サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出量算定基準に関する調査・研究会(第1回)-議事要旨
日時:平成22年6月21日(月)17:00~19:00
場所:ベルサール九段 ROOM4
出席者
稲津委員、稲葉委員、岩尾委員、笠井委員、柏原委員、上妻委員、斉藤委員、谷口委員、平尾委員、森委員
(出席10名、欠席1名)
議題
- 本研究会の公開方針について
- 本研究会の開催趣旨について
- サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出量算定基準に関する動向について
- 海外ロードテストに関する状況報告
- 気候変動情報開示の国際動向とCDSB
- 今後の本研究会の進め方について
議事概要
- 議題1. ~議題3. および議題6. につき事務局より、議題4. につき岩尾委員より、議題5. につき森委員より、説明が行われた。
- 議題1. について、本研究会の議事は原則として傍聴を認め、配布資料および議事要旨についても原則として公開することが了承された。
- 議題3. について、スコープ3基準の現状や課題等に関する意見・情報交換が行われた。
- 議題4. について、海外ロードテストの状況報告が行われた。
- 議題5. について、現状や課題等に関する意見・情報交換が行われた。
1. スコープ3基準について
- 英国DEFRAによる組織のサプライチェーン全体を通じたGHG排出量報告の強制化については、2012年の4月16日以降に行われる予定だが、報告の具体的な対象範囲の設定については2010年12月までは分からない。
- スコープ3基準においては企業の活動境界内における全てのGHG排出量を算定・報告することが求められていると解釈できる。しかし、製造業においてはGHG排出量を事業者の努力によって削減しうる部分と、常に一定量のGHGを排出せざるを得ない部分とがある。こうした事情は、業種によって異なる。そこで、スコープ3排出量のうち、努力によって削減しうる部分(すなわち算定・報告する価値がある部分)と、常に排出せざるを得ない部分とを整理することができれば、議論の見通しが良くなるのではないか。
- スコープ3基準のドラフトは、スコープ3排出量を16のカテゴリに分類している。第1次ドラフトでは全カテゴリにつき報告しなければならないことになっていたが、ロードテスト用のドラフトではカテゴリ1(購入した財及びサービス - 直接サプライヤーの排出)及び同14(販売された製品の使用)の報告が原則として除外されている。その趣旨は、これら2つのカテゴリをひとまず外して算定をしてみるという点にあったと考えられる。5月に実施されたロードテストに関するワークショップでは、カテゴリ14については業種・業態によっては把握することが難しいため除外することを推す議論もあったが、カテゴリ1も同14も枠組みとしては残ることが見込まれる。
- スコープ3基準のロードテストに参加している企業の間では、参加の動機として「レポート」や「ディスクロージャー」を挙げるものが非常に多かった。その理由の1つに、CDPの質問票の中でスコープ3排出量に関する情報開示が明確に求められている点が挙げられる。CDPについて欧米企業は非常にナーバスに捉えており、その程度は日本企業の比ではないという印象である。
- 欧州ではカーボンがリスクとビジネスチャンス双方の源泉となっており、企業がカーボン情報をアニュアルリポートに記載することが投資家や株主から強く求められている一方、日本の状況は欧州ほどの水準には達していないため、温度差がある。
- スコープ3基準の大きな最終目標は、ステークホルダーをはじめ、ユーザーや社員に対する報告、さらには企業全体のディスクロージャーであると考えられる。
- スコープ3基準策定のためのテクニカルワーキンググループのメンバーは大学や研究所の研究者が多いので、企業の意見が必ずしも充分には反映されていない可能性は残る。
2. 海外ロードテストに関する状況報告について
- スコープ3基準が定めているスコープ3排出量の16のカテゴリのうち、カテゴリ1は企業の選択、カテゴリ2は製品の選択を表していると解釈することができる。ただし、定義づけは今後の議論によって変わる可能性がある。
- カテゴリ1やカテゴリ2については、算定・報告を行う事業者とサプライヤーとの力関係などによって、一次データを入手できるか否か、状況が変わってくると思う。
3. 気候変動情報開示の国際動向とCDSB
- CDSBの目的は機関投資家からの情報開示に対応することにあるため、大企業の情報開示に主眼を置いている。ただし、欧州の法体系においては、そもそも「投資家」とは一般に株主を指しており、特に機関投資家を規制する枠組みは無い。したがって、欧州で「CDSBに従った投資家への情報開示」と言った場合、開示主体には大企業のみならず中堅企業も含まれると解釈される可能性があるので、注意が必要である。
- 企業が財務情報のほかに開示しうる情報としては、気候変動だけでなく、水問題や生物多様性等も考えられるが、CDSBが先に取り組むべき問題と捉えているのは気候変動である。理由は、気候変動に関しては規制が厳しくかけられていることや、投資家からの情報開示ニーズが強いことが挙げられる。
- 気候変動情報は財務情報を補足する非財務情報であるが、財務情報は過去の情報であって、非財務情報は企業の将来の予測をする際に重要な情報である。
以上
問い合わせ先
産業技術環境局 環境政策課 環境調和産業推進室
電話:03-3501-9271
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最終更新日:2010年8月12日
