経済産業省
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サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出量算定基準に関する調査・研究会(第2回)‐議事要旨

日時:平成22年8月3日(火)10時~12時
場所:ベルサール九段 ROOM4

出席者

稲津委員、稲葉委員、岩尾委員、笠井委員、柏原委員、工藤委員、上妻委員、斉藤委員、平尾委員、森委員
(出席10名、欠席1名)

議題

  1. 前回議事要旨の確認
  2. GHGプロトコル サプライチェーン・イニシアチブ運営委員会報告
  3. 中国企業のロードテストに関する状況報告
  4. ISO TR 14069の開発動向
  5. スコープ3試算WG中間報告
  6. 今後の本研究会の進め方について

議事概要

  • 議題1. および議題5. ~議題6. につき事務局より、議題2. につき稲葉委員・岩尾委員より、議題3. につき岩尾委員より、議題4. につき工藤委員より説明が行われた。
  • 議題2. について、GHGプロトコル サプライチェーン・イニシアチブ運営委員会の報告が行われた。
  • 議題3. について、中国企業のロードテストに関する状況報告が行われた。
  • 議題4. について、ISO TR 14069の開発動向の報告が行われた。
  • 議題5. について、スコープ3試算WG中間報告が行われた。

(1)GHGプロトコル サプライチェーン・イニシアチブ運営委員会報告

WRIワシントンオフィスで開催されたワークショップを岩尾委員からご報告いただき、オスロで行われたGHGプロトコルサプライチェーン・イニシアチブ運営委員会を稲葉委員からご報告いただいた。なお、イニシアチブ運営委員会ではプロダクトスタンダードとスコープ3の両方について話し合いが行われたため、稲葉委員の報告にはプロダクトスタンダードの議論も含む。
なお、稲葉委員は資料3以外にも口頭で下記の趣旨のご報告をいただいた。

  • 運営委員会のメンバーとなっている専門家はLCAもしくはカーボンフットプリントの専門家であった。
  • 一次データと二次データの定義に関して議論があり、一次データは特定できるプロセスのエネルギー投入量などのデータ、二次データは特定できないプロセスのデータを指す、との整理が行われた。一次データの活動量×排出係数で算出したものは一次データではない、との議論もあった。
  • GHG排出量の報告にあたり一次データとして特定している割合を報告することが、プロダクトスタンダードでもスコープ3でも議論されている。
  • 販売した製品の使用に関するカテゴリはあるが、中間材の使用段階のGHG排出量は考慮されていないため、中間財の加工もスコープ3の算定範囲に入れる、という議論があった。
  • スコープ3での上流と下流の考え方は、企業会計がもとになっており、上流は「お金を払ったもの」、下流は「お金をもらったもの」である。
  • 企業範囲は企業会計がもとになっているため、自分の会社のお金の出し入れがわかるからGHG排出量も100%把握していると考え、上流まで何%くらい把握しているかという議論にはなっていない。
  • 電力や燃焼の排出係数は、ライフサイクルで計算することに運営委員会で決まった。

以下は、稲葉委員、岩尾委員の報告に対する質疑応答である。

  • (Q1)プロダクトスタンダードに関して、ベリフィケーションやアシュアランスはスタンダードから外れていくのか。
  • (A1)運営委員会では議論されなかった。共通認識としてスタンダードは企業が自社の製品について報告するときに守るものという位置づけであるため、アシュアランスは含まれていない。
  • (Q2)フランチャイズの組織について、ある特定の商品やサービスだけが対象となるようにするのか、フランチャイズ全体に適用できるようにするのか。
  • (A2)組織範囲はフランチャイズも含めて自社と考えなければならない。フランチャイズを含められない場合は、自社がフランチャイズから買ったものを把握しなければならない。
  • (Q3)いずれはサプライチェーン全体のうちどのくらいを把握する必要が出てくるのか。
  • (A3)自社の出入りは全て把握し、さらに上流のプロセスを特定していくという規則である。まずは自社を把握し、段階的に上流をたどり、上流全体のうち把握できる分の割合を報告しようという議論がある。
  • (Q4)スコープ3の上流や下流にいくほど、不確実性が高まるが、レポーティングではどのように伝えていくのか。
  • (A4)プロダクトスタンダードでは、主に二次データにおいて、データ品質の5項目をpedigree matrixで評価し、不確実性を報告することになっている。スコープ3でもプロダクトスタンダードを踏襲することになると考えられる。ただし、不確実性の指標がパーセントかはわからない。
  • (Q5)リサイクルの削減効果はどのように評価するのか。
  • (A5)リサイクルによる削減効果の評価方法はスコープ3の対象外であり、議論されていない。スコープ3は排出量を報告するためのもの、との考え方が基本である。
  • (Q6)中間材の販売後の加工によるGHG排出量の報告は中間材だけに適応すると書いてあるが、中間材以外のものには適応されないのか。
  • (A6)中間材は、製品の使用によるGHG排出がないので、加工によるGHG排出量の報告が必要である。ただし、最終製品はカテゴリ14(販売された製品の使用によるGHG排出量)があるので、加工による排出量の報告は不要である。

(2)中国企業のロードテストに関する状況報告

中国企業のロードテストに関する状況を岩尾委員よりご報告いただいた。以下は岩尾委員の報告に対する質疑応答である。

  • (Q7)バックグラウンドプロセスとは何を指しているのか。
  • (A7)資料4に現れるバックグラウンドプロセスとは、フォアグラウンドプロセス以外の資本設備や企業活動(通勤など)を示している。LCAの世界で使われるバックグラウンドデータ、フォアグラウンドデータとはまた異なる意味がこめられているが、ワークショップでは明確な定義づけはされていないため、曖昧である。
  • (Q8)資料4の3ページ、製鉄会社のプレゼンにスコープ3スタンダードの取り組みは、「気候変動情報開示やCSRは主眼ではない」とあるが、何を目的に参加しているのか。
  • (A8)製鉄会社の内部データの評価に重点をおいて参加している。
  • (Q9)資料4の4ページ、「DB、LCAソフトは欧米製が多く、中国の実態と異なる」とあるが、欧米と中国ではどのような違いがあるのか。
  • (A9)中国は様々な場所から物資を持ってきているため、正確なデータ収集が難しいこと、サプライチェーンの構造が違う可能性があることが挙げられる。

(3)ISO TR 14069の開発動向

 ISO TR 14069の開発動向について工藤委員よりご報告いただいた。以下は工藤委員の報告に対する質疑である。

  • (Q10)スコープ3はカテゴリごとにどのように把握するかに注力している。ISO TR 14069はISO14064の補完、延長で、まず組織があり、連結やエグザンプルを設定していくという視点になっているのか。
  • (A10)そうすべきと考えている。まず組織境界を設定して、活動境界を設定していくので、組織境界を決めてからでないと何も行動できない。WBCSDが作成するスコープ3とは将来的にはTR 14069と整合化していく話が出てくると考えられるが、現時点ではWBCSDはコメントは出すものの議論には参加してきていない状態だ。

その他、以下のような議論がなされた。

  • 当初ISO TR 14069は「組織のカーボンフットプリント」という名前で提案されていたが、カーボンフットプリントは上流まで遡及しないといけないため、「組織のカーボンフットプリント」という名前は使用されなくなった。また、ISO TR 14069はISO14064のエグザンプルであるので、ISOではなくTRになった。
  • 組織のLCAについてはSC5の議長提案としてなされたため、次回からはSC5で「組織のLCA」が議論されると思われる。

(4)スコープ3試算WG中間報告

スコープ3試算WG中間報告について事務局より報告した。以下は事務局の報告に対する質疑である。

  • (Q11)試算WGの各社のコメントはどのようにスコープ3基準に反映させるのか。
  • (A11)試算WGの各社コメントの活用方法については、2010年9月のWRI/WBCSD事務局のスコープ3基準に関するパブリックコメント期間にコメントを出し、さらにコメントに賛同いただける企業にも個別にパブリックコメントを出してもらう予定である。

問い合わせ先

産業技術環境局 環境政策課 環境調和産業推進室
電話:03-3501-9271
FAX:03-3501-7697

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最終更新日:2010年12月24日
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