経済産業省
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産業構造審議会消費経済部会特定商取引小委員会(第3回)‐議事録

松本委員長
定刻となりましたので、ただいまから、産業構造審議会消費経済部会第3回特定商取引小委員会を開催させていただきます。
委員の皆様には、ご多忙中のところをお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
まずは、事務局から、委員の出欠状況、定足数の確認、配付資料の確認等についてお願いいたします。

安井消費経済政策課長
まず、委員のご出欠でございますが、本日は、角田委員及び平山委員がご都合がつかずにご欠席となっております。本日の小委員会は、委員の出席者が過半数を超えておりますので、定足数を満たしていることを確認いたします。
資料の確認でございます。お手元に配らせていただいておりますように、資料1から資料5まででございます。資料1と資料2は定例のものでございます。資料3は「訪問販売を中心とした高齢者被害対策について」という3枚紙でございます。それから、社団法人日本訪問販売協会から、先日のプレゼンテーションに対するご質問のうち、十分に答えられなかった点について、配付資料として資料4を1枚紙で提出されておられます。資料5は「インターネット取引を中心とした通信販売の課題について」でございます。資料5には後ろに幾つかの参考資料がつけてございますが、これらを含めまして、抜けているものなどがありましたら、審議の途中でも結構でございますので、事務局の方にお申し出ください。
以上でございます。

松本委員長
ありがとうございました。それでは、議事に入りたいと思います。
前回行われました第2回の会合では、訪問販売等に関する高齢者被害対策を議題といたしまして、社団法人日本訪問販売協会の鈴木会長に業界の自主的取り組みについてご説明をいただきました。また、池本弁護士からは、訪問販売にかかわる被害の事例につきましてご紹介をいただきまして、非常に活発なご議論をいただきました。
そこで、本日のご審議では、事務局にこれまでの議論を整理したものをご用意いただきました。本日はこれをもとに審議をいただきまして、訪問販売に関する今後の規制のあり方について大まかな方向性を整理し、さらに詳細な議論のための作業を事務局にお願いするという形で進めたいと考えております。
それでは、まず、事務局からご説明をお願いいたします。

安井消費経済政策課長
それでは、お手元の資料3をごらんいただきたいと思います。これまでの当小委員会での議論をもとに論点を幾つかに整理し、各論点の課題となるようなものもある程度つけたものを用意してみました。
1つ目の論点でございますが、訪問販売に関する「参入規制」とかぎ括弧づきで書いてございますけれど、広い意味の参入規制という意味で書かせていただいております。現在、訪問販売については参入規制は全くないわけでありまして、これが結局、悪質事業者の参入を容易にし、業界が自主規制をしようとしてもなかなか効力が十分出ないのではないかというお話がありました。
では、これについて仮に何らかのいわゆる参入規制を入れるということをするとした場合の議論でございますが、特定商取引法で手当をするとすれば、そもそも特定商取引法は今までは行為規制及び民事ルールで構成された法律になっておりますので、この種のことがなじむかという議論が1つあると思っております。
それから、参入規制を導入する場合の方法論も、これは「登録」などという言葉も多少出ておりましたが、それ以外にもいろいろな方法があるので、どうした方法が適当かという論点があると思います。
また、もう少し本質的な問題としましては、何に対する参入規制論なのかという点であります。これまでも、昭和の時代からこの法律についていろいろ議論をするときに、訪問販売全体に対する何らかの登録制等の参入規制が必要ではないかという議論がありましたが、最近の状況をみれば、多少ではありますけれど、全体の件数が減っている状況の中で、しかも、対象者が非常に多数で、小規模な店舗や個人も対象になり得るという当時からの事情に変更がありませんので、どれだけの実効性が担保できるかという論点は今なお残っていると考えております。
他方、もう1つの考え方としては、今回のように、個品割賦購入あっせんを使った訪問販売での高齢者被害が非常に深刻であるという現状にかんがみれば、こうした部分に着目して参入規制をかけるという考え方があるのではないかということでございます。
この場合も、対象者が非常に多数になるということでは難しいので、十分な絞り込みができるかという問題。あるいは、個品割賦購入あっせん契約というのは、クレジット会社と企業の間に加盟店契約というものがあるのですが、この加盟店契約の実態とうまく整合するような制度が設計できるか。あるいは、訪問販売にはさまざまな支払い方法がある中で、個品割賦購入あっせん関連部分に対するものと限定することがいいことか、よくないことかという論点もあると思います。
それから、本件の関連事項としてですが、消費者に借り入れを別途させて、それをもって商品を売るといったようなことをするところに活路を見出す事業者の方も十分発生し得ると思われますので、これに対する対抗手段があるかという問題もあると思います。
なお、この議論の前提として、現在、別途、並行的に話が進んでおります割賦販売法における個品割賦購入あっせんに関する規制の議論がどのように進むのか。こちらが十分進まないのに、一方だけやってもなかなかできる話ではありませんので、そういう意味では、2つの法律のバランスもあわせて議論していく必要があるということだと思います。
そして、実際にやるとなると、何を参入要件にするかということだと思います。
次は、「不招請勧誘」関係の議論でございます。これもかぎ括弧をつけておりますが、広い意味での不招請勧誘の規制を強化していく必要がある。また、今の特定商取引法において、法律レベルでの規定では、訪問販売に関する勧誘規制が甘いのではないかという点も含め、どういう対応がとれるかという指摘があったと思っております。
不招請勧誘の中でも、招請勧誘以外の禁止や一般的拒絶者勧誘の禁止のようなものについてはどうかということがまず1つ考え方としてあるわけでございますが、最近の金融商品関係の法律の国会議論などでは、適合性原則の遵守をおよそ期待できないような場合に不招請勧誘規制がかかるという考えが示されていると承知しております。
こういう考え方に対して、特定商取引法の場合は訪問販売で扱っているものは非常に幅広くなっておりますので、そういう特殊な商品に限られているわけではないということがあります。さらに、当委員会でも時々出ますけれど、指定商品・指定役務の議論が別途あるわけでして、一方で、対象を広げながら、先ほどのようなピンポイントでの強い規制が入れられるかという点からすると、バランス上は難しいところがあるかもしれないということでございます。
2ページでございますが、個別的拒絶者勧誘の禁止と書いてございますけれど、基本的には、お断りをなさっている方に勧誘を続けることについては明確に禁止をすべきではないかと。また、これには、最近の商品取引所法などにも規定されていますが、勧誘を受ける意思がありますかということもあわせて確認をするということを検討してはどうかというご指摘があったと理解をしております。これは先ほど申し上げましたように、特定商取引法の他の類型には既にこの類の規定が入っているものもございまして、そのバランス上も合理的な選択となり得るのではないかというご指摘も委員からいただいていたと思っております。
それから、訪問販売協会についても、前回、プレゼンテーションをいただきましたが、法律による規制もさることながら、業界による自主規制が有効に行われることは全体の効率性の観点からもいいことではないかと考えられるわけです。しかし、前回も協会の会員管理の強化をしっかりしていただく必要があるのではないか、あるいは消費者の苦情解決事業をもっと積極的かつ活発にやっていただく必要があるのではないかというご指摘があったと思っております。
それから、特定商取引法第9条の2と書いてございますが、契約の申し込みもしくは意思表示の取消条項でございます。これをもっと現在よりも充実できないかというご指摘があったと思っております。
この中に、判断能力が不十分な消費者との契約を何らかの形で加えることができないのかというご指摘があったと思っております。法律的な根拠をどこに求めるのか、あるいは、極力客観的な判断ができるのかといった、技術的な問題がかなりあることは事実なのですが、これに対する要望は強かったと思っております。
被害の実態を占めている訪問販売、特に高齢者のうち判断能力のない方に対するものについては、、初回の資料でお示しいたしましたが、訪問販売によるものが非常に大きいので、ここを中心に検討する方向でよろしいでしょうかということでございます。
それから、別途、第9条の2で立証責任の転換の是非についてのお話がございました。ただ、別途ございましたけれど、不実告知をしなかったとか、故意に事実を告げなかったというように、何々を全くしなかったというタイプのことを、今度は事業者側に立証を求めるということは妥当であろうかという議論があろうと思います。
それから、本件は、クーリング・オフと比べて、第9条の2は相談現場ではなかなか使いにくいというご指摘もありましたが、クーリング・オフというのが非常に強力な規定でございますので、多少差があるのはやむを得ないのではないかという議論もあるかと思います。
それから、時間がたってから契約を取り消せる可能性があるというのは、あまり場合を限定せずに残り過ぎるのも、取引の安定性との関係はあろうかと思います。
それから、先ほどの参入規制のところでも出ましたが、割賦販売法との関係は本件で非常に重要でございまして、前から3つの点が本小委員会では指摘されていると理解をしております。
1つは、個品割賦購入あっせんに対してもクーリングオフの導入などをするべきではないかという議論です。
2つ目は、訪問販売事業者を含む特定商取引法関係事業者に対して、加盟店契約について、クレジット会社に加盟店管理をしっかりとしてもらえないのかというお話があります。
さらに、個品割賦購入あっせん業者自身も、先ほどの個品割賦つきの訪問販売と同じように、何らかの参入規制論をやはりやらないと、アウトサイダーばかりで緩くなってしまうのではないかというお話があったと思います。
最後に、3ページでございますが、法律だけではなくて、これは政省令に落ちている部分もございますけれど、新たな手口の中でも、展示会商法とか呼び出し監禁商法のようなものに対応できるように、政省令レベルの規定の見直しを含めて、訪問販売関連というのは、キャッチセールス、アポイントセールスなどだけでなく、その外側のいろいろな限界的なところをもっと規制の対象にできるように、関連の規制を強化すべきというご指摘があったと思っております。
以上、これらの諸点について、選択肢になっているものもございますが、ご指摘があり、私どもとしても、ある程度この方向で詰めていくべしというご議論をいただければ、さらに今後の作業に効率性が上がるなと考えている次第でございます。
以上でございます。

松本委員長
ありがとうございました。
大体6つの点に分けて論点を整理していただきました。この各論点につきまして、どうぞご自由に委員の皆様からご意見を伺いたいと思います。
なお、議事を円滑に進めるために、ご発言いただく際には、挙手あるいはネームプレートを立てるということでご意思を明示していただければと思います。

坪田委員
日本商工会議所の坪田と申します。悪質なものを規制するのは大いに賛成です。ただ、一般の商業者、サービス業者が普通の販売行為をやっていて、それに影響が及ぶのは問題だと思いまして、私どもは全国の商工会議所を通じまして、地域の商業者、サービス業者の声を聞いてみました。これを少しご紹介したいと思います。時間の関係もありましたので、まだサンプル数は 200ぐらいですから、定量的にどうこうということはできませんが、ある程度の傾向はうかがえると思いますので、ご紹介します。
1つは、そういった地域の一般の商業者、サービス業者が消費者から呼ばれないのに、訪問販売、勧誘を行っている割合は、事業者全体からみて、少ないとは思われますが、2割程度ございます。そういうところの訪問販売等の売上高は、こうした事業者の3割ぐらいについて、75%ぐらいを占めています。
ただ、こうした事業者のうち、訪問した際に、消費者からあらかじめ要求されていた商品・サービス以外のものを勧誘する、あるいは注文を受けるというケースは相当数あります。4割ぐらいはあるといっております。こういった事業者の業種・商品をみてみますと、電気器具、自動車、部品、寝具、呉服、食料品、酒類、飲料水、乳製品、あるいはガス器具などが多くありました。
これらの訪問販売による1回の売上高はどうかといいますと、自動車や墓地などは100万円以上しますが、そういった例外を除くと小額のものが多い。1万円未満が15%ぐらい、1万円未満も含む5万円未満が大体4割の売り上げになっているようです。そして、支払い方法はほとんど現金払いということであります。
今、ここでいろいろ議論されていますが、そういったことを踏まえて意見を聞いてみました。例えば、消費者に要らないと断られた後も継続して商品・サービスを勧める行為の禁止とか、あるいは消費者の意思確認を行わずに商品・サービスを勧めることの禁止、この点について聞きますと、それぞれについて、75%の人は「やむを得ない規制だと思う」といっていますが、25%は「営業上の支障が出るので反対」というのが地域の声であります。
それから、消費者から家庭に呼ばれないのに訪問して商品・サービスを勧めること、あるいは消費者側から家庭に呼ばれた場合でも、要求された以外の商品を勧めることを禁止されることについてはどうかといいますと、半数以上が「営業上に支障が出る」と。「やむを得ない」といったのは半数以下ということでありますので、ここは大きく傾向が違うところかと思います。
そういうわけで、悪質事業者は取り締まっていただきたいとは思いますが、こういった善良な一般の商業者・サービス業者が行っている営業行為までにそういった規制が及ぶのはやはり問題があるかと思いますので、くれぐれもよろしくお願いしたいと思います。

松本委員長
ありがとうございました。
では、阿部委員、どうぞ。

阿部委員
私も坪田さんと同じような考え方で、まず、表題が「高齢者被害対策」になっているのに、ここに書いてあることはほとんど訪問販売に対する一般的な規制であることに、かなり違和感があります。
その上で、参入規制という話が出てきたのに非常に驚いておりまして、現実にどのようなことが可能か、もしあり得るとすると個品割賦購入あっせんの部分かなと思うのですが、だったら、これは特定商取引法ではなくて、割賦販売法でやればいい話であって、訪問販売全体に参入規制を求めるという議論は、私はなじめないのかなと思っております。
それ以降のところは、これは不招請勧誘とかそれぞれ議論はあるかと思いますが、いわゆる高齢者被害対策ということでここまでの議論ができるのか、非常に違和感があります。高齢者の意思能力の減退に対しては、成年後見のような一般的な制度があるので、そことのつなぎをうまく考えていけばいいところがかなりあると思いますし、ここで書いてあるような話は、正面からそもそも訪問販売の中で不招請勧誘をどう規制するかということであれば、それは議論は十分あり得ると思いますが、高齢者被害対策ということで入り口を設定しながらこういう話をするというのは、余りなじまないのではないかと思っています。
それから、特に割賦販売法との関係ですが、先ほども個品割賦購入あっせんのクーリング・オフも含めて、結局、最終的には金がない人に高額なものを買わせて、その手続としてクレジットを使うというところに、恐らく今の被害が深刻になっていく最大の原因があるので、ここは特定商取引法よりは、むしろ割賦販売法の議論でぎりぎり詰めていってはいかがでしょうか。
以上、意見です。

松本委員長
ありがとうございました。
伊藤委員、どうぞ。

伊藤委員
アウトサイダー、いわゆる悪質な事業者と、規制強化を徹底する事業者とを、消費者側からみてきちんと区別できるようにしてほしいということにつきまして、4月3日のこの小委員会におきまして当協会の鈴木会長からもお願いをいたしました。
訪問販売自体を参入規制することについて、対象者が非常に多いということで物理的に難しいのであれば、個品割賦購入あっせんによる訪問販売について参入規制していただければ、かなりの効果があると思います。ですから、参入規制については賛成したいと思います。
それから、訪問販売協会について何を求めるかということで、ここに2点書いてありますが、私ども協会につきまして、会員管理について強化をするということを考えておりまして、例えば、入会の審査を今まで以上に厳しくする。そのための情報収集については、他の消費者団体、関係団体に協力をお願いする。また、入会後につきましても、教育プログラムを充実させ、販売員等の指導を徹底するということを考えております。
それから、消費者からの苦情の解決に当たっては、早急かつ消費者が満足できるような方策を検討していきたいと考えております。

松本委員長
では、青山委員、どうぞ。

青山(理)委員
いきなりこういう形でいかがなものかというご発言が出てくるというのは、今までにない審議会だなという感じで、大変びっくりいたしましたけれども、商工会議所に関しては、地域の中で適正な商行為をしない限り地域の中で省かれてしまうわけですから、そういう意味では、今回の悪質事業者云々という対策の中で、何ら心配することはないんじゃないか。適正に商行為をやっていれば、それはもう発展的に営業活動が進められていくわけですから、今回の改正は商工会議所に関する事業者にとっては何ら問題はないと、杞憂にすぎないのではないかなという気がいたしております。
私自身は、本来なら、こういう商取引というのは、世の中の規制緩和の時代の流れにあって、規制を強化するというのは基本的には余り歓迎すべきことではないと思っています。しかしながら、これだけ世の中を騒がせ、世の中に悪質商法がはびこっていて、消費生活センターの相談件数というのは右肩上がりで大変伸びてしまっているという状況の中で、規制法をもっている経済産業省の特定商取引法は何らかの改善をしない限り、世の中からおかしいというふうに思われてもいたし方ないのではないかなという気がいたしております。
そういう意味で、今回の参入規制は、どういう形であろうが、取り入れるということについては、私はぜひやっていただきたい思っています。その中で、どういう手続でやるのがふさわしいのかなと思うのですが、実は私どもで秋に「クレジットローン何でも110番」をやったときに、個品割賦購入あっせん契約絡みの訪問販売の問題が非常に多くて、85%ぐらいに至っているということから、訪問販売と個品割賦をセットにした形の何らかの規制があるべきであろうと思います。
長くなって恐縮ですが、調停をやっていますと、調停の場で、多重債務に陥ろうとしているような人が相談に来たことがあります。その人の内容は、実は私たちがやっている販売行為についてクレジット会社からノーが出てしまって、個品割賦が使えなくなってしまったと。私が訪問に行っても、現金取引でしか扱えないとなると、消費者が買ってくれないようになってしまった。私の収入は激減してしまって、これは訪問販売できなくなってしまった。だから、私はサラ金から借り入れるようになって、こういうところに相談に来たと。これは逆説的で変な話なのですけれど。悪質な訪問販売事業者は個品割賦購入あっせんが組めなくなれば、市場から撤退せざるを得なくなるのです。
そういう意味で、個品割賦購入あっせんと訪問販売と合致したところに問題の大きな根幹があるということを感じますので、そこに何らかの規制をすべきである。しかも、その規制をした後、割賦販売業者に対しても、前回からずっといっていますように、要するに、第30条の4とか何とかも全部ひっくるめて、特定商取引法と割賦販売法と両方できちんと今回規制をしましょうよというスタンスを、ここできちんと合意をしていただければありがたいなと思っています。

松本委員長
池本委員、どうぞ。

池本委員
私も、参入規制の問題について意見を申し述べたいと思います。青山委員のお話のように、相談の現場として、個品方式を利用する販売業者について何らかの規制をしてほしいという現場のニーズというのは、痛いほどわかるわけです。ただ、中途半端な形式的な参入規制を入れたのでは、費用対効果の関係でほとんど実益がないのではないか。逆にお墨つきを与えることにならないか、という疑念があるということが1つです。
それから、本来はそういった悪質業者についてはクレジット会社が加盟店審査の過程で排除すべきことを、そういった販売業者登録制によって責任の所在があいまいになりはしないかという点が第2点目です。
この2つについてやや疑問がありますので、その点を少し申し上げたいと思います。
まず、形式的な意味での登録制というのは、例えば前科前歴がないとか、暴力団関連でないとか、そういった幾つかの要件を定めて登録を受け付ける。しかし、数年前に大問題になって、昨年、法改正があった貸金業法、これを思い出していただきますと、全国で1万社を超え、さらに2万社を超え、次々と登録をして、実はヤミ金が大半だったということで大問題になりました。形式的には審査で通ってしまうんですね。その後問題が起きたといっても、1件、2件、苦情が出ても、直ちに登録を切るということができないし、それを審査する、調査する体制がない。
ということで、実はなぜヤミ金業者が登録するかというと、登録しておくと新聞や雑誌に広告が出せるんですね。まさにお墨つきなんです。それで大問題になって、昨年12月の法改正で資産要件を今後は 2000万、さらには 5000万に上げるというふうに、実質的な規制を加えることによって、ようやく中身のある参入規制になってきているのかなと思うのですが、先ほどお話があったような個品方式のクレジットを使う販売業者の参入規制といって、まさかそんな資産要件をかけるわけにもいかないだろうし、形式的な要件だけではなかなか難しいのではないか。
特に、参入するときは、「私たちはこういう商品を訪問販売で売ります」ということで入るわけです。クレジット会社に対して加盟店契約をするときもそうなわけです。ところが、途中からそこにおかしなセールストークをつけたり、おかしな販売方法にだんだんと変わっていく。それをいち早くキャッチして排除するのは、取引を直接している信販会社のはずなんです。それを別の登録団体が情報を収集して、調査をして、登録を抹消するというと、それこそ何カ月も後手後手になってしまうのではないか。
そうすると、どういう制度設計をすればいいのかというあたりがなかなかみえないということと、問題は、訪問販売だけではなくて、電話勧誘販売とかマルチ商法・内職商法、特定商取引法関連でも悪質業者はたくさんあるのですが、そのあたりの全体を包括するような登録制度ができるのだろうか。というようにいろいろ考えていくと、費用対効果の関係で果たして大丈夫なのだろうかと。それが、登録業者を加盟店として受け入れているのだから、信販会社としては責任がないのだというように、逆のお墨つきになりはしないかという心配があるわけです。
実はその点が第2の危惧で、つまり、悪質加盟店を排除することはクレジット会社自身の責任であるという、この問題なんです。資料3の2ページの下に割賦販売法との関係というところも提示していただいておりますが、その2番目に、「個品割賦購入あっせんの加盟店契約について、クレジット会社に加盟店管理を課すことの是非」ということが問題提起されています。
これまでは加盟店管理の通達でしかなかったところを、不適正与信を防止するために加盟店管理を法文上定める必要がある、このあたりまではかなり合意に近いところに議論が進んでいるのですが、問題は、それを行政処分をつけておくことによって、いわば行政的な監督のもとで実効性を担保しようというところにとどまるのか、違法・不当な取引に関与した場合にその取引が解除・無効とされたときには、クレジット会社も既払い金返還を含む民事責任を負うべきだと、みずからのリスク負担のもとで加盟店審査をきちんとやるべきだということを弁護士会などでは強く訴えているのですが、業界団体側はその点については非常に抵抗感が強いようです。
ということは、みずからリスク負担のもとに悪質加盟店排除ということは勘弁してほしい、そのかわりに別の参入規制で加盟店にしていいかどうかチェックしてください、といっているのではないかと思えて仕方ないわけです。言葉を悪くいえば、昔ながらの護送船団方式になりはしないか。そういう心配があります。
私はこの導入を一切反対といっているのではなくて、実効性あるものに入れるなら実効性あるものにしなければいけないし、それよりも何よりも、事の本質は、クレジット会社の加盟店排除の責任であり、その点の民事的な責任をきちんと入れることが大前提の条件で、それに付加する制度としてさらにコストをかけてこれを入れるかどうか、こういう位置づけのもとで議論すべきだということです。
とりあえず、この論点だけで発言させていただきました。以上です。

松本委員長
それでは、山本委員、そして長見委員、お願いします。

山本委員
今、池本委員からもご指摘がありましたように、個別の論点はすべて非常に困難な問題でありまして、したがって、ずばり自分の意見をすべてのことについて申し上げるということにはならないのですが、このように非常に的確・簡潔に論点を整理していただきましたので、考えられる範囲でコメントをしたいと思います。
安井課長の先ほどのご説明で、参入規制を設けることが特定商取引法になじむかという、そのなじむかというところで、そこから考えたのですが、なじむかどうかは、特定商取引法というのが日本の法体系全体の中でどのようなものとして位置づけて展開していくべきかという、そのことにかかわるのだと思います。そもそも特定商取引法は最初は2本か3本の足でスタートしたかと思いますが、こういう比喩が適切かどうかわかりませんけれど、今は6本の足をもつ巨大ヒトデのような大変な法律でありまして、もちろん特定商取引法の法技術的な内在的な論理があるということはわかりますが、私のように民事法を研究している者からすると、一般民事法とはまた別の、いわばプラグマティズムの極致のような、そういう法律だと思うわけです。
それはまさにこの消費者問題に切り込む先兵としての法律として、そういうやり方も、極めて日本的なあり方ではありますが、あってよろしいのかなということで、評価されている部分が多いと思います。その意味において、なじむかということにつきましては、先ほど安井課長がおっしゃったような従来のルールでは行為規制法であるという、そういう議論もさることながら、今、池本さんなどもいわれたように、実際にこれを導入して本当に問題解決のために資するかという観点から検討して、そういう見通しがついたら、これはずばり導入するということで、特定商取引法になじまないとかということは全くないと。特定商取引法というのは、もともとそういうことは余り気にしないでどんどんやってきた法律ではないかと。間違いかもしれませんが、そういう印象をもっているということであります。
その観点からは、先ほどかなり懸念も表明されましたが、訪問販売全体に登録制というのは、これはもう後進国的な発想でありまして、しかも、実際に実施可能性もないわけなので、問題となるのは個品割賦購入あっせんによる訪問販売をしている者というところで、そこは理屈としても、個品割賦購入あっせん業者について登録制を導入するかという話は別途検討が進んでおりますが、個品割賦購入あっせんを締結する際に、いわばその手先として、現実の契約締結行為を事実として行っているのは、それが媒介であるか、手配であるか、あるいは使者であるか、そこは置くとして、それはまごうことなく販売業者であるわけで、そういう観点から、そことリンクさせて、そこに登録制などを導入するということは理屈としても成り立つ。
あとは、それを割賦販売法で手当てするのか、特定商取引法で手当てするのかというのは、割賦販売法が販売信用法としての性格をどれだけ純化するかということにもかかわってくると思います。今、割賦販売法は販売信用法としては純化していなくて、割賦「販売」法であるという側面があると思います。その中で、特定商取引法と割賦販売法の役割分担をどうするかという、そういう技術的な問題として検討されたらよろしいかなと思っております。
ただ、池本さんのご指摘は、確かにそういう心配もあるかもしれませんが、登録制を導入して、その後の監督をどう実効性をもって担保していくかというあたりの問題と、未登録業者ということによって世間の選択の力学がどの程度働くか、その辺もかなりポイントになるかなと思っております。
それから、不招請勧誘につきましても、私は、特定商取引法というのは日本の法体系においては一般法ではできないことをやる、一般ルールとしてはこれは当然無理だなというところをやるというところが特定商取引法の意味だと思っておりまして、そういう観点から、従来は、電話勧誘販売とかネットによる勧誘というところで個別的拒絶者勧誘の禁止というのがありまして、これは非常にコストが安くどんどん勧誘できるというところで絞られておりましたが、外国の法制でも、前回ご紹介のあったところでは、訪販にも一部そういうものを広げているという国もあるようでありまして、その辺まで踏み込むのが特定商取引法ではないかと思っておりますので、検討する価値が十分あると思っております。
それから、特定商取引法第9条の2関係ですが、第9条の2を導入した平成16年の改正のときにこの消費経済部会でも発言しましたけれど、私は一般法マターだと思っております。第9条の2の程度の規律は、消費者契約法の審議においてももっと進んだものが出ていたわけで、私の意見ではこれは一般法マターだと思っております。
しかし、まだ一般法がそこまで行っていないという段階において、特定商取引法でここの部分についてはかちっとルール化できるということであれば、そのことが一般法の進展を阻害することがあってはいけないけれども、こういう非常に問題事案の多い領域において、1つの先行的な法整備がされるということは意義があると、そのように理解して、それは評価するという立場でこれまでも発言をしております。
立証責任の転換の是非につきましては、不実告知をしなかったことや故意に事実を告げなかったことの立証責任の転換は、事案解明義務を尽くした後の真偽不明の場合には不実告知をしたことにするとか、そういう趣旨でおっしゃっているのであれば、これは反対いたします。そうではなくて、実際に事案解明義務を尽くさない場合のサンクションとかそういうことであれば、検討の価値があると思いますけれど、ただ、特定商取引法でいえば、第12条の2のようなタイプの合理的な根拠を示す資料の提出みたいなものが工夫できないかということも考えられないわけではありませんが、この場合の対象事実というのが、不実告知をしなかったとか故意がなかったという、そこであるとすると、なかなかそれと同じ形では難しい。
何か広告でうそをいったときに、その広告の合理的根拠を示せと、そういう話とは違うので、証明困難な場合のそのあたりは一般の民事訴訟法でも現実には相当の工夫もされているわけですね。その辺も含めて、それをうまくルールとして導入するようなことができればいいのかもしれませんが、現状ではかなり厳しいのかなと。
それから、ここのところでいわれているのは、相談窓口等で非常に困っているということですが、これは相談窓口の悲しさでありまして、裁判所でもないし、権限がないので、相手さんが乗ってこなければやむを得ないという話ですから、そこの話でこの立証責任の転換というところまでいくということでは、制度論としては難しい。やはり裁判所でどうかという話を最終的にはしないと、難しいという感じがしております。
それから、3ページの最後の点ですが、これはぜひ工夫していただきたいなと思います。これは本当に真剣にいいルールを検討していただきたいと思います。またこれを詳しく議論する機会があれば、私どもももっと勉強して意見を述べたいと思います。
長くなりましたけれど、そんなことを考えております。

松本委員長
長見委員、どうぞ。

長見委員
参入規制のところで意見を述べたいと思います。消費者の立場からいたしますと、参入規制ができるものなら、訪問販売事業者の参入規制はしていただきたいと思うわけです。ただ、現実には、池本委員のおっしゃったようないろいろな問題があるとは思いますが、逆に、割賦販売法による加盟店管理で規制を強めることで解決をしていくというのも、ちょっと心もとない思いがあります。というのは、今まで加盟店管理を強めるという方向が何度も出されながら、現実には割販事業者の人たちの営業活動というのはどうしても加盟店をふやしていく方に向いてしまいますので、実態的にはあまり管理が強められないおそれがあるわけです。
また、よほどきっちりした割賦販売法の改正をしていただかない限り、短期間でも悪質事業者を加盟店にするという割賦事業者さんは出てくるのではないかということで、実態的にみますと、どちらをとってもいろいろ問題があるというのはわかりますが、可能性があるのなら、訪問販売事業者の参入規制をしていただきたいと思うわけです。それで、何か可能性があるのかどうか。これは事務局の方へご質問させていただきたいのですが、経済産業省としては可能性がみえるのかどうかということをいっていただけるとありがたいなと思います。
あとは、不招請勧誘とか次の問題につきましては、第9条の2などにつきましては、また後で意見を述べさせていただきたいと思いますので、とりあえずここまで申し上げます。

安井消費経済政策課長
可能性があるのかというご質問ですが、そういう効果を持つ規制を作ることについて可能性はないことはないとは思います。しかし、先ほども申し上げましたが、池本さんがおっしゃったように、これをやって割賦販売法の方には何もやらないといった、そんなことを考えているわけではありません。特定商取引法の登録制だけなどですべてをきっちりと管理することは私も無理だと思いますので、割賦販売法の規制とのバランスがきっちりとれるかということが1つ大きな論点だと思います。
もう1つは、対象事業者が割賦販売法の側でのルールの強さの中でどのぐらいの数になるだろうかという点です。個別の販売員のベースなどを法の対象にするとものすごい数になってしまってコントロール不能になりますので、もっと合理的な方法論がその2つの法律の間でうまくブリッジできるか2つの法律の間の役割分担をどうすべきかという点がうまくできるかということにかかっております。つまり、不可能ではないと思いますけれど、ただ、条文を書くだけではだめでございまして、実際に運用でき、実際に効力が発揮できるようなものにできていくかということについては、もうちょっとお時間をいただいて、しっかりとした全体像として私としても判断をしたいと思っております。

松本委員長
それでは、高芝委員、宮川委員、大河内委員の順でご発言をお願いします。

高芝委員
本当にたくさんの論点がありますので、かいつまんだ形でお話をさせていただければと思います。
まず、参入規制の関係ですけれど、個品割賦購入あっせんによる訪問販売に限って参入規制を検討することは、1つの検討課題になるのだろうと私も考えています。ただ、先ほど池本委員からもありましたが、登録の形になりますと、参入条件とここに書いてありますが、登録要件というのでしょうか、逆にいえば登録拒否要件というのでしょうか、登録要件に当たる、ないしは登録拒否要件に当たらないということで、一定の要件の下で登録がなされることになるのだろうと思います。そうなりますと、登録された事業者についても、自主規制団体との関係で、インサイダーとアウトサイダーという問題は残るのだろうと思います。
登録要件のところの中に、経営のマインドですとか、消費者志向という要件はなかなか入れがたいと感じています。ただ、1つの考え方として、新しい貸金業法の関係でも同様の議論があったかと思いますが、訪問販売業を的確に遂行するために必要な体制が整備されているかどうかという基準を設けることによって、アウトサイダーの範囲を縮めることができると考えますので、そういう工夫もする余地があるのではないかと思っています。
いずれにしましても、導入する場合では、アウトサイダー問題が残りにくい方法をぜひ検討いただきたいなというのが1点目の意見です。
それから、不招請勧誘につきましては、訪問販売においても、さまざまな商材ないしさまざまな取引態様があろうかと思います。特に問題なく取引が行われている、物流の仕組みとして機能している訪問販売も数多くあろうかと思います。その意味では、訪問販売一般について不招請勧誘の禁止を一般的に導入することはやはりなじみにくいのではないかと思っております。
それから、第9条の2の関係ですけれど、その中の2番目のところは非常によくわかるところがあるのですが、客観的な基準を一律に定律することは、難しいと思われます。その意味では、取消という方向よりは、ケースに応じた、場合によっては損害賠償等で調整をする方がなじみ易い場面ではないかと感じるところがあります。
3番目の立証責任については、消費者契約法とかPL法とか民法などでそれぞれの立証責任についての考え方がございますので、それとの整合性を図っていただく方がよろしいかと思っています。

松本委員長
宮川委員、どうぞ。

宮川委員
実際に事業者規制に当たっている自治体の立場でお話をさせていただきたいと思います。平成17年度の相談件数でみてみますと、クレジットに関する相談が、都のセンターとあわせて区市のセンターで受け付けたのが1万4,470件ございまして、そのうち、個品の割賦については 9,131件ということで、63.1%あります。この辺は経年的にみますと、6~7割ぐらいがこの個品割賦について苦情相談を受け付けているという状況がございます。そのうち訪問販売が、平成17年度で申し上げますと、5,268件、57.7%となっておりまして、この辺も経年的にみると大体6割前後で推移をしているという状況です。
これを契約当事者の年代別でみますと、特に今回は高齢者の被害ということなので、高齢者についてみますと、60歳以上では、平成14年度は14.9%だったのですが、平成17年度では22.1%と、着実にふえている状況でございます。
さらに、判断能力が不十分。例えば、認知症のような感じで能力がちょっと不十分な高齢者に無理に契約を強いたような場合でみますと、この辺が大体30%前後となっております。平成14~17年度の4年間でみますと27~35%前後、個品割賦に関しての苦情が寄せられております。
先ほどもほかの委員からもお話があったと思いますが、訪問販売そのものは販売形態としては消費者にとっても大変便利なところがあるわけでして、我々の都議会の方もその辺のいろいろな議論がございました。だからこそ、安心して利用できるように、悪質事業者はやはり排除しなければいけないのではないかと、こういうことが私どもとしての考え方でございます。
そういったことで、今回の参入規制についてですが、ある意味、悪質商法を助けている信販会社については、我々も従来からいろいろとお話をしていますけれど、割賦販売法でそういう加盟店の管理責任を明確にするような縛りをまずきちっとすることを前提にして、さらに訪問販売事業者につきましては、個品割賦購入あっせんを行う事業者について、確かに登録制についてどのようにするかということはいろいろご議論があるところだと思いますが、少なくともまず登録制というものを積極的に考えていく必要があるのではないかと。そういう中で、特定商取引法で縛りをきちっとしていくことが必要なのかなと考えております。
さらに、仮に登録制を導入した場合には、登録していない事業者が違反をした場合、これには厳しく取り締まれるようにしていただきたいなと思っております。私どもの方としては、現在、条例を改正して7月から施行ということなのですが、残念ながら、地方自治法の制約もありますので、ようやく今回、5万円以下の過料を科すという程度にとどまっていまして、何とか条例にも行政刑罰を導入できないかということで今いろいろと検討させていただいております。
私たちの方は、法律と条例とをうまく効果的に活用・適用して、悪質事業者を排除して、そういった便利な訪問販売も世の中で安心して活用できるようにするには、特定商取引法の方も、形式犯的なことで法定刑が低かったという面もあると思うので、警察当局の方も、言い方はおかしいですけれど、元気を出して頑張れるように、法定刑の上限も2年からできれば5年ぐらいに引き上げていただきたいなという思いもございます。
高齢者の被害では、場合によっては生活の基盤を奪ってしまうというような、侵害性の点で非常に大きいわけですから、特に自己防衛が困難な点もございますので、刑罰による保護の必要性というのは極めて高いと思いますので、ぜひこの辺についてもご検討いただきたいと思います。

松本委員長
大河内委員、どうぞ。

大河内委員
この前、池本委員からかなりひどい被害事例のお話があって、そういうものでも救済が難しいとおっしゃっていましたが、そういう現状を変えたいということでこういう議論が行われていると思っています。年金だけで暮らしている高齢者や立場の弱い人が被害に遭っているという、そういうことを変えなければいけないと思って集まってきて話をしているのだと思っています。そう考えると、個品割賦というのは、参入規制というよりは、つけてはいけないという方向を目指したいなと私などは思ってしまいます。
参入規制というのはいろいろ問題がありそうですが、例えば、登録された会社が悪いことをして登録を取り消されても、また別の形で名前をかえてまた登録して何かやるというようなことが起きる可能性をなくしていただきたいと思います。また、会社がなくなれば、もうお金も返さなくていいという状態になっていると聞いていますが、例えば会社の代表者などが必ず返金の責任まで負うというような、つまり、問題が起きたら必ず責任をとらなければいけないという形の規制になっていってほしいなと思っています。
そして、2番の不招請勧誘のところですが、個別的拒絶者勧誘の禁止と書いてありますけれど、これは当然やっていただきたいと思います。嫌だといっているわけですから、営業の方にとっては嫌だといわれてからが仕事だと思われていると思うのですが、消費者が望んでいないわけですから、後から必ず問題が起きてくると思います。例えば、1日考えてから書面で承諾をするという形なども考えられるのではないかと思います。
それから、第9条の2のところですが、「判断能力が不十分な消費者との契約」というところはぜひ加えていただきたいと思います。いろいろ難しいことがあるようですけれど、年齢というのもいいんじゃないかと私は思っています。
そういういろいろな施策は、みんな被害者をいかに救済するかというところに力点が置かれているというのはわかるのですが、相談に行ったりセンターに行ったりという人たちが救済されるようにということに限られてしまうと思うのです。これから高齢者がふえていきますし、実態もだんだん苦情がふえているということを考えると、未然防止のために、まだ被害に遭っていない人たちが被害に遭わなくなるような有効な施策として考えていただきたいなと思います。

松本委員長
青山委員、どうぞ。

青山(理)委員
私は、とにかく参入規制をするというのは第一歩なのだということで了解したい、そうしてほしいと思っています。池本委員がおっしゃったように、割賦業者の責任をネグレクトしてしまうということであっては絶対ならない。そういう意味では、ここと並行して割賦販売分科会をやっているわけですから、船矢課長もいらっしゃるわけですから、きちんとやっていただきたい。
そして、私は一番問題だと思っているのは、訪問販売業者があの1枚の書面で売買契約と立て替え払い契約をしてしまう、それは割賦業者というのは自分の客は消費者じゃないんですよね。山本先生はいろいろなことをおっしゃっていましたけれど、要するに、自分の手足となって代理して販売業者が自分のクレジットを使ってくれる、それだからこそ大事にしたい、だからあまり悪いことをしても目をつぶってしまうとか、片方でどんどんやってよという形になっているわけですから、それは割賦販売分科会の方できちんと規制を強めていただきたいと思っています。こちらの特定商取引法ではこれが一歩ということでお願いをしたいなと思っています。
それから、不招請勧誘についてですが、東京都さんもいらっしゃいますけれど、今、東京都とか名古屋とかというのは条例の中で一応きちんと出始めておりますよね。それから、国民生活センターの何とか研究会というところでは、やはり不招請勧誘については一定の制限を設けるべきだということが出されております。そういう意味で、ちょっとおくれたこの特定商取引法の審議会でここについて何もいわないというのは、消費者に対する背信行為だと思いますので、もしかして継続かもしれないけれども、これは何らかの形で審議をするのだということを一言とどめておいていただきたいなと思います。

松本委員長
丸山委員、どうぞ。

丸山委員
2点だけコメントをさせていただければと思います。
1点目は不招請勧誘の問題ですけれど、事務局から提案していただいた個別的拒絶者勧誘の禁止のレベルまではぜひ検討していただきたいと思います。営業活動の自由というお話がしばしば出るわけですけれど、不招請勧誘の問題に関しましては、嫌がっている人を勧誘場合には、個人の平穏な生活が害されるという人格権侵害的な危険性というものを常にはらんでいるわけですから、そういった個人の生活の平穏を守るという観点と、事業者の営業活動の自由、このバランスを考えていくという視点を事業者の方でも考えながら、こういう規制を検討していただければと思っております。
もう1点は特定商取引法の第9条の2の問題ですけれど、何らかの民事ルールが必要となっているのが現状だとは思いますが、民法などで対応できる限界を超えている事例とはどのようなものか、先ほどもちょっとお話が出ていましたが、本来、消費者契約法で対応すべきなのだけれど、先取りして具体化するという趣旨なのかどうかなど、その辺の法律的な議論も自覚的にやっていった方がよいのではないかという感想をもちましたので、コメントをさせていただきました。

松本委員長
ほかにご意見はございませんでしょうか。
では、村委員、どうぞ。

村委員
何点か意見を述べさせていただきます。
まず、訪問販売に関する参入規制についてですが、現在、経済能力の低い人に訪問販売で借金をさせて物を買わせる、そしてそれがいろいろな形での生活基盤の破壊に結びついて、自己破産なども出ているとか、そういう大変厳しい状況にありますから、これを何とかしなければいけないということが緊急の課題だと、それはもうだれにも異論がないところだろうと思います。
私が個人的にふだん素朴に考えておりますのは、訪問販売で売るときに、借金をさせたり分割払いをさせて売るということ自体がおかしいのではないかと、個人的にはそう考えています。ですから、訪問販売で物を売るときに、後払い、分割払いで売ったり、借金をさせて売ること自体を禁止できるものであれば、そうしていただきたい。素朴な生活者として考えたときに、借金や分割払いで物を買うということは、必要性がそれだけあるのか、また、借金をして買ったときに生活が成り立つのか、そういうことを熟慮しなければこれは決めることができないだろうと思います。それを訪問販売で売るということが、営業の自由とか何とかといっても、まともなことであり得るかと、私は個人的に素朴にそう思っているわけです。
ただ、世の中が今こういう状況になって、そういうことが日常的に広く一般的に行われているときに、禁止をしてくれといっても、これはかなり過激で受け入れがたい意見なのだろうということも、私としてはわからなくもないです。そうすると、こういったものについては参入規制があってしかるべきではないかという発想になっていくというのは、それなりに座りのいいところなのかもしれないと思います。
ただ、参入規制をすればよくなるというのは、今までのいろいろな参入規制のやり方をみますと、下手をすると逆の結果になってしまう可能性があります。ですから、参入規制をする以上は範囲を厳しく限定をして、そしてかなり厳しい要件での参入規制をする。これに対する規制も相当程度厳しくしていくことが、実効性をもたせるためには必要不可欠なのだろうと思うわけです。ですから、訪問販売全体に参入規制をかけるというのは、行政コストの問題からいっても、実効性の問題からいっても、現状を考えるとナンセンスだろうとは思います。ですから、今回ご提案の個品割賦等の販売信用取引を組み合わせて売るというものについて参入規制を導入するというのは、座りのいい1つの考え方であろうと思います。
ただ、貸金業法との関係でのご指摘が池本委員からありましたけれど、今まで参入規制というといろいろなタイプのものがあるわけですね。一番厳しいのが免許とか許可というものです。そういうものだと、例えば宅建業法であるとか、厳しい制度をとっているものをみますと、もちろん役員等に反社会的な方が入っていないということとか、同種のものについて犯罪歴がないとかということのほかに、財政基盤や財務内容などを定期的にチェックをするとかという形での相当シビアな要件が定められていると思います。それが極めて緩かったときに何が起こったかというのが貸金業法ではないかと思います。
そうすると、個品割賦を利用して訪問販売で売る業者にそういう厳しい要件をかけるということが現実的であり得るかというのは、私も今判断がつかないところで、非常に悩ましいところだと思います。ただ、ここがゆるゆるになってしまいますと、結局、お墨つきを与えて、こちらが予期したことと逆のことが起こってしまうことは、もう火をみるよりも明らかです。
ただ行為規制に過ぎなくても、特定商取引法の適用対象になったというだけで、業者は経済産業省のお墨つきをもらったと。業務提供誘引販売取引などのケースでは、後ろめたくやっていた業者が規制対象に入った途端、そういって大きな顔をするようになったわけですね。ですから、これが参入規制という形で入ってくれば、やり損なったらそういうことで収拾がつかなくなるだろうということは、私は火をみるよりも明らかだろうと思います。
ですから、参入規制をするときに、範囲をどうするか、参入規制の考え方をどうするか、そして要件をどうするか、それに対する不利益処分をどうするかということが非常に重要なことですので、ここのところにかなり工夫が要るだろうと思います。
もう1つは、民事規制もちゃんと入れていただかないと困るということです。行政規制だけの部分ですと、すれすれのところまでやりまくって、その後で処分を受けても、それまでやった部分についてはやり得だと。過去の行政規制だとそういうことが横行していて、ある種、開き直った業者はもうそれで構わないわけですね。そして、処分を受けたら、会社をつぶしてまた次の会社をつくればいいということになっていってしまうわけです。
ですから、民事ルールは必ず入れていただきたい。そして、行為規制等もきっちりしていただいて、違法があった場合には契約の効果を否定してお金を取り戻すことができるということを必ず入れていただきたいと思います。
それから、それとの関係でいいますと、これは個品割賦購入あっせんの開業規制等の制度も整備していただかないと意味がないということで、セットにならなければいけないだろうと私も思うのですが、クレジット会社等の加盟店管理のところで、訴訟などでいろいろせめぎ合いになった実情から考えますと、訪問販売業者についての参入規制をすると、例えば登録制度をとったとしますと、登録業者なのだからいいのだと、加盟店管理責任を果たしているのだという形で必ず出てくると私は思います。
ですから、登録を受けている、参入規制の条件をクリアしているというのは最低条件であって、それを尽くしてさえいれば加盟店管理責任を尽くしているということには全然ならない。それ以外に、例えば、どういう売り方をしているかということをきちっと調べているかとか、そういうクレジット会社についてもきちっと加盟店管理のところで独自にやるべきことをやらないと、加盟店管理責任を尽くしたことにはならないのだと。そういう仕掛けを必ず入れていただかないと、これはしり抜けになる可能性があるのではないかと思います。
もう1つは、参入規制ではねられた業者がどうなるかということですが、参入規制ではねられてしまってクレジット会社にも加盟店にしてもらえないから、おとなしくやめましょうという話には絶対ならないんですね。どういうことになるかというと、恐らくサラ金から借りてこいとかということで、強制するとか連れていって借りさせるとかという形になるでしょう。それは現在でも、例えば業務提供誘引販売取引とか連鎖販売取引とか、あるいは極めてあくどい訪問販売で現にそれが起こっている。クレジット会社に排除をされた業者が消費者にサラ金から借金をさせるというのは、たくさん起こっています。そして、「うちはサラ金なのだから、割賦販売法の適用はないですよ」といって、サラ金業者は取り立てにかかって、訴訟もたくさん起こっている。消費生活センターでも手を焼いて非常に苦労しているという状況があります。
ですから、個品割賦を使う部分については、制度をうまくつくればある程度抑止というのはできる。また、救済というのもできる可能性が出てくるだろうと思いますが、アウトサイダーが消費者にサラ金から借りて買うよう押しつける部分について、きちっと手当てをしていただきたい。例えば、そういうものは契約もすべて無効であるとか、あるいは法定賠償とか懲罰的賠償ぐらいあってもいいんじゃないかと私は思います。確実に悪い事業者はそちらに逃げるということは私は予想できますので、ぜひぜひそこのところは何とか手当てをしていただきたいと思います。
それから、不招請勧誘に関する部分ですが、これも非常に大事な論点だと思いますけれど、1つ私が危惧していることを意見として申し上げたいのですが、今も第3条というのはあるわけですけれど、この第3条が守られていないんですね。現場ではどんなことが起こっているかというと、第3条を守っていない業者が何をやっているかというと、契約をさせた後にアンケートをとります。そのアンケートの中で、「私はちゃんと勧誘目的を告げられました」とかというのに丸をさせています。そして、後で消費者が消費生活センターに相談に行きますと、そのアンケートが出てきて、「うちはちゃんとやっていますよ。ほら、このように消費者がいっていますよ」というのが出てくるということなんですね。
そういうケースでも、訴訟で徹底してやれば別にどうということはないのですが、そういうことが出てくると、例えば消費生活センターとか消費者が自分で何とかしようと思ったときには、非常に困難です。もう確信犯的にそういうことをやっているわけですから、訴訟も辞さないというような場合でないと、なかなか対応が困難になっていくということがあるんです。ですから、ここのところで、「あなたは勧誘を受け入れますか。嫌だったら帰りますよ」ということがそんなにきれいにできるのだろうかと。どのようにこれを担保するのだろうかというのは、現場のそういうイタチごっこを考えますと、私は心配するところがあります。
それから、第9条の2の関係ですが、判断能力が不十分な消費者についての取り消し制度をどうするかということですけれど、これは私は前回欠席してしまって、池本委員からの報告は聞いていないので申しわけないのですが、ただ、これは消費生活センターとか私の経験でも、判断能力が不十分な人というのは記憶も不十分であることが多いですし、交渉力も非常に弱いということが多いわけです。そうすると、第9条の2の取り消しのところで、どういう説明を受けて、自分がどれをいいと思ったから契約したと、ところがそれが本当じゃなかったのだということをクリアに訴えることができるかというと、これが大変なんですね。ムードの中で何となく巻き込まれていくという場合ですと、そこが幾ら聞いてもクリアでないとなると、現行の第9条の2の取り消しというのは非常に困難になります。
それから、交渉力が余りない人は消費者契約法の困惑もクリアには出てきません。非常に難しいわけですね。さらにもっと困ってしまうのは、次々販売のような類型です。ねらわれて、もう何件も被害があると。そうすると、よほどしっかりした人でも、一連で非常に不本意なことが起こったということはいえるにしても、1件目がどうだったのか、2件目がどうだったのか、3件目がどうだったのかという話になりますと、よほどしっかりした人であったとしても、これはかなり難しいわけです。それが判断能力が不十分な人で記憶も余り定かでないということになると、全くどうしようもありません。取り消し制度が現行のものである以上は使えないということですね。
これは逆にいうとどういうことかというと、そういう弱い層をねらって徹底的にやれば業者は責任をとらなくても済むという、非常に逆説的なことが起こってしまうわけですね。ですから、こういうものが救済できない法律というのは不備以外の何物でもないと私は思いますので、ここはぜひ制度化を工夫して入れていただく必要があると思います。ただ、抽象的な漠然とした定義をもってきても、多分現場ではなかなか使えないと思いますので、客観的なメルクマールをたくさん上げて、そして使いやすいものにする必要があるだろう。そこのところの工夫をどうするかということが非常に大事ではないかと思います。

松本委員長
あと3人の方から発言希望が出ておりますが、本日はもう1つ議題がございますので、3人の方、なるべく要領よくお願いします。
青山委員、池本委員、長見委員、どうぞ。

青山(直)委員
では、本当に一言だけいわせていただきます。最初のところで、訪問販売を中心とした高齢者被害対策というタイトルについては、私も前回から違和感を抱いておりまして、逆にいうと、高齢者を中心とした訪問販売被害ということで、この訪問販売については先日も朝日新聞などで教材販売のことを特集されていましたが、私も赤ちゃんを抱えているときに大変な目に遭いました。「赤ちゃんがいるので静かにしてください」というステッカーを張っておくと、もうそこをねらい撃ちにされてセールスがやってくるわけです。
赤ちゃんと2人きりになった若いお母さんのそういう孤独につけ込むようなビジネスも、現在まかり通っていますし、被害も大変多く発生しています。ですから、高齢者だけの問題ではなく、全体的な訪問販売という現状の売り方、そして実際の被害ということに着目して、決して高齢者だけの問題ではないということで、やれることはぜひやっていただければなということを、1人の消費者としてどうしてもいいたいのでいわせていただきました。

池本委員
ポイントだけお話しさせていただきます。まず、第9条の2の契約取り消し権の関係ですが、判断力不十分者に対する勧誘による契約について何らかの形で取り消し権を入れていただきたいというのは、私もぜひお願いしたいと思います。
その関係で、立証責任の転換というのは困難であるという発言がありました。確かに立証責任転換というのは、勧誘場面そのものですから難しいというのは、実務家としても率直に思います。ただ、これは学者委員の先生からご指摘があったように、民法や消費者契約法のような規定と違って、特定商取引法は、この独特の分野について実効性のある規定を創意工夫していい分野だと考えれば、例えば適用しやすい具体的要件をどんどん書き込む。これは前回にちょっと触れたかと思いますが、威迫困惑行為とか、あるいは不実の告知あたりも、こういうことがあれば取り消しの対象になるというのをもっと条文に具体的な項目を箇条書き的に列挙していって、適用しやすくするという工夫はあり得るのではないかということを申し上げておきたいと思います。
2点目として、不招請勧誘の問題で、先ほどからご発言があります。いきなり不招請勧誘全面禁止を直ちに導入というのは、現状として一足飛びは難しいなというのは、私も皆さんの意見を聞いて感じているところですが、断る者への勧誘禁止というのが抽象的では非常に困る。承諾を確認する義務は不可欠だと思いますが、あるいは、言葉でうまく明確に拒絶できない人については、先ほどの青山委員のご発言にもあったように、例えば書面による拒否の表示、お断りのステッカーを出していれば、それはもうお断りの意思表示があったのだという扱いを工夫するとか、何か明確に断り切れない人でもその意思は簡便に表示できるようなことを工夫する必要があるのかなと思います。
最後に、何人かの方から、違法なことをした業者がきちんと責任をとるルールが必要だという発言がありました。その関係で、今日の論点には直接には出ていませんが、ここ1~2年の法制度の流れをみますと、例えば組織犯罪処罰法という法律の中で、犯罪被害財産を警察が押収し、刑事判決を経て被害者に還付するという制度が制定されました。それから、独占禁止法や金融商品取引法は、違法業者の利得を剥奪するという意味での非常に高額のものに引き上げた課徴金制度を導入しています。
この特定商取引法の分野こそ、まさに悪質商法で金をもうけて畳んで逃げるという分野ですから、そういった犯罪被害財産あるいは違法収益を残さない、そういう制度設計を、これまた今年中に全部制度設計してくれというのは幾ら何でもむちゃかもしれませんが、今後の課題としてぜひ位置づけて検討していただきたいと思います。

松本委員長
それでは、最後に、長見委員、どうぞ。

長見委員
言い残しました点について追加させていただきます。
不招請勧誘の件ですけれど、少なくとも個別的拒絶者勧誘の禁止という部分については、ぜひ導入していただきたいと思います。
それから、訪問販売に限らず、こういう可能性のある取引については対象としていただきたい。
それから、第9条の2の件につきましては、これも判断能力が不十分な消費者との契約ということはぜひ入れていただきたいと思います。
それから、この件も、訪問販売に限らず、他の取引にも適用されるようにしていただきたいということと、立証責任の転換というのも、これはこれで難しいというのはわかりますが、やはりそれは法律の中に入れ込んでいくことで、だんだん実態が動いていくのではないかなと思います。私も訪問販売法ができたときからこの法律にかかわってきましたが、例えば、クーリング・オフなどという目の覚めるような制度を導入しましたし、書面の交付でさえ当時は実現が難しいのではないかと思われるような制度だったのですが、長年にわたって事業者さんも消費者も訓練されていって、少なくとも書面の交付というのは当たり前のこととなってきました。
そういうことを考えますと、参入規制もそうですけれど、山本先生が非常に評価されましたが、この特定商取引法というのは前進的な制度の取り込みということに挑戦する法律だと思いますので、ぜひ入れていただきたいと思います。
それから、最後の訪問販売の適用除外の規定ですけれど、それはもっと縮小していただきたいと痛切に思います。ここに上げられました展示会商法とか、呼び出し禁止、監禁商法、また店舗を構えていても表面は健康相談になっているのに他の商品を売り込むというような、そういう詐欺的な呼び込みというのも、ぜひ適用除外扱いにならないようにしていただきたいと思います。

松本委員長
ありがとうございました。大変熱心にご議論いただきましたが、大体ある方向でご意見はまとまってきたかと思いますので、若干整理させていただきたいと思います。
まず、一番大きな参入規制の点につきましては、個品割賦購入あっせんと一緒になった形での訪問販売については登録制度等の参入規制を行うべきであると。ただし、それがお墨つきを与えるだけになるような形にならないような、実効性のある仕組みをどのように実現するのかについては、もう少し検討が必要だろうということだと思います。
その点では、例えば自主規制機関に加入していて、そこの自主規制にきちんと従うことを要件にするとか、あるいは、近日、ADR法が施行されますと認証ADR機関の制度が実現いたしますから、そういうところにきちんと会員として入っていて、紛争があればそこの解決に従いますというような約束をしているということを1つの要件として考える。それが訪問販売を適正に行う体制を整えているという形になると、そういう方向も考えられるかと思いますし、ほかのやり方も考えられると思いますので、この点は今後また議論していただきたいと思います。
2つ目の大きな柱であります不招請勧誘の規制につきましては、一般的な規制はやはりいろいろ問題があるだろうけれども、少なくとも個別的に拒否をしているものに対する規制はぜひ必要であるという点でほぼ一致したかと思います。その周辺の問題として、勧誘を受ける意思があるのかどうか等の確認をどうするのかとか、あるいは玄関先にステッカーを張っている場合についての扱いをどうするのか、等々についてはさらに議論が必要だろうと思います。
それから、特定商取引法第9条の2の民事ルール、取消権をもう少し拡張・拡大をしていって、高齢者に対する不適正な勧誘が救済されやすくする必要があるという点でも、大方のご意見だったと思います。
また、訪問販売協会としてもう少し機能を強化すべきである、あるいは特定商取引法を展示会商法や監禁商法等の他のタイプの商法についてもう少し一定の規制を入れる対策を検討すべきであるという点についても、ご異論はなかったかと思います。
ということで、そういう形でのこの小委員会のコンセンサスは一応得られたということで、この訪問販売に関する議論につきましてはここで一旦終えさせていただきまして、この後、実際の法律にそれを書き込んでいく場合の要件ですとか、あるいは法律を施行する場合に本当に実効性がそれであるのか等、もっと詳細な検討が必要ですので、しばらく事務局の方でその検討をしていただきまして、何回か後のこの小委員会でそれをお出しいただいてご検討するということにしたいと思います。
なお、本日は直接議論の対象になりませんでしたが、指定商品制を廃止するという問題とか、あるいは消費者団体訴権を導入するといった、別の手法の議論との関係等もございますから、最終的にはさまざまな手法とのバランスの中で適切な解決策をご提示いただくことにしたいと思います。
ということで、大体の中間的なまとめとしてはよろしいでしょうか。
それでは、そのような形で事務局の方でさらに詳細な整理をしていただきたいと思います。
では、時間が大分なくなってまいりましたが、本日の2つ目の大きな議題でありますところのインターネット通信販売につきましてご検討いただきたいと思います。第1回の会議でも一応の資料をお出しいただいておりますが、本日、議論を円滑に進めるために、事務局に論点候補をまとめた資料を作成していただいておりますので、その点につきまして事務局からご説明をお願いいたします。

安井消費経済政策課長
それでは、資料5をごらんになっていただきたいと思います。この資料自身は、法律的にちゃんとできるかとか、そういう議論よりもまず前に、インターネット取引をめぐりましてどういう問題があるかということで、むしろ幅広く書いてございます。民間のルールとか、もうちょっと違うやわらかいやり方でやるべきものもあるかもしれないし、やはり特定商取引法のようなきっちりとした法の体系の中に取り込むべきものもあると、そういう前提で書かせていただいております。
検討の背景のところは、前からも申し上げているように、消費者政策会議での宿題として、インターネット・オークションに係る消費者トラブルの増加を踏まえたインターネットを利用した通信販売における利用者保護のための方策を考えましょうと、こういう話になっているわけでございます。
それから、やや最近の私どもの活動といたしまして、「通信販売に係る新たな課題に対する研究会」というものを平成17年6月に報告書を出しております。あるいは、インターネット・オークションにおいては、どういう方が事業者に当たるのかということについてのガイドラインも公表しておりますし、あるいは、この法の執行上の1つの問題である表示義務、連絡先がメインですが、こうしたものについての遵守状況のモニタリングなどの過去の実績も後ろに参考としてつけさせていただいておりますが、今日はお時間の関係もございますので、そちらは後でまたお目通しいただくことといたしまして、私ども事務局でも思いつく課題を少し申し述べたいと思います。
まず、幅広く書いてございますので、基本論と書いてございますけれど、インターネット通信販売などの分野は、先ほどまで議論になっておりました訪問販売とは違いまして、消費者の方もいわば能動的にご参加をしておられる分野でありますから、何でもかんでも強行法規がいいというものでもないと思いますので、どこまでこの法を使うべきかという論点は常に考えねばならないと思っております。
それから、トラブル解消に向けたいろいろな措置を議論する際に、現在の特定商取引法の中では、従来型のカタログ通販とかテレビ通販のようなものと同じ大きな枠の中にインターネット通販は入っておりますので、インターネット系のものに入れるべきものがあるときに、そこをどこまで広げて適用するかというのも常にご議論の中で少し意識していただければと思います。
それから、指定商品・指定役務制の議論がまた別途あるわけでありますが、訪問販売、電話勧誘と、それから通信販売の3つの行為に対する共通類型として指定商品・指定役務制がございますので、現在、通常の商店などでも皆さんホームページをもっておられるところがたくさんあるわけですので、指定商品・指定役務制をもし外していくという議論になったときに、どのぐらいの規制ができるかという問題もあわせて常に念頭に置いていただくという前提で、以下の課題についてお話を申し上げたいと思います。
2ページでございます。1つ目は、特にオークションの関係に多いようでございますが、返品に関するトラブルでございます。実際に注文したものとイメージが違うとか、あるいは性能が足りないとか、いろいろなパターンがあるようでございますが、現在の規定では、返品の特約があるならあることを、ないならない旨を明記しなさいと、こういう書き方になっているわけですけれど、それ以外の返品などの条件をちゃんと表示した上で、消費者から合意をある意味で明示的にとるというやり方をする方がいいのではないのかというお話が一部にあると聞いております。
こうした問題への対応としては、先ほど申し上げたように、特約のあるなし論だけではなくて、当然、返品の可能期間とか送料負担などの問題についてももう少しはっきり書くことをルール化した方がいいのではないかという議論もあります。
それから、若干ではございますが、瑕疵担保責任のすべてを免除する規定とか、ノークレーム・ノーリターンなどと書いていらっしゃる事業者もいらっしゃるわけですが、もちろんそういった消費者契約法などで無効となっているものを、それに気づかないと、知らずに「返品できないのだ」と思ってしまう部分を、何か手当てをするべきではないかというお話も一部にあると聞いております。
それから、逆に、こうしたちゃんとした表示とか、同意の取りつけができなければ、返品の理由を問わずというところまでいけるかどうかはわかりませんが、事業者負担で返品できるといった議論も含めて、このパッケージでどのぐらいルールを強化したらいいのだろうかというのが1つの固まりだと思っております。
2つ目は、上の議論と、そして3番目の議論とも絡んでおりまして、やや従属的ですが、現在、消費者がインターネット上で「こういうことで発注します」というものを出したときに、前払い式の通信販売の場合は、それに対して「契約を受諾しました」という承諾通知を送っていただくことが義務化されております。商品をすぐに送る場合は商品の発送をもってかえることができるとなっていますが、こういう返品などの関係とか、あるいは1つよくいわれるのに、「いつ商品が来るのかわからない」というものです。
あるいは、注文者の方からみると一定の期限があって、それまでに商品が来るかどうか全くわからないまま時間が経って、仕方がないからほかの商品を買ったら、注文した商品がやってきたとかということもあるわけで、それに対してこういう契約成立の確認をする方がいいのではないかという話もありますが、ただ、ビジネスモデルの中には、例えばテレビ通販のように電話で直接お話をしておられて、そういう意味では成約がはっきり確認できる性格のようなものもあって、現在は商品の発送をもってかえるという形でもやっていますが、どのぐらいの分野にこのルールをどこまでやることがいいのか、また、法律マターなのかと、こういう論点が2つ目でございます。
3つ目は、特にインターネット・オークションの分野でよくいわれていますが、前払いしか認めていないものだから、お金だけを先に振り込んでもらって、そのまま商品が送られてこないと。こういったことが起こるわけなので、民間契約ですから前払いがいけないとはとてもいえないとは思いますが、せめて後払いなり同時決済の手段がとれるようにルール化したらいかがかというお話があろうかと思います。具体的にどんな方法があるのかという問題もあるでしょうし、インターネット・オークション以外の形態にまでこれを広げる必要があるのかという議論もあろうかとは思います。
次に、3ページですが、(4)虚偽・誇大広告に対するトラブルの問題です。通信販売は、当然のことながら、広告が契約をしようという意思形成の大部分を占める要素になるわけですが、それについて全く事実と違うとか、非常に著しい虚偽の広告があった場合に、そもそも契約の取消という条項が必要なのではないかというご指摘もあると理解しております。
通信販売は、現在、被害実態が余り大きくないものが多いものですから、本当に裁判に訴えるところまでという意味では、どこまでの実効性があるかという議論はまた一方であるものの、こういう根拠があることによってさまざまなトラブルの解決に役立つというご指摘もあるという分野で、それをどのように判断するかという問題があります。。
それから、今、別途、消費者契約法の方でも類似のご指摘があるように聞いておりますので、そちらの進捗状況との関係をどう考えるかというところもあろうかと思います。
それから、ややこしい点では、販売事業者以外の人が広告をなさっている場合もあって、だれの広告なら虚偽といえるのかという問題も議論することが、もしこの方向で議論するならば、必要になろうかなと思っております。
それから、(5)事業者情報等の不表示の問題です。不表示という言葉はよくないかもしれません、表示問題かもしれませんが、1つは、現在、インターネット・オークションで事業者の連絡先等の不表示については、ID公表などを一生懸命やっていますけれど、私どもがお願いすると、「ああ、そうだったんですか」とよくやっていただく方が多いのですが、最初からちゃんとやっていただけているかというと、余りそうではないというのが1点と、それについては私どもも努力を続けるわけですけれど、あわせて、今後、仮にインターネット通販の世界に特定商取引法のルールがしっかり入ってくるとなったときに、取引をしようとする相手が事業者か消費者かによって、法律によって守られる消費者の利益が大分変わってまいりますので、この辺がわかるようにするということを考えなければいけないのではないかという話があると理解をしております。
一方、今、個人事業者の方の中には、住所がご自宅を兼ねておられる場合もあって、そういうものが公開されることについて懸念をされていらっしゃる方も正直いらっしゃいます。事業者だから、事業を構える以上はそれは義務ではないかという考え方が通常は多いのですが、これは私どもが直接先ほどの事業者表示の問題をやっている場面で受けるご指摘ですので、ご披露しておきます。
それから、(6)は、まさにインターネット・オークションなり電子モールなど、ほかにもパターンはあるかもしれませんが、多数の出品者の方々あるいは出店者の方々がいる分野においては、その場を提供する方々に、今回この議論を通じて、現在以上にもし出品者・出店者の方にルールを守っていただく分野がふえるのであれば、少なくともそれらを守りやすいようなシステムにしていただくとか、あるいは、そういう状況がちゃんと守られるように会員の方に呼びかけていただくなどの役割をお願いすることが必要なのではないかという話でございます。
(6)の2つ目のは、そういうものについて、今、一体どういう状態にあるのかというのを、私どもはモニタリングといってサンプル的にはやっておるのですが、最も情報がつかみやすい方々に、特定商取引法に関する一定の情報の提供をお願いすることはできないのかといった論点がございます。
もう1つは、この前もたしか委員のどなたかがおっしゃっていたと思いますが、こういう場を提供する方も含めて、できるだけ私どものホームページなどを、私どものものだけでなくてもいいのですが、そういうものにリンクしていただいて、出品者の方に係る義務も、消費者の方が受ける保護も、できるだけわかりやすくしていただくということはお願いできないかという論点もあろうと思います。
それから、4ページ、(7)広告メール、俗にいえば迷惑メールですが、特定商取引法では広告の一環としてやっておりますので広告メールになっておりますけれど、現在、オプトアウト規制の形をとっております。ただ、それであるがゆえに、「私のところにはもう送らないでください」といって返信したら、それが生きているアドレスだということで逆リストとなって、そこに集中的にメールがやってくるというような、やや逆説的な状況が起こっていることは事実でありますし、私どもも、むしろ広告メール、迷惑メールには返信をしないでくださいと国民に呼びかけているという現状からして、この関連規定を削除するという考え方が一方でございます。
他方、それならいっそのことオプトインまでやってしまったらどうかという方もいらっしゃるわけでございますが、ここをどうしたらいいだろうかという論点でございます。ただ、オプトイン規制をやるときは、あわせてということですが、オプトイン規制をやっても送る人は送ってしまうだろうし、それをどのぐらいうまく補足できるかという問題とか、先ほどもちょっとありましたが、承諾とは何なのかという問題もあわせて整理する必要があろうかと思います。
最後に、これは後の機会でもこの法律の適用対象の議論をしなければいけないのですが、インターネット通販では特に広告を中心に、関係者の方が従来の販売事業者と消費者という関係の間に挟まる行為を行う方がたくさんいらっしゃるようになってきていますので、そういう方々にどこまでの特定商取引法上の責任その他をかけていくのかという議論が必要であります。ここは、「委託を受け(又は経済的な利益を得て)」と、1つのイメージとして書いてございますが、この類型以外のものもあるのかもしれません。これらについて議論が必要だなということでございます。
以上、私どもが思いつく限りで一応8つの点を上げさせていただきましたが、これ以外にもあるかもしれませんし、また、これらは、何度も申し上げますが、法で対応するべきものと、それ以外のもうちょっと違うやり方のものとがありますが、トラブル実態としては、まだ取引自身が急速に伸びていることも事実ですけれど、訪問販売などからみれば、現在はまだ件数は少ない。ただ、伸び率が非常に大きい分野ですので、予防的な議論も含めて、どこまでやるべきかというご議論をしていただければということで、材料として用意をさせていただきました。

松本委員長
ありがとうございました。かなり広目に論点を上げていただきましたが、これでもまだ不足している点があるのではないかとか、あるいは特定の論点についてのご意見をお出しいただきたいと思います。
では、大河内委員、どうぞ。

大河内委員
大変よく、幅広くまとめていただいて、わかりやすくなっていると思います。ネットの取引というのは、グラフでみても、急速にカーブを描いて市場が広がっているというところなので、ぜひ未然防止につなげるような形になっていってほしいと思っています。私どもも、インターネット上の商取引ということについてよくわからない部分がたくさんあります。架空のキャラクターを売ったりとか、架空の庭を売ったりとか、どう考えたらいいのかよくわからないということも大いにあるのですが、特にインターネット通販とかというところについて、後の話になるかと思いますけれど、指定商品や役務制度の廃止ということを考えていただきたいと思います。匿名ということで危険が大きいのではないかと思っています。
それから、インターネット・オークションについて、つい最近もガイドラインを強化なさっていますが、それでも私たちは個人であっても何らかのものを売って、それで利益を得るという場合には、事業者と考えていいのではないかと思っていまして、今のガイドラインですと、例えば、営利目的に反復して継続で1カ月に 200点で、1回100点以上というような線が設けられていますが、これをもう少し要件を厳しくして、そのくらいだったら消費者が自分の要らなくなったものを売ったりするということで、1カ月に10点程度とか、例えば1回は5点ぐらいとか、そんな感じが個人なのかなと思いますので、このガイドラインを強化するだけでも、今あるトラブルをかなり減らすことになるのではないかと思っています。
それから、ここのまとめの中にもありましたが、インターネットの通販の中にもクーリング・オフ制度を導入できないものかと思っていますが、前払いというところを、前払いだけではないいろいろな選択肢をつくるとか、そういうことでリスクを減らすということも考えていただきたいなと思います。
それから、市場の提供者というのでしょうか、市場をつくっていらっしゃる方たちにも整備をお願いしたいということなのですが、ガイドラインがつくられていても、オークションの参加者がそれを知らないで参加する方がとても多いのではないかと思います。そういったガイドラインを知らせるといったことも、市場を運営していらっしゃる方の役割ではないかと思います。

松本委員長
では、野原委員、そして池本委員の順でお願いいたします。

野原委員
ありがとうございます。今回の課題の整理につきましては、かなり広範になっているということもありますので、この項立てしたもののすべてが同じレベルで重要かつ緊急かというと、必ずしもそうではないのかなと思っております。今回のこの委員会のあり方ということでいいますと、消費者保護という観点だと思いますので、その観点でいいますと、トラブルが発生している、消費者が非常に困っていると、そういう案件によりフォーカスすべきかなと思います。
逆にいいますと、例えば、(6)にありますように、我々事業者の役割ということでは、かなり自主的対応などをやっておりまして、経済産業省のホームページのリンクなども当然張っておりますし、出店する際も、オープン審査といいまして、必要な事項をチェックした上でオープンしているという事実もございます。ですから、事業者側で自主運用しているところもありますので、むしろ今、消費者が困っていることにフォーカスすべきかなと思っています。
具体的にどこかといいますと、多分2つかなと思っておりまして、1つは、前払いリスクのところへの対応ということで、決済方法というのは多様な手段をユーザーに対して提供した方がユーザーにとっては利便性が向上するわけですので、ここの部分はやはり考えた方がいいかなということが1点です。
もう1点は、返品に関するトラブルのところかなと思っております。ただし、ここに明示的な同意をとりつけることがどうなのかというところは、先ほどの前半のセッションのユーザーとは別に、インターネットのユーザーの場合は能動的に買いにきているということもありますので、そこの部分はある程度斟酌すべきかなと思っております。
それから、事業者側からいいますと、もしもそういう形で同意をとるのであれば、必ず商品を受け取ってくださいということもあります。消費者によっては、非常に限定的ではありますが、愉快犯のようなユーザーもおりまして、注文はします、商品は届きました、けれど受け取りを拒否しますということで、特に生鮮食料品などはもう賞味期限が切れてしまうんですね。それで事業者はかなり困っているという事実もたくさんあるということもあわせて付言したいと思いますので、返品に関するトラブルのところも、消費者サイド、そして事業者サイド、両方の面でご議論をいただければいいかなと思います。

松本委員長
池本委員、どうぞ。

池本委員
資料の3ページあたりに関連して発言したいと思います。通信販売、とりわけインターネット通販は、消費者からみれば、相手方の素性がみえないということの危険性と、表示された広告だけが意思決定の材料である、この2つが特徴だと思いますが、そのうち、まず素性がみえないということが今一番問題になっているのが、インターネット・オークションなどで事業者なのか個人なのかがわからない。
その意味では、(5)あるいは(6)に書いてあるような、事業者なのか個人なのか、属性を明確に書かせるということは必要最小限度の問題なのだろうと思うのですが、ただ、(5)にあるように、その取引主体だけに書けといっても、個人であると書けば全員をチェックするわけにはいかなくなるわけで、その意味では、それを担保するものとしては、オークション運営事業者は、その取引実績などがある程度チェックできる立場にあるところで、出店者が事業者か個人かというところをチェックしていただくということが絡んでくると意味が出てくるのかなと思います。
それから、(4)の虚偽・誇大広告の問題ですが、これを契約取消権に結びつけるべきだということは従前から私などは考えていました。この問題でいうと、広告というのは、契約締結より前の誘引段階で、契約締結というのはその後の交渉であり、その後の交渉で不実の告知があれば取り消せるけれど、一般的な誘引は違うのだという整理がよくされることがあります。
しかし、通信販売、特にインターネット通販は、その広告をみて申し込みのクリックをするだけで、中間の交渉というのがないわけです。ということは、この表示が意思形成に直結しているものですから、取消の事由に持ち込むということは十分成り立ち得るのではないか。とりわけ、民法一般でそうしろというのではなくて、こういったインターネット通販という取引形態特有のルールとして入れることであれば、十分あり得るものではないかと考えます。

松本委員長
青山委員、どうぞ。

青山(直)委員
もう話そうと思えばすごく長くなってしまうので、手短に申し上げたいと思います。
まず、現在の特定商取引法のスキームでも解決できる問題はたくさんあるのですけれど、とにかくルールがあるのを知らない、ルールをどう活用していいのかわからないという消費者がたくさんいるんですね。まずそのリテラシーを育てるということで、こちらの平成17年の研究会でも、消費者啓発に対する問題点が21ページにもありましたけれど、リテラシーを伸ばしていき、かつ、野原さんも先ほどちょっとおっしゃいましたが、消費者の側のマナーやモラルもかなり低下しておりますので、それも育てるということを若年層からなさることがとても重要だと思います。
かつ、法律ということにも着目させていただきますと、まず基本論で、(2)ですが、インターネット通販のみを設けるのか、もしくは通販全体に及ぼすのかということであるならば、私は、インターネット通販だけということをするのは、インターネット通販という言葉自体が何を指すのか。例えばインターネット通販と書かれると、皆さん、パソコンでの通販を思い浮かべられると思いますが、携帯を使ったカタログ通販、QRコードみたいなものを使ったものですとか、ワンセグのテレビショッピングとか、技術がどんどん革新するので、余り細かくインターネット通販とこだわるのは私はどうかなと思います。
例えば、携帯を使って展示場販売みたいなことをしたときに、高額な宝石販売の販売手法として最近はやっているんですけれど、宝石をみせて携帯で申し込みをする、そういう場合には、クーリング・オフの観点からいきますと、それはインターネット通販だといった方が保護が弱くなってしまうわけですね。実際にみると、訪問販売じゃないかな、展示場販売じゃないかなというようなものも、それはインターネット通販だといったら、逆に消費者の保護は厚くなくなってしまうようなケースもこれから多分出てくるのではないかと考えられるので、私は、保護の観点からみると、インターネット通販とかといわない方がいいのではないかなと、この辺、どのように考えていかれるのかわかりませんけれど、1つ思います。
それから、指定商品・指定役務などは早く廃止していただきたいと思います。自分が買うものが指定役務なのか、それとも指定商品なのか、一々確認は全然しませんし、例えば、先ほど委員の方がおっしゃったように、無体物の購入なんていうのも、アバターがもっているアクセサリーを買うとか、そういうものがこれからどんどん出てきたときに、それが法律によって保護されるのか、されないのかというのを一々確認するということは、もう無理なのではないかなと。そういうなるべく各論を取り除いて、シンプルでわかりやすく、徹底しやすいルールにしていくということが、これから技術がどんどん革新する上で重要なのではないかなと思います。
その中で、利益あるところにリスクがあり、利益があるところに責任があるということを徹底していただきたいなと思います。現状では、野原さんもおっしゃったように、被害があるところに保護やルールというものを早急にやっていただきたいという中で、今、ざっと各論で並んでいるものをみせていただいたときには、1番は返品トラブルの対応、これは返品できるのかできないのかということもご存じでない購入者がとても多くていらっしゃるので、返品可能期間、送料負担者というのを明記するというふうになれば、多分、事業者さんが今後、逆に円滑にご商売できるのではないかなと思います。これでのやりとりが、ビジネスの時間を大変阻害しているというお話もお伺いしますので。
それから、事業者の瑕疵担保責任の問題ですけれど、「これはとても安いので、返品は絶対お断り」みたいなものをよく拝見します。こういうノーリターンルールというのはあり得ないのではないかなと思います。これはオークションから逆に遡上してきたルールみたいなもので、横行しているので、これはいけないのだよ、こういうものはあり得ないのだよということを消費者の方にぜひ告知していただければなと思います。
それから、3番の前払いへのリスク対応。これは実際には事業者さんなどは「えっ?」と思われるかもしれませんが、代引きですとか、そういう決済のやり方はたくさんある今日の中では、前払いと、プラス、後払いの選択肢というものをぜひ用意していただいて、代引き手数料が少々高くても、安心なものというのはそれに対する負担をしなければいけないということを消費者にわかってもらうためにも、とても重要なのではないかなと思います。
それから、5番と6番ですけれど、これはセットにして、場を提供しているだけだということをよくモール業者さんはおっしゃるのですが、野原さんの会社さんではないですけれど、例えば、あるオークションなどを利用すると、私も、1回利用するとやはり毎月280円必ず引き落とされているわけですね。それは月に280円じゃないかと思われるかもしれませんけれど、年間3,000円近くのものを払っているわけです。それを利益で得ているわけですよね。
そうしますと、利益あるところには責任あり、これはもう徹底していただかないといけないと思います。そのためには、特定商取引法表示というものをある種事業者的な個人ですとか個人事業者さんにはテンプレートできちんと用意して、それを埋めていくというようなことを、現在のテンプレートと特定商取引法をリンクさせるのなんてかなり簡単なことなので、これはやっていただきたいですし、デパートに行けば、必ず売り場から非常口の表示がみれるように消防法でなっていますよね。そのように、何かあったときには、ここに行けばいいんだよ、これをみればいいんだよということが、全ページからリンクされているということがとても重要だと思います。
何かあったときの非常口と、付加の費用。例えば、これを買うと、このお金だけではなく、送料もつくんだよ、その送料は幾らなんだよということがきちんとワンクリックでみれるような形にしていただければなと思います。
それから、7番は、もうモグラたたきなので多分議論しても仕方がないかなと思います。オプトインにするとますますとられてはいけないような情報が、クッキーによって知らない間にとられてしまうということになりかねませんので、オプトイン規制は私は消費者の立場からは反対です。
それから、8番ですけれど、これも議論するにはとてもおもしろい項目で、アフィリエートですとかドロップシッピングですとか、最近とても欧米で批判が出ていますが、ブログに何か書くと企業からお金がもらえるというペーパーポストという問題、欧米ではこれから規制対象になっていくと思いますが、それもとても議論するにはおもしろいですけれど、時間もないことですし、かつ、実際の被害あるところに保護ということをまず今回は早急にやっていただきたいと考えておりますので、私の方からざっとみた中では、(1)、(3)、(5)、(6)をぜひ集中的に議論していただければなと思います。
(4)の虚偽・誇大広告ですけれど、これはとても難しい問題かなと思いますし、虚偽・誇大広告を信じて買って楽しむという側面もあるので、がんじがらめな規制というものはどうかなと思いますし、景表法ですとか薬事法の範囲内を徹底するということで、特定商取引法でどうにかすることかなというのは、インターネット通販を愛する消費者の1人として、ちょっと疑問に思うところです。
長くなりまして、申しわけございません。

松本委員長
ありがとうございました。この点は次回も続けて行う予定でございますので、ただいま発言希望をされておられます大岡委員と木村委員からそれぞれご発言をいただいて、本日の議論はこのあたりで閉めたいと思います。
それでは、大岡委員からどうぞ。

大岡委員
私どもは、基本的に、不公正な取引がなくなって、競争的な市場になれば、消費者だけではなくて、一般の事業者にとりましても利益になるということは十分認識しておりまして、問題が生じている部分について、問題を起こしている事業者に的確に対応するという規制ルールが導入されて、さらにこれで実効が上がるということであれば、これを支持したいと思います。
この各課題を検討する上では、今述べましたように、問題が確かにあるのかということの確認、その他幾つかのクライテリアを吟味することが肝要だと思います。この点につきましては、先ほど来の訪問販売の議論などでも、この場でも一般的にシェアされていると思いますが、このインターネット通販のペーパーで若干その辺に懸念もありますので、ちょっと振り返らさせていただきました。
各課題を検討する上では、今述べましたように、例えば本当に問題があり得るほどのトラブルが生じているのか、それの確認が必要ではないかと思います。そもそも通販全体としましては、私どもの協会の推計統計がある最近年でいいますと、売り上げで3兆4, 000億円弱で、1件当たりが大体1万円というのが通販の相場でございますので、3億4,000万件程度の取引が年間あるということになりまして、この中でトラブルがどれだけ生じているか、この事案の比率というのは極めて小さいのではないかというのが、全体的な実情ではないかと思います。
さらに、その件数的に問題が生じている場合でありましても、問題を起こしているのはもともと悪意のある事業者であって、こうした事業者は基本的に法的規制を導入しても意に介しない傾向もありますので、規制の実効が上がらないという結果になりやすいのではないか。
逆に、この規制措置が導入された場合には、大多数の一般事業者は規制に従う過程で何らかのコストを負うことになります。この不必要なコストを負わされる一般の事業者は、そのコストをめぐりめぐって消費者に転嫁すると。そして、結局は消費者が損をするということにもなりかねないのではないかと思っております。
こうした一般的な原則、あるいはクライテリアということを踏まえまして、本日のこのペーパーの各項目について若干コメントをいたしたいと思います。
返品トラブルにつきましては、返品不可の表示の認識の有無ということをめぐって、多数のトラブルが生じているという気は私どもではしておりません。返品トラブルというのは我々見聞きはするのですけれど、争われているのはもう少し微妙な点ではないかと思います。
例えば、多いのが、「使用後の返品は不可」という条件をめぐってのものです。例えば、包装のセロテープをはがしたといったことが、事業者からは使用後と解釈されるといったような例でございます。返品不可への同意とりつけの義務づけということは、一般の事業者とその顧客にとりましては、非常に多くの取引件数というものがあるわけでございますから、煩瑣でありますし、当然いろいろな対応の結果、コストアップ要因にもなる。そして、結局、事業者にも消費者にもどちらにも得にならない結果になるのではないかと思っております。
それから、記載事項の追加の件につきましては、一般の事業者というのは返品トラブルをできる限り回避したいというのが一般的な態度ですから、もとより正確・丁寧な記載を現状でも十分心がけているところではないかと思います。
それから、契約成立の確認でございますが、私どもの相談実績からは本件に関するクレームというのは思い当たりません。事業者は、普通、受注したものをほっておくというほどビジネステイストに乏しいとは思えないわけであります。ネット受注の場合には、通常、リプライメールというものが送られるわけであります。しかし、それ以外の受注の場合に、承諾通知を一々出すというのは、今申し上げましたように、取引件数からいいましても実際的ではないと思いますし、コストもかかります。現状では、事業者はとにかく発送を速やかに行うということを旨としているのではないかと思います。
それから、前払いリスクの問題につきましては、そもそも消費者には前払いに対する警戒心が一般的にかなり強くあると思います。したがいまして、前払い以外の支払いの選択肢を提示する事業者が多数ある中で、あえて前払い事業者を選択する事情というものを少し解明する必要があるのではないかという気がいたします。前払いであればブランド品が非常に安くなるといったケースが想定されるわけですが、こうしたケースはむしろ各人のメリット・デメリットの判断の問題ではないかという気がいたします。
それから、虚偽・誇大広告に関するトラブルの件ですが、この件は私ども業界としても非常にセンシティブな領域だと思っております。我々としては行政当局から処分を受けた場合には自主的に当該製品の返品等に応じる旨、購買者に迅速に通知して対応していると理解しております。幸い、購買者の確認なりアプローチというものは通販業者にとってはあまり難しくありません。しかも、実情は、いろいろではあると思いますが、一般的には返品をその場合に希望するケースが多いとは聞いておりません。
現行の制度自体、経済産業省からも詳細な運用マニュアルが公表されておりますが、そういう意味では極めて運用が微妙な領域だと理解しておりますし、乱用への懸念ということも含めまして、あえて新たに取消まで拡大するという制度を導入することにつきましては、慎重であるべきかなと思っております。
それから、広告メールにつきましては、私どもも本当にうんざりするほど、毎週1,000の単位で受け取っている身としては、何とか実効性のある対応がないかと痛感するわけでございますが、外国から来るものも多い、あるいは差出人の相手業者等のことを考えますと、なかなか一筋縄ではいかない問題かと思っております。この件につきましては、また議論させていただきたいと思います。
一応、きょうのところはこれまででございます。

松本委員長
それでは、最後に、木村委員、お願いいたします。

木村委員
広告メールに関連してですけれど、ここにメールしか書いていないのですが、最近、掲示板とかブログ等のコメント欄に書き込むことによって、広告メールと同じような効果をねらっている活動があります。これは事業者と呼べるかどうかはわかりませんが、そういったものもできれば対象としていただければと思っております。

松本委員長
ありがとうございました。
まだまだいろいろご発言がおありかと思いますが、時間がもう大分超過しておりますので、本日はこれぐらいで終わりたいと思います。
次回、本日の論点についてのペーパーと、本日のさまざまなご意見をもとにして、さらに論点を絞りつつ、特定商取引法におけるインターネット通信販売関連の消費者保護ルールはいかにあるべきかという観点から検討を深めることにしたいと思います。
次回の日程等について、事務局からご説明をお願いします。

安井消費経済政策課長
次回は、5月15日に開催させていただく予定でございます。細かい場所や開催時間は後日ご連絡させていただきます。
また、心づもりとして、もう1度事務局から皆様にメール等でご連絡をさせていただきますが、6月の5日前後と、中旬でできれば19日前後を1つの案として今考えておりまして、またお一人お一人にご連絡をとらせていただきますので、そのあたりであるのだなということだけ今お心にとめておいていただければと思います。ありがとうございました。

松本委員長
本日は、ご多忙中のところを、予定の時間を約20分超過してご熱心にご討議いただきまして、まことにありがとうございました。
以上をもちまして、本日の産業構造審議会消費経済部会第3回特定商取引小委員会を閉会いたします。どうもありがとうございました。

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最終更新日:2007年4月26日
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