経済産業省
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産業構造審議会消費経済部会特定商取引小委員会(第5回)‐議事要旨

日時:平成19年6月5日(火曜日)10時~12時
場所:経済産業省別館10階各省庁共用1028号会議室

出席者

松本委員長、青山(直)委員、青山(理)委員、阿部委員、池本委員、伊藤委員、大岡委員、大河内委員、長見委員、木村委員、角田委員、坪田委員、野原委員、平山委員、丸山委員、宮川委員、村委員
全20名中17名出席

議題

  1. 消費者団体訴訟制度の特定商取引法への導入について
  2. その他

議事概要

議題1について、先行して施行予定の改正消費者契約法の内容について、内閣府国民生活局消費者企画課消費者団体訴訟室の加納室長から、また(資料4)の「消費者団体訴訟制度の特定商取引法への導入について」を事務局から説明の後、質疑応答。
また、その後(資料5)の「特定商取引法の執行強化について」を事務局から説明の後、質疑応答。以上の概要は以下の通り。

  • 団体訴訟制度導入の是非について、本委員会の過去の資料にもあったが、現状として苦情相談の総件数に対して行政処分の件数が著しく少ない。こうした状況に対応するための一つの手段として、消費者団体訴訟が市場の監視役として機能することが求められることから、団体訴訟制度を特定商取引法に盛り込むことについては賛成。
  • 特定商取引法に団体訴訟制度を導入するプロセスについてだが、やはり一から検討を重ねていくのは時間がかかると思う。消費者契約法が先行して施行されることからも、その制度を参考にするべき。
  • 団体訴訟の制度設計が消費者契約法と基本的に同等で万全かどうかについて、それは消費者契約法に団体訴訟を盛り込む際の検討の段階においても同様の議論があったと承知。場合によっては留保事項として今後の検討事項として整理しておくということも一手。
  • 適格消費者団体の認定要件については、その要件が厳しいのではないか、との声をよく聞く。理想としては、各都道府県に一つずつを目途に適格消費者団体が存在することと思う。
  • 損害賠償請求訴訟を盛り込むか否かについて、時期尚早と感じるが、将来的に検討を進めていくべき論点とも感じる。損害賠償のみならず、例えば組織犯罪処罰法における不当利得を還付する制度等を参考にするのも一手。
  • 事務局提示の案で言えば、方針案その1に賛成。ただし、損害賠償請求訴訟についても盛り込んで欲しいという思いはあるので、検討をお願いしたい。
  • 消費者団体訴訟制度導入について、長年要望し続けてきた論点であり、審議の対象となるのは非常に喜ばしい。その上で整理していただきたい点として、消費者団体訴訟で要求出来る範囲はどこまでなのか、これをクリアにして欲しい。日常生活で起こる問題全般について、一本の法制度で整理できれば、消費者団体側の思いとして、運用面で非常に有り難い。
  • 特定商取引法に団体訴訟制度は是非とも導入していただきたい。事務局から提示された案については、方針案その1が妥当であると感じる。
  • 適格消費者団体の認定要件については、できれば一つの法律の下に一本化して欲しい。出来るだけ、適格消費者団体に不必要な労力を手続き的な面で生じさせることなく、本来求められる被害の防止に尽力出来るような制度にしていただきたい。
  • 消費者団体訴訟制度の特定商取引法への導入そのものについて反対はしないが、方法論としては、方針案その2であるべき。その理由として、そもそも消費者契約法と特定商取引法の法律論的建付が違うため、基本的に同じ制度を導入するのはそぐわないと思う。
  • 仮に方針案その1で進めたとしても、結果的に適格消費者団体の認定を与えられる団体が消費者契約法と特定商取引法で異なるとは思わないが、法律の建付が違うのであるから、単純に消費者契約法で認定できたからといって特定商取引法でも認定出来る、というのは安直ではないか。
  • 本日御説明いただいた内容について質問。一点目として、現時点で適格消費者団体にはどの程度申請があるのか。また、二点目として公正取引委員会でも景品表示法並びに独占禁止法において消費者団体訴訟導入の動きがあると聞いているが、その進捗状況如何。
  • 現段階では、申請のための届け出は8~10程度の見込みと聞いている。
  • 公正取引委員会の方は、先月から研究会を開催して検討を行っていると聞く。今月中に一定の考え方を纏めると聞いている。
  • 阿部委員がご発言されていた法の建付についての議論も理解するが、実際に制度自体がいかに消費者被害を未然に防止するか、また我々行政として取り締まる立場の観点から申し上げると、方針案その1にそって進めていくべき。
  • 消費者団体訴訟制度を円滑に運用していくには、消費者団体と行政庁の協働が必要。
  • それを前提とするなら、特定商取引法における適格消費者団体の要件については、消費者契約法ほど厳格ではなくともよいとの考えもある。行政処分を補完・代替・協働するという観点から考えれば、消費者契約法とは若干観点が異なってくる。
  • 行政処分と消費者団体訴訟との制度間調整について、消費者契約法においては、基本的な考え方として、一般消費者への情報とは別枠で消費者団体は団体相互、あるいは対行政庁への情報提供を行うという制度設計になっている。消費者契約法で定められている制度設計自体が行政の役割に近い水準を消費者団体に期待し、そのために必要な情報共有及び事前協議を要求していることから、この部分をしっかり手当てすれば、事実上制度間の整合性を確保できるのではないか。
  • 消費者団体訴訟を提起する場合、行政庁による行政処分の有無及びその時期についての事前調整が必要。その場合、消費者団体から行政庁及び他の適格消費者団体に向けてある程度の猶予をもって事前に通知をする必要があると思う。早めに通知を行った上で、先行して動いている団体や行政庁の存在を把握すれば、先行者を優先する等して整理を図るべき。そういった事前協議を実施することによって事前調整が可能となるのではないか。
  • 消費者団体が考える最終目的としては、消費者被害の拡大防止、未然防止の実現。行政処分と消費者団体訴訟は相反するものではなく、むしろ消費者団体訴訟を提起する前に、もしそういう事実があり、かつ行政庁が認知しているのであれば行政処分を即座にして欲しい、というのが消費者団体の意向。あえて行政処分の不足点を見つけて追加的に消費者団体訴訟を提起しようとするのは可能性としてあるかもしれないが、財政的な問題もあり、結果として行政がやりえないから消費者団体がやる、というスタンスであり、よって行政処分と団体訴訟が相反してお互いを阻害するものではないと思う。
  • 一番心配なのは、適格消費者団体が行政処分の問題となると思い、もってアクションを起こすことを控え、被害が拡大すること。アクションが競合して行政庁と消費者団体がぶつかりあっても、消費者被害を抑止できるのであれば良い。よって、両者の制度的棲み分けは要検討と認識。
  • 仮に方針案その1にそって進めると仮定した場合、適格消費者団体が訴訟手続きをするのであれば、事前に行政庁に通知することを義務づけるべき。
  • 今回のタイミングで検討をするのは、あくまで差止請求訴訟であって、損害賠償請求訴訟については時期尚早と感じる。
  • 行政庁との関係について現実的には心配することではないと思う。適格消費者団体も、決して財政的・労力的に余裕があるとは言い切れないので、行政処分が見込めるのであれば、訴訟提起には向かわないのではないか。
  • 両者の棲み分けについては、先ず行政処分ありきを考え、その上で行政処分がやりにくい分野については、消費者団体が訴訟を提起し、もって消費者被害の拡大防止に資するという形になるのが望ましい。行政庁と消費者団体の双方が協力して制度を作っていき、悪質な事業者が市場に参入し、不当利益を獲得するといった良い思いをし続けるということを打ち切るべき。
  • 行政庁の立場から申し上げるが、この制度が上手く活用されて機能するためには、前提として行政庁と消費者団体の間に信頼関係を構築することが必須。そのためにも、日頃からいかに密に連絡を取り合うことが出来るかが重要。
  • 実際に証拠などを押さえて取り締まる段階となって、事前に悪質事業者にその動きを察知され、処分から逃れられるということがある。そうなると、結果として消費者被害の拡大防止、未然防止という目標を達成できない。こういうことも含め、消費者団体と行政庁との連携のあり方について、多様なケースを想定して、慎重に課題を抽出し、整理・検討をすべき。
  • 消費者契約法の差止訴訟提起前の事前請求には一週間前に提出を求められているが、それは即ち相手方に一週間の猶予対処検討の猶予を与えることになり、緊急の対応を要する時等のためにはあまり意味をなさない恐れがある。よって、本当に悪質で緊急性を要する案件については行政庁が行政処分の名の下に執行を行い、緊急ではないにしても方法論について議論していく案件については消費者団体がやっていく、こういった分担と協力が必要。
  • 将来的には損害賠償請求をも視野に入れた検討をお願いしたい。国際的に見ても、ドイツ、フランス、イギリスは既にそういった取り組みを視野に入れて法律が動いているので、日本も視野に入れるべき。
  • 悪質事業者の不当な勧誘が問題となる場合、消費者団体が情報を集め、消費者団体訴訟を提起しようとしても容易ではなく、行政庁に委ねることが想定される。実務的にもその方が実効性は高いと思う。それに対して契約条項、不当表示の件は行政庁が細かに調査を行うのは困難。そういった案件については、消費者から情報を収集しやすい消費者団体が対処することの方が実効性があると思う。このように、現実の行政庁と消費者団体の実態的な棲み分けはなされると思う。

資料5について

  • 「行政調査の範囲・権限の見直し」については、非常に重要。
  • 最近では、住所・連絡先など事業者が開示している情報が虚偽であることがある。こうした悪質事業者の隠れ蓑に対して強制的な調査が可能となると、行政処分としてもより高い実効性が具備されると思う。
  • 「罰則の見直し」については、最近の悪質事業者は確信的に悪意ある営業行動を行う傾向が強くなっていると感じる。本委員会の第一回目に松井商務流通審議官が御挨拶された際におっしゃっていたが、社会的弱者から金を巻き上げる、本来ならば恥ずべき行為が正義という営業マニュアルがまかり通る、というのを早期に是正したい。そのためにも、例えば刑罰については最低5年程度に引き上げて欲しい。
  • 経団連として、金融機関、電子マネー業者等に対する報告徴収については意見留保とさせていただくが、規制対象範囲の見直し罰則の強化については賛成。
  • 今回の事務局からの説明については、悪質事業者の現状を考えると、この程度のことをしないといけないのかもしれないが、この手の議論、対処策には限界がある。ここまでやれば悪質事業者も諦めるだろうと見込む限界点はないだろうと思う。はるかに厳しい罰則と言っても量刑バランスを考えると実現可能性も困難。
  • 今後検討すべきは、不当な利得は剥奪するという制度を打ち込んでいくことを将来的に導入していくか否かではないか。損害賠償請求訴訟の議論と並行しつつ、実務的に実効性のあるものを選択していくということになるのではないか。こういった対処方針を前向きに検討していかないと、いつまでも行政当局と悪質事業者のいたちごっこが続くと思う。
  • 基本的には特定商取引法の執行強化には賛成。
  • その上で、「規制対象の範囲の見直し」については、実行者や委託を受けた第三者のみならず、本文中にもあるとおり、違反行為の実行者であるにも関わらず委託を受けた第三者の背後に隠れようとする人間への処罰の在り方についても検討を深めて欲しい。

これらの主要な意見を踏まえ、今後の検討の方向性として次の通りの整理が行われた。

  • 今回の特定商取引法の改正に盛り込むべき消費者団体訴訟制度は、消費者契約法に導入された差止請求に関する制度を基本的に踏襲することとし、これを特定商取引法に導入することによって発生する諸問題を審議。
  • 本日議論の対象となった点については、法律論的整理や関係省庁との調整が必要であることから、引き続き検討・調整を事務局にて実施。
  • 次回、指定商品・指定役務の問題と中間とリまとめを議題とすることを確認し、散会。

文責:事務局

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最終更新日:2007年6月18日
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