経済産業省
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産業構造審議会消費経済部会特定商取引小委員会(第2回)‐議事録

松本委員長
ただいまから、第2回の特定商取引小委員会を開催させていただきます。
委員の皆様方には御多忙のところ、また小雨にもかかわらず御参集いただきまして、まことにありがとうございます。
まずは事務局から委員の出欠状況、配布資料の確認等についてお願いいたします。

安井消費経済政策課長
消費経済政策課長をやっております安井でございます。
本日、まず委員の御出欠の関係でございますが、長見委員の代理で、広重様が御出席になっております。それから、阿部委員と村委員はいずれも御都合がつかないということで、本日は御欠席になられておられます。
それから、お手元に配らせていただいております資料の中に座席表がございますが、私どもの事務局のうち、今まで「谷消費経済部長」というポストだったものが「谷審議官」になっておりますが、今般、私どもの組織編成の変更がございまして、「消費経済部」を廃止をいたしまして、そのかわりに消費者政策関係の審議官、厳密に言うと製品安全関係と消費経済関係とございますが、その2名体制に移行いたしました結果、谷の方は「谷審議官」という名前になってございます。
それから、お手元に渡っております資料の確認をさせていただきたいと思います。資料1が本日の議事次第、資料2が委員の名簿、資料3が社団法人日本訪問販売協会から用意をしていたただきました「業界の自主的取組みと課題」という1つの束でございます。続きまして、資料4が池本委員から用意をしていただきました「訪問販売等の被害と特定商取引法の課題」でございます。それから、最後に、これは消費経済政策課の私どもの方が用意いたしました資料5でございまして、「訪問販売等を中心とした高齢者被害対策について」というこの5種類の資料を御用意させていただいております。抜けているもの、あるいはまた何か不都合がございましたら事務局の方にお申し出をください。

松本委員長
それでは、議事に入りたいと思います。
去る3月12日に行われました第1回の会合におきましては、特定商取引法に係る幅広い課題について御議論をいただきました。本日は高齢者の高額被害の防止という観点から訪問販売を中心に議論を深めることになりました。
本日の審議におきましては、議事次第にありますように、まず社団法人日本訪問販売協会から自主規制の状況などについて御説明いただき、意見交換をさせていただきたいと思います。その後で、日本弁護士連合会の池本委員から、訪問販売に係る被害事例につきまして、また事務局から前回の議論を受けた追加資料の説明をしていただき、これらを巡って各委員の御意見をいただくという手順で議事を進めてまいりたいと思います。
それでは、まず日本訪問販売協会による自主規制等につきましてですが、本日はわざわざ日本訪問販売協会会長である鈴木ポーラ化粧品本舗社長が御説明をしていただけるということでございます。
それでは、鈴木会長、よろしくお願いいたします。

鈴木日本訪問販売協会会長
日本訪問販売協会の会長をしております鈴木と申します。
本日は特定商取引小委員会の場に参加する機会をいただきまして、本当にありがとうございます。せっかくいただきました機会ですので、皆様には訪問販売業界の実態、あるいは協会が取り組んでまいりました自主的活動について御理解賜れば、ありがたく存じます。
時間的な制約もございますので、私の方からは次の3点に絞ってお話をさせていただきたいと存じます。
1つは訪問販売の現状ということであります。2つ目はこれまで実施してまいりました協会の自主的な取り組みについて、3点目は今後の課題ということであります。御説明した後に、御質問等をいただければありがたく存じます。
まず訪問販売業界の現状について御説明申し上げます。訪問販売業界の販売員数を見ますと、当協会の会員企業はおよそ300社ございますが、この傘下だけでも270万人もの人が従事しております。また、当協会関連の売上規模はおよそ2兆6000億円と推定しております。これに自動車、あるいは百貨店の外商などを加えますと、訪問販売の売上高はおよそ9兆円の規模になると推測されます。
訪問販売は一部の悪質な事業者のために消費者トラブルの面からとらえられるということが非常に多く、事実、オプトアウト規制を導入している自治体も大変ふえてございます。訪販を取り巻く環境は非常に厳しいという認識を私ども、一致して持っている次第であります。
しかしながら、長い歴史の中で消費生活の中に定着し、お客様から受け入れられているという面もございます。例えば、化粧品や健康食品などは地元の販売店が地元の主婦を販売員として採用してお客様と継続的なお付き合いの中で顔の見える営業活動を展開し、地域の就労、あるいは文化生活への貢献をしております。
次に、当協会のこれまでの取り組みについてですが、不当な訪問販売を規制することは法律による直接規制のみでは十分な効果を上げにくいということから、事業者の団体による自主規制を行うことを目的にしまして、業界自主規制の中心的な役割を担う公益法人として昭和55年に社団法人日本訪問販売協会を設立いたしまして、各種の自主規制制度に取り組んでまいりました。協会の健全な発展のためにできるだけ多くの事業者を取り込んで、次に挙げます4つの活動を主として行ってまいりました。
まず自主行動基準の策定及び実践、次に販売員の教育、そして消費者から寄せられました苦情相談の対応、4つ目としまして、問題のある会員企業には倫理審査委員会の改善勧告に基づきまして、協会が改善の指導をしてまいります。
この4つの活動につきましては、時間的な制約もございますので詳細な説明は本日は省きますが、最近の問題になっております住宅リフォーム業者につきまして、当協会の取り組みにつきまして説明申し上げます。
一昨年、社会問題にまで発展しました住宅リフォーム訪問販売につきましては、当協会以外の企業、つまりアウトサイダーを中心に高齢者を対象にした悪質な案件が発生いたしました。また、これは大変残念なことではありますが、一部、当協会の会員企業におきましても不当勧誘行為を行ったとして、特定商取引法の処分を受けた企業もございます。これは先ほど申しましたように、できるだけ多くの事業者を取り込みましてよい方向に指導していくという当協会の設立時からの考え方でありましたが、会員のスクリーニングは必ずしも十分ではありませんで、また自主行動基準等の遵守の徹底が会員各企業の中でされていなかったということが原因かと思われます。この住宅リフォーム訪問販売の問題では、当協会は積極的に会員の拡大を図りまして、当時、50社の住宅リフォーム会社が加盟しておりましたが、当協会の自主行動基準を改訂しまして、法律よりもさらに厳格な措置をとることにいたしました。訪問販売でのリフォーム事業自体が厳しくなったという背景もあり、撤退する会員企業もありましたが、より厳しい自主行動基準に対応できないとする企業もあり、それらの企業は当協会から退会いたしました。結果といたしまして、約50社の住宅リフォームのうち、大半の企業が当協会を退会したことになります。
最後に、今後の課題について御説明申し上げます。
訪問販売のトラブルを防止しまして、取引の適正化を推進するために、次の2点を課題として考えてございます。1点目は、当協会の取引適正化に向けた取引の強化ということと、2つ目としましては、当協会に加盟せずに法令や自主規制の内容を無視し、悪徳な販売を行うアウトサイダーを業界から排除する必要があるという課題でございます。
まず取り組みの強化についてですが、一部とはいえ、当協会の会員企業の中でも行政処分等を受けた会員が存在するという厳しい現実を踏まえますと、これまでの方針でありましたできるだけ多くの事業者を協会に取り込み、そして協会が改善指導していくということを改め、入会時の審査をより厳格化する必要がございます。また、会員企業が行う販売行為について、指導強化を一層徹底しなければいけないということがございます。会員企業が行いました訪問販売取引に対する苦情申し出に関しては、当協会にございます消費者相談室が責任を持って解決するということにつきましては従前のとおりでございます。
そもそも、販売員が不適正な取引を行う背景には、経営姿勢に問題の根源があると考えてございます。協会自主行動基準の徹底に加えまして、今般作成いたしました消費者志向チェックリストの活用を促し、会員企業による不適正な取引が行われないよう徹底する所存です。
今説明申し上げました消費者志向チェックリストでございますが、先月開催されました理事会におきまして、このチェックリストの運用が決議されました。今、私、現物を持ってございますけれども、かように厚いリストがありまして、会員企業が自発的にこのチェックリストを活用するということです。チェック項目に対して実施しているのか、実施途上であるのか、あるいは実施を検討しているのか、あるいは予定がないのか、こういったことをこのリストの中に記入し、そして最終的には担当部門が各社の経営者にこれを確認させるということを今年度の事業に加えてございます。
当協会としましては、消費者からの苦情相談の収集にこれまで以上に努力し、苦情相談が多い会員企業については早いうちに倫理審査委員会による審査を受け、改善指導を行うことにします。そのためにも、消費者からの苦情相談をより多く収集することが最も肝要であり、消費者団体、あるいは全国の相談機関の方々に消費者からの苦情相談がありましたら当協会の相談室を御紹介していただくなど、会員企業の苦情相談の収集に御協力をいただきますようここにお願いいたします。さらに、今後は会員企業が行政処分を受けた場合、従前以上に厳格な処分を行うことが必要だと考えてございます。
2つ目の今後の課題でありますアウトサイダーの規制強化について御説明申し上げます。
協会内での規制強化を徹底しますと、協会を退会したり、そもそも当協会に加盟せずに悪質な行為を行う企業がふえることが懸念されます。これは大変重大な課題でございます。この背景には、当協会に加盟しなくても協会員と変わらぬ事業活動が行えるということがあります。問題の焦点となってきます個品割賦購入斡旋も、協会員でなくても加盟店であり続けることができるということも承知してございます。そもそも訪問販売に参入規制はございません。しかし、協会に加盟し、規制強化を徹底する事業者と、一方でいわゆるアウトサイダーとが消費者の側できちんと区別されるということを願っています。当協会の会員企業及び同様な規制を徹底した企業と、法令遵守を明確にしないアウトサイダーとの間では事業活動内容を区別するような方法もあるかと存じます。適切な訪問販売取引が行われ、消費者が損害を被ることのないような措置を講じられるよう、強く協会としては求めています。
最後に、訪問販売は自宅にいながらにしても御利用いただけるというメリットがある反面、一方で見知らぬ者が訪問するということについては好まない方もいらっしゃるのは事実であります。大変厳しいお言葉をいただくこともございます。訪問販売業の振興を考えましたときに、近年の業界を取り巻く情勢は際だって厳しいものと痛感しております。問題を起こしている業者がいることも事実でありますが、一方で訪問販売企業と長くお付き合いをいただいているお客様も多数いることも事実でございます。事業者を健全に育成し、業界の健全な発展を図るためには、業界の信頼を確保することが大変重要であると考え、今後とも協会の活動を意義あるものにしていく所存でございます。
御清聴ありがとうございました。以上で私の方からの説明は終了させていただきます。

松本委員長
ありがとうございました。
鈴木会長はお時間の関係で本日の審議には最後までお付き合いいただくことはできませんので、ただいまの御説明につきまして、各委員から御質問等がございましたら、この場でお出しいただいて、お答えいただきたいと思います。
御質問、どうぞ、広重さん。

長見委員代理(広重)
日本消費者協会の広重です。
本日は御丁寧な御説明をいただきまして、ありがとうございました。私どもでは消費者相談室と、それから110番事業などを展開しているということがあるのですけれども、その中でお聞きしたいことが2つほどあります。
1つは、相談業務の中で日本訪問販売協会さんの会員に関する御相談をいただいたときに、相談員が御相談ということで御連絡を差し上げるわけですけれども、なかなか前向きに展開していかないようなお話もよく耳にしたりしているものですから、その辺、具体的にどのような取り組みをしていらっしゃるのかということが1点です。
それから、これは日本訪問販売協会さんがそうだということではないのですけれども、110番事業の中でサービス調査ということの110番事業を過去何度も行ってきているわけなのですが、その中で業界団体さんによってのことなのですが、これは実際の私の経験なのですけれども、消費生活相談をいただきますと、それをまず苦情なのか、要望なのか、問い合わせなのかといったような分類をするのですが、これが私どもで110番事業で相談を受けるときにその分類をしているというのは、基本的に自治体で消費者相談をしているものなのですね。ですので、自治体の基準に従って苦情、要望、問い合わせに分類するのですが、実はある業界団体さんでその数値がおかしいということで内容を見せてくれと言われましたら、私どもで苦情に分類したものはほとんど苦情ではないというふうな結果になったことがありまして、それに非常に驚いているわけなのですが、日本訪問販売協会さんの方では、苦情や問い合わせや要望への分類をどういう基準でしていらっしゃって、どういう方がしていらっしゃるのか、この2点について教えていただきたいと思いました。

鈴木日本訪問販売協会会長
御質問、ありがとうございます。
御質問の1点目ですが、前向きに進まないというのは、お客様と企業との間の話でございますか。それとも、協会の対応の話ですか。

長見委員代理(広重)
私が伺ったときは少し前のお話なので、きょうのお話にとってはちょっと古いお話なのかもしれないのですけれども、会員企業を余り厳しく指導すると退会してしまうので、余り厳しくできないというようなことを直接伺ったことがありまして、相談員としましては、その後、きょうのお話のように体制がどんどん変わっているという周知がされませんので、そちらはそういうところだなということでだんだん利用しなくなってしまうのですね。というようなことがありましたものですから、最近の動向はいかがなのかなと思いまして、お願いいたします。

鈴木日本訪問販売協会会長
具体的に今、消費者相談窓口に来ている件数をちょっと御紹介申し上げますと、平成17年度のデータしかないのですが、3020件ということです。これは年々減ってございまして、平成18年度も減少傾向が続くだろうというふうに思います。内容ですが、会員に関わる相談が大体3分の1から4分の1で、残りの3分の2、あるいは4分の3は非会員、あるいは不明というのが状況でございます。個々の対応につきましては、ちょっと私も明確にお答えができるかどうか自信がございませんので、専務理事である伊藤の方から御説明させていただいてよろしいでしょうか。

伊藤委員
日本訪問販売協会の専務理事としてお答えいたします。
今言われたいわゆる会員が退会するのを恐れて相談を後ろ向きにしているということはまずありません。私どもの協会の考え方は、これは会員の加入とも関係があるのですが、多少悪い事業者さんについても加盟させて指導するという考え方で業界全体のレベルアップ等を考えてまいりました。しかし、今後はこのような対症療法では当然限界があるというふうに考えておりますので、悪質な事業者を積極的に市場から排除するという役割を訪問販売協会みずからやっていかなければならないというふうに考えております。そのためにアウトサイダーが存在していない仕組みを構築していかねばと思っておりまして、それが協会の今の考え方でございまして、特に会員の退会を考えての御相談ということはやっていないつもりでございます。

長見委員代理(広重)
印象的なことなのですけれども、そうしますと、インサイダーがきちんとやっていればアウトサイダーが何をやっても関係ないというようなことになるのでしょうか、そのアウトサイダーのため富士見市の認知症姉妹のような4000万円もの被害になるというようなことが起きたのではないかと思うのですね。ですので、今すぐのお答えは無理かと思いますけれども、そのあたりもちょっと検討していただきたいと思いますが。

鈴木日本訪問販売協会会長
今のは1つの提案と言いますか、御意見だと思いますが、当協会は先ほど申し上げましたように、できるだけ多くの会員を取り込んで協会の方で指導していくということを趣旨にしていました。これからは少し変えざるを得ないかなと思っておりますが、そういう趣旨で言えば、アウトサイダーに関しても積極的に会員になるように促しているということはやってきたということを御理解いただきたいと思います。
2つ目の、相談窓口が果たして苦情なのか、相談なのか、あるいは区分しているのはどういう人間なのかということに関しましても、大変実務的なことですので、専務理事の方からお答えさせていただきます。

伊藤委員
分類というのは、例えば詳しくはどういう分類なのでしょうか。

長見委員代理(広重)
御相談いただきまして、その御相談の趣旨が、例えば企業さんですとか取引ですとか、勧誘方法などへの苦情に当たるものなのか。それとも、例えばこの商品の使い方はどうなのですかとかいうことになれば問い合わせでしょうし、あるいはこういう商品改良をしてくださいというようなことでしたら要望という、それから対応などに対してもこういうふうにしてくださいと言えば要望というふうに私どもは考えているのですが、そう考えて分類したものを業界団体さんが分類し直したら、圧倒的に苦情が少なくなったということがありまして、その辺の明確な基準のようなものをお持ちなのかということですとか、そういったものをどなたが考えていらっしゃるのかということなのですが。

伊藤委員
済みません。今、詳しいデータは手元にないのですが、かなりの分析はしているつもりでございますので、もし後でよろしかったら資料を。

松本委員長
時間もありますから、後ほど文書で、多分何かあるはずですから、文書でお出しいただきましょうか。
青山委員、どうぞ。

青山(理)委員
今の広重委員の発言について、あわせて関連してお話をさせていただきますと、苦情、相談、要望というものは、例えば私どもが消費生活センターにいたときに、「パロマの会社は、連絡先はどこですか」というふうに聞かれたときに、一般的に考えるとこれは問い合わせかもしれない。しかしながら、消費者がそういう問い合わせをした裏には、その商品の問題があるかもしれない。深く聞いてそこから何を消費者が言いたいのかということを聞き出しなさいよという、そういう相談員の姿勢というものがあるわけです。そういう観点から、最近ですけれども、金融業界では苦情・相談・要望について、やはり消費者が何らかの形でアクションを起こすということは、その裏には大きな問題を抱えているかもしれないということですべて見直して、こういうものはやはり苦情に取ろうというふうな見直しがなされた経緯がございます。そういう意味で、日本訪問販売協会さんも単に、これは要望だよ、問い合わせだよ、ではなくて、その裏で消費者が何を言いたいのかということを聞き取っていただきたいのだという意味合いを込めて、多分広重さんはそういう御発言をなさったのだろうということがありますので、ちょっとそこの辺をお酌み取りいただければというふうに思います。
あとまた追加でちょっと質問させていただきます、後ほど。

伊藤委員
先ほどの質問なのですが、大きな区分けとしては、まず問題性があるかないかで区分をします。その基準は、例えば法令に違反しているか、あるいはうちで作成しています自主行動基準に違反しているか、そういう区分分けを大きくはしております。

松本委員長
よろしいですか。
青山委員、どうぞ。

青山(理)委員
今、鈴木会長から非常に真摯な御発言をしていただいて、これでどうして訪問販売の苦情がなくならないのだろうというふうに私は不思議に思ったのですけれども、それというのも、前回、村委員がおっしゃいましたように、今の状況で言えば、一部の悪質な訪販事業者のやっていることかもしれないけれども、私どもは、訪問販売については、「見知らぬ人が来たら絶対にドアをあけてはいけませんよ」というふうに言わざるを得ないと。こういうことを非常に厳しく村委員はおっしゃったかと思うのです。そういうことをやはりもっと、もっと深刻に日本訪問販売協会さんは受け止めていただきたいなという気がいたします。自主行動基準、これだけつくっているのだよというふうにおっしゃるかもしれませんけれども、その自主行動基準の限界が今こういった状況にあるのだろう。もっともっとやはりきちんとした総括をしてこの問題点を洗いざらいやって、今回の特定商取引法改正とか割賦販売法改正が、何でこういう状況になっているのかということをもっともっと深刻に受け止めていただきたいという気がいたします。
それから、会長は日本訪問販売協会の中の相談室、もっともっと苦情収集等受け止めたいというふうにおっしゃいましたけれども、広重さんもおっしゃっていましたけれども、やはり私たちの仲間うちでは、日本訪問販売協会の相談室というのは機能していないねというのが一般的な受け止め方です。私どもがこういう問題点があるのよというふうにお話をしても、会員企業であればやはりそこに、ごめんなさい、すごく言い方が悪いのですけれども、雇われていると言いますか、そこの内部の人間が相談室を担当しているということの限界性もあるのでしょうし、またそこからアウトサイダーということを考えると、やはりそこまで言えないということがあるのでしょうけれども、もう少しこの苦情収集をもっともっときちんとしたいというふうにおっしゃるのであれば、相談室の内容を一新した方がよろしいのではないかという気がいたします。
一応、以上です。

松本委員長
御意見ということでお伺いしておきます。
ほかに御質問、山本委員、どうぞ。

山本委員
今後の課題ということで、会員企業の不適正取引に対する指導強化をするということが御紹介されていますけれども、北風政策と並んで、つまり協会員であることがアトラクティブになるような太陽政策と言ったらいいのか、そういうことがあれば非常にうまく機能する。強化するだけではどんどん会員が減っていってアウトサイダーがふえるだけということではなかなか解決につながらない。協会員であるということをアトラクティブにするような何か工夫とか、そういうことをお考えかということをちょっと伺いたいと思いました。
1つの強烈な策としては、クレジットの仕組みとドッキングさせて、協会員であればクレジットがつく、そうでないとつかない。これはアウトサイダーは兵糧攻めにされるということで非常に効きめがあるかと思うのですが、しかしあからさまにそういうふうにやり過ぎますとこれはまた独占禁止法上の問題が出てくるということもあって、なかなかその辺、微妙な問題があるかと思うのです。あるいはもし消費者保護の錦の御旗を掲げれば、これは消費者保護のためなのだから、独占禁止法には違反しないということが可能なのかどうか検討課題かと思いますが、その辺も含めて、協会員であることをアトラクティブにするような方策について何かお考えがあるかどうかということをお聞かせいただければというふうに思います。

鈴木日本訪問販売協会会長
ありがとうございます。
協会員であることの魅力をつけるということが、結局は多くの会員企業を募るということにもなるということで、これも1つの課題でございます。現在は会員企業向けの販売員指導をしまして、一応、当協会が認定する販売員であるというような認定制度があります。これを持っているとお客様に安心していただけるのではないかなということと、それとホームページを通しまして、お客様の方に当協会の活動を御理解いただけるような形で告知しているということでありますが、今後はより魅力的にしていくということが課題ではあります。具体的に今案があるかということで言いますと、今いろいろ検討中ではありますが、まだ公にできない段階ではございます。
それと、割賦販売との関係について、私どもとしてはぜひ独占禁止法に関わる問題であるとしてもアウトサイダーを排除したいという気持ちが非常に強くございますので、ぜひ検討していただきたいということがございますし、当協会、今まで、会員企業に対して指導はしてきておりますけれども、規制をするということは余りしてございません。そういう意味では、業界全体に規制をかけるような団体としての今後の存在意義ということに関しましても、経済産業省の下、今後、検討していきたいというふうには考えてございます。

松本委員長
ありがとうございました。
鈴木会長はお時間の都合もございますから、質疑はここで一段落させていただきまして、さらに日本訪問販売協会の取り組みについていろいろ御質問等がございましたら、伊藤委員を通じてお答えいただくということにしたいと思います。
それでは、鈴木会長、どうもありがとうございました。

〔鈴木会長退席〕

松本委員長
続きまして、池本委員から、訪問販売に係る被害事例につきまして、御説明いただきたいと思います。

池本委員
池本でございます。貴重な時間を割いていただきまして、ありがとうございます。
資料4のレジュメをごらんいただきながら、要点を説明したいと思います。
まず特定商取引法改正については非常に幅広い論点はございますが、私の今日の報告は、訴訟その他、弁護士が取り組んでも救済が困難な、そういった被害事例を中心に紹介いたしますので、もっぱら民事的な救済に関連する部分に限定した問題提起になろうかと思います。その点は最初に申し上げておきます。
まず事例の1番は判断能力が低下した高齢者に対し、次々販売を行ったという被害例で、相談に来られた時点で79歳の一人暮らしの方でした。相談を受けた後にいわゆる成年後見制度の申し立てをして、保佐開始決定、「事理を弁識する能力、判断能力が著しく不十分な者」という判定を受けている方です。
特定の呉服販売業者の、なおかつ特定の販売員がずっと繰り返し販売した結果、約8年間で106件、3200万円もの契約をしており、そのほとんど、少額のものを除いた96件はクレジットを利用していたというもので、展示会に呼び出すのが中心ですが、店舗内でのセールも一部含まれています。ただ、判断能力が劣っているために細かい勧誘の経緯、どこで契約したか、どの契約書がどの商品かという判別も御本人にはよくつかない。3200万円の中のクレジットとしての残債務は346万円ですが、販売員が980万円ほど立て替えて貸しているというような状況まであるというものです。商品は自宅に行って確認しましたが、ほとんどが未使用のまま、しつけ糸がついたまま山積みにしてありました。
この相談を受けたときに、私としても、判断能力が低下し、断る気力も低下したこういう高齢者の方に、しかも支払い能力を全く無視して必要もないものを次々と売り込むということは、社会的に見ても人の弱みにつけ込む非常に悪質な、犯罪に等しい悪質行為だというふうに思うのですが、現在の法律で言うと、例えば不実の告知とか威迫困惑というふうに個々の契約の取消理由が再現できなければ、救済ができないという限界があります。
この案件は現在も訴訟を継続中なのですが、私の方では一連の販売行為について、今申し上げたような諸要素があるこういう取引は、一連の取引は社会的に許容できない違法なものだから、公序良俗に反して無効であると、こういう主張しかできない。私も25年弁護士をやっていますが、公序良俗違反一本で訴状を書いたのは初めてでございます。それしか言えない、材料がないということです。
特定商取引法の中には顧客の判断力不足に乗じて契約を締結させる行為とか、顧客の知識、経験、財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘というのは禁止行為として行政処分の対象にはなっております。しかし、これに違反しているからといって、被害救済には結びつかないわけです。その意味では、近年の高齢者被害について最も肝心の部分、最も悪質な部分が放任されているというふうに思います。
割賦販売法関連についてはごらんいただくということで省略したいと思います。
事例の2番目は、特に判断力が低下しているわけではないのですが、強引な勧誘で次々販売をしたという事例です。
洋裁の内職で御婦人が一人で子供も育て上げ、一人暮らしで今も洋裁の内職を続けている方なのですが、「洋裁のできる方募集」という販売店の広告を見て、着物の仕立て直しをするという仕事を受けたというつながりがあります。そのお店からの収入は月5万円から7万円ぐらいで、それを全部含めて、ほかの仕事も含めても年間で100万円程度の収入しかない、本当に細々と生活をしておられる方なのですが、仕立て直しの仕事を受け始めて数ヶ月後に、その仕事を出してくれるお店の店長から、招待旅行がある、来ないか、展示会へぜひ来てくれというふうに誘われ始めて、仕事を出してもらっている関係もあるので断れずに契約をしてしまう。そういうことを繰り返して、2年間で12件、合計1200万円の契約をした。これもクレジットを利用していますし、商品は全く使っていないまま保管してあるという状態でした。クレジットの支払い月額が途中から20万円ほどになっています。つまり、本人の収入の倍の金額です。
本人としては2件目、3件目と途中からはもう前の件のローンもあるし、払えませんというので一生懸命断った。断ったけれども、仕事をたくさん出すから大丈夫ですよと言ってしつこく、しかも仕事をもらっている店長から言われるので断れなかったのだと。その後はそういう招待旅行とか展示場そのものに行かないように、入り口で断るようにしていたのだけれども、さらに参加してください、それに見合う仕事は出しますというふうに言ってくるし、しかも自宅まで押しかけてきて1時間以上説得されたこと、あるいは玄関先で土下座までして、とにかく来ていただかないと困ると言われてやむなく参加を承諾したということもあったそうです。そして、行けば店長が付きっ切りで説明し、断り切れずに契約した。仕事を受けていたお店というのが、支店が3店舗あって、それぞれの店長が入れ替わり立ち替わり来るので12件になったというものです。
この方は判断能力の低下はありませんが、何しろ短期間に12件も契約していますので、詳細なことについては、このときにこう言われたのか、それともこのときがどうだったのか、先ほどの土下座までされて説得されたというのはこっちだったか、あっちだったかもう一つはっきりしないということで、やはり再現には限界があるという状況です。
結局、この方も家賃も払えない状態になって、別に住む長女に相談して、当初はもう破産しかないということで相談に来られたのですが、踏みとどまって解約交渉をしたという案件です。
この案件も先ほどと同じように次々販売共通の、本人の支払い能力とか、生活状況とか必要性を無視した、適合性を無視した契約であるということはもちろん言えるのですが、それだけではなくて、断っているのに繰り返し、繰り返し勧誘している。入り口の問題としてですね。これは和解で終了したのですが、案件として係争中には困惑による取り消しということ、あるいは優越的地位を濫用した勧誘ということで、公序良俗に反するという、こういう2点で主張をしておりました。
これも特定商取引法との関係で言いますと、まず前提の問題として、何日か継続して開催している展示会へ御本人が来られたのだから、訪問販売ではそもそもないのだという主張がまず出てきました。こういった実際には個別に誘い出して、そして執拗に勧誘を繰り返すということは訪問販売と全く共通の危険性があるのですが、こういった適用問題についても非常に厄介な論点がありました。
それから、適用除外に関する規定で、1年間に3回も4回も契約していると、継続的顧客として、それはもう信頼関係があると思われるから適用除外にするという条文があるわけですが、これも事業者側は主張しました。短期間に複数の契約を結んでいるのは継続的顧客なのだと。しかし、これがもし認められると、強引で頻繁に契約をすればするほど野放しになっていくという非常に困った問題がありました。
それから、最も本質的なところで言いますと、執拗な勧誘によって困惑して契約しているのですが、特定商取引法には禁止行為としての規定、「威迫して困惑させる勧誘を禁止する」とあるのですが、これに被害救済の取消権がついていません。しかも、規定が非常に抽象的ですので、当たるかどうかも適用が難しい。消費者契約法にも不退去、退去妨害により困惑させる勧誘というのがあるのですが、これも非常に一般的な規定のためになかなか適用が難しいという厄介な問題があります。
こういうことを考えると、そもそも主体的に本人が希望していないのにしつこく勧誘する、そういうこと自体をもっと入り口で規制する必要があるのではないかということを感じるわけです。
割賦販売法の問題については、ごらんいただくということで省略したいと思います。
事例の3は、複数の訪問販売業者が入れ替わり立ち替わり押しかけてきて次々販売を行ったという事例で、これも一人暮らしの高齢者の方ですが、年金が非常に少ないために不足分、差額分を生活保護も受けている。しかも人工透析を2日に1度受けているという方で、お風呂もない、ごく小さな部屋に、資料に6畳と3畳とあるのは4畳半と3畳の間違いでした。実際に自宅に行って確認をしたのですが、記憶力とか再現能力も低下している方です。
数年間のうちに17件、1000万円の契約、いずれもクレジットを使って契約をしています。実は、この一連の契約の前に別の訪問販売業者からも羽毛布団を買っていたものがあるのですが、実際に本人が使っているのはそれより以前の安い古い布団なのです。まず最初の勧誘員が来たときに、布団の点検に来たと、前の業者の関係の従業員だと思って上げて、あれはもう要らないのだ、使わないから解約したいというふうに言ったけれども、いや、別に解約しなくても支払いができるようにしてあげると、そんな話から、結局新しい布団セットを契約させられてしまった。その後も何度も何度も来て、合計、その勧誘員だけで8件、500万円を超える契約を結んでいますが、勧誘員、販売員は同じなのですが、その中に別の販売業者、B社の名義分も2件ほど含まれていました。それについてB社にも連絡して交渉したのですが、うちは商品を卸しただけで、その販売員はうちの社員ではない、関係はないのだというふうに言い張っています。そもそもだれが責任主体なのかもはっきりしないような形で営業活動が展開されている。
その後、今度は別のFという勧誘員が登場してきて、前の勧誘員とどうつながりがあるかもわかりませんが、これについても断るのにまた来て契約、断るのにまた来て契約ということで、最終的には1000万円を超える金額になってしまった。しかも、私は自宅に行って商品と契約書の照合をしたのですが、合わないのです。商品が足りないのです。明らかに足りない。御本人はそこの事情がよくわからない。そうすると、水増しの契約も含まれていると思うのです。狭い部屋に段ボール、大きな、縦横深さ1mぐらいの段ボールが3つも4つもあるのです。だから、部屋の半分ぐらいがそれでふさがれているという、全くひどい状況にありました。
この案件も次々販売としての適合性の問題はもちろんあるのですが、販売目的を隠して勧誘する、あるいは本人が希望しないのに何度も勧誘を繰り返す、そういったやはり入り口のところでの民事的な規制がなければ、勧誘が始まってからきちんと断りなさいと言っても現実には無力だと思います。その意味で、現在、販売目的を隠して勧誘というのも行政規制とはなっているけれども、被害救済に結びついていない、あるいは不招請勧誘そのものの規制、もしくは勧誘を開始する時点での本人の明確な意思、承諾を確保するというようなルールが不可欠だろうと思います。
それから、ちょっと技術的なところですが、販売業者と勧誘員、あるいは販売業者が他の勧誘業者に委託するというようなときに、責任の主体を明確にするということが必要なのだろうと思います。
割賦販売法についてはほぼ共通の問題点ですが、ごらんいただければと思います。
最後に2点だけ申し上げておきます。
まず今申し上げたところでは、民事的な救済のことを中心に問題提起をしたわけですが、不当な勧誘をしたときには、その契約が解消され、代金を返さなければいけないということは、開業規制とか、行政的な監督ということに比べても費用対効果を考えれば最も効率的な対策ではないか。そして、そういった民事ルールをベースにして、業界の中で自主規制でさらに強化していただければいいわけで、その意味では自主規制とも親和性がある、その意味で民事的なルールを強化するということは効率的であり、重要であると思います。
2点目は、各事例のときには省略しましたが、クレジットの関係であります。つまり、訪問販売業者にどんなに厳しい規制を加えたとしても、クレジットを利用しさえすれば簡単に売上代金を取得できる。その部分の監督不十分なシステムを放置したままでは、結局荒稼ぎして逃げるという業者は封ずることはできません。ちょうど携帯電話や預金口座の他人名義のものを放置しておけば、ヤミ金はどんなに規制しても絶えることがないのと同じだろうと思います。その意味では、危険な道具として使われる恐れの高いクレジットの問題と、訪問販売はセットで規制を強化する必要があるということを第2点として申し上げます。
以上です。

松本委員長
ありがとうございました。
それでは、続きまして、事務局から前回の議論を受けた追加資料の説明をお願いいたします。

安井消費経済政策課長
それでは、お手元の資料5をお願いをいたします。
メインテーブルの方にはカラーでお配りをしておりますが、後ろの方には、申し訳ございません。白黒になっております。
今般は前回の議論の中でいろいろ御意見、資料の追加のお求めのあったものを中心に、事実関係を中心にまとめたものになっております。
まず最初のところでございますけれども、商取引の中で訪問販売の割合と言いますか、あるいはトラブルの率はどのぐらいなのか、これはデータを集めるのがなかなか難しいものでありますが、いろいろな工夫をしてみまして、100%ではございませんが、大体のイメージがわかる数字を得られたと思いますので、少し御紹介したいと思います。
まず訪問販売の規模でございますけれども、日本訪問販売協会員のように専業あるいは訪問販売を主にてがけておられる事業者だけではなくて、普通の小売店舗の方が、一時期、あるいは1年のうちある販売促進時期だけやっているとか、あるいは百貨店で言えば外商さんとか、いろいろなパターンがあるものですから、商業統計というものを使って調べました。商業統計には限界がございまして、役務は入っておりません。それから、新聞の小売販売などというのは実は意外と大きくて、数字だけで言うと年間1.7兆円なのですけれども、月極決済というのがこの仲間に入っていないとか、幾つかとらえられていないものがございます。その中で、この1ページ目の一番下にございますように、一応今、訪問販売で、なおかつ指定商品に該当するものとなりそうなものを私どもがピックアップしました。そうすると、大体全体で約9兆円弱。それでそのうち約半分が自動車でございまして、この赤紫色の部分ともう一つ中古販売も別途ございますので、全体の9兆円のうち約4.6~4.7兆円が自動車関係、それから百貨店、あるいは総合スーパーなどの俗に言う外商さんが6000億円ぐらい、あとはさまざまな業種の方が、先ほど申し上げたように小売店舗をやりながらまたあわせて同時に訪問販売もやられるといった形のものの数字がずっと並んでおります。
この中で普通だと必ず出てまいります化粧品がございません。これはこの統計は個人がやられる個人販売というのですか、そのようなものの捕捉率が余り上がらないということがあるようでございまして、訪問販売業界の見込みでは約5000億円の規模があると言われております。そういう意味ではちょっとまだ完全に捕捉できている数字ではございませんが、一応計算のベースをそろえるために商業統計で出すとこんな感じになろうかということです。これは大体1ページ目の最初の帯のグラフにございますけれども、小売業の年間商品販売額133兆円に対して9兆円とか10兆円というオーダーの話になるのだと、このように御理解いただければと思います。
それから2ページ目でございます。トラブルの割合というもの、これも出すのはなかなか難しかったのですが、一応これは主に絶対値というよりは訪問販売と店舗販売との比較を出そうと思いまして、それぞれ訪問販売と店舗販売の年間販売総額と、それから国民生活センターの方に寄せられた苦情の件数に平均契約金額を掛けた被害額を一応出しまして、それで大体売上高に占める割合を出すというやり方を取ってみました。そうすると、大体店舗販売0.26%に対して訪問販売は1.14%ですから、4倍ぐらいの規模にはなるかなと。それから、先ほどありましたうち、自動車などは売上に占めるパーセンテージは多いですけれども、ほとんどトラブルが生じておりませんので、そういう意味ではあるまとまった部分にどうしてもトラブルが集中する傾向にあるということだと思っております。
それから、1-2.にございます支払い方法の関係、先回は日本訪問販売協会に寄せられました訪販110番の数字を使いましたが、さらにベースを広げました。1つは日本クレジット産業協会がやられております調査の中で、訪問販売の全売上に対して彼らがつけた販売信用、広い意味のクレジットの比率ですが、大体全売上の3割ぐらい、31.7%に対してつけられております。
これに対して、4ページ目の方を見ていただきますと、苦情、これもベースを広げるためにパイオネット全体で調べましたけれども、件数ベースで信用販売供与によるものが63%、契約金額ベースで68%。ですから大体売上げの3割に対して60%から70%の苦情率だと、こういうことですから、やはりどうしてもこういう販売信用、なかんずく個品割賦によるものが非常にトラブル発生の可能性が高いということがマクロな数字で出ておるわけでございます。
それで3ページ目でございますけれども、先回の小委員会の後、実は委員の方以外の方からも、クレジットカードと個品割賦斡旋の話が若干混乱されている方がいらっしゃいまして、少し御説明をさせていただきたいと思います。
この3ページ目の中に4つのパターンが書いてございますけれども、俗に言う割賦販売と言いましても、(1)というのは、これは俗称「自社割賦」と言われておりまして、購入者の方があるものを買いたいというと、販売事業者が商品を先渡しをしまして、それで料金を後で分割で取るという形です。これは無理な販売をして購入者が払えなくなると販売事業者が損をするという、ある意味で牽制関係が働く取引形態に相なります。2番目もそれのやや変化形みたいなものなのですけれども、ちょっと複雑ではございますけれども、購入者が申込をしまして、それと同時に購入者が金融機関に融資の依頼をする。これに対して販売事業者が、もしこの方が払えなくなったら債務保証しますという債務の保証をいたしまして、そして商品が渡され、金融機関が立替払いをして消費者が順次返済をする。これも無理な販売をして購入者が払えなくなると、債務保証をしておる事業者がそれなりに損害を被りますので、ここも余り無理な販売、押し込みを助長することは起こりにくい感じになっております。
それから、(3)が俗に言う「クレジットカード」でございまして、クレジットカードはもともと販売員が行く前にいわば消費者の方みずからが会員契約を行っていて、それでクレジット会社の方は現在、登録制になっているわけですけれども、そのもとで与信の管理を行って、大体、「幾らまでなら使っていいよ」という枠があり、それを使って支払いをするということですので、販売事業者さんが行くときに、この方がどんなクレジットカードを持っていて、どのぐらいの信用枠かといったあたりもわからない状態で行くということになるわけでございます。これに対して、個品方式というのは、販売事業者に対して購入者が商品を買いたいという申し込みをするわけですけれども、そのときにあわせて個品割賦購入斡旋というものの申し込みをして、それについての審査依頼を販売事業者からクレジット会社に対して行う。それで商品が販売事業者から購入者に行くと、それに続いてクレジット会社から立替払いが販売事業者に対してなされる。それでこの後、購入者がクレジット会社に対して返済を順次、月賦というか、割賦で行う、こういうやり方なものですから、どうしても販売事業者からすると立替払いは先にもらえるが、仮に払えなくなると困ってしまうのはクレジット会社だと、こういうところがあって、購入者の返済能力を超えた販売、押しつけが起こりやすい。あるいは問題化するまでに立替払いをもらってしまうものですから、そういう意味ではお金を先取りできるという、スモールビジネスにとってはいいのですけれども、トラブルが非常に起こりやすい潜在的リスクを持っている、こういう問題がございまして、前から議論になっているのはこの(4)に当たるわけでございます。
それで資料は6ページに至りますが、先回の議論の中で抗弁権の接続の話が出ておりました。これもちょっとわかりにくいというお話が複数の方から寄せられておりましたので御説明を再度させていただきますが、消費者が個品割賦販売斡旋付きの訪問販売業者との契約を結んだときに、消費者は実は2本の契約を結ぶわけです。1本は当然、販売事業者との間で売買契約を、もう一本は割賦購入斡旋事業者、俗に言うクレジット会社です。クレジット会社との間の割賦購入斡旋契約、こういう2本の契約を結ぶ。それで特定商取引法ではクーリングオフというのがあって、「やっぱりよく考えたら、やめます」と言って契約をやめた。ところが、これをやめたときに、もう一本の方の契約であるところの割賦購入斡旋契約がなくなるわけではなくて、割賦購入斡旋契約に基づく支払いの請求に対して、私は今、この販売事業者との間で契約を取り消すということになっていますから、この支払いは今はしませんと、ここがストップできると、こういう形になっているわけでございます。ただ、どうしてもこういう関係上、すでに支払ったものはもちろんこの請求の差止めの対象にはなっておりませんし、原契約との関係もあるわけでございまして、ここのところは何とかならないのかというのが1つの問題点として提起されているというふうに御理解いただければと思います。
それから、7ページ目、8ページ目には、この法律の、前回の平成16年改正、その他のときに幾つか議論されたことがございまして、先回のときに御指摘いただいた案件のうち、昔の議論がすべてだという気はないのですけれども、一応こういう議論があったという紹介だけをさせていただく必要があると思いまして。
一般的参入規制というのですか、訪問販売を行う方すべてを、例えば極端なことを言えば登録制とか許可制とか、こういう議論がどうだという話については、実は昭和49年この法律が、最初、「訪問販売法」と言ってつくった当時、あるいは昭和63年のときにも同じような議論があったのですけれども、結論的に言うと、出られている方が非常に多い上に、不定期に行う小売業者やパートタイムでおやりになる方、あるいは実際の今の業の形態を見ていますと、代理店とかの販売委託みたいなものをやられている方もいるので、非常に多数に及ぶ可能性があって、したがって、結局登録をしても実効的な管理ができない、あるいは実務的に回らないという議論が当時はなされておりました。ちなみに、特定商取引法に関する訪問販売をやっている事業所数というのは先ほどの小売の商業統計に基づいて計算をすると約13万社いると言われておりますが、これには先ほど申しました役務も入っておりませんし、それから今後議論になります指定商品、指定役務制廃止の議論と相なればさらにこの数字が大きくなるという中での話であるということでございます。
それから、8ページ目でございます。これは不招請勧誘のお話でございます。これはほかのところでもいろいろ議論されておりますが、不招請勧誘という、1つの言葉の中で3つぐらいの意味がありまして、類型だけ分けてみました。1というのは、お話を聞きたいといって呼ばれないときには勧誘をしてはいけないというタイプの規制、これは「招請勧誘以外の禁止」というものです。もう一つ、これは私どもの造語で、別に学術用語でも何でもないのですけれども、一般的に訪問販売なら訪問販売を受けたくないという意思表示に対するものに対する勧誘の禁止。もう一つは、販売を受けることを望みませんという方に対する勧誘の継続及びその再勧誘の禁止。大体この3つぐらいに分かれるのではないか。
外国の例も調べておきました。金融商品はかなり厳しい規制のものが多いのですけれども、一般商品について見た場合は特段の規定がない国が多いのですが、ドイツは、ちょっとわかりにくいのですけれども、「過度の迷惑を及ぼす行為の禁止」というのがありまして、この中には不招請勧誘も含まれるという解釈がありえると承知をしております。韓国は個別的拒絶者に対する勧誘の禁止が規定されておると聞いております。
9ページ目でございますが、現在の特定商取引法の中におけるこの種の勧誘規制の規定ぶりでありますけれども、実は訪問販売については、この個別的拒絶者勧誘の禁止も含めて法律レベルの禁止規定はなくて、法律の中にもちろん根拠は別途あるのですけれども、禁止行為ということで省令が定められておりまして、消費者の方が迷惑を覚えさせられるような仕方で勧誘をすることというのが一般的禁止規定として書かれているというやり方になっております。同じ特定商取引法の中でも電話勧誘などでは契約の締結をしない旨の意思表示をした者に対して当該契約について勧誘を行うことということ自身が、これは条文上の禁止行為になっているというふうに規定ぶりに差があることは事実でございます。
それから10ページ目でございますけれども、最近できました、あるいは類似の法制の中では、大体基本的には皆個別的拒絶者勧誘の禁止規定がほとんどですが、外国と同じように金融商品につきましては、おおよそ適合性原則が成り立つということが期待できない商品として、外国為替証拠金取引については招請勧誘以外の禁止の規定を適用するという規定ぶりになっております。
あと後ろの方に書いてございますのは、先ほどの池本先生との議論ともかなり重なる部分が多いですので話は2点だけにとどめておきます。
11ページ目にございますけれども、幾つかの行為のうち、あるものは行政処分につながっているが、あるものは取消、民事的効果につながっていないというふうな御指摘がよくなされますので、この絵で、できるだけわかるように努力しました。法律の中に、6条と7条にそれぞれいわば不適当な行為、あるいは禁止行為が書かれておるのですが、クーリングオフは訪問販売については一方的にできるのですけれども、この契約の取消しの根拠として使えるのは、現在は重要事項の不告知と、それから不実の告知であって、例えば先ほど池本先生の話にあったような判断能力の不足に乗じた契約締結行為とか、こうしたものは9条の2の取消しの方につながっていないというお話でございます。ほかにお話が出てくれば、この関係を見ていただければどれとどれがどうつながっているかわかるということになります。
あとこの後ろに幾つか、営業所の話とか、あるいは1年間に2度以上勧誘をした場合の取り扱いなどについての現行の規定と実際に起こっていることとの関係を少し整理をいたしましたが、池本委員の方から事例の紹介がございましたので、ここでは重複いたしますので割愛をさせていただきたいと思います。

松本委員長
ありがとうございました。
それでは、先ほどの日本訪問販売協会の御説明、池本委員の御説明、それから事務局からの御説明を踏まえまして、議論に移りたいと思います。
ここまでの論点といたしましては、大別しますと幾つかあるかと思いますが、例えばトラブルが一番多い個品割賦購入斡旋契約付きの訪問販売についてというのが大きな柱としてあります。この問題は先ほど最後に御説明されましたような不招請勧誘の問題とか、あるいは協会としての自主規制がどうなのだという話にもつながってまいります。それから2つ目に、特定商取引法の9条の2の契約取消権や割賦販売法30条の4の抗弁権の対抗といったいわゆる民事ルール関係の話がございます。また、その他、展示会商法や監禁商法の取り扱いとか、あるいは適用除外に関する問題といった、適用対象はどこまでという問題があるかと思います。
本日はこれらの論点を含めまして、諸問題を一括して、しかし、高齢者被害防止という観点を中心にして、委員の皆様方から自由に御発言をいただきたいと思います。
なお、議論を円滑に進めるために、発言の際には挙手、あるいは名札を立てていただいた上、事務局からマイクを受け取って御発言いただきたいと思います。
それでは、どこからでも結構ですが、では、青山委員、どうぞ。

青山(理)委員
先ほど池本委員からいろいろな事例がお出しになられましたけれども、ここに参加なさっていらっしゃる方は、多分、弁護士のところにまで行くのだからレアケースじゃないのというような、もしそういう思いがあったらいけないというふうなことがありますので、私ども消費生活アドバイザー・コンサルタント協会では相談室を持っていますが、その相談室の中で最近、本当に最近あった事例を御紹介させていただきたいと思います。
結論的に私は何を申し上げたいかというと、11ページの、今法7条にあります判断力不足に乗じた契約締結行為について、これは7条でしかない。これをぜひ禁止行為6条に持ち上げて、そして法9条の2で取消権を付与してほしい。そういう思いを込めてちょっと事例を申し上げたいと思うのですけれども、最近、相談室で受けた事例なのですけれども、60歳の男性が契約当事者だったのですけれども、4歳年上のお兄様からの御相談だったのです。弟が統合失調症で非常に長いこと入退院を繰り返していた。たまたま少しよくなったとき、一人暮らしをしていたとき、それが平成14年の6月から12月の6ヵ月間なのですけれども、浄水器を3個、温熱治療器具を1つ、それから空気清浄機を2台というふうに、本当にこの短期間に6台、7台もの契約をして、350万円からの契約をしてしまった。明らかに外見、よそから見ても少しおかしいよというふうに、まあお兄様が言うのですからね、思えるような弟だったのだけれども、そこに次々販売にあらわれて、そういう6ヵ月という短期間に350万円からの契約をしてしまったということで私どもの相談室に来てくださったのです。
それでいろいろ交渉をしましたのですけれども、実はその事業者が昨年の秋に特定商取引法違反で業務停止命令を受けているところだということがわかりました。そこと交渉してあらかた解約にはもちろん応じさせたのですけれども、ただ1点、先ほどの個品割賦購入斡旋契約をしている契約の中で既払い金、すでに払ったお金が1割程度、30万円ほどあったのですけれども、それはいかにも、どうにもこうにも返還しない。相談室の相談員がどうしようというふうに言ってきていたのですけれども、要するに、30条の4を梃子に、既払い金は返さないよ、支払い停止のあれは抗弁だけでしょうというようなことをおっしゃる事業者がいて、どうにもこうにも既払い金が返ってこない。これは、本来なら支払い停止の抗弁権というのは消費者保護の条項だねということで非常に喜んだものなのですけれども、やはり状況が変わってくると、これは要するにクレジット信販会社を保護しているものじゃないのというふうな思いが非常にあります。そういうところで、30条の4とあわせて、これは要するに、7条を6条に上げ、9条に持ってくる。そしてそこの個品割賦との連携でもって既払い金まで返還義務を与えるような方向で、ぜひ検討を進めてほしいというふうに思います。
以上です。

松本委員長
青山委員、どうぞ。もうお一人の青山委員。

青山(直)委員
まず日本訪問販売協会さんの伊藤委員の方に意見と質問なのですけれども、先ほどのプレゼンテーションの中で、チェックリストを設けていらっしゃるということで、資料の中には含まれていなかったのですけれども、それは何か公表されるような計画などはおありなのでしょうか。もし何か見せていただけるのであれば、ぜひ見る機会があれば大変うれしく存じます。これは要望です。
それから、私は通販関係の情報などを提供したり、通販業者さんにコンサルタントをする立場なので、日本通信販売協会さんのやっていることは結構目に入ってくるので、私の勉強が足りないだけからなのかもしれないのですけれども、日本訪問販売協会さんがあって、かつ、先ほどの顔写真が付いている証明書、ああいうものが実際にどういう役割をしていて、そういう協会員さんの証明書を持っているとどれだけ安心なのかというようなそういう情報告知を消費者に対してどの程度なさっているのかですとか、どの程度予算を取っていらっしゃるのかとか、そういうことをぜひお伺いする機会があればなと思います。やはりいかにいい仕組みがあっても、消費者が実際にそれを知らなければ何の役にも立たないでしょうし、先ほど山本委員もおっしゃっていましたけれども、太陽政策という意味で、訪問販売協会の協会員であれば安心なのだよという情報が、やはり消費者に届くような仕組みを取っていただけると大変ありがたいかなとは思います。
それからもう一つ意見なのですけれども、やはりここに「相談件数」とあると思うのですけれども、まず相談するというアクションを取れるというのは多分ものすごい氷山の一角で、客観的に見れば被害だろうというのがまずあって、次に、意識はしているが解決策がわからないというのが第二ステップで、本当に相談するというのは、最終的に本当に被害だということで周りも気付いたという本当にハッピーなケースだと思うのですね。
私のおばにも、一人暮らしの人がいるのですけれども、同じドレッシングが段ボールで2箱ぐらいやはりあるわけです。そういうような彼女自身も全く被害と意識していないけれども、周りから見ればこれはどうだろうというようなケースというものは、もう今現在でも大変多くあるでしょうし、そのような本人も被害だとは全く意識していないような事例というのがこれから大変多くなっていくでしょうし、そういう人たちを食い物にするような商売というのが大変多くなってくるような気がします。ですので、御相談を受けていらっしゃる現場の方もたくさんいらしていらっしゃると思うのですけれども、もう相談すら思いつかないような人たちをどういうふうに救うのか、逆にその人たちにそれは被害なのだよというような教育、まあ「教育」というのが言葉としてふしわしいかどうかわからないのですけれども、そのような何か対策が取れないかなということを強く思っております。

松本委員長
それでは、日本訪問販売協会に対する御質問の分だけちょっとお答えいただけますか。

伊藤委員
最初の質問でございましたチェックリストの関係でございますが、これはトラブルの要因を分析しますと、大体苦情防止や顧客満足に対する消費者動向の経営の理念が欠如しているというのが1つと、それから消費者動向を具体化するための組織体制や担当者の資質が備わってないという共通点が見られたことから、社内のチェック体制の改善をしようとするということでこれを作成いたしました。これは来週の初めに公開をいたします。それが1つです。
それからもう一つの質問でございました訪問販売の登録証でございますが、我々はこういう冊子をつくっておりまして、これは消費者センター等を通じていろいろな方法を取りまして、一般の消費者に渡るような方法を考えております。

松本委員長
大河内委員、どうぞ。

大河内委員
私たちにとっては訪問してきた業者さんが、たとえ証明書のようなものを持っていたとしても、その方が本当にいい業者さんなのか、悪い業者さんなのかというのはほとんど絶対わからないのだろうと思うのです。というのは、そもそも家というところはプライバシーの守れる領域として、無防備でいるところ、何をしているかわからないところに急にピンポンと入っていらっしゃるわけですから。そのとき、迎える方も判断能力が、外にお買い物に行くときとは全然違っているということを思えば、教育的に見分けることができるようになるということは、私は無理があるのだと思うのです。
ということで、不招請な勧誘というか、訪問販売自体に問題があるのだろうと思うのです。というのは、ほとんどの方はそういうふうにピンポンと来てもインターホンでもうお断りになるし、出ないという方がほとんどだと思うのですけれども、たまたまドアをあけてしまった方、そういう方が集中的に熱心な販売行為に遭ってしまうというふうにどうしてもなると思うのですね。それでも良識ある業者もいるということであれば、私たちなどは池本先生や青山さんや広重さんが言ったような事例にあるようなことがなぜ犯罪行為ではないのという、やはり犯罪としか思えないような事例が重なってあるわけですから、せめて個品割賦というのは完全に禁止のような形にしていただかなければいけないのだろうと思うのですね。
だって、突然の訪問で、それまですごく欲しいなと思っていたものを買うわけではないのに、そこにクレジットって借金ですよね。そういうものをつけること自体が購入方法としておかしいと思うのです。やはりそのとき自分の持っている、手持ちの日常的なお財布の中から払えるぐらいの金額であればいろいろ問題があってもなかなか取締りも難しいと思うのですけれども、クレジットというのはちょっと訪問販売にはそぐわないので、せめて個品割賦を禁止にしていただきたいというふうに私どもは思っております。
もう一つは、とても難しいようなのですけれども、高齢者の被害が大きいというところで、若い未成年の方と同じように高齢者に何か訪問販売で物を売って、そして問題が起きた場合には取消権がちゃんとあるのだというふうに単純にしてしまうとたくさんの方が救済されるし、そういうふうに得しないということになれば、悪質な業者さんも、こんな商売はやってはいられないということでやらなくなって、世の中が平和になるのではないかというふうに思うのですが、いかがでしょうか。

松本委員長
丸山委員、どうぞ。

丸山委員
まずは先ほどから必要性が指摘され、、池本先生のご報告でも出ていた新たな民事的取消権のルールを考えなくてはいけないのではないかという御提案に関してですが、、確かに現在の状況に鑑みますと、そういった民事的な対応を考えるということが必要な状況にあるのかもしれませんが、要件の立て方であるとか、どういう形で規定を置くのかという問題は慎重に考えなければいけない問題であると思います。例えば、施行規則のところに、7条として禁止行為が列挙されていますが、、それに違反したら直ちに取消権を付与するということは、民事ルールなので体系的思考からいって難しいのではないでしょうか。
他方で、今回、池本先生の紹介事例とかを見ますと、一つのルートとして考えられるのが、御報告にもあったような現在では民法90条でとらえていくしかないような事例について、暴利行為の緩和論であるとか、状況濫用論といった議論を参考として、相手方の弱みとか判断力不足と認識しつつ、かつ内容の不当性としては、不用なものを売りつけているといったような暴利行為の緩和論とか、状況濫用論的といった議論を参考に、なものを要件論をうまく組み立てていく方向性もあるのではないでしょうか。あと高齢者だけに着目するという行き方ですが、考慮しなければいけないのは、高齢者だから取り消せるというふうにしてしまうと、事業者は高齢者とは取引しないという対応があり得て、高齢者が、取引から排除されてしまう可能性がもあるのではないでしょうか。特定商取引法に規制されている取引からは排除されてもいいのだという決断をしてよいのかという問題をはらんでいると思います。訪問販売などはそういう状況が出現しても良いという考えもあり得るかもしれませんが年齢で一律に切ってしまうと取引からの排除の可否という問題も検討する必要が出てくるのではないでしょうか。
あと一つ、不招請勧誘の問題ですが、表にしていただいた9ページのところで、現在の状況というものを整理していただいていますが、不招請勧誘規制の考え方は、諸外国によっても違うということが8ページのところで整理されていますが、不招請勧誘についてもう一歩規制を強化する可能性はないのでしょうか。例えば省令レベル、通達レベルで対応している、職場に販売の勧誘電話をかけてくるような行為はもう迷惑以外の何物でもなく、もう少し明確に厳しく規制されても良いのではないでしょうか。訪問販売に関しても、一般的な拒絶者勧誘の禁止、例えば玄関に「うちには訪問販売に来ないでください」と張ってあったならば、そこには行ってはいけないというようなレベルでの規制というのは実現可能性があるのか、それとも、法律の状況などと照らして実現に厳しいものがあるのか、その辺の感触というのを事務局の方から意見として教えていただければと思うのですが。

松本委員長
どうぞ、答えられれば。

安井消費経済政策課長
非常に難しい質問でございまして、ここの9ページの表で言えば、他法令とのバランスから言えば、同じ法律の中にも個別的拒絶者の勧誘の議論のところは議論を十分する余地があるのではないかと思っておりますが、それ以上につきましては余り例のない話でもありますのと、先ほど申し上げましたような金融関係のような他国でもかなり規制のきつい分野、こちらの方に限定されたやり方になっていることは事実でありまして、この辺のバランスの中でどこまでやるべきかということを議論するという問題だと思っております。
それから、この個別的拒絶者勧誘の中でも、運用上の問題が若干あるのですけれども、10ページの、私どもの海外先物などの法律の中では勧誘を受ける意思の有無を確認することをしないで勧誘することを規制をしている例も一応ございまして、こうしたものも含めてきちっとした議論をする必要があるのではないかと思っております。

松本委員長
ちょうど通信販売の世界でこの2段目のいわゆる一般的拒絶者勧誘の禁止に当たる部分が自主規制でメールプレファランスという形で実現されているわけで、それを最近、条例改正などで、ここの部分を条例で取り込むということも少しあるようですが、さらに法律的なものにまでできるかどうかというのが丸山委員の御意見だったと思います。
大河内委員、どうぞ。

大河内委員
誤解のないようにもう一回発言したいのですが、あらゆる取引から高齢者を排除したらいいと言っているわけではありません。別に高齢者に限らず、ほとんどの方が家にいるときに何か物を売りにきてほしいと思っていないということがまず前提にあります。そして、高齢者というくくりがなかなか難しくて、判断力不足というのも、あるときにはちゃんと判断ができる、それからあるものに対しては判断ができる。でも、そんな突然の訪問に関してなかなかできない。だれが見てもこの人はちょっと判断力が不足しているなという方でなくても、そういうことは高齢になれば起き得ることですし、それがいつなるかということも自分でわからないわけです。人にわかるようになるまでにはかなり長い期間がかかるのだと思いますし、もちろんいろいろな方がいらっしゃるのはわかっているのですけれども、こういう訪問販売でそんなに来てほしいと思っていないところに来る。そしてその判断力の不足ということが余りはっきりとは言われないという場合には、年齢で、そこの塩梅だけを決めてだめというふうに言っても、余り皆さん怒らないのではないかというふうに思って申し上げたのです。

松本委員長
では、山本委員、先にどうぞ。

山本委員
今、直前のいろいろなやりとりを伺っていて、その感想だけなのですが、私、前回、省令7条2号を発展させて何とか取消権にできないか申し上げました。この「発展させて」というところ、すなわち発展させられるかどうかが問題で、「判断力不足に乗じた契約は取り消せます」などという民事ルールは、何が判断力不足などかという点で世の中を大混乱に陥れるだけなので、それはちょっとまずい。やはりそこを、被害実態等をとらえて、なおかつ民事ルールというのはやはり民法とか消費者契約法とか、我が国の法体系の中で一連の位置をそれぞれ占めて、それぞれポジションを持ってそれなりのルールがあるわけなので、例えば他人の窮迫・軽率・無経験に乗じて暴利をむさぼる行為、これはまさに民法90条で無効なわけです。それでは足りないのであって、特定商取引法分野においてはそれをもう少し明確で、ある程度コマーシャルプレディクタビリティも担保できるような形でルールが立てられるかどうかというところがポイントでありまして、ただ闇雲に判断力不足の契約は取り消せるということではやはり法律の形にはならない。そのあたりを今後さらに検討していくということが必要ではないかというふうに思いました。
これは意見であります。

松本委員長
池本委員、どうぞ。

池本委員
池本でございます。今の山本委員からの御指摘を受けて意見を述べさせていただきたいと思います。
「判断力不足」というのは非常に抽象的な言葉である。そのままでは法文として取消権に直結はしにくいということも理解できるところではありますが、ただ、1つだけ情報として共有していただきたいのは、成年後見制度というものが現在運用されていまして、どうもこの人は判断力でどう考えても不十分ではないか。変なものをいろいろ契約して、しかも余り自覚がないというときは、精神科医にお願いして、「後見」、「保佐」、「補助」という判断力不足の程度によって3段階、判定してもらえるのです。家庭裁判所へ提出する書式がありまして、その専用の診断書に書いてくださいと言うと、いろいろな検査をしたり、テストをしたり問診をして、これは判断力が著しく不足しているとか、そのために一人で財産管理は困難であるとか、その3段階で判定してもらえるのですね。その成年後見制度における判断力の低下の程度、3段階というのがほぼ実務でも定着しているので、それは1つ使える材料になるかと思います。
問題は、その判断力不足の1点だけで結論を出すのか、あるいは丸山委員からの御指摘があったように、他の要素をどうミックスするのかというところかと思うのですが、民法と違って特定商取引法はその意味では訪問販売とか、限られた取引分野における特別法ですから、ちょうど特定商取引法の6条1項、不実の告知の条文に具体的に何を、どういう事項について嘘を言ったら不実の告知に当たるかというのが1号から7号に具体的な項目として列挙してあります。そのように具体的なこういう要素がある場合がこれに当たるのだということを列挙するやり方、民法的な条文の美しさはないかもしれませんが、実務的な運用のしやすさからすればそういう要素を列挙して、こういう場合は取消事由になるというふうにすることができるのではないか。
それと全く同じことが威迫困惑行為という、本当に茫漠としたものについて、これも状況を濫用して押しつけるとか、幾つかの類型を、あるいは断っているのにさらに執拗に勧誘するとか、そこも幾つかの類型を列挙して、こういった要素がある場合に取り消せるというふうな書き方をしていけば、実務的にも利用できるし、被害実態を反映したものをつくることができるのではないか。もちろん私が正確にこう書けばいいというものを今持っているわけではないので、あくまで方向性についての意見でありますが、ぜひそういった踏み込んだ検討をお願いしたいと思います。
以上です。

松本委員長
青山委員、どうぞ。

青山(理)委員
諸先生方が法文を書くことでこういうところが困るのだというようなおっしゃりようはとてもよくわかるのですけれども、ただ、私たちから言わせれば、現場はこういうふうに困っているのだから、そこを何とかするのが先生方でしょう、というところをぜひ申し上げたいなというふうに思うのです。
先ほど民事ルールはこうなっているという説明がありました。確かに民事ルールができたときにはすごいなと思いました。しかしながら、この前私どもが2500人の消費生活相談員にアンケートを取ったときに、あの民事ルールほど使い勝手の悪いものはない、あれをだれが立証するのだ。立証のところですごく困ってしまって、相手の事業者が全然対応しないわという部分があるので、そういう意味で、民事ルールをつくったのはすごいのだけれども、立証するところがすごく困っているというところがあるわけで、そこは挙証責任の転換というような形を盛り込みながら、先生方がぜひ考えていただきたいなというふうに思っています。
それともう一つあわせて言うと、12ページにあるように、前回、山本先生が威迫困惑について取消権がないのはなぜかとおっしゃったとき、本当に私も一生懸命に見てみて、どうして威迫困惑が取消しができないのだろうということを思ったことがあります。それを今回、12ページに、こういう議論があって特定商取引法の中に入れなかったというふうな書きようがあるのですけれども、民法の脅迫とかそういうことがある、民法の中に取消制度があるではないかということであれば、民法の公序良俗違反と信義誠実の原則さえあればそれでいいのかというふうに思えてならないのですね。特定商取引法という限られた取引行為の中でこそ使える威迫困惑取消行為ということをやはり盛り込むべきであろうというふうに思いますので、その辺はぜひ先生方、せっかく勉強していらっしゃるのですから、ぜひ入れ込んでください。お願いします。

松本委員長
角田委員、どうぞ。

角田委員
きょうは主に高齢者の被害を中心に検討するということで、ちょっと特別な数字は持ってきていないのですけれども、最近の消費者苦情、消費生活相談の統計を見ますと、明らかに年齢が高齢化しているというのがございまして、国民生活センターのパイオネットの統計であれ、各自治体の市であるとか県の統計等を見ても、70歳以上の契約当事者の占める割合というのが明らかに増加している。具体的な事例を見ますと、先ほど池本委員が紹介してくださったような高齢者の次々販売で、次々に非常に高額な契約をしているという例が非常に代表的な例としてどこでも紹介されているという状況にございます。非常に高額ということもありまして、これは議論されているように、やはり何らかの形での民事ルール、今までの特定商取引法である重要事項の不告知、不実告知以外の民事ルールというものをやはり検討すべきできないかと思うのですけれども、実際に私が以前の職場でやった経験から見ますと、今の高齢者というのは非常に日本の古き良き時代の高齢者で、お客さんが来るとすぐに上げてしまうのですね。だから、田舎に行きますとまだ鍵も閉めずにオープンにいる住宅というのは非常に多いというのもありまして、ドアをあけなければいいというようなことではとても防ぎ切れず、かつ非常に礼儀正しいので、セールスマンが来たらそこで上げてお茶をいれてあげる。そこでもう話しているうちに威迫困惑というようなケースにならなくても、もうわけがわからなくなって次々訪問されて契約しているというような事案で、ただ、後で客観的にセンター等で話を聞くと、先ほど池本委員が紹介してくださったように、だれが見てもそれは明らかに適正な取引ではないと思うような行為でのトラブルというのがあります。じゃあ具体的な救済というふうになると、特定商取引法の適用がなかなか難しい。例えば、店舗に出向いていってであるとか、展示会に出向いていってというようなことで、1件、1件を見ると違法な要件に適用できるとは必ずしも限らないというケースが非常に多いということがあるので、悪質なケースについての民事ルールは必要なのですけれども、やはり未然防止ということが非常に重要で、何らかのやはり不招請勧誘というところのルールというものもつくる必要があるのではないかというふうに思うのですけれども。ただそれをどういうふうにするかという具体的なイメージはまだありません。
いずれにしても何らかのルールをつくる必要があるなというのがまずありまして、ただ、それ以外にもまだまだ考えられることはあるのではないかと思います。例えば、店舗に連れて行くとか、展示会に連れて行くというような場合に、この資料の13ページにもありますが、13ページの4-1のところで、これは2条関係、訪問販売の定義になるのだと思うのですけれども、訪問販売の定義をさらにもう少し拡大して、現在あるような、例えばショッピングビルみたいなところの店舗に連れていかれてというか、何度もそこに通うような形で契約してしまうというような場合であるとか、何らかの形で展示会に何度も連れていかれて契約してしまうというような取引を何らかの形で訪問販売の中に取り込んでいくことが一つ考えられないかなというのがございます。
それからもう一つ、クーリングオフについては、私はいつも思っているのですけれども、私、だんだん年を取ってきましたら、契約書が読めないのですね。私もまだそんなに高齢者の域には達していないかなと思うのですけれども、クーリングオフの告知についても、高齢者はほとんどあれは読めない、特に赤い字で書いてあって、あの大きさだとほとんど読めないのだと思うのですね。読めたとしても、あの表現だと8日以内であればこの契約をなかったことにできるのだということが多分わからないと思うのですね。高齢者に何人か聞いたのですけれども、ほとんどの人がやはりわからない。統計的なデータなどということではないのですけれども、わからないということがありまして、例えばクーリングオフについて非常にわかりやすい言葉で書いて、そこに葉書をつけるといったようなことでも相当な救済ができるのではないかというようなことも考えておりまして、高齢者被害の救済という観点からは、さらにそういった細かいところでまだできるところがあれば、考えていくことがあるのかなというふうに感じております。
以上です。

松本委員長
ほかに御意見はございませんでしょうか。
池本委員、どうぞ。

池本委員
何度も済みません。資料の9ページの不招請勧誘に関する資料に関連して、先ほども何人かの方から御発言がありましたので発言させていただきます。
現行法の通信販売と電話勧誘販売に、断る者への勧誘禁止、あるいはメールの送信禁止が入っていますが、この中のメールの送信禁止は、相談の現場、消費生活センターなどではこれは消費者に啓発していないと思うのですね。つまり、それを言うと、逆の実在するアドレスだということがわかってしまって余計迷惑メールが来るのがオチで、これはむしろ有害無益と言っても過言ではないぐらいに、むしろ余り消費者にはアドバイスしないという存在だと聞いております。
それから、電話勧誘販売については、断る者への勧誘禁止が17条にあるのですが、現実にはこれがあるから被害が防止されているというふうにはどうも受け止められません。むしろ業務提供誘引販売とか、個別の商法の規制によって若干減っているという傾向はあるのかもしれませんが、電話の場合、かけてきた人とまた次にかけたのが同じ人なのかどうか、ましてや同じ業者の別の人がかけてきたのか全く判別がつかないわけで、個別に勧誘されたときに拒絶したらまたかけてはいけないというのは、立証の問題も含めて考えると余り実効性が期待できない。その意味では、一番上の狭い意味の不招請勧誘禁止か、2番目の一般的拒絶者勧誘禁止か、あるいは先ほど事務局からも御指摘があった商品取引所法その他の規定にあるような、販売目的や勧誘を告げた上で、勧誘をしてよろしいかということを確認し、明確な承諾を得て初めて勧誘を開始してよいという、ある意味では一定の告知する義務と勧誘とを絡めることによって、より明確化するということなのだろうと思うのです。
ついでに1つだけこの不招請勧誘のことについて言うと、不招請勧誘、いわば本人が希望しないのに押しかけてくるということは、消費者自身の主体性の確保ということからすれば本当はもう根本のところから見直す必要があるとも思うのです。今、統一地方選挙の時期ですが、選挙運動のために個別訪問することは、これは罰則つきで全面禁止されていますね。あれはなぜでしょうか。選挙の公正を害するとか買収の恐れがあるというのですが、選挙の投票はその場で投票用紙を書くのではないのですよね。投票所へ行って、妨害のないところで一人で書けるのです。ところが、訪問販売は勧誘されたその場で署名・捺印したら契約で拘束されてしまうのです。個別訪問の危険性がどっちが高いかと言えば、私はルールは逆であってもおかしくないぐらいに思っています。まあ、直ちに逆にせよというのが通るかどうかは別として、むしろ訪問販売による勧誘が消費者の主体的な選択を制約している、現実にトラブルも多発しているということを考えれば、この勧誘の基本的なルールを抜本的に見直す時期に来ているのではないかと思います。
以上です。

安井消費経済政策課長
ちょっといいですか。

松本委員長
どうぞ。

安井消費経済政策課長
今、池本委員のお話の中の通信販売のところのメール、ここのものは先回の資料でも少し御紹介をさせていただいておりますけれども、逆に私のところに送らないでくださいと返事をすると生きているアドレスというシグナルになって、さらにメールを呼び寄せるという側面があることはよく理解をしておりまして、これについてはこの訪問セッションの次のセッションで、本日ではないのですけれども、また別途議論をさせていただきたいと思います。
それから、角田先生からもございましたけれども、元々訪問販売というのは相手のところに行く話だったのですけれども、改正の途中で、キャッチセールス、アポイントメントセールスも入れるために、確かに法律の2条の訪問販売の定義の中に呼び出されたものも入る形に今なっているわけではあります。資料に「1条」と書いてありますが、「2条」の間違いですね、失礼しました。このために営業所を余り広く定義すると訪問販売が小さくなってしまうというか、訪問販売にならないものがふえる等の問題があります。また、それを利用して、今度は一種の呼び出しと言いますか、事業所の方に呼び込んでしまうというパターンがあります。これをどうするかという問題の紹介のためにこの13ページは用意させていただいたわけでございまして、この種の、これらは法律というよりもむしろ政令、あるいは省令の部分かもしれませんけれども、単に法律の条文を変えるだけではなく、こうした部分も含めて御議論をいただければと私ども、思っております。

松本委員長
山本委員、どうぞ。

山本委員
たびたび済みません。今、たまたま安井課長の方から13ページに挙げておられる2つの事例についての指摘がありましたので、この機会ですのでちょっと確認したいのですけれども、事例3は、これだけ見ると全然契約が成立していないような事例のように思うのですね。2本で1000円と言っていたのに、2本で2万9800円、全然売買代金の合致がないので契約成立していない、それだけの話というような感じもするのですけれども、そういう理解で、従来はこの手のものについては、特定商取引法は適用されないという整理になっていたのかどうかという、このことをちょっと確認したいと思います。
この事例がそうではなくて、拡声器で言っていたとおりの値段であれば、これは別に適用されなくてもしょうがないかなと。そこの問題だと思うのですね。2本で1000円と言っていて2本で2万9800円じゃ契約は成立しない、それだけの話なので、本当にこの問題を議論するのであれば、2本で2万9800円と流していた。実際に2万9800円だった。呼び込んだ者が、それをクーリングオフができるかとか、そういうことで議論しないと何か混乱するような、その辺もうちょっと整理していただけると問題点がはっきりしていいかなと思ったと、こういうことであります。

安井消費経済政策課長
先ほど時間の関係で省略して申しわけございません。
これは2本で1000円と言っておいて、それでお家で呼びかけると、お宅の物干し台に合う長さでないとよくない。こう言って、物干しまで来るわけですね。、それでその長さに合わせて物干し竿を切るわけです。ところが、物干し竿は竹竿ではなくて、これはステンレス竿なのですよと。したがって、2万9800円なのですと、こう言うわけですね。消費者は実態上、そこでお金自身は払ってしまわれる方が多くて、後で、やはり悔しいと。それでクーリング・オフなり何なり救済が受けられるだろうか、こういうタイプのお話が多いわけでございます。
一番最初に請求された時点では、おっしゃるように、これはそもそもそんなものを買う気ではないというので不成立ということは成り立つと思うのですけれども、お金を払ってしまっているという状態の場合に特定商取引法で適用ができるかというと、現行条文上、申込みをし、または契約を締結をすることを要請した者に対して行う訪問販売に関しては適用せずと、こう書いてあるわけですね。ただし、これの意味は、つまり例えば台所の水漏れの修理に来てくださいと言って、そのときについでにお風呂も直してしまったよと、これはだめですよと。つまり要請した物と違うものであれば適用されると、こういう解釈通達を出させていただいているのですが、では、1000円の物干竿と2000円の物干竿ならばどうなのだといったような問題もあって、非常に類似性が高くなってきたときに、呼んで来ていただいた契約だけになるのか、若干そこにやはりちょっと広がりをもたせて、おたくの場合はこれじゃないと寸法が合いませんよと近いものをすすめることも良いのか。逆に言うと、それを言わないと重要事項不告知になることもあり得ますので、この適用除外のところをどういうふうに考えるかという課題の例として用意をさせていただきました。

山本委員
よくわかりました。そうであれば、やはりこの点については細かい問題ですけれども、こういう事例というのは意外に結構ありそうですので、適用除外のそのまた適用除外、これが今施行令、あるいは特定商取引法本体にないのであれば、これはぜひ適切なルールを立てる必要があるというふうに思います。その際に、拡声器で欺瞞的な呼びかけをして呼び込ませた場合というふうにするのか、それともとにかく拡声器で流して呼び込ませるという、そこまでもう全部それは訪販になってしまうというところまで行くかどうか、その辺、意見は分かれると思いますが、ぜひ検討されて、法文、あるいは施行令に盛り込むということが必要だというふうに考えます。
以上です。

松本委員長
なかなかおもしろい問題なのですが、フルセットの訪問販売規制のルールをすべて適用すべき対象のものはどこまでなのか。それと、今出ているようなものについて、果たしてフルセットで適用すべきなのかどうか。しかし、救済は必要であって、従来、訪問販売のジャンルに入るとすべての規定が適用され、入らないとすべての規定が適用されなかったというオールオアナッシングだったところにかなり問題があるのではないか。その辺、どうするのかですね。
私の直感では、これは景品表示法違反のおとり広告だから、景品表示法の方に民事ルールを入れるなり、消費者契約法の方に適切なものを入れる方がいいのではないかという実感はあるのですが、景品表示法が動かない、消費者契約法が動かないと困るのですが、動かないという中で、もし万一そういう場合に特定商取引法の方で何ができるのかというのは別途考える必要があると思いますが、必ずしもフルセットではない形で、一部横出し的な民事ルールがうまく入ればいいのではないかという気がいたしますが。丸山委員、どうぞ。

丸山委員
一つの可能性としては、現行法でも3条の氏名など明示義務が飛び出している形になっているので、そのような形で、契約条件というのがしっかり煮詰まらないうちに無理やり履行行為などをしてしまう行為を処罰の対象などに加えていく、そういう方向性もあり得るのではないでしょうか。民事的には、最初に山本先生がおっしゃったように、契約が成立していないか、していても1000円の売買の可能性が高く、また詐欺などの可能性もある事例であり、追認が問題となり得るかもしれませんが、本来的には要求された額を支払う義務はなかった事例であると思います。何らかの形でこのようなケースに罰則をかけたいというのであれば、フルセットにしてしまうと、普通の5000円ぐらいの竹竿の移動販売事例まで規制に入ってしまい、問題が出てきそうなので、幾つか対応の仕方が考えられるのではないかという印象を持ちました。

松本委員長
どうぞ、平山委員。

平山委員
私、知人に訪問販売をやっていた人間がおりまして、おもしろかったものでいろいろ話を聞いていたのですけれども、丸山先生がおっしゃられたような、高齢者には、初めにマークとして、高齢者がいるので、ここでは訪問販売をしてはいけませんよみたいなシールを付けておくというのは、性善説的に考えると非常にいいアイデアだと思うのですけれども、彼らいわく、私が聞いた話によりますと、表に「猛犬注意」とか、「セールスお断り」と張ってあるところが狙い目であると。なぜならば、そういう人たちは中に入ってきたら断り切れないからこういうふうに張ってあるから、ここをあえて狙っていくのだという話を聞きまして、ああ、なるほど、心理戦なのだなというふうにちょっと思っていまして、先ほどのお話であったように、未承諾広告のような形で、逆にいぶり出してしまうというとおかしいのですけれども、このマークのあるところでセールスをしてはいけませんよというのは、逆にここが狙い目になるのだなというふうに訪問販売の人たちには教えてしまう可能性があるので、そこまでを考えた上でそういうことを議論していただければなというふうにちょっと私の方で思いました。

松本委員長
よろしいでしょうか。
それでは、大体時間になってまいりましたので、ここらあたりで訪問販売を中心とした高齢者被害対策につきましての議論を終えたいと思います。
次回には、これまでの論点を整理したものを事務局に用意していただきまして、それについてさらに審議していただくという形で会議を行いたいと思います。次回の日程等について、事務局からどうぞ。

安井消費経済政策課長
次回は、今、4月26日の午前中を前提に皆様のお時間を最終調整させていただいておりますので、あと細かい開催時刻及び場所につきましては、後日連絡をさせていただきます。

松本委員長
それでは、本日は御多忙中のところを長時間にわたり熱心に御議論いただきまして、まことにありがとうございました。
以上をもちまして、本日の産業構造審議会消費経済部会第2回特定商取引小委員会を閉会いたします。
どうもありがとうございました。

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最終更新日:2007年7月30日
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