておりますので、ぜひ基本計画並びに今後のスマートシティ、スマートコミュニティを含めたときに、化石から非化石への流れと同時に、蓄電池の役まででき得る在来型の革新的技術である天然ガスの高度利用を踏まえた上で、いかに成長戦略にうまく結びつけられるかというのが、今後我が国が抱えている課題を解決する一つの大きな力になるだろうと思っていまして、ぜひ今後ともよろしくお願いしたいと思います。

  • 米田ガス市場整備課長

    柏木座長、どうもありがとうございました。

    続いて、資料2の委員名簿に従いまして、順番に委員の方をご紹介させていただきます。役職等は、資料のほうと変わりございませんので割愛させていただきます。まず、石井正一委員。

  • 石井委員

    石井です。よろしくお願いします。

  • 米田ガス市場整備課長

    大井敏夫委員。

  • 大井委員

    大井でございます。よろしくお願いいたします。

  • 米田ガス市場整備課長

    小山堅委員。

  • 小山委員

    小山です。よろしくお願いします。

  • 米田ガス市場整備課長

    酒井孝志委員。

  • 酒井委員

    酒井でございます。よろしくお願いいたします。

  • 米田ガス市場整備課長

    崎田裕子委員。

  • 崎田委員

    崎田です。よろしくお願いします。

  • 米田ガス市場整備課長

    佐々木宏委員。

  • 佐々木委員

    佐々木でございます。

  • 米田ガス市場整備課長

    嶋津八生委員。

  • 嶋津委員

    嶋津です。

  • 米田ガス市場整備課長

    髙橋晴樹委員。

  • 髙橋委員

    髙橋でございます。

  • 米田ガス市場整備課長

    中上英俊委員。

  • 中上委員

    中上でございます。

  • 米田ガス市場整備課長

    永田康子委員。

  • 永田委員

    永田でございます。よろしくお願いいたします。

  • 米田ガス市場整備課長

    野口通委員。

  • 野口委員

    野口です。よろしくお願いいたします。

  • 米田ガス市場整備課長

    広瀬道明委員。

  • 広瀬委員

    広瀬でございます。よろしくお願いいたします。

  • 米田ガス市場整備課長

    村上周三委員。

  • 村上委員

    村上でございます。

  • 米田ガス市場整備課長

    なお、本日はご都合によりまして少し遅れてのご出席となりますが、松橋隆治委員も後ほどいらっしゃることになってございます。また、本日はご都合によりましてご欠席されておりますけれども、山内弘隆委員にもご参加いただくことになってございます。

    それでは、以降の議事進行は柏木座長にお願いしたいと思います。柏木座長、よろしくお願いいたします。

  • 柏木座長

    それでは、まず事務局から資料の確認をお願いいたします。

  • 米田ガス市場整備課長

    それでは、お手元の資料を改めて確認させていただきます。配付資料一覧というのがあるかと思いますが、それに従いまして、資料1として議事次第、資料2といたしまして委員名簿、資料3といたしまして「『低炭素社会におけるガス事業のあり方に関する検討会』の設置について」、資料4-1は「今後の検討課題(案)」、資料4-2はそれのA3横長でございます。資料5といたしまして、「『低炭素社会におけるガス事業のあり方に関する検討会』の議事の取扱い等について(案)」、資料6は「我が国のガス事業を巡る最近の動向」、資料7は「世界の天然ガス・ガス事業の現状」、資料8は「都市ガス業界の現状と低炭素社会に向けた取組み」でございます。皆さんお揃いでございましょうか。もし足りないようなことがございましたら、お申し出いただければと思います。

  • 柏木座長

    続きまして、資料3、資料4-1、資料4-2、資料5に基づきまして、事務局から本検討会の設置の趣旨及び今後の検討課題及び議事の取り扱いについて、ご説明をお願いいたします。

  • 米田ガス市場整備課長

    それでは、引き続きましてご説明させていただきます。資料3をご覧いただければと思います。こちらのほうに、本検討会の設置について書かせていただいてございます。

    まず、検討会の趣旨でございますけれども、先ほどから皆様方のごあいさつの中にもあったところでございますが、去る6月18日に閣議決定されました新たなエネルギー基本計画では、エネルギーセキュリティの確保、温暖化対策の強化、効率的な供給に加えまして、環境・エネルギー分野での経済成長の実現、エネルギー産業構造の改革を基本的視点にいたしまして、2030年に向けてエネルギー需給構造を抜本的に改革するといったことになってございます。

    そのような中で、天然ガスにつきましては、化石燃料の中で最もCO2排出が少なく、シェールガスなどの新規供給源も立ち上がってきておりますことから、低炭素社会の早期実現に向けて重要なエネルギー源と位置づけられたところでございます。従いまして、産業分野の燃料転換やコジェネレーション利用等、天然ガスシフトをしっかり推進していくべきとされたところでございます。また、そのための具体的取り組みといたしまして、セキュリティの向上や燃料転換に資するガス導管網等に係る投資インセンティブの付与、ガスの託送供給精度の改善等が挙げられたところでございます。

    また、近年ガス事業者を取り巻く環境は大きく変化してございまして、自由化の進展に伴い効率化圧力が高まる一方で、LNG価格の高騰や他のエネルギー産業との競合激化によりまして、経営環境は厳しさを増しているところでございます。加えて、地球温暖化対策に伴う環境コストの増大が課題となりつつありまして、各事業者は、他の事業分野への進出や、事業者間の連携強化等による事業基盤の強化策を模索しているところでございます。

    このため、近年の事業環境の変化を踏まえた天然ガスシフト推進のための施策を検討する等のために、本検討会を開催するものでございます。なお、本検討会は、昨年11月に設置した省内プロジェクトチーム「次世代エネルギー・社会システム協議会」の下に置かれておりました「低炭素社会におけるガス事業のあり方に関する研究会」を発展的に改組したものと位置づけてございます。

    裏をめくっていただきまして、検討体制でございますけれども、必要に応じて具体的な課題についてかなり掘り下げた議論をしていきたいと思っておりますので、本検討会、すなわち親会の下に、適宜ワーキンググループを設け所要の検討を行って、適宜報告を受けて議論することにしたいと考えてございます。また、検討結果につきましては、総合資源エネルギー調査会都市熱エネルギー部会や次世代エネルギー・社会システム協議会などに適宜報告することとしたいと考えてございます。

    検討事項といたしましては、先ほど申し上げました趣旨に従いまして、天然ガスシフトの推進に向けた施策の検討を第一課題と考えてございます。また、もう一つは、産業構造の変化を踏まえた課題等は多岐にわたってございますけれども、そういったものを検討していただくと考えてございます。

    今後のスケジュールといたしましては、今日と次回の8月5日の2回をもちまして、まずは検討課題の抽出を行いまして、その後秋以降に開催いたしまして、今年度内に報告書をまとめられるようにしたいと考えてございます。また、必要があれば都市熱エネルギー部会などに報告いたしまして、制度的な検討などについてはそちらにゆだねることも考えてございます。

    次に、別紙と書いてございますが、当面のこの2回の進め方について書いてございます。第1回が本日でございますけれども、この趣旨に照らして我が国のエネルギー・環境政策をめぐる最近の動向、世界の天然ガス・ガス事業の現状、都市ガス業界の取り組みといったものを一通りおさらいいたしまして、その上で事務局のほうから示させていただきます課題案をベースに、この検討会でどういった課題を掘り下げて検討するかについてフリーディスカッションしていただこうと思っております。

    さらに、第2回、来週8月5日でございますけれども、ユーザー視点が大事だろうということで、天然ガスという貴重な財をできるだけ必要な方に供給していくためにどうするのかということで、ユーザーの方から燃料転換の課題・対応策、コジェネ導入の課題・対応策、インフラ整備の課題・対応策についてプレゼンしていただいて、その上で今回の課題案についてもう少し議論をいたしまして、秋以降どういった進め方をするかについて8月5日にご議論にいただいて、まとめたいと考えてございます。

    この2回の課題抽出と今後の進め方の設定に従いまして、秋以降順次ワーキンググループを開催するなりして議論していこうという考えでございます。

    続きまして、事務局として考えてございます「今後の検討課題(案)」でございますが、資料4-2というA3横長のカラーの資料をご覧いただければと思います。右半分に書いてあります「今後の検討課題(案)」は資料4-1と一緒でございます。4-2をご用意いたしましたのは、昨年あり方研究会でご議論いただいた上で、新しくエネルギー基本計画からいただいた宿題をどう検討するかというのが今回の眼目でございますので、エネルギー基本計画との対照をはっきりさせたいという趣旨で並べたものでございます。

    まず、左側は、エネルギー基本計画の中から天然ガスに関する部分を抜き書きしてございます。実際にはもっと多岐にわたってございますけれども、特に我々の検討会で扱わなければいけないと思っている重点課題について並べてございます。

    1つは、先ほどから申しております天然ガスシフトということでございますけれども、まず需要面から申しますと、天然ガスの利用の促進を主に産業部門でやっていかなきゃいけないんじゃないかと基本計画では書いたところでございます。その上で、じゃあ何をしていくのかということでございますけれども、石油・石炭系のボイラー、工業炉の天然ガスへの燃料転換、あるいは天然ガスコジェネレーションの導入促進と基本計画に書いてございます。

    そのための具体的取り組みといたしまして、どのようなことを基本計画に書いておるかと申しますと、産業用・業務用における天然ガスボイラーや天然ガス工業炉の導入促進、あるいは高効率コジェネレーションの導入促進、さらには、供給ネットワークがしっかりしていないと、必要なところで安定供給ができないんじゃないかといった観点から、ガスの供給ネットワークの強化がうたわれてございます。

    さらに、「ガスの供給ネットワークの強化」というところで、具体的にどんなことをすべきと書かれていたかと申しますと、投資インセンティブの付与、関係行政機関の連携による投資促進環境整備、託送供給制度の改善等による第三者利用促進、パイプラインの相互連結の促進が、具体的取り組みとして考えられるんじゃないかと基本計画には記されていたところでございます。

    また、「再生可能エネルギーの導入拡大」も基本計画ではうたわれてございます。

    さらに、その下は今回の基本計画の新しい点でございますが、「エネルギー産業構造の改革」で、さまざまなエネルギー産業を取り巻く環境が非常に変化しているといったことが書かれてございます。ガス産業についてはどういったことが書かれたかと申しますと、民生部門における競争激化、産業向けのさらなる需要拡大、コジェネレーションが分散型エネルギーの主な役割を担うんじゃないかといった展望が書かれていたところでございます。

    さらに、その下でございますが、特にガスについてフォーカスして書かれた部分ではございませんけれども、成長戦略とのリンケージということで、エネルギー産業の中から経済成長を牽引する企業を創出していくことが必要なんじゃないかとうたわれてございました。そこで、強靭な企業の育成、総合エネルギー企業体の形成、企業の集約化・事業領域の広域化がうたわれておりました。さらには、これをベースといたしまして、「国際展開の推進」もうたわれていたわけでございます。

    このようなエネルギー基本計画に書かれておりましたことを受けて、今般この検討会で検討していくべきではないかと事務局として考えておりますのが、右のほうでございます。まずは、天然ガスシフトということなんですが、主に需要面での「天然ガス燃料転換・高度利用」と、「ガスの供給インフラの整備」の2つに分かれるんじゃないかといったことでございます。

    1番の「天然ガス燃料転換・高度利用」の中でも、1つは燃料転換の促進ということがございます。何と申しましても、燃料転換の現状、あるいはまだまだ燃料転換する余地がどこに残っているのか、どういった分野があるのかといったポテンシャルについての検討も必要かと思います。さらに、ユーザーサイドに立って燃料転換促進に向けた課題がどんなものがあるのか整理した上で、対応策を考えていかなければいけない。

    ここにいろいろ列記してございますけれども、高効率機器導入のためには、単純にボイラーを変えればいいというもののほかに、工業炉の転換などにはさまざまな技術提案が必要でございますので、現場でのエンジニアリング技術の向上をどうしていくのかといったこともあろうかと思っております。あるいは、個々の需要家の方にとっての導管整備等の初期投資のコストが高い点をどうしていくのか、石油・石炭と比べた場合の原料コスト高、インフラが未整備なためにローリー輸送に頼らなければいけないコスト高をどう考えていくか。あるいは、個々の事業者から見たときに、CO2削減の価値化。国内クレジットなどもございますけれども、そういったものの使い勝手をよくすることで、燃料転換が進むのではないかといった観点もあろうかと考えてございます。

    次に、「コジェネレーションの利用推進」でございますけれども、コジェネの熱利用・面的利用の現状・ポテンシャルをきちんと整理する必要があろうかと思っております。ボイラーと比べた場合のコジェネ導入の初期投資コスト高がどの程度のものであるか、系統電源と比べた場合のコスト高・コスト変動をどうしていくのか、熱主運転を行うためにはどういった問題点があるのか、さらには、スマートコミュニティにおけるコジェネの位置づけを明確に整理しておくほうがいいのではないかと考えてございます。

    こういったことを検討する上では、コジェネの電気や熱について、海外での取り組み状況、熱量の計測方法はどうなっているのかといったことも、スコープに入れる必要があるのではないかと思っております。その上で、支援策や制度改正などについて何が考えられるのか、あるいはする必要はないのかといったことについても整理する必要があろうかと思っております。

    次に、「再生可能エネルギーの導入拡大」でございますけれども、バイオガス、あるいは太陽熱利用機器と組み合わせることによって高度利用を図っていくといったこともございますので、そのための技術開発、支援策、CO2削減の価値化など、いろいろな面を考えていかなければいけないのではないかと考えておる次第でございます。

    次に、大きな2番目、「ガスの供給インフラ整備」でございますけれども、インフラ整備の現状を改めてきちんと整理する必要があるのではないか。特に、広域パイプラインの整備がおくれていると言われてございますけれども、どういった部分について具体的にやっていったらいいのかといった点について、ポテンシャル、あるいは事業として成り立つための評価といった点まで踏み込んでやっていかなきゃいけないのではないかと考えてございます。有望箇所にかかる費用対効果等の分析も、できればいいのではないかと考えている次第でございます。

    それを踏まえたパイプライン整備に向けた課題及び対応策といたしまして、一体だれが整備するのかといった整理も必要かと思っておりますし、競争環境の整備をすることによって、パイプラインの必要性が浮かび上がってくることもあろうかと思っております。基本計画にもうたってあります託送供給制度の改善、パイプラインの相互連結の促進、さらなる取引活性化の方策もきちんと議論しなければいけないのではないか、その上で、支援のあり方としてどんなものがあるのか、ないのかといったことも議論する必要があろうかと思っております。

    3番目の「産業構造の変化を踏まえた課題」で、いろいろな問題があるところでございますけれども、今私どもが現段階で考えなければいけないと考えておりますのは、下に並べていることでございます。先ほど申しました燃料転換を進めていくためのエネルギーソリューションサービスを、きちんと整理して提供していく必要があるんじゃないか。全国的に展開していくためにはどうしたらいいのか。あるいは、ガス事業者自身が総合エネルギーサービスにどう取り組んでいくのかといった現状及び支援のあり方。

    あるいは、基本計画では海外展開とうたわれてございますが、それについての取り組みの現状、支援というのが適切かどうかわかりませんが、支援としてどういったものがあるのかといったこと。あるいは、こういったことを進めていくに当たっては、先ほどごあいさつにもございましたように、ガスに携わる事業者の大半が中小企業だといった問題とか、そもそも分野を超えたいろいろな取り組みが必要といったことがございますので、ガス事業者同士、あるいは他業種との連携のあり方についても整理する必要があろうかと思っております。

    さらには、天然ガスシフトをさらに進めていく上で、競争環境の見直しをどういった手順で考えていくべきなのかも議論する必要があるかと思っております。さらに、省エネ機器や再生可能エネルギーを導入していくときに、ガス料金制度にそれを反映させていくことについてどう考えたらいいのかといった、再生可能エネルギー導入に伴う費用増や地球温暖化対策による費用増に対する負担のあり方も、フレームに入れていくべきではないかと考えておる次第でございます。

    これら今ご紹介したのが、事務局のほうで考えてございます本検討会での今後の検討課題(案)でございますが、ぜひとも皆様方から今日も含めましていろいろな意見をいただく中でこれを整理いたしまして、次回また課題案として今後の進め方をご提示して、ご議論いただきたいと考えておる次第でございます。

    それから、資料5のほうに移っていただきたいと思います。「『低炭素社会におけるガス事業のあり方に関する検討会』の議事の取扱い等について(案)」ということで整理させていただいてございます。まず、議事の取扱いでございますが、「3.本検討会は、原則として公開する」、また、「4.配付資料は、原則として公開する」ということにしてございます。開催につきましては、事前に周知を図るということにしてございます。個別の事情に応じまして、会議または資料を非公開にするかどうかについての判断は、座長に一任させていただくと考えてございます。前後いたしますけれども、上のほうに参りまして、議事要旨や議事録についても、きちんと作成して公開することを原則としたいと考えております。

    以上でございます。

  • 柏木座長

    ありがとうございました。最初に、資料5の議事の取り扱い、あるいは公開等に関していかがでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、以後公開等適宜これに沿って進めさせていただきたいと思います。

    それでは、その次のものに進みます。資料6ですね。

  • 米田ガス市場整備課長

    はい。

  • 柏木座長

    これをまずやっていただいて、その後、小山委員、髙橋委員からプレゼンを行っていただいて、それからコメントをいただく。今日は初回ですから全員で、後で時間をはかりますけれども3分ぐらい。先ほど近藤洋介先生が3分、5分では足りないのではないかとおっしゃったんですが、後でワーキングでやっていただくということにしまして、一巡しますから、今から考えておいていただいていいです。順番でやります。

  • 増子副大臣

    説明は短く。

  • 米田ガス市場整備課長

    それでは、特に事務局からの説明は短くいたしますが、資料6をご覧いただきたいと思います。資料6は、先ほど申したエネルギー基本計画のご紹介みたいなのが半分でございますので、それにつきましては繰り返すことをいたしません。ただ、ガス事業の現状についてだけ簡単にご紹介させていただこうと思いますので、21ページに飛んでいただけますでしょうか。

    21ページに「一般ガス事業の現状」ということで簡単に整理してございます。先ほど政務官のごあいさつにもございましたように、一般ガス事業者は現在211社ございます。そのうち、資本金1億円以下の中小事業者が約半分を占めてございます。1社当たりの売上高を比較すると、大手4社平均が約6,000億であるのに対しまして、資本金1億円未満の方々が平均10億円と、大変格差があるという現状にございます。

    続きまして、22ページをご覧いただきたいと思います。一般ガス事業者による我が国のガス供給区域を地図に落としたものでございますけれども、一般ガス事業者の供給区域は日本の国土の約5.5%にすぎないといった現状が書いてございます。

    続きまして、23ページをご覧いただきたいと思います。一般ガス事業者による販売量の推移をカラーのグラフにしてございますが、上の囲みをご覧いただきたいんですが、一般ガス事業者のガス販売量は、1995年度から2007年度の12年間で約1.8倍にも増加しているということでございます。特に内訳で言いますと、工業用が約2.9倍と、工業用が非常に急拡大する中で全体の消費を引っ張っているということでございます。商業用が約1.5倍、家庭用が約1.1倍という現状でございます。

    今ご紹介した左側の大きいのが、一般ガス事業者によるガスの販売量でございますが、右下に小さな縦棒がございますけれども、新規参入者によるガス販売量を同じスケールでプロットしてございます。2007年度から2009年度にかけて、実は一般ガス事業者による販売量がリーマンショック等により減少しておるんですが、そのような中でも新規参入者によるガスの販売量は着実に増加している。この現実について、一応ご認識いただきたいと思ってございます。

    それから、飛ばしまして26ページをご覧いただきたいと思います。「ガス産業の現状~ガス料金の水準~」ということで、56年度からの長い尺で見た場合のことをプロットしてございます。平成7年の小売自由化開始以降、ガスの平均販売価格は低下傾向で推移してございましたけれども、2008年はLNG輸入価格の高騰に伴い上昇していると書いてございます。

    それから、27ページでございますけれども、「ガス事業制度改革の経緯」ということでございます。平成7年に大規模工場等200万M 3以上の需要家を対象に自由化して以降、順次段階的に自由化範囲を広げてまいりまして、直近の平成19年4月からは、10万M 3以上までを自由化対象範囲とする制度改革を実施してございます。これによりまして、おおむね小規模工場、ビジネスホテル等についてまで自由化が進んでいるという現状にございます。

    28ページをご覧いただきたいと思います。自由化に伴いまして、新規参入も進んでおります。新規参入の状況をあらわしたグラフでございますけれども、大口供給量に占める新規参入者による供給量のシェアが青いグラフでございます。現在、大口供給量に占める新規参入者の供給量の割合は、13.5%まで着実に伸びているということでございます。

    29ページに、どういった方々が新規参入されているのか並べてございます。29事業者245件でございますけれども、電気事業者、石油・LPG事業者、国産天然ガス事業者、商社、その他となってございます。

    それから、少し飛びまして33ページをご覧いただきたいと思います。インフラ整備についてでございますけれども、この折れ線グラフは高圧導管の敷設状況、延長の総量を示したものでございます。赤いほうがガス導管事業者による敷設、青いほうが一般ガス事業者による敷設でございますけれども、基本的には右肩上がりでしっかり導管の敷設が進んでございます。グラフの左上に書いてございますが、ガス導管事業者については年平均57キロメートル、一般ガス事業者であれば、平成7年から20年までで年平均57.6キロメートルといったペースで増大しているところでございます。

    最後のページをご覧いただきたいんですが、我が国のパイプライン・LNG基地等の現状を書いてございます。いろいろなLNG基地がございまして、さらにいろいろなところで建設中でございますけれども、主要導管網につきましては十分なネットワークとはなっておらず、循環するような形にもなっていないといった現状をご理解いただきたいと思っております。

    以上がガス事業をめぐる現状でございます。

  • 柏木座長

    ありがとうございました。続きまして小山委員。小山委員はじっくりやっていいですから。

  • 小山委員

    15分ぐらいということでよろしいでしょうか。

  • 柏木座長

    15分。よろしくどうぞ。

  • 小山委員

    資料7をご覧いただけますでしょうか。「世界の天然ガス・ガス事業の現状」ということで、ここにお集まりの皆さんはご存じのことばかりかと思いますが、あくまでもおさらいということでやらせていただきます。

    2ページをご覧ください。私の報告は主に3つに分かれていまして、最初は2009年以降世界全体のガス市場で何が起きてきたのか、2番目に、もうそれを地域別、国別にブレークダウンして何が起きているのか、最後に、それらを踏まえて将来のガス需給・市場がどうなるのかという展望、という構成でございます。

    早速3ページでございますが、これは世界の天然ガスの需要動向を示したグラフでございます。天然ガスの需要は、過去40年、50年にわたってずっと堅調に伸び続けておりましたが、昨年は金融危機という非常に大きな出来事があって、12年ぶりに世界全体で需要が減少しました。右側のグラフは、それぞれの国・地域別の需要の増減ですが、赤で示したロシア、青のEU等のユーラシアでの需要の減少が非常に大きくて、その結果、全体として12年ぶりのマイナスになった。これが非常に大きな特徴でございます。

    当然それを受けて生産にも変化があったということで、4ページを見ていただきますと、同じく2009年、世界全体としてのガス生産が減少いたしましたが、右側の「地域別の天然ガス生産増減」を見ていただきますと、赤のロシアの減産が際立って大きい。これは、自分のところの消費と主な輸出先であるヨーロッパの消費が減少したということで、やはり2009年に世界のガスの需給は大きく変化したということが示されております。ちなみに、ロシアは大幅に減産し、後ほど申し上げるアメリカは非在来型の台頭でもって生産が増えたということで、昨年は世界の生産国として、ロシアとアメリカの地位、1番と2番が入れ替わるということも起きています。

    そういう中で、貿易はどうだったかといいますと、5ページはパイプラインとLNGの貿易の動きを見たものでありまして、端的に言えば、どちらもこれまで成長を続けてきております。ご案内のとおり、ピンクで示したパイプラインが貿易の主体ですが、伸びで言うと日本が依存しているLNGのほうがより急速に成長してきた。そして、後ほどご説明するように、今後も成長し続けるだろうと見られているわけです。

    これが2009年どうだったかというのを次の6ページで見ていただきますと、左側が輸入、右側が輸出となっておりますが、2008年はやや伸びが鈍化したのですけれども、2009年はLNGの貿易は全体としてかなり伸びた。ただ、内訳を輸入で見ると、我が国をはじめとするアジアの貿易がやや縮小したのに対して、上のほうの水色というか薄い青で示した欧州のLNGの輸入が増えています。先ほど欧州は需要が減ったと申し上げたのですが、それにもかかわらずLNGの輸入が増えた。これは、後ほど申し上げる大きな特徴でございます。他方、LNG供給を支えたのはどこかといいますと、右側を見ていただきますと、特に赤で示した中東からのLNG輸出が大きく伸びたという特徴が、2009年のLNG市場にあったと言えます。

    需給の状況を映すもう一つの鏡と言っていい、より柔軟な取引であるスポット取引を7ページに示したのですが、2007、2008、2009年とやや伸びが落ちていて、スポットでLNGを調達するという全体のニーズはあまり伸びていない。それでもトータルで3,000万トンぐらいの取引量がありまして、世界の16%が柔軟性のある取引になってきた。折れ線グラフの推移を見ていただいても、随分と世界が変わってきているということを示しています。2009年の内訳を見ると、上から2番目の紫のヨーロッパのスポットのLNGが非常に増えているということで、先ほど申し上げたように、2009年はヨーロッパ市場を中心に随分と変化が見られたということが類推されるわけであります。

    今申し上げた世界の全体をざっと俯瞰してまとめたものが8ページでありまして、繰り返しになりますので上の3つは申し上げませんが、その3つを総合して申し上げると、国際的なガス市場全体で言うと、需給は大きく緩和したということが1つのポイントかと思います。金融危機の前までは、どちらかといえばマーケットが非常にタイトという状況があったのが、2009年が1つの大きな変化の年になったということかと思います。

    そういったことがよく表れているのが次のスライド9ですが、地域別のLNGの価格を示したものでありまして、2008年後半以降2009年の夏ぐらいにかけて、どの地域においても価格は大きく下落してきた。その後若干価格は回復して戻ってはいるのですけれども、需給を反映して価格が動いたということがあります。もちろんここに書きましたとおり、地域によって価格決定方式が違いますので、原油価格あるいは石油価格連動で価格が動いたということもありますが、特に一番下にあります米国では、ガス需給が反映して、価格がこのような形で変化したことが明確に見てとれるということであります。

    では、米国では何が起きているのかということでございますが、スライド10の左側の地図ですが、端的に申し上げて、アメリカ国内の主要な消費地と生産地を網の目のように結ぶパイプライン網が整備されて、非常に活発なハブでの取引が行われ、そこをベースにした非常に懐が深くて流動性の高い市場が形成されているという大きな特徴があります。後ほどご説明する非在来型が出てくる前、LNGが非常に増えると期待されてLNG受入基地の整備が進んだわけで、現在受け入れ能力は1億トンというレベルにあるんですが、それを使い切れていないという状況になっているかと思います。

    非在来型は11ページ、12ページにございますが、ご案内のとおりいろいろなタイプの非在来型がございますが、80年代以降はいわゆるタイトガスの生産を中心にして生産量が大きく増えてきました。2009年時点で、この表にありますとおり国産ガスの22%です。去年ぐらいまでの統計ですと5割近いとなっていたのですが、実はタイトガスが今年の統計から非在来型ではなく在来型ガスと分類し直された結果、数値的には変わっておりますが、非在来型のシェアがどんどん拡大し、2030年には34%、今後は特に右側にあるシェールガスの生産が大きく増えるということになっているわけです。

    次に、12ページを見ていただきますと、シェールガスの増産、非在来型ガスの大幅な増産によって何が変わったか。ご案内のとおり、アメリカの国産ガスの生産量が大きく上方修正され、その結果、市場で調達する必要があると言われていたLNGの輸入の見通しが激減したということで、その結果が世界の需給に影響している。アメリカでは、ご案内のとおり、まず1つは非在来型という国産のエネルギーとしてガスに対して非常に期待が高まり、かつワーカブルな低炭素化石燃料としても大きな期待が高まっているということで、過去1年間ぐらいアメリカのエネルギーの中で最も大きな話題を呼んでおります。

    しかも、スライドの右側にありますとおり、アメリカだけではなく世界にいろいろなタイプの非在来型の資源が豊富に存在している。アメリカ発の「非在来型ガス革命」が世界に展開していくのではないかという期待が出ているわけです。もちろん、課題のところに書きました非在来型ガス開発の経済性の問題、あるいは環境保全との両立の問題等ありますけれども、世界全体でこの後申し上げるとおり欧州、中国でも、開発への期待が高まっています。

    13ページは欧州でございますが、欧州も国と国、地域と地域をまたぐ幹線パイプラインが非常に整備されて、その中で活発な取引が行われている。ここでの価格形成の特徴としては、ハブでの価格をベースにしたイギリス型、石油価格リンクの大陸欧州型が併存しているという特徴はありますけれども、それを可能にしている一つの要因は大規模な大きなインフラ整備だったということかと思います。

    欧州のガス需給の特徴は、14ページにありますとおり、需要がずっと増え続ける中、北海を中心にした域内ガス生産が一時は好調だったのですけれども、2000年代になって生産減少が続いてきた結果、純輸入量がどんどん増大してきているということでありまして、右側にあるとおり、域外からの輸入のうち最大のものはロシアで、全体の3分の1ぐらいはロシアからの供給ということで、域外であるロシアからのガス供給をどううまく調達するかが、ヨーロッパにとっての問題ということかと思います。

    最近ヨーロッパでは何が起きたか。繰り返しになりますが、金融危機でガス需給が激動したということが上のポツにあります。まず欧州では需要が減りました。しかも、アメリカ発のシェールガス革命に押されて、価格競争力のあるLNGが欧州に流入してきたということで、これまでの中心であるロシアからのパイプライン輸入が減少するということも起きております。この中で、先ほど申し上げた価格形成の特徴で今2つの方式が併存しているということなんですが、大陸欧州側でも、今のマーケットの状況、スポットベースを反映した価格決定方式はとれないものかという議論がありまして、一部についてはサプライヤーとの間での合意があったということも、昨年暮れから今年にかけての非常に大きな出来事だったと思います。

    あともう一つは、最後に書いた「非在来型ガス開発への期待」ということで、ドイツ、ハンガリー、ポーランド、イギリスそれぞれで、いろいろなタイプの非在来型ガスが国産のエネルギー源として今後大きく伸びてほしいという期待が高まり、今のところまだ探鉱開発の初期的な段階ですけれども、取り組みが進められてきています。

    では、アジアで最も注目される中国はどうかということですが、右側のグラフにありますとおり、生産、消費とも過去10年ぐらいの間大きく伸びてきている。もともと中国は、ガスはほとんど自給自足していたのですが、このところ輸入が拡大しておりまして、赤い点線で示したLNG輸入が2006年から始まって、2009年には大きく伸びてきている。需要や輸入拡大を支えるために、左側に示した西気東輸に始まる大規模な幹線パイプラインやLNG受入基地の建設が進められているというのは、ご案内のとおりであります。

    17ページに最近何がポイントかまとめておりますが、2番目のポツのところを特に申し上げたいと思います。まだ中国ではガスは一次エネルギー全体の中では小さなシェアとなっているのですが、中長期的にガス需要は大幅に伸びるのではない、と見られています。その背景には、何よりも高い経済成長があります。

    もう一つ、最近中国の専門家と話をしますと、彼らが発表しておりますGHG排出削減目標、原単位で40%から45%削減を達成するためには、省エネだけではなくて、ガスの役割を増やさないと難しいのではないかということが指摘されるようになっておりまして、そのためにもガスの利用拡大をしたいというのが今中国の見方の中心になってきているように感じます。増大するガス需要にどう対応するかというのが、中国自身の課題になっておりまして、先ほど申し上げたインフラ整備をさらに進め、国産ガスとして中国が持っている非在来型ガスの開発を進める。場合によってはアメリカとの協力も含めて取り組む、ということが考えられます。

    もう一つは、参考資料についておりますけれども、中国のバーゲニングパワーを発揮すると同時に、国有の石油会社による海外権益の確保を急速に進めるという動きが見られております。

    日本につきましては、後ほどより詳しいプレゼンをいただけるということで、私は簡単に触れるだけにしたいと思いますが、インフラの整備という点では、日本の場合はご案内のとおり、28カ所のLNG受入基地を中心にしてパイプラインの整備も進められつつありますけれども、他の地域とは特徴としてやや差異があるということかと思います。

    日本におきましても、これまでガスが大幅に伸びてきたという米田課長からのご説明がありましたが、金融危機の非常に大きな影響を受けたと思います。19ページにありますとおり、用途別、月次ベースの需要動向を示しましたけれども、2008年後半以降非常に低迷というか、減少がいろいろな用途で見られました。ただ、景気回復とともにV字回復を示したところもあり、今はガスの需要は持ち直して増える方向になってきているということかと思います。

    将来については、基本計画のときの「2030年のエネルギー需給の姿」という配付資料から私が計算してみたものですけれども、全体としてゼロエミッションの電源を進めるということで、LNG火力投入量は減少していくんですが、逆にそれ以外のガス消費量は2030年に向かって3割増という姿になってくるということで、先ほどからお話が出ているガスシフトが、こういったイメージでもあらわれているのかなと思っております。

    今まで第2のポイントで申し上げた点をまとめさせていただきますと、21ページにありますが、地域別のところは繰り返しになるので割愛いたします。その下の「注目すべきポイント」というところで、アメリカで起きた非在来型ガス革命が、需給だけではなくて今後世界でのいろいろな開発やガスをめぐる政策にも影響してくる。温暖化対策については、今いろいろな取り組みがされて、最終的にどういうものになっていくのかまだその帰趨には不透明要因があるのですけれども、実効性が高い低炭素の燃料というオプションとして、ガスに対する期待は高まる方向にある、のではないか。

    もう一つ重要なのは、3つ目にあるとおり、国産エネルギーとしてガスを重視したいというのが、非在来型の活用を中心にして世界的に高まっている。こういうのが共通点としてあると思います。ただ、この共通点と同時に、ガスの価格動向等を見てもわかるとおり、主要市場の間で地域差があることも実態でありまして、これが今後どうなっていくのかということも、世界の流れを見ていく上では大事かと思います。

    最後は、少し駆け足になりますが全体の需給のトレンドについてであります。22ページは一言で申し上げれば、今後2030年に向かって、世界の多くの地域で、発電用を中心にしつつ、ほとんどすべての分野でガス需要の増加が続いていくということであります。これは、IEAの昨年のWorld Energy Outlookによるもので、この見通しでは天然ガスを一つの重要トピックとして取り扱いましたが、それをメーンにお話しいたしますが、大幅な需要増加、ガスへの期待が大きいということを示しております。

    これは、別にIEAだけではなく、23ページにありますとおり、私どもエネ研、アメリカのエネルギー省、OPECいずれもガスの需要の伸びは非常に高いと期待している。

    需要が伸びていくと、需給のバランスという観点でいくと、当然のことながら輸入が大きく増えるところがたくさん出てまいります。それが、24ページにあるとおり、米国は非在来型が増えるということで輸入が減るんですが、それ以外の中、印、ヨーロッパ、日本など主要な地域は、輸入の依存が高い、あるいは増大するということでありまして、安定的な供給確保は引き続き重要なポイントとして見ていく必要があるだろうと思います。

    ただ、供給のポテンシャルはどうなのかということを見ますと、25ページのIEAの資料から見るとわかるとおり、非常に膨大と言って良い、いろいろなタイプのガス資源が存在している。だから、資源的に問題はほとんどない。むしろ、どうやってそれを開発していくのかということであって、26ページにあるとおり、開発投資がうまく行われていけば、世界のさまざまな地域でガスの生産量は増えていく。中でも中東、ユーラシア、OECDの北米が生産の中心になるわけですけれども、これらの主要地域の生産が増えることが重要になってまいります。

    その中で、非在来型はどうかというのを27ページで示したのですが、これはあくまでも昨年のIEAの見通しですから、アメリカを中心にして見たというところなんですけれども、非在来型のシェアは着実に高まっている。現在の12%ぐらいが15%に増えていくということになっているのですが、もし仮に、先ほど申し上げたような世界全体での非在来型の開発促進が進めば、このシェアがさらに高まっていく可能性は十分にあると思います。

    一方、貿易で見ますと、先ほど実態のところで示したとおり、LNGの伸びはより大きいということで、今後2030年に向けてパイプライン貿易も増えますが、LNGの伸びはさらに高く、将来的には貿易全体の4割近いところまで増大し、まさに世界の貿易の中心になっていくということかと思います。実際に、それだけのLNGの供給を賄うだけのいろいろな動きが出ている。

    今年、来年という短期のところでも、既に29ページにあるだけ多数のプロジェクトが立ち上がることになっています。先ほど、今の状況ですと世界的には十分な供給があると言ったところですが、それに加えてさらに十分な供給があり、かつスライド30にあるとおり、特に今後豪州を中心にして大幅なLNGの増産が見込まれております。

    31ページの日本を含むアジアのLNGの需給の見通しを見てみますと、今後アジアのLNGは相当堅調に伸び、2030年には2億5,000万トン近くまで増えていく見通しですが、既存のプロジェクト、確実性が高いプロジェクトに柔軟性の高い供給力、さらに計画、検討中のものを足し合わせれば、十分な供給ポテンシャルが存在していることが見えているということでありまして、今の需給状況や買手市場的な状況、日本のような輸入国にとっては望ましい状況が、中長期的な断面で見ても、続く可能性はありうるのではないかと見ているわけであります。

    32ページは、今のまとめでございますので繰り返しませんが、最後のポツだけ申し上げます。今申し上げたようないろいろな状況は、世界の中でどんどん動いていくものでございますので、今後もこういう国際的な動きをきちんとフォローアップして、それに対応するのが大事だと思います。と申しますのは、非在来型革命も5年前までは世界中の人がほとんど気づいていなかったというか、わかっていなかった。それが今これだけ大きな変化をもたらすということもありますので、世界の最新の動きのフォローアップは絶対に重要ではないかと思っております。

    最後の33ページの総括も、繰り返しになりますので上のほうは割愛したいと思いますが、全体としていろいろな課題がある中で、非在来型ガス革命の進行もあってガスへの期待は非常に高い。先ほどお話が出た非化石燃料も重要であるけれども、すべてのエネルギーにおいてそれぞれ固有のいろいろな課題があり、ガス、石炭、石油など化石燃料を含めすべての高効率な有効利用が重要で、すべての有効なオプションの最適活用を図るのが必要ではないかと思っています。

    日本においてガスが今後もさらに重要な役割を果たしていくためには、国際的、国内的ないろいろな課題を検討していく必要があるのではないかということで、まさにこの検討会において下のポツのインフラ、制度、産業競争力強化、官民連携などいろいろな問題をやっていく必要があるということはそのとおりだと思いますが、今の国際的な市場環境を如何に活用して、日本では今でも安定調達されているわけですけれども、さらに安定的に競争力のある調達を果たしていくかということが、ガスがより重要な役割を果たすためには非常に大事ではないかと思っております。

    以上です。

  • 柏木座長

    どうもありがとうございました。大変なボリュームを的確にご説明いただきました。続きまして、髙橋委員どうぞ。

  • 髙橋委員

    ありがとうございます。日本ガス協会の髙橋でございます。資料8に基づきましてご説明したいと存じます。私からは、一般都市ガス業界を中心に、これからの低炭素社会に向けた取組みについて申し上げたいと存じます。

    目次をあけていただきたいと思いますが、これが本日、私が説明する内容でございます。

    次ページをご覧いただきたいと思います。まず、都市ガス販売の推移でございますが、石油代替エネルギー政策や環境政策の推進によりまして、お手元資料のグラフのピンク色に塗っている産業用、すなわち工業用向けのガス販売量は、1990年ごろから増加し、都市ガスの需要構造は家庭用中心から産業用中心に変わってきてございます。円グラフを見て頂きますと、1970年の家庭用販売量とそれ以外の販売量との比率は64対36でございましたが、2010年の供給計画では、これが28対72に逆転しております。

    また、左下に示しましたグラフは、1990年からの産業分野での燃料転換とコジェネレーション導入による二酸化炭素の削減効果を試算したものでございます。ここに示された1,470万トンという削減数値は、京都議定書における2008年から2012年の間に我が国に課された必要削減量の2割に相当いたします。

    それから、先ほど座長からご説明がございましたけれども、エネルギー基本計画の見直しにおきまして、資料右側に書いてあります通り、産業分野における天然ガスの使用比率を、2020年には2007年度比で1.5倍、2030年に倍増させ、コジェネの設置容量もそれぞれ5割増、倍増させるという目標が掲げられてございます。これらを着実に進めていくためには、低廉かつ安定的なガスの供給が必要となるわけでございます。

    次のページをご覧いただきたいと存じます。これは、安定供給に向けた取り組みでございます。我が国は、LNGを、環太平洋を中心とする15カ国から輸入してございまして、その太宗は15年から20年の長期契約で確保してまいりました。今後、需要面では、中国をはじめとする新興諸国がエネルギー使用量を急激に増やす一方で、先ほど小山委員からご説明がありましたように、シェールガス革命と言われるほどの非在来型の新たな供給源が次々と開発されている状況でございます。

    実は、我が国の都市ガス事業者が輸入している天然ガスの約半分に当たる1,000万トンのLNGの長期契約が、今後2015年までに契約終了を迎えます。今後、これらの更改交渉が本格化いたしますけれども、可能な限り安価で安定的な供給が確保されるよう契約更改を進めていかなければなりません。あわせて、供給源の多様化に向けた新たなLNG契約の締結に関しましては、上流権益の獲得にも取り組むことでエネルギーセキュリティを確保する一方、非在来型のガス田開発や最新技術を活用したフローティング方式による中小ガス田の開発などにも取り組んでいるところでございます。

    次のページをご覧いただきたいと思います。過去10年間の都市ガスの販売量の前年比の推移でございます。一昨年のリーマンショックによりまして、工業用のガス販売は大きく減少いたしましたけれども、先ほどお話がございましたように、いろいろな業種で生産活動が回復した結果、昨年度の下期から反転し、現在はリーマンショック前のレベルにまで戻りつつある状況でございます。

    それでは、低炭素社会に向けた私ども都市ガス事業の取り組みについて説明いたしたいと存じます。まず、産業用の熱需要への取り組みでございます。6ページ左上のグラフをご覧ください。これは産業用主要業種の燃料別エネルギー消費状況でございます。ご覧になってわかりますように、我が国におきましては供給面、価格面から特にエネルギー多消費型の産業市場ではまだ石炭、石油の使用率が高く、産業用分野でのガスの比率は、全体で10%程度にとどまっているところでございます。

    資料の右上にございますように、石油を中心とした燃料を、より低炭素な燃料である天然ガスに転換することによりまして、二酸化炭素の排出量を約25%削減できます。さらに、バーナーの高効率化などの高度利用を行うことによって、さらに30%ほどの低炭素化が可能になるということでございます。

    ただし、これも簡単にできるわけではございません。高度化を行うには、下に書いてございますステップ1からステップ5のような取り組みを進めていく必要がございます。まず、工場全体の詳細なエネルギー利用の実態を把握する。そして、具体的な省エネ、二酸化炭素削減のための改善計画をつくりまして、ステップ3にあるように実験場で燃焼テストを行ったり、お客様の生産設備にお客様の要望にあわせてカスタマイズしたバーナーを開発していく。それから、現場に設備を導入し、運転管理をしていく。こういうことをいたしまして、現場に立脚した高度化が必要だと考えております。このようなエンジニアリングと、燃転促進補助金のような設備投資インセンティブが、これからの天然ガスへの燃料転換における大きな課題であると認識いたしてございます。

    次に、家庭用分野や業務用分野ではどうかということを7ページでお示しいたしてございます。家庭用分野においてもガス給湯器の高効率化や燃料電池の普及に取り組んでおりますが、今後は、太陽光、太陽熱といった再生可能エネルギーを融合、統合させることによりまして、さらなる省エネ化、低炭素化を図ってまいりたいと思います。また、右にございます業務用分野においても、オフィスビルにおいて太陽熱、太陽光発電をガス空調機器と組み合わせることによるエネルギーの有効利用、都市にある未利用エネルギーの面的利用、さらにBEMSなどのエネルギーの最適利用のためのマネジメントシステムに取り組むことでビル全体の低炭素化に貢献してまいりたいと考えます。

    8ページをご覧いただきたいと思います。ここまでご説明しました取り組みに加えて、さらなる省エネと低炭素化を進めるエネルギーシステムという位置づけがコジェネレーションと考えております。需要家のところで電気と熱をつくり出す分散電源として普及が進んでいるところでございます。また、廃熱を有効利用する省エネシステムとか、災害、停電時の自家発電設備というエネルギーセキュリティの対策などの導入メリットに加えて、今後は発電出力が不安定な再生可能エネルギーの系統安定化対策としての貢献が期待できるのではないかと考えているところでございます。

    欧州諸国は、地球温暖化対策が進展していると言われてございます。そこでは、省エネ・低炭素化の重要な対策として、コジェネレーションの普及が進んでいるわけでございます。今後は、熱需要における燃料転換との組み合わせや再生可能エネルギーの面的利用によりまして、コジェネレーションを活用した低炭素化の取り組みを進めていく必要があると考えてございます。そのためにも、コジェネレーションを適正に評価して環境に貢献する機器であるとの位置づけをしていただくとともに、経済性の問題、規制などの課題について本検討会でぜひ検討していただきたいと思っているところでございます。

    次をご覧いただきたいと思います。コジェネレーションは、省エネ、省CO2にすぐれたシステムでございますが、これを社会的にさらに効率よく利用するのがスマートエネルギーネットワークでございます。先ほどの資料にもあったとおりでございます。図に示しましたように、「これまで」と書いている図のようなコジェネ廃熱を利用した熱の面的利用ですと、約19%程度の二酸化炭素の削減でありましたが、これを再生可能エネルギーの利用や電気の融通、全体エネルギーの最適運用制御まで加えたスマートエネルギーネットワークにいたしますと、約30%の二酸化炭素の削減が目指せるのではないかと考えているところでございます。

    このスマートエネルギーネットワークでございますけれども、地域にある再生可能エネルギーの最大限の導入を図り、需要家、建物間のエネルギー融通を本格的に導入するに当たりましては、第1に都市計画段階からの熱融通インフラ導入検討の仕組みづくり、2番目に電力の大規模系統ネットワークと地域エネルギーシステムとの連携、3番目に熱融通インフラ・エネルギーセンター設置コストの低減、4番目に地域における需要と供給を最適化する制御システムの開発などが課題になると考えているところでございます。

    10ページをご覧いただきたいと思います。これは、再生可能エネルギー・未利用エネルギーと天然ガスの組み合わせでございます。都市ガス業界といたしましては、バイオガスをはじめとする再生可能エネルギーの不確実性を都市ガスの信頼性で補完するということで、社会的に有効なシステムをつくり出してまいりたいと考えております。

    ガス事業における再生可能エネルギーの直接的な利用方法としては、下水処理場、食品工場などで発生するバイオガスをガスの製造工場やガス導管に受け入れることで製造、輸送段階での低炭素化に取り組んでおります。ただ、個々の施設で発生するバイオガスはそれほど大量ではなく、熱量調整をして都市ガス導管ネットワークに受け入れるよりも、食品工場、ビール工場などではオンサイトで利用したほうが省エネ、省CO2になる場合が多いわけでございまして、こういったお客様先では都市ガス混燃のコジェネレーションによる熱電併給などを展開しているところでございます。

    また、右側に書いてありますが、需要側における消費段階では、再生可能エネルギー、未利用エネルギー、ガスのシステムを組み合わせたシステムの開発、インフラ形成に取り組み、さらなる低炭素化を進めてまいりたいと考えております。

    11ページをご覧いただきたいと思います。将来に向けたガス事業の取り組みといたしましては、水素エネルギーを活用した社会の構築がございまして、これについてご説明いたしたいと思います。水素エネルギー社会を実現するためには、水素の製造、燃料電池などの水素利用技術はもとより、水素を消費者に供給するネットワークの構築が必要でございます。

    ただ、一気に水素の供給インフラを普及させるのは難しいため、当面は資料の(1)の緑色のリングのように、現在の天然ガスネットワークを活用して、機器側で天然ガスから水素に変えて燃料電池などに供給する方法、次のステップとして、(2)の紫色の枠で囲んであるようなローカル水素ネットワークとして需要地に設置した水素供給ステーションから燃料電池自動車への水素供給、さらには純水素型燃料電池の普及、マンション・ビルなどへ水素供給を行うネットワークの構築を順次いたしまして、さらに(3)のように再生可能エネルギーからつくり出す水素も活用しながら最終的に集中的に水素を製造して供給する水素エネルギー社会を目指す必要があるかと思います。このためには、水素関連技術開発のさらなる支援策と、インフラ整備に関するロードマップの構築が重要になるかと思います。また、燃料電池自動車の2015年の普及開始に向けた水素インフラ整備の進め方も考えてまいる必要がございます。

    12ページでは、運輸、農業分野など新たな市場での天然ガスによる貢献についてご説明いたしたいと思います。左側をご覧いただきたいと思いますが、温室効果ガスの世界的なガイドラインでございますGHG、Greenhouse Gasプロトコルでは、これまで赤い字で書いてあります直接排出のスコープ1、購入電力の発電量など間接排出を見るスコープ2が定義されておりましたが、現在、新たな基準として、購入原材料や輸送などサプライチェーン全体の排出量であるスコープ3が検討されているところでございます。グローバル企業などは輸送、取引先の排出量の低減まで目を配る必要が出てまいりますため、輸送部門でもCO2削減の動きが活発化すると考えられてございます。

    右の1から3に示しましたように、貨物輸送分野での低炭素化に向けましては、大型天然ガス自動車や燃料電池自動車が大きな役割を果たせると考えておりますし、カーフェリーなどの船舶におけるLNGの活用も低炭素化に貢献できると考えているところでございまして、国土交通省などでも検討されていると聞いております。また、4にお示しいたしますように、農業分野でも低炭素化に向けた農業版カーボンフットプリントの動きが出ております。農業分野での二酸化炭素排出の大半を占めるハウス栽培で、現在は石油燃料中心の加温・CO2施用に、熱・電気・二酸化炭素の3つを活用するガスエンジンを用いたトリジェネレーションで低炭素化に貢献しているところでございます。

    次のページをご覧いただきたいと思います。ここまでご説明してまいりました低炭素社会実現に向けた取り組みを進める上で、必要となる技術開発、戦略を取りまとめたものでございます。1の「天然ガスの普及拡大と高度利用」につきましては、LPG業界などとも一緒にやっていきたいと思いますし、2の「再生可能エネルギー・未利用エネルギーの導入」、3の「スマートエネルギーネットワークの構築」、4の「水素エネルギー社会の構築」などの技術開発によりまして、さらなる低炭素化を進めてまいりたいと思います。

    また、天然ガス供給基盤の強化の技術開発といたしましては、先ほどお話がありました新分野での天然ガス、メタンの開発・利用、パイプライン敷設等天然ガス供給インフラのコストダウン、それから、次世代のネットワークを推進していく上で不可欠な安定供給と保安の確保がガス業界の使命でございますが、高水準の保安の確保のための技術研究にも引き続き取り組んでまいりたいと存じます。

    次のページをご覧いただきたいと思います。先ほど役所からの資料にも出ておりましたガスインフラ整備でございます。我が国では、これまで都市ガス事業者がガス事業法に基づいてみずからの供給区域を中心にパイプラインを敷設してまいったわけでございますが、これだけでは、天然ガスへの燃料転換によって二酸化炭素削減を推進するだけの十分な供給を全ての需要家が受けることができません。そういうケースが多々ございまして、前回の「あり方研究会」でもお話があったところでございます。小さくて見にくいですが、左側が現在の我が国の主要パイプラインでありますが、これを日本各地の熱多消費型産業が集積する地域に天然ガスを供給するということで、一定の基準に基づいてプロットした地点をパイプラインでつないでみたものが右側の日本地図でございます。このようなパイプライン整備により、わが国の産業用部門から排出されるCO2排出量の3分の2がカバーできるようになると思っております。

    ただ、これまで、ガス事業者は長期間、安定した家庭用需要を中心としたパイプライン整備を進めてまいったわけでございますけれども、産業用需要は生産調整や工場移転などによる需要変動が大きいわけでございます。そういう産業用顧客へのパイプライン投資は非常にリスクが高く、また距離が長いために初期のコストが高いということもあってこれまでなかなか整備が難しい状況がございました。今後は都市ガス事業者、導管事業者、国が協力して、我が国のパイプライン網のあり方と、その推進のための方策を検討していただきたいと思っております。

    15ページをご覧いただきたいと存じます。低炭素社会に向けて、都市ガス産業は今後どのように展開していくかということでございます。これからの都市ガス産業は、ガスの供給事業から、エネルギーの需要と供給を一体的に扱う産業を目指していこうと思っております。さらには、単にガスの機器、設備を販売、設置するだけではなくて、その運転管理にもかかわることでお客様のエネルギー環境問題を解決するエネルギーソリューションサービスを提供する産業に進化していく必要があるかと思います。

    もう一つは、16ページをご覧いただきたいと思いますが、ガス事業の海外展開でございます。左側の図はガス産業のバリューチェーンを示しておりますけれども、青い部分が従来の都市ガス事業者のビジネスエリアで、これをいろいろな面で展開していこうということでございます。右側に表がございまして、(1)、(2)、(3)につきましては、我が国のガス事業者の40年にわたる実績に基づいて、世界トップクラスのLNG基地の運営のノウハウを活用した取り組みでございます。先般、上海ガスに参りました際に、上海ガスの社長が、最終的に天然ガス化を進めて石炭ガスは2015年までにすべてやめるということで、天然ガス化するためにはLNG基地を増設しなければいけない。これは日本のあるガスエンジニアリング会社に発注したところだと言っておられまして、日本のそういう面での受け入れ設備についての技術水準が高いことを示しているわけでございます。こういうこととか、(4)に示しております日本のすぐれたものづくりの技術による高効率で環境性能の高いガス機器と運営ノウハウを海外に広めることで、世界の低炭素化に貢献できるのではないかと思っているところでございます。

    最後になりますが、17ページをご覧いただきたいと思います。これまでの私からの説明をもとにいたしまして、低炭素社会実現に向けて都市ガス業界が抱える課題について整理したものでございます。1、2、3、4と箇条書きに書いてございますが、それらが今後の課題であろうと考えております。これらの課題につきまして、この、低炭素社会におけるガス事業のあり方に関する検討会でご検討いただければ大変ありがたいと思っております。何とぞよろしくお願いいたします。

  • 柏木座長

    どうもありがとうございました。それでは、あと40分ほど残っていまして、12人いらっしゃいますから、4分ぐらいでおまとめいただきたいんですが、ポイントは、最初ですから今の2つの話題提供に対するご質問、あるいはコメントでも結構ですし、資料4-1「今後の検討課題(案)」というのがございますので、これの内容で十分なのか、あるいは抜けている内容が何であるかということ、今後の進め方も含めてコメントをいただくと非常に助かります。具体的には、ワーキングをつくってやることになりますよね。

  • 米田ガス市場整備課長

    はい。

  • 柏木座長

    ですから、その辺も頭に入れた上で、今後の方針についてコメントをいただければと思います。先ほども順番と申し上げておりますので、最初にあいうえお順で石井委員からお願いしたいと思います。

  • 石井委員

    石油資源開発の石井でございます。今回は、前回に続いて委員を担当させていただきます。よろしくお願いします。あいうえお順でトップなものですから、私から若干コメントさせていただきたいと思います。

    先ほどエネルギー基本計画のご説明が座長よりありましたが、今回閣議決定された計画の中に、天然ガスシフト、特に産業部門の利用促進策として、具体的に「2020年で5割以上、2030年に倍増」という形でコジェネレーションの普及を含めて記述されたことは大きな前進であり、化石燃料の中で天然ガスが特記すべき重要な位置づけになったと思っております。その意味では、今後の天然ガスの普及促進は非常に重要であるということですが、もう一つ、今回のエネルギー基本計画の見直しを読みますと、2030年には2007年ベースの天然ガスのシェアが逆に減る想定がなされており、1次エネルギーに占めるシェアが大体18~19%が15~16%台に落ちていく見通しになっています。

    その原因は、原子力の比率が非常に高く評価されており、特に2020年に新しい原発を9基、30年に14基、稼働率も90%という極めて高い稼働率の中で、逆に天然ガスのシェアは減っていく状態にあるためと思っております。日本は地震国ですので、ひとたび大きな地震がありますと、このような高稼働率が実現できないのではないか。そうすると、どういう形でエネルギーセキュリティを図るかといいますと、環境問題を重視すれば、環境に優しい天然ガスが、最も貢献できるエネルギーとしてその役割を担っていくのではないかと思っております。

    そうした事態も想定しますと、エネルギー基本計画の見直しに書かれているガス供給のネットワークの強化、特に広域パイプラインの投資インセンティブについては、今は十分に整備されていない状況と私どもは認識しております。また、託送供給制度の改善等についてもまだ第三者利用が十分に促進されていない状況にございます。こうした中で、パイプライン整備等についてもう少し基本的な視点から抜本的に見直しをしませんと、2020年、30年において、本日資料に記述されているような天然ガス比率の増大とか、コジェネレーションの地方における普及促進といった事項が図られないのではないかと思っております。是非、この辺の視点について掘り下げた議論をお願いしたいと思っています。

    以上です。

  • 柏木座長

    ありがとうございました。今順番を申し上げましたけれども、私失念していまして、3時以降会議等がおありになる方がいらっしゃいましたら、優先的にご発言いただければと思いますけれども、大丈夫でしょうか。もし時間が迫ってまいりましたら、適宜挙手をお願いします。

    それでは続きまして、大井委員どうぞ。

  • 大井委員

    昭和電工の大井でございます。私はこの会議が初めてですので、自己紹介させていただいて。エネルギー多消費型の業種の一つでございます化学産業に従事している立場から、低炭素社会づくりを目指して我々自身も現在種々の活動をしておりますので、その活動の中で、最終的に行き着くのが天然ガスじゃないのかなという立場で、若干コメントだけさせていただきたいと思っています。

    まず、先ほどいろいろプレゼンテーションをいただきまして、長期需給バランスについて非常によく理解できておりまして、我々は長期的、安定的にサステナブルグロースをするために供給ができるかというのが一番心配だったんですが、今日のプレゼンテーションの中でこれは問題がなく、特に最近アメリカ等もシェールガス等新しいエネルギーが出てきまして、そういう分類も含めて十分にあるということで、これについては非常に安心しております。

    我々は、低炭素社会をつくるためにいろいろなことをやっているわけでございますけれども、大きく3つございまして、第1点が省エネルギーということで、個別機の省エネルギーから、工場全体のエネルギーバランス、エネルギー効率をどうしたら高められるかということ、また、先ほど出てきましたようにコジェネの展開、さらには未利用の低温の排ガスを徹底的に利用していくことを省エネルギーとして現在やりつつあり、なおかつやり尽くしたかなということ。

    さらには、社会全体として見た場合の炭酸ガス抑制の問題ということで、我々は今廃プラスチックの化学原料としてのケミカルリサイクルをやっているわけですけれども、一部これを燃やして炭酸ガスを排出するのを、我々はそれを原料として取り込んで、なおかつ炭酸ガスを有効利用するということで、そういう環境のリサイクル型の社会を目指して、いろいろな施策をやっているということ。さらには、先ほど水素エネルギー社会の構築もあったんですが、それとあわせて炭酸ガスを有効利用して化学原料に転換するということを、いろいろ化学会社としてはやっている最中でございます。

    ただ、省エネは絞れば絞るほど幾らでも出てくるという話があるんですけれども、既に限界に達してきたかなということで、今後は、発生した後の対策、物をつくった後にこれを減らすことを考えようだとか、もう少しこれを削減しようということだけじゃなくて、発生源対策ということで、発生させることを減らしていかなければ、2030年、2050年の目標は達成できないんじゃないのかなと考えております。

    そういった意味で、低炭素社会の構築のポイントとなるのは、原燃料の天然ガスへの転換を検討いたしまして、そのための社会的なインフラの問題等もあわせて解決することが必要じゃないかなと、ユーザー側は常日ごろ思っているわけでございます。インフラの問題等も、我々はいろいろなところに工場がございますが、川崎の場合には導管が走っておりまして即天然ガスが導入できたんですが、大町工場の場合には長野の山の中にございまして、そこにどうやって天然ガスを持っていくかということで、今回ローリーで持っていきますが、ローリーで持っていってもエネルギーの問題、地球環境に貢献するという意味で役立つ、あるいは十分資本の論理に乗っかるんじゃないかなと思っておりますので、その辺を今後展開するためには、どうすればいいかということもぜひ考えさせていただければと思っております。

    そういった意味で、エネルギー多消費でございます化学産業に従事している立場から、これからいろいろなご意見を聞きながら、それに対してユーザーとしての立場ではどういうことが必要かということを、ぜひ提言させていただければと思っています。

    また、先ほど水素エネルギー社会の構築というお話がございましたけれども、当社は日本で一番の水素製造設備を持っている会社でございますので、水素エネルギー社会についても水素自動車の話等いろいろ考えることがございますので、その辺についてもいろいろと意見を提言させていただければと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。

  • 柏木座長

    どうもありがとうございました。小山さんは、もし資料4-1でコメントがあれば、一言だけいただければと。いいですか。

  • 小山委員

    もし最後に時間があれば。

  • 柏木座長

    わかりました。ありがとうございます。それじゃあ、酒井さんどうぞ。

  • 酒井委員

    大阪ガスの酒井でございます。先ほどから話が何回も出ておりますけれども、今般閣議決定されましたエネルギー基本計画におきまして、今後低炭素社会の早期実現に向けて天然ガスが重要なエネルギーであると記載いただいております。昨年のあり方研究会には、当社からは前任の樋口が委員として出席させていただき、低炭素社会の構築のためには、需要家サイドから見て、電気のみならず熱の省エネ、あるいは省CO2が非常に重要であり、そういう意味で天然ガスが非常に重要な役割を果たすと申し上げさせていただきました。今回、エネルギー基本計画に記載いただきましたのは、こうした趣旨を織り込んでいただいたものと認識しており、大変感謝いたしております。

    需要家サイドという視点から、私からは天然ガスへの燃料転換、高度利用と、コジェネレーションの2点について申し上げさせていただきたいと思います。まず、燃料転換、あるいは天然ガスの高度利用ということについてですけれども、当社ではかねてから燃料転換、あるいは先ほどから話がありました高性能バーナー、工業炉についていろいろ研究し、ノウハウを蓄積しておりまして、近年加速度的に産業用の天然ガスの活用を進めてまいっております。特に工業炉などについては、それぞれのお客様で工場の状況が違い、1品1品生産過程が違うため、オーダーメードで提案を行っております。

    しかしながら、現時点では全国的に見ますと、1次エネルギーに占める天然ガスの割合は10%に過ぎず、また今申しました天然ガスの高度利用に資することができる高性能の工業炉におきましては、全国の工業炉の中で高性能の工業炉は現在まだ3%という非常に低い比率になっております。これは、例えば中小規模の需要家様の場合、資金面等の課題がありまして燃料転換そのものもがなかなかやりにくい。燃料転換をするとしても、工業炉を触っていろいろ製造設備を変えることは、非常にハードルが高いということが理由のひとつになっております。

    先ほど髙橋委員のプレゼンの中にもありましたように、燃料転換をして高効率の工業炉に変えますと、50%以上のCO2の削減が可能であり、そういう意味で、燃料転換、高効率利用のCO2削減のポテンシャルは非常に高いと認識しております。あわせて、CO2を1トン削減するのに幾らかかるかという費用対効果を考えた場合、燃料転換、高度利用については1トン当たり二、三千円という、相対的に低いコストでCO2の削減が可能となっています。

    先ほどからお話がありますパイプラインの整備と、需要家の燃料転換、あるいは高度利用の2つがセットになって、CO2の削減が進んでいくものと思っておりますので、これらを推進するための、規制緩和、支援策をパッケージでぜひご検討いただきたいと思っております。

    2点目のコジェネレーションにつきましては、熱と電気の両方の需要があるときに、非常に大きな省エネ、省CO2効果がございまして、システムの導入も着実に進んでおります。2020年という切り口で見ますと、CO2の削減ポテンシャルは約1,300万トンと見込んでおりまして、脚光を浴びております太陽光発電が削減ポテンシャルとしては1,600万トンですので、ほぼ同じレベルの削減ポテンシャルを持っております。

    先ほども申しましたように、1トン削減するのにどれだけコストがかかるかということから見ますと、太陽光の場合は三、四万円というレベルで、もちろんこれは下がっていくわけですけれども、ただ、コジェネの場合はこれの10分の1ということで、相対的に安価な削減コストでございます。こうした点から、ヨーロッパ等ではCHP指令のもとでコジェネの導入の支援法の整備、初期投資の支援、全量買い取りの対象化等、国によって違いますが、さまざまな施策がとられております。

    また、視点を変えて将来を見ますと、スマートコミュニティ、あるいはスマートエネルギーネットワークということを考えた場合、コジェネがネットワークの中核的な技術になると思いますので、この辺は実証も進めておりますけれども、そういうことを推進していく必要があると認識しております。

    ただ、天然ガスコジェネも燃料価格が高騰しますと経済性が低下します。特に近年の燃料価格の乱高下で、短期的な視点で見ますとなかなか導入が進みにくいというところがございますので、先ほど申しましたように、いろいろな支援策、法の整備、都市部での検討の義務化等の制度設計をあり方検討会や今後設置されるワーキング等で深掘りして議論させていただけたらと思ってございます。いずれにしても、限られた財政の中で削減量、ポテンシャル、コストという両面から、優先的に取り組む課題を検討させていただけたらと思ってございます。

    長くなりまして申しわけありません。以上でございます。

  • 柏木座長

    ありがとうございました。崎田委員どうぞ。

    このままいくと3時には(沈黙)私の委員会はだいたい延びるんですよね。申しわけないんですけれども、少し短目によろしくお願いします。

  • 崎田委員

    ありがとうございます。私は、この前の低炭素社会におけるガス事業のあり方に関する研究会と、エネルギー基本計画の見直しの両方に参加させていただいておりました。それで、今後の展開としてゼロエミッション電源が大変重要だということで、再生可能エネルギーや原子力の安定的な利用ということを随分考えてきたんですけれども、基本となる化石燃料に関して効率的にしっかり使うというのは、日本の安定的な運営にとって重要な問題ですので、今回こういう委員会が開催されて、また参加することができて大変うれしいと思っております。

    それで、私自身は個人ユーザーであり、そういう生活者の視点で取材している立場から発言させていただきたいと思っておりますが、もう一つ、環境学習センターを運営するNGOや、全国で地域環境活動を広げるさまざまなNGOを応援する全国ネットを運営しておりますので、そういう視点からも発言をしていきたいと思っています。

    先ほど来のいろいろなご発表を伺って、今回産業転換というのが大変大きな話題になっていると感じます。産業転換と伺うと、一般論で考えてもかなり強力なコーディネーション力と資金が必要だと思いますので、今後ガス事業者さん単体なのか、少し広い視点で事業者さんと連携するのか、いろいろな方法を検討していただき、強いコーディネーション力を持って、産業界ときちんと連携していくという体制を整備していただくとうれしいと感じました。

    それと、もう一つは資金のことなんですが、単なる支援策だけではなくて、今、例えば国内排出量取引制度の検討なども始まっておりますので、取引制度とか環境税のような中でこういう取り組みをどう位置づけてプラスにしていくのか、経済的に回る手法をどう早目に導入して、そこに位置づけていくのかというのも大変重要なところではないかと感じました。

    短くします。すいません。

  • 柏木座長

    いやいや、いいですよ。非常に重要なポイントですよね。

  • 崎田委員

    あと、再生可能エネルギーの導入拡大というのも、私自身大変強く思って発言してきた部分ではあります。それで、実は国土交通省の下水道の委員会などにもかなり出させていただいており、あちらも、今後温暖化対策で下水道を施設改修するとか整備するというのが非常に大きな課題になっております。その際、自治体の担当部署だけではなくてエネルギー関係の部署ときちんと連携して、どうやって地域の中で総合化して新しい再生可能エネルギーをきちんと生み出していくのかという、長期的な視点で地域計画をつくっていくことが大変重要になっております。地域でバイオガスを利用するのが大切だということは盛んに言われてきておりますので、それを導入するために例えば都市づくりとか都市再生に向けてどういう連携をとっていくのか、ガイドラインづくりをするとか、先進的なモデル事業を幾つか明確につくっていくという力強い動きを推進していくのが、今回とても重要なのではないかなと感じました。

    最後に、消費者にかかわるところなんですけれども、今回書資料の中にもエネルギーソリューションサービスとか、供給だけではない需要側のこともちゃんとアドバイスできる、新しい総合エネルギー産業になっていくような宣言がありまして、私は大変すばらしいと思っております。特に民生業務部門は大変重要なところですし、家庭の中のエネルギー活用に関してもきちんとアドバイスしていただける、きめ細かい目を持った新しい総合エネルギー産業を興していただくと、大変うれしいと思っています。

    最後に、国民のコスト負担というのがきっと大事な視点になってくると思います。天然ガスが非常に高くなっているのにガス料金が上がっていないというグラフを、さっきエネ庁の資料で拝見いたしましたけれども、これからの時代、ほんとうに必要なものはきちんと説明していただいて、国民が払わなければいけないという時代だと思っております。ただ、そこをきちんと説明して、みんなが納得するというところに持っていっていただくためにも、こういう課題の委員会が立ち上がって検討していることを早目に発信するとか、情報発信、コミュニケーション、環境エネルギー教育でのきちんとした情報提供を今以上に一層頑張っていっていただきたいという感じがいたしました。よろしくお願いいたします。

  • 柏木座長

    どうもありがとうございました。コーディネーション力というのは、どこかでやらなきゃいけないですね。

  • 米田ガス市場整備課長

    重要ですね。

  • 柏木座長

    ワーキングで、少し資金力とか考えて。

  • 米田ガス市場整備課長

    はい。

  • 柏木座長

    続きまして、佐々木委員どうぞ。

  • 佐々木委員

    ありがとうございます。住宅生産団体連合会の佐々木でございます。私も去年から参加させていただきまして、大変有意義な議論に参加できたことを大変うれしく思っております。ありがとうございます。

    今までのお話を伺いまして、特に今崎田委員からもご指摘がございましたけれども、民生部門の中で住宅産業のこういう分野での役割は、非常に大きくなっていくと改めて思った次第でございます。今柏木先生や村上先生、中上先生もお入りになって国交省、経産省、環境省で今後の住宅のあり方についての検討会が開かれておるんですけれども、その中で今後の住宅を考えていくときに、今まで例えば住宅の省エネルギーということを議論するときに、住宅分野では特に建物の躯体の断熱構造化に取り組んできた。それについて、今後設備も一体として考えていかなければいけないということが大きな流れであろうと思います。その際に、前回の研究会で私どもの樋口会長からも、創エネ、省エネ、畜エネという3つのセットの一体化が必要であるという指摘がございました。

    それから、今日もいろいろご指摘がありました例えばスマートグリッドの問題とかに取り組んでいく上でも、住宅分野での新しい取り組みが非常に重要になってくる。今までの延長ではない、新しい技術の開発が求められていくのであろうと思いますし、例えば先ほどのエネルギーソリューションサービスも含めて、住宅分野でも新しい産業像がこういった中から描けていく可能性があるのではないかと、私自身は思っているところでございます。

    そういう中で、住宅産業の一つの大きな特徴ということで申し上げさせていただくと、先ほどガス事業者について中小事業者が多いというご指摘がありましたけれども、住宅産業は実はもっと中小事業者が多い。万にのぼる事業者がいて、そういうところで技術展開をしていくのは非常にハードルが高いということは、既にご指摘されているところであります。そういったところについてどのように取り組んでいくのか。

    それからもう一つは、今崎田委員からもご指摘がありましたけれども、消費者への普及ということをどのように展開していくのか。ある意味では、消費者の側から押していけば中小事業者の対応も進んでいく。両方からやっていかないと、多分だめだろうと思います。そういったことについて、これまでの延長ではない新しいブレークスルーがぜひ必要であろうと考えております。

    それからもう一点、既存住宅の問題、特に住宅の設備については、長く使われる場合には10年単位で使われるという性格のものでございますので、どういう展開を図っていくのか、どう置きかえていくのかという、ある意味では非常にモーメントの大きいところを変えなければいけませんので、そういったテーマについても検討していくことが必要ではないかと思っております。

    以上でございます。ありがとうございます。

  • 柏木座長

    ありがとうございました。ストックの問題と成長戦略ですよね。嶋津委員どうぞ。

  • 嶋津委員

    私はあまりよくわからないものですから、意見というか疑問というか、2点ばかり述べさせていただきたいんですけれども、1点は、私もさっき石井さんがおっしゃったことと似たような感想を持っていまして、要するに、エネルギー基本計画で2030年を目指して1次エネルギーの中のガスの使用量を減らしていくという絵姿を描いているんですが、一方、さっきの小山さんのレクチャーの中でIEAの世界のガス需要見通しのグラフが出てきましたけれども、世界的にはガスの需要は増えていくという絵姿をIEAなんかは描いているわけですよね。

    それで、日本の場合は発電部門の非化石燃料を7割という目標があるので、そっちのほうで減らしていくので、こちらのガス事業者が担当する産業部門なり民生事業部門は増えていくんだからいいんだという考え方もあるかもしれませんけれども、一方で、今後の課題として、ガスインフラというんでしょうか、導管網を日本列島の中にもっと張りめぐらしていかなきゃいけないんじゃないかとか、都市のコジェネを進めていくという意味では、都市計画みたいな相当息の長い、今後長期間にわたって使用していくことを前提に計画を立てていくことに取り組んでいく上で、2030年に7割非化石燃料を入れていくというのは、2050年のCO28割削減が、国是なのか知りませんが、ああいう大前提があるために、結局ああいう絵姿を描かざるを得なかったんだろうと思うんですけれども、そういう理想を掲げるのは悪いことではないかもしれませんが、そのために足元といいますか、エネルギー安全保障というんでしょうか、その辺を危うくするようなことがあってはいけないのではないかなと。2030年に向けては、天然ガスというのはどう考えても使用量が世界的にも日本でも増えていくと考えるほうが、リアリティーがあるんじゃないかなと私は思うんですけれども、もしどなたかご意見があったらお願いします。

    それからもう一点は、小山さんにもご意見を伺いたいんですけれども、産業用のエネルギー転換を進めていく上でも、ガスの価格が日本国内である程度安くなければいけないと思うんです。供給サイドで言うと、非在来型のシェールガスみたいなものが出てきて、アメリカ国内では天然ガスの価格がかなり下がっているというか、一時期のように高くなくなってきていますよね。石油とのリンクが外れたような感じになってきているんですけれども、日本の場合は結局LNGで持って来ざるを得ないわけですから。

    そうすると、LNGの価格にどういう影響があるのか。パイプラインで持ってくるガス価格は非在来型が供給されるようになってきて比較的安くなってきて、LNGはそうじゃないという二重価格みたいなものになっていくのか、それともLNGもさや寄せされていくのか。それから、非在来型が増えていくことによって、LNGの開発が今後抑制されるというか、開発がなかなか進まないという影響が出てくるおそれはないのかということがよくわからないんですけれども、もしお考えがあったら教えていただきたいと思います。

  • 柏木座長

    ありがとうございました。じゃあ、最後にお願いします。髙橋さんはパスして、中上委員どうぞ。

  • 中上委員

    エネルギー基本計画の1回目の委員会では、天然ガスはブリッジエナジーと出てきまして、ど肝を抜かれたわけでありますが、終わってみれば天然ガスシフトとなったわけですから、今日の会合にとってはご同慶の至りでありますけれども、それほど過激なことに取り組まなきゃいけないというので、低炭素社会をどう考えるべきだろうか。低炭素というんだから、炭素があってもいいという話なんだろうと思いながらお聞きしていたわけでありますけれども、そういう意味で、これから例えば技術開発でどのぐらいガスのほうで可能性があるのかといった資料を少し出していただきたい。今までのそういう資料の出方は、対抗するエネルギーがあって、それに対してという話になるわけですが、ガスで純粋にやっていくとどれだけできるという話を虚心坦懐に伺ってみたいというのが1つです。

    それから、そういう意味では、エネルギー産業間の協調というのが随分昔、1980年代ごろにあったわけでありますけれども、現在は競争の時代になっているわけですが、競争が決して悪いとは言いませんけれども、協調すべきところもあると思いますので、電ガ部長もお出になっていらっしゃいますから、ガスの話を片方に考えながら、電力、ほかの競合するエネルギーがどうなのかという情報も一緒にかみくだいてやっておかないと、ひとりよがりになってしまう。

    専門家ですからそんなことはないと思いますけれども、そういう意味からすると、競争で何がよかったかというのは、時間もないのに余分な話をしますが、IHコンロが出てきたおかげでガスも非常にスマートできれいなコンロができたわけでありまして、聞くところによると、ガスコンロは四、五万で買えたものが、IHが出た途端にけたが違っても売れるというのがわかったものだから、非常にいい開発ができたと伺いましたので、私は競争はいいことだと思っておりますので、競争もそういうふうに展開していただきたいと思います。

    さはさりとて、あるところで申し上げましたけれども、理念の上では低炭素だからいいとか効率がいいという話は、こういう場所ではまかり通るかもしれませんが、最終的にユーザーは安くて便利で安心、安全なものを使いたいというところで判断するわけでありますから、そこに軸足を必ず置いた上で話をしておかないと、議論が浮いてしまうということになると思います。

    そういった意味からすると、海外展開につきましてもつらつら考えてみますと、日本が通ってきた道と同じような道を今各国がとられているわけでありますから、電力の需要はガスの需要なんかに比べてはるかに深刻な話題でありまして、電源立地が全然間に合わないというわけであります。特にアジアには暑い地域がいっぱいあるわけでありまして、夏場どうするかというと、ピークが上がるだけなんですけれども、ここに我々が通ってきたガス冷房をもっと入れて入れるという話があっていいと思いますが、そういう形での海外展開にはならなくて、最新技術を持ち込む話になるわけですが、決してそうではないわけでして、もう少し我々が通ってきた道を考えながら、海外展開についてもやっていただければと。この話は、今回の議論には出てこないかもしれませんが、ぜひガス業界の方に考えていただきたいと思います。

    いろいろありますけれども、時間がないのでこれぐらいにしておきます。またいずれ。

  • 柏木座長

    わかりました。国際展開は、この中に入れるような形にしなきゃいけないですね。

  • 米田ガス市場整備課長

    考えております。一応事業展開ということで、資料4-1には書いております。

  • 柏木座長

    わかりました。永田委員どうぞ。

  • 永田委員

    永田でございます。あり方研究会、あり方検討会の会議に出させていただきますと、日本だけじゃなくて世界のエネルギーの動きみたいな情報をいろいろ提供していただきまして、非常に勉強になっていることをありがたく思っております。

    私も、エネルギーの基本計画について読みましたけれども、最後のほうに消費者とか国民という形で出てはまいりますが、スマートグリッドとかスマートコミュニティの構築というのは、将来展望としては非常にいいと思うんですけれども、地域に合った施策をとっていただくためには、国、地方公共団体、地域の人、一般の消費者との協働が必要で、都市計画を組むときには、いろいろ意見を出し合ってつくり上げていってもらいたいと思います。

    こういう大きな施策を打つときに、消費者の理解があって社会システムや設備をよくしたり、高効率化したりするのはいいんですけれども、消費者の理解が追いついていないというところが問題じゃないかと思うんです。ですから、太陽光発電は売電もできるしいいということで非常にブームを呼びました。しかし、載せる工事がずさんだったために機能しないで、消費者相談の窓口には苦情が殺到したという現状もあるわけですし、こういったものについては、消費者への説明責任、情報提供をしっかりやっていただきたいというところを切にお願いしたいと思っております。

    今日はこのぐらいで。

  • 柏木座長

    どうもありがとうございました。そろそろ3時になりまして、15分ぐらい経過する可能性がありますが、もし今お残りになったご四方で優先的にという方がいらっしゃいましたら、挙手をいただければ。よろしいでしょうか。私のやつは大体延びるものですから、お許しいただければと思います。野口委員どうぞ。

  • 野口委員

    茨城県の野口でございます。昨年の研究会におきましては、地方自治体におきましても、産業振興の上からも環境対策という面でも、天然ガスの利用可能性を高めることは非常に重要になっていると申し上げまして、パイプラインの整備等についてインセンティブとか考えられないかという発言もさせていただいたわけです。今回のエネルギー基本計画に、導管網等に係る投資インセンティブの付与ということが書かれたのは、大変意義の大きいことじゃないかなと思っております。

    茨城県におきましては、東京ガスさんが昨年暮れに、日立の基地及びパイプラインの建設につきまして、可能であれば当初より前倒しして進めたいということを決定、発表されたわけでございまして、県としても大変ありがたいと思っておりまして、いろいろ連携、協力をさせていただいております。

    そういう中で、具体的な課題も浮上してきております。パイプラインの整備についてなんですけれども、私どものほうでは、これは公益性の高いもので、地元の自治体等の協力を得る上でさほど問題はないのかなと思っておりましたが、必ずしもそうではないということでございまして、特に広域的なネットワークでありますので、必ずしもそこの地域にはメリットがすぐにはない。例えば、産業需要といっても利用する企業さんがない、それから、家庭の需要を考えると当面の間ないという地域についても、パイプラインの合理的なルートを考えたときには通さなくちゃならないということがあります。

    そういう地元自治体からすると、自分たちにとっては基本的にはメリットがないところでパイプラインが通る。その工事をするためには、渋滞等の問題も起きるでしょう。それから、住民からすると、これも大きな問題なんですが、実は天然ガスは危ないんじゃないかという意識を持っている方が、特に普及していない地域にはまだまだ多くいらっしゃいまして、そういう方が多い中では、パイプラインの整備についての抵抗感もまだあるのが現状だということがわかってまいりました。

    それを考えますと、1つには、短期的なメリットがすぐない自治体にもパイプラインの整備のためには通さなくちゃいけない。その場合に、そういう自治体に対して何らかのメリットを付与することができないかというのは、検討課題になってくるんじゃないかと思っております。茨城県の場合、電力の供給については原子力、火力、水力も発電所があるということで、電源交付金をいただいている自治体もたくさんございます。公益性が高くて、直接的にはメリットが限られるときには、交付金みたいなこともかなり意味のあることではないかなと思っておりまして、天然ガスにつきましてもそのような検討ができないだろうかというのが1つでございます。

    もう一つは、先ほど申し上げました、安全性についてもっとご理解をいただくための方策ということも、検討の必要があるんじゃないかなと思っております。今日はそこまでにしておきます。

  • 柏木座長

    わかりました。インフラ整備と自治体インセンティブをどうするか。

  • 米田ガス市場整備課長

    はい。

  • 柏木座長

    広瀬委員、どうぞ。

  • 広瀬委員

    東京ガスの広瀬でございます。昨年までは前田が委員として参加させていただきましたけれども、今回から私が参加させていただきます。よろしくお願いいたします。

    今回閣議決定されましたエネルギー基本計画の中に、天然ガスシフトという言葉がうたわれているわけでありますけれども、天然ガスシフトを推進していかなければいけない立場として、そこにうたわれたということは大変有り難いのですが、一方では、大変な、重大な責任というか、そういう役割を担ったという認識をしております。我々も、天然ガスシフトを推進するということで、これまで以上に努力していかなければいけないという決意も新たにしておるところでございます。

    それから、あわせまして成長戦略についてでありますけれども、皆さんいろいろな方からお話がありますが、今回の成長戦略につきましては、タイミングといい内容といい、若干私の個人的な話も含めてなんですけれども、極めていい戦略ではないかと非常に評価しているところであります。特に最近はエネルギー・環境政策と成長戦略は不離一体で、日本の環境技術を使ったグリーンイノベーションによって日本経済を復活させようという認識については、まさにそれがこれからの鍵を握るのではないかと認識しているところであります。今回の委員会でも、産業構造の変化を踏まえて、そういった視点も含めて検討していただけるということは、非常に時宜を得た取り組みなのではないかと考えております。

    いずれにしても、エネルギー基本計画、あるいは成長戦略をこれから推進していくためには、ベースとしては我々民間企業がまず汗をかく、努力するということが重要でありますけれども、あわせて官民一体となった取り組みが必要なのではないかなと。特に規制緩和、あるいは場合によっては一部規制強化もしなくてはいけない部分も出てきますし、税とか財政も含めた政策パッケージとしてぜひこの検討会で検討していただければ、非常にありがたいと考えております。

    もう一つ、先ほど日本ガス協会の髙橋委員から少しお話がありましたけれども、会社として東京ガスの取り組みを簡単に3点ほどご報告させていただきたいと思います。1つは、インフラの整備であります。これは、既に野口委員からお話がありましたけれども、私どもは今茨城県の鹿島に向けてパイプラインを建設中であります。あわせて、日立市に4番目になるLNG基地を建設しているのですけれども、当初は2017年度の運転開始を目指しておりましたが、天然ガスに対するニーズが非常に高まってきましたので、今回それを2年前倒しして、2015年の運転開始を目指して現在努力しているところであります。ただ、今お話がありましたように、やっていくと、非常に細かい話も含めていろいろな課題を改めて認識したというところでございます。

    それから、大井委員からお話がありましたけれども、パイプラインはなかなか時間がかかりますから、それまでのニーズに対応するために、LNGローリーにもあわせて取り組んでいかなくてはならないということで、パイプラインの建設、あるいはローリーの対応を一体的に進めているわけであります。ただ、その中で、非常に大きな投資が必要であり、事業者だけではなくてお客様自身も大きな投資になるわけですから、双方にとってそういったものが促進できるようなインセンティブもぜひ検討していただきたいと思いますし、建設コストとか建設期間をなるべく短くできるインセンティブもセット、政策パッケージとして議論していただければ非常にありがたいと考えております。

    それから、2つ目に、事業者連携について今回取り組むというお話でありましたけれども、ガス業界としては、特にIGF21計画で中小事業者さんの熱量変更の支援ですとか、産業分野については非常に大規模な計画になりますから、エンジニアリング技術の支援は既にしているところでありますが、あわせて供給面でも原料の支援を実際に今行っております。東京ガスの例でいきますと、関東周辺の二十数社のお客様に対して、17億立方という東京ガス全体の十数%のガスが卸事業者さんに供給されているという面では、事業者間の連携は相当進んでいるのではないかなと考えております。したがって、これからもいろいろな検討があろうかと思いますけれども、事業者連携につきましては、おおよそ実態の中で進んでいるということもぜひご理解いただきたいと考えております。

    最後に、海外展開でありますけれども、先ほど中上先生からもお話がありましたが、我々もそういった検討、あるいは取り組みをしておりますけれども、何といいましても海外というのは事業リスクが非常に大きいわけですから、事業リスクをどう見るか。それから、海外事業だけではなかなか採算がとれませんから、海外事業と国内事業のシナジーをどう見るかといった幅広い視点で海外展開を考えていかなければ、そう簡単にできるものではないと認識しております。いずれにしても、これからワーキンググループの中でもっと細かい実態等をご報告させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

  • 柏木座長

    最初まとめようかと思ったけれども、おかげでまとめてもらったみたいでよかったです。あと、大切なお二人が最後に。松橋先生と村上先生、よろしくお願いします。

  • 松橋委員

    もうまとまったようですので、瑣末なところを3点だけ挙げさせていただきます。

    天然ガスシフトという中にCO2削減の価値化というお話があって、国内クレジットの話が出たんですけれども、私もその草創期からずっとやってまいりまして、まさに天然ガスのシフトに関して、国内クレジットは創成してまだ1年半ぐらいなんですが、今400件以上の案件ができて、申請ベースで第1約束期間内で100万トンをちょっと超えるぐらいのレベルになっております。

    その中で一番大きいのがボイラーの燃料転換ということで、天然ガスへの燃料転換、それから一部ペレットなんかのバイオマスへの燃料転換が、案件の数から言っても量から言っても非常に多くなっております。ですので、ぜひこれを進めていただくことは、天然ガスシフトという意味からも合致するんだろうと思います。一方、さっき電気とガスのお話があったんですが、ヒートポンプの拡大ということで、電気事業も共同実施者としてかなり国内クレジットに参加されております。

    とりあえず京都議定書の第1約束期間が当初の目標期間だったんですが、案件を見ておりますと、国内における技術とかノウハウの普及と環境と経済の両立ということで、広い意味での低炭素社会、経済基盤を強化していく中での低炭素社会の構築に非常に地道に役立っていますので、第1約束期間というよりは、それを超えて継続していただけるように行政の方にはぜひ検討を強くお願いする次第です。

    それとともに、ガス事業者さんにはぜひ国内クレジットに強くご参画いただいて、言われております天然ガスへのシフト、さっきご紹介のあった工業炉の効率化といった案件はまだ少ないので、ぜひそれをガス事業としても推進していただく。そういうことが、電気とガスがいい意味で競争しながら低炭素化を進めていく上で、非常に大きな力となると考えておりますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

    それから、2点目でございますが、再生可能エネルギーの導入拡大ということで、今後ダブル発電とか太陽熱とガス熱の供給のハイブリッドが出てきて、ゼロエネルギーハウスとかに貢献していくんだろうと思っております。その中で、既に検討されておることとは思いますが、M 3の計測ではなくて、当然太陽熱とガス熱であれば熱量で計測しないと、M 3の販売はむしろそういう形ですと減っていく。しかし、エネルギーサービスとしては増えていく。

    総合エネルギーサービスということにほんとうに生まれ変わっていく中では、まさにそこがそういうところだと思っておりますし、さらに言うと、太陽光なんかが拡大していく中で、系統の無効電力の制御とかにも分散電源を使っていくといった研究もされておるようでございますので、そういったものも考慮して、M 3を増やしていくというよりはトータルでのエネルギーサービスの質と量を増やしていく。それを計測できるようなメーター。スマートメーターというと主に電気のほうだと思いますが、今後ガスのほうのスマートメーターの検討がさらに進んでいくことを非常に期待しております。

    最後に、ガス協会さんの中には水素エネルギー社会の構築というものがあって、その中には、戦略(1)、(2)、(3)と具体的なステップが検討されているわけでございますが、今回の事務局といいますか、経産省の資料の中には水素ということが全く出ておらなくて、2030年までは大きなエネルギー源にはならないのかもしれませんが、さっきお話があったエネルギー基本計画の中で、電気のほうは2030年にゼロエミッション電源が7割になっている。

    そういうことを考えると、抜本的な低炭素化、エネルギーセキュリティも含めて計画されている基本計画ですから、その中で電気がそうなっていくということは、ガスのほうも抜本的に進めていく上では、水素とかバイオメタンをどう取り込んでいくかということは重要な検討課題だろうと思っておりまして、検討課題の中のどこかに入っていないと、行政がやらないと民間だけではこういった思い切ったエネルギーシステムはできないと思いますので、ぜひ入れていただければと思います。

    以上です。

  • 柏木座長

    ありがとうございました。これ、水素は入ってないんですか。

  • 米田ガス市場整備課長

    ご相談させてください。

  • 柏木座長

    わかりました。大変いいポイントをいただきました。村上先生、最後になりまして大変申しわけありません。

  • 村上委員

    いいえ、とんでもございません。座長から、資料4-1の「今後の検討課題(案)」についていろいろ意見をいただきたいということがございましたので、これに基づいて簡単にお話しします。

    1番に「天然ガス燃料転換・高度利用」ということで、これはエネルギー基本計画に尽きているかと思いますけれども、再生可能エネルギー、原子力、あるいは化石燃料のベストミックスということは、多分短期、中期、長期で変わってくると思うんでございますが、それをきちんと把握していただきたい。

    そのときに、国としての判断とユーザーとしての判断は必ずしも一致しないと思うんでございますけれども、まず国としてどうあるべきかと。これは、セキュリティということでございます。そういったことを明確におっしゃっていただきたい。例えばドイツなんかは再生可能エネルギー先進国ですけれども、石炭産業を十分残して、将来でも石炭エネルギーを随分使うことになっております。そういうきちっとしたセキュリティの問題の把握は必要かと思います。それから、ユーザーに関しては、エネルギーサービスの多様性を将来とも確保していただきたいと思います。

    それから、2番目の「ガスの供給インフラ整備」というところでございますが、幾つかご意見が出ましたけれども、どうやって費用負担の社会的合意を得るかということはきちんと明確にしていただきたい。これは、前回のこの会議でも出たかと思います。その際、単純な経済性評価だけじゃなくて、インフラ整備には社会的便益、あるいはユーザーの便益があるわけでございます。そういう幅広い便益を踏まえた検討が必要ではないかと思います。

    それから、3番目の「産業構造の変化を踏まえた課題」ということで、皆さんおっしゃいましたけれども、成長戦略の中で産業政策として位置づけていただきたいと思います。それで、海外の話も幾つか出ましたけれども、ガスだけでいくというのは当然難しいわけですから、エネルギーインフラ、水インフラ、情報インフラと連携してやるわけで、そういう意味では、それは今経産省が別途やっています、スマートグリッドの委員会なんかで、例えば水素の実証実験をやっておりますし、大いに参考になるんじゃないかと思います。

    それから、インフラと同時に機器の開発です。インフラと同時に、燃料電池とか高効率の給湯機器といった機器産業をセットにした産業政策をお考えいただくとありがたい。

    以上でございます。

  • 柏木座長

    どうもありがとうございました。ご質問等がありましたし、嶋津さんからエネルギー基本計画の問題、コストの問題等ありましたので、今日は時間の関係がありますから、今日の内容をこれからまとめ直して、次回にそれをお示しするということにさせていただきたいと思います。いずれにしましても、時間軸、あるいは成長戦略、ポリシーミックスなどいろいろな視点がありましたので、今日のをまとめ直して(沈黙)。

  • 米田ガス市場整備課長

    また皆さんに議論していただいて、そこで座長に預かっていただいてセットするという形になろうかと思います。

  • 柏木座長

    そうですね。どうせまた5日にやりますから、比較的短期決戦で2回やりますので、今日の続きをもう一度やるような形になるかもしれません。いずれにしましても、今日は20分も超過しましたが、大変貴重な意見をたくさんいただきましてありがとうございました。一方通行的ですが、今日はここまでにさせていただいて、あと事務局から。

  • 米田ガス市場整備課長

    本当に貴重なご意見をありがとうございました。次回は、今座長からもお話がございましたように、8月5日を予定してございます。ユーザーサイドからの燃料転換、コジェネについての問題点、あるいはインフラについてプレゼンテーションをしていただいて、それをもとに、今日の議論を踏まえて、今日お示しした「今後の検討課題(案)」を少し整理し直してまいりまして、及びその進め方といったこともつけ加えまして、改めて議論していただいてセットしていきたいと考えてございます。

    今日は、貴重なご高説をいただきまして、感謝いたしております。事務局のほうがしゃべり過ぎましたが、座長のリカバーのおかげで何とかちょっとの時間超過で済ませていただきまして、ほんとうにありがとうございました。次回8月5日もよろしくお願いいたします。

  • 柏木座長

    どうもありがとうございました。

―― 了 ――

 
 
最終更新日:2010年10月1日
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