経済産業省
文字サイズ変更

産業構造審議会消費経済部会特定商取引小委員会(第4回)‐議事要旨

日時:平成19年5月15日(火曜日)14時~16時
場所:経済産業省本館17階西6第1特別会議室

出席者

松本委員長、青山(直)委員、青山(理)委員、池本委員、伊藤委員、大岡委員、大河内委員、長見委員、木村委員、高芝委員、坪田委員、富田委員、野原委員、丸山委員、山本委員、平山委員
全20名中16名出席

議題

  1. 業界の自主的取組について
  2. インターネット取引を中心とした通信販売の課題について

議事概要

野原委員による説明

  • インターネット取引において、消費者は能動的に取引に参加しており、返品規定を確認した上で取引を実施している。よって、明示的な同意取り付けの義務づけは、無用の規制ではないか。
  • 虚偽・誇大広告による取消権の導入については、「著しい」の定義や適用される要件が不明確であれば事業者が萎縮してしまう恐れあり。逆に、悪質な消費者が一方的に解約するために権利を濫用する恐れも想定され、よって慎重に検討をするべきではないか。
  • 前払いリスクへの対応を検討する際は、いたずらに注文を行うような悪質な消費者がいることに留意すべき。インターネットを利用する事業者は規模の小さいところが多く、経営基盤が弱いため、こうしたリスクに対処するだけの体力がないところもあり、産業界として打撃を被ることになる。
  • 契約成立への確認、虚偽・誇大広告に関するトラブルについては、特段多くの問題が発生していないと感じる。現段階では、特別な対応は必要ないのではないかと考える。
  • 実際のトラブルが具体的にどこで起こっているか、詳細に分析することが必要。不要な規制がかけられれば事業者のコスト負担増の恐れ有り。
  • 広告メールは営業活動の重要なツールであり、オプトイン規制導入の議論をする際には、適正な利用まで阻害することのないよう慎重な検討が必要。
  • インターネット取引の市場について、これまでの10年間は育成される市場として規制も甘かったが、これからの10年は成熟した市場として、万全の消費者保護に取り組んでいくべき。
  • 現行特定商取引法を周知徹底するだけでも、トラブル数は減少すると思う。そのためには消費者にとって分かりやすい形で周知することが重要。しかし、「特定商取引法に基づく表示」が消費者にとって分かりにくいため、一部のサイトでは「会社概要」という表現に置き換えられていることがあり、二つの基準が並立していることとなり、よって消費者の理解促進の弊害となっている。
  • 迷惑メール対策については、オプトイン規制に移行することによって早期に迷惑メール数が減少するとは考えにくい。しかし、仮にオプトイン規制を導入するのであれば、消費者にとって分かりやすい形で、メールの冒頭や本文中に消費者の承諾に関する事項が明記されていることが有効性を担保するためには必須。

事務局による説明後、討議

  • 消費者相談に多く寄せられる、契約後に商品が届かないというトラブルに関しては、申込みを行った消費者が不安定な立場にあることが問題の原因。よって、一例として契約後いつまでに届かなければ遅延、という期限を設定し、それまでに届かなければ解除可能としてはどうか。
  • 前払い以外の支払い方法がないために、消費者が高額な商品を買うことをためらうといったことも考え得る。よって、消費者のニーズやリスクを勘案しつつ、複数の支払い方法を選択肢として用意することを検討していくべき。
  • 虚偽・誇大広告については、インターネット以外の媒体が契機となり、インターネットで取引が行われるということも多数あるところ。よって、広告規制の範囲がネット上だけでは十分ではないと感じる。他の広告媒体との連動も視野に入れた上で、広告規制の在り方を検討すべき。
  • 同様に虚偽・誇大広告について、広告作成事業者のみならず、関連事業者として広告を掲載・利用した者にも責任が生じるのではないかと思う。そうした関連事業者向けの規制の在り方についても検討をお願いしたい。
  • 広告メールについて、オプトイン規制に移行したからといって、早期にその件数が減少につながるとはいかないかもしれないが、その結果、法執行面が強化されるのであれば、規制実施の意義もあると思う。
  • 現行の特約のみを表示する返品制度は、返品が可能か不可能か、消費者にとって分かりにくい。返品ルールとしては、原則返品を可能とし、その上で事業者が送料負担、返品が可能か、可能期間はいつまでか、などの事項について市場戦略等と勘案しつつ、選択的できるようにすべきではないか。
  • 虚偽・誇大広告の要件を定める上では、「著しい」という書きぶりでは曖昧。特定商取引法第6条、第9条との接続を念頭におき、要件と効果を過不足なく検討していくべき。
  • 通信販売においては、広告からの情報が意思決定に直結するという特性がある。不当な表示による利得を許さないという観点からも、虚偽・誇大広告に対しては、取消権を認める方向につなげていくべき。
  • 特約の記載がなかったというのは現時点でも違法であり、記載がなければ解除という規定を設けるのは実効性確保からもあり得る。
  • 虚偽・誇大広告は、最終的には該当事例等具体的な基準を検討した上で、取消権につなげていくべき。その際に併せて検討すべきポイントは、不当利得を消費者の手元に返還させることを可能とするツールをいかに構築するか、今後検討を深めていって欲しい。
  • ドロップシッピングやペーパーポスト等、販売事業者以外が広告発出・掲載を行う新しい形態の取引が台頭。こうした取引形態に対しては、誰がその広告に責任を持つのか明確化していく必要あり。同時に個人であっても、その広告に対する責任の所在を明確にし、消費者から見て透明性が保たれる仕組みを検討すべき。
  • 広告メールの規制については、昨今のアフィリエイト、ドロップシッピングの台頭もあり、規制となるか否かのグレーゾーンを事業者が狙い、そこをブレークスルーとして成長していこうという目論みも予見されるところ。こうした現段階では未発の事項であっても、行政当局として予測をし、それをもって対処策を検討すべきことも整理して欲しい。
  • 諸外国の動向も考えると、我が国の現状に鑑みて、返品ルールの導入可能性は十分に考えられると思う。さらには、デフォルトで返品を可能とする場合には、返品がいつまで可能なのか、一部使用した製品についてどう考えるべきか、そういった詳細な条件についても踏み込んだ具体的検討が必要。
  • 取引の場の提供事業者は、消費者が安全に取引に参加できるようにするため、積極的な役割を果たしていくべき。そのためには、特定商取引法遵守のための取組を促すとともに、法の遵守状況に係るモニタリングなども自らが行っていくことが求められるところ。
  • 実際に消費者トラブルがどこで起きているかを明確に把握し、その原因を分析するとともに、その過程で一般の事業者が不必要なコストを被ることがないよう、極力対象を絞った規制とすることが必要。
  • 返品に関するトラブルには、送料負担が問題となる場合や、返品条件が複雑過ぎて消費者にとって分かりにくいといった場合が多い。返品規定の表示を充実することと併せて、販売事業者の消費者に対する基本姿勢が改善されるべき。
  • 広告の誇大性の外縁を検討するのは難しいと思う。よって、安易に「虚偽・誇大広告は取消権の対象」とすると、悪質消費者がその権利を濫用することによって、産業界に損害が生じる恐れがあり、引いては公正な取引が阻害される懸念となる。本件については、専門家の意見等も収集した上で、検討を進めて欲しい。
  • 特定商取引法に基づく表記などについて、消費者にとって分かりやすい個別の在り方を検討していくことも考えられるのではないか。認識すべき問題は、国民の間にある情報格差。全ての国民が、同様に情報を受け取り、理解出来る訳ではない。最近では、インターネット取引は、高齢者のライフラインとして活用され始めているが、そういった方に向けての個別の対処法も検討すべきと考える。

これらの主要な意見を踏まえ、今後の検討の方向性として次の通りの整理が行われた。

  1. 迷惑メールの規制についてはオプトイン規制に移行する方向で進める。
  2. 返品に関する表示は明確化にする方向で進める。返品の表示がない場合にクーリング・オフ類似の返品権を認めるか、あるいは返品条件について明示的な同意を取り付ける必要があるかなどの論点については、多くの検討課題がある。
  3. 前払いリスクへの対応については、同時決済や後払いなどの複数の選択肢をルール化する方向で進める。
  4. その他の論点については、関連事業者の義務の内容など、検討課題が多くあげられており、取引の場の提供事業者もどのような形で規定をするか、検討を進める必要があるのではないか。

この後、具体的な検討課題については、事務局において検討作業を進めることとなり、散会。

関連リンク

 
 
最終更新日:2007年4月10日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.