経済産業省
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サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出量算定基準に関する調査・研究会(特別会合)‐議事要旨

日時:平成23年1月27日(木曜日)16時~18時
場所:JAビルカンファレンス3階 301A,B

出席者

出席委員

稲津委員、稲葉委員、岩尾委員、笠井委員、柏原委員、上妻委員、斉藤委員、平尾委員
(出席8名、欠席3名)

特別出席者

Andrea Brown-Smatlan特別委員(WBCSD)、Holly Lahd特別委員(WRI)、和泉特別委員、木村特別委員、野畑特別委員、村上特別委員

議題

  1. GHGプロトコルイニシアチブ(WRI/WBCSD)の取組みについて
  2. 本研究会のこれまでの取組みについて
  3. スコープ3/プロダクト両新基準に関する議論
  4. サプライチェーン/製品ライフサイクルのGHG算定・報告の今後の課題に関する議論

議事概要

  • 1. 議題1. につきWRI/WBCSDよりGHGプロトコルイニシアチブの取組みについて説明が行われた。
  • 2. 議題2. につき事務局より研究会のこれまでの取組みについて説明が行われた。

3. 議題3. について、スコープ3/プロダクト両新基準に関する議論が行われた。

資料の日本語訳について

  • 稲葉委員より、基準の原文ではshallとshouldの違いに注意して書かれているが、資料の日本語訳にはshouldがshallのように訳されている箇所がある、との指摘があった。

基準の発行時期について

  • (Q1)先日のご説明では、基準の発行は夏と聞いていたが、今回の資料では9月となっている。日程変更があったのか。
  • (A1)文書は4~5月に完成する予定である。その後、レイアウトや編集を行うため、基準の正式発表は9月になる予定である。

プログラムデザインガイダンスについて

  • (Q2)資料3スライド22の「プログラムデザインガイダンス」は制度設計を意味しているのか。
  • (A2)WRI/WBCSDのガイダンスに関してはあくまでもプロダクトのレジストリをどうやってまとめるかを考えている。国やステークホルダーのグループ(たとえばCDP)などがプロダクトのレジストリをまとめられるかに関心がある。

byproduct(副生品)の算定例について

  • (Q3)鉄鋼連盟では、鉄鋼生産時のCO2排出量の高炉スラグへの配分はないことを前提としている。これに対して、スコープ3基準のP59のbyproduct(副生品)の算定例では、排出されたCO2を鉄とスラグで経済的な配分を行うことを求めている。この配分方法を適用すると、高炉スラグを原料とする高炉セメントに関るCO2排出量が増大することとなり、結果として高炉スラグのセメント利用を阻害する恐れがある。これはWBCSD/IEAの取組みであるクリンカ/セメント比率の削減(高炉セメント比率の増加)を提案している「Cement Technology Roadmap 2009」とも矛盾している。
  • (A3)他のセメント企業からも同様の意見をいただいており、例には問題点があると認識している。今後、正しい算定例に修正するか、もしくは特定の産業に特化していない別の算定例を入れる予定である。
  • セメント協会から、この質問に関しては鉄鋼連盟と同意見であること、また、加えてco-product(共製品)やbyproduct(副生品)の定義づけを決める場が必要ではないか、との指摘がなされた。

カテゴリ12の「販売された製品の使用」の算定方法について

  • (Q4)カテゴリ12の「販売された製品の使用」の内容が2次ドラフトでは「報告対象年の販売台数×製品寿命全体での使用時排出量」となっている。製品の使用時の排出量の計上の考え方としては「報告対象年の保有台数×報告対象年の使用時排出量」もあり、こちらが適切な場合もある。両方を使用できるようにしてほしい。
  • (A4)「報告対象年の販売台数×製品寿命全体での使用時排出量」に追加して、年次ごとの排出量を詳細に報告することができる。また、スコープ1、2は報告対象年、スコープ3は過去と将来をカバーしている。他に将来をカバーしているものには、カテゴリ13の販売された製品の廃棄後の処理と、カテゴリ11の販売された製品の加工がある。これらは報告対象年の販売台数を用いて算定するため、「報告対象年の保有台数×報告対象年の使用時排出量」の算定方法では整合性が取れないという問題点がある。「報告対象年の保有台数×報告対象年の使用時排出量」によって算定された排出量をオプションとして報告できるようにすべきかは、検討中である。

廃棄物の算定方法について

  • (Q5)カテゴリ5の「事業から発生する廃棄物」について、スコープ3基準内には算定方法に関する記述が無く、その代わりプロダクト基準ではリサイクルに関する配分方法として100/0法と0/100法の2つの方法が紹介されている。スコープ3では具体的な算定方法はどのように決められるのか。
  • (A5)廃棄物に関してはプロダクトの議論の方が進んでいるので、サブガイダンスとして取り入れていきたい。また、リサイクルに関する議論もさらに拡充していきたい。廃棄物の算定は、業界特有の方法論も認めているので、業界で特有の方法論をお持ちの場合はそちらを活用してほしい。
  • 稲葉委員から、オスロで開催されたステアリングコミッティー(運営委員会)では、リサイクルの方法論は実施する企業のバリューチョイスに属する問題という位置づけであるため、shallでもshouldでもなく、例示にとどめようという結論になった、との補足説明がなされた。

企業に対する基準の位置づけについて

  • 稲葉委員から、新しい基準が日本に入ってくると、義務か義務ではないのかはっきり決めてほしいという議論がなされることが多いため、企業の自主的な選択を可能とするのか、企業に特定の手法の適用を義務付けるのかははっきりさせるべきであり、同時に基準の性質を決める非常に重要な議論である、との指摘がWRI/WBCSDに対してなされた。

4. 議題4. について、サプライチェーン/製品ライフサイクルのGHG算定・報告の今後の課題に関する議論が行われた。

資料5について

  • (Q6)資料5について、さらなるガイドライン(例えば、セクター別ガイドライン)とは、どういうセクターをイメージしているのか。
  • (A6)昨年のパブコメのときにあった質問項目である。業種別に重要なカテゴリが異なるので、業種別の特長を生かしたガイドラインが必要かという意味である。

セクター別ガイドラインについて

  • (Q7)本日の資料でも次年度以降の新たな取組みにセクター別ガイドラインを検討すると書かれている。IECテクニカルコミッティ111(TC111)でも製品ライフサイクルが大きな関心となっており、TC111として電機・電子セクターとしての製品ライフサイクルの排出量、削減貢献を定量化するためのツールを開発するプランをもっている。IECとしても今後、直接情報交換を行い、議論を進めていきたい。
  • (A7)WBCSDのメンバーでもある、IECの市川芳明氏とミーティングを行うなどしており、IECの活動を認識している。この分野で活躍している様々な組織ともオープンな形でコミュニケーションをとっている。WRI/WBCSDは最初のプロダクト別のセクター別ガイドラインをグローバルイーサステナブルイニシアチブと電機通信業界向けに作る予定である。そのグループを通じてIEC、ITUとも活動していくので、パートナーシップ、コミュニケーションを強化したいと思っている。

製品使用によって抑制される排出量(avoided emissions)について

  • (Q8)化学業界では、製品使用によって抑制される排出量(avoided emissions)を重要視している。GHGプロトコルでの今後の展望はどのようになっているのか。
  • (A8)算定が難しいから現時点では入れていないが、スコープ3と分けて報告しても良いという位置づけである。将来の作業として、何を抑制される排出として、何を抑制される排出に入れないのか、基準化すべきということは重々承知している。

その他提案として以下のような発言があった。

  • 本日の議論を聞いてもっとグローバルワイドで議論していく必要があることを痛感した。CO2をライフサイクル全体で考えていくということ、サプライチェーン全体で協力して削減していくことは世界の潮流として起こっている。経済産業省はカーボンフットプリントの試行事業で世界の潮流に関っているが、その事業を通じて世界ともっともっと議論していく必要があると感じた。WRI/WBCSDのような多国籍の団体での検討に日本の産業界がさらに深く参画していくために、経済産業省にどのようなことができるか考えなければいけないと痛感した。引き続き、こういった研究会を通じて世界との対話を続けていきたい。

問い合わせ先

産業技術環境局 環境政策課 環境調和産業推進室
電話:03-3501-9271
FAX:03-3501-7697

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最終更新日:2011年2月10日
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