経済産業省
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産業構造審議会消費経済部会特定商取引小委員会(第7回)‐議事要旨

日時:平成19年8月28日(火曜日)10時~12時
場所:経済産業省本館17階西3国際会議室

出席者

松本委員長、青山(直)委員、青山(理)委員、池本委員、伊藤委員、大岡委員、大河内委員、長見委員、木村委員、高芝委員、角田委員、坪田委員、富田委員、野原委員、平山委員、丸山委員、宮川委員、村委員、山本委員、ビーエッグ株式会社上原社長(説明者として)
委員全20名中19名出席

議題

  1. パブリックコメントの結果について
  2. 迷惑広告メールの規制について
  3. その他

議事概要

事務局による説明後、ビーエッグ株式会社上原社長による説明。概要は以下の通り。

  • 迷惑広告メールへの対処の仕方として、自動的に不要フォルダに転送する方法がある。しかし、そういった方法を知らない人にとって、迷惑広告メールは大変不愉快なものとなっている。
  • 広告メールを送信している事業者は、販売業者、広告代理店、懸賞業者等さまざまであるが、境目が微妙なものもある。アフィリエイトやドロップシッピングについても規制対象にすべきという意見がパブリックコメントにあったが、両者についても明確な区分があるわけではない。
  • 特定の事業者のみに広告を請求したにも関わらず、承諾の範囲を超え、別の事業者から広告メールが送られてくることが多くある。背景には、消費者のメールアドレスのリストが商品として売買されている実態がある。
  • 新規に事業を起こす場合、あるいは事業を拡大する際、消費者にアプローチする方法には二つある。一つ目は、オークションサイト、懸賞サイト、モールを利用した際に、広告メールの請求をしてもらうというオプトインの形をとる方法。二つ目は、請求を受けていない消費者に対し、広告の理由と広告を拒否する場合の対処方法を明記したうえで、広告メールを送信する方法がある。

討議

  • 基本的にオプトイン規制の導入に賛成。導入に際しては、制度設計の形、執行の在り方をどのようなものにするかが重要。また、規制を実効的なものとするためには、販売業者だけではなく、広告代理店等の中間者に対しても責任を求めることが必要。その際、取締りを容易にするため、広告メールが販売業者から直接送られて来たものなのか、中間者を通して送られてきたものなのか、消費者にとって判別可能にさせる必要がある。さらに、オプトイン規制を導入し、形式的に取り締まることができれば、広告メールの請求は一切しない経済産業省のモニター機に対し広告メールを送る行為は、自動的に違反行為となり、直ちにISPに利用停止を要請することができるようになるので、執行の実行性を向上させる。加えて、ルールを形式的で、明確なものにすることで、団体訴訟における適格消費者団体が、形式に基づいて、容易に違法な広告メールをチェックし、プロバイダ等に通報することができるようになり、適格消費者団体も市場監視機能を発揮することができる。
  • オプトアウト規制が機能していないのは事実。オプトイン規制によって、悪質な事業者を排除することには賛成。ただし、健全な事業者の営業の自由を奪うことのない制度設計をする必要がある。制度設計の具体的な中身について、一層議論を深めるため、識者等によるワーキンググループを作ったほうがよいのではないか。また、オプトイン規制がeコマース市場の成長を阻害しないかどうかを確認するため、諸外国のeコマース市場の成長度合いと規制の関係につき、整理された資料があれば出して欲しい。加えて、米国ではオプトアウト規制が機能しているとのことであるが、日本との違いは何なのか確認したい。最後に、海外のISPを通して送信されている迷惑広告メールは存在するのか確認したい。容易にシャットダウンされ、数は多くないのではないか。
  • 諸外国のeコマース市場の成長度合いと規制の関係につき、整理された資料については今後確認する。米国との違いを記した確たる文献は、承知していないが、米国の場合、メール広告が盛んになり始めた当初から、オプトアウト広告が健全に発達したため、機能しているとされている。なお、当初、広告メール市場が後になって伸びてきた携帯メールについては、オプトイン規制が定められている。また、欧州は当初からオプトイン規制を導入している。迷惑広告メールにつき、昨年については、半数が海外のISP経由で、うち半数が中国からのものであったが、本年にいたっては9割が海外のISPを介したものとなっている。一つの国につき、シャットダウンしたとしても、他国に逃げてしまって、いたちごっこが続いてしまうことから、海外からの迷惑広告メールにつき、監視を強めるだけでなく、国内の体制を強固にすることが必要である。
  • 現在、違反を指摘しても、過失で表示義務を失念したと言い逃れをする業者があるかと思うが、こういったものも認めない規制に転換する趣旨でよろしいか。
  • その通り。
  • 総務省の研究会においても議論されていると承知しているが、オプトインを招請するメールは認めるのか。
  • 総務省との議論も踏まえ、検討していく。しかし、オプトイン規制を導入するにあたっては、受信者からの請求を、広告メールの送信の条件にする方向で議論を進めていく。
  • 消費者の立場から、オプトイン規制は非常にありがたい。しかし、オプトイン規制を導入すると、広告メールの送信が認められるケースが非常に狭まってしまい、どこかのモール等に加入しなければ事業が展開できないこととなるのではないか。それに伴い、事業者間で勝ち組と負け組に峻別され、消費者の選択肢が狭まってしまう可能性もある。以上のようなことを引き起こさないため、今後も引き続き、継続的な議論が必要なため、ワーキンググループのような形で検討を続けるべきではないか。
  • オプトイン規制の導入には賛成。しかし、従来効果がないと整理されていたオプトイン規制を導入するにあたっては、政策転換を論理的に説明できるようにしておく必要がある。この検討は、具体的な制度設計を検討するうえでも有益。迷惑広告メールの大量性が消費者・善良な事業者・通信業者の負担となっており、規制が必要であるという理屈が考えられる。問題となるのは、直接ではなく、間接的に迷惑広告メールを送信する者の扱いについてである。考え方を整理していく必要がある。さらに、請求の取得方法につき、問題となる。約款等にすでにチェックが入っており、包括的に請求があったとするものがあるが、これでは不十分。積極的な意思表示が必要ではないか。加えて、請求の有無の証明につき、立証責任は事業者の側にあると考えるが、消費者が請求したことを事業者としてはどのように証明すればよいか問題となる。また、ウェブ上では、他人が本人に代わって承諾をしうるので、どのような場合に本人の同意と言えるのかどうかを整理する必要もある。
  • オプトイン規制の導入に賛成。オプトアウト規制では、不十分であった。健全なネットビジネスの振興の観点からも良いのではないか。迷惑広告メールを不要フォルダに自動転送する機能は、必要なメールまで転送してしまうなど、弊害がある。他方、事業者から来るメールマガジンには、良いもの多い。オプトイン規制においては、このような必要なものについてのみ自ら請求し、受け取ることができる。オプトイン規制を導入するにあたっては、執行体制の拡充が不可欠。いつどこで、消費者から請求を受けたかを疎明する資料の提出を求めることができるようにすれば、かなり迷惑広告メールを減らすことができるのではないか。
  • オプトイン規制の導入に賛成。地方自治体として協力する。都は、今までも条例に基づく「都民通報制度」によって入手した情報に基づき、架空請求事業者などに対し、文書警告等の形で執行を行っている。条例改正によって、迷惑広告メールについても執行できることとなった。また、本年7月の特定商取引法の政令改正により、通信販売についての規制について都道府県で執行が可能となった。誇大広告等につき、厳格に執行を行っていく。一方、体制の不十分さを指摘する声もある。法改正などに取組み、体制の強化を図っていく必要がある。都においても、執行実績のない県などにアドバイスをしながら、県をまたぐ広域的な処分を行うなど、様々な機会を得て体制を拡充している。
  • オプトイン規制導入には賛成。しかし、実効性をもった規制となるかどうかが問題となる。消費者からの情報が集約されるシステム作りや、金融機関との協力が必要である。
  • 迷惑広告メールの大量性は大きな問題であり、オプトイン規制の導入に賛成。オプトアウト規制は、実効性がなかった。請求と認められるのは、消費者からの能動的な意思表示のみとすべき。執行制度の確保につき、関係省庁との連携を含め、より検討をして頂きたい。警察との協力はワンクリック詐欺への対処等での協力を想定しているのか、迷惑広告メールの規制についても想定しているのか。
  • 従来からワンクリック詐欺等で協力しているが、迷惑広告メールの規制については、規定に刑事罰を含めるかどうか、今後の検討にもよるが、含めることができれば、協力が必要となる。
  • 資料4の1ページ目にある資料(広告メールの内容)には、健全な事業者の広告メールは含まれているのか。いずれにしても、一部の悪質な事業者のために、健全なeコマース事業者が影響を受けることには、不満があるものの、オプトイン規制には賛成。自社サイトについては、すでにオプトインを導入している。オプトイン規制を導入しても、二つの違う種類の問題が残る。一つ目としては、事業者が外部から入手したメールアドレスを用いて広告メールを送ること。消費者としては、なぜ送られるか不明である。二つ目には、請求を意味するチェックボックスを消し忘れ、気付かないうちに広告メールの請求をしてしまうこと。両者を混同しないよう、整理しておく必要がある。
  • 資料4の1ページ目のデータは、迷惑広告メールにつき、調査したもので、健全な事業者の広告メールは、含まれていないと考えている。
  • (資料4の8ページ目の内容について)
    メールアドレスの第三者への転送を認めることを許す趣旨か。また、能動的な意思表示とは何を意味するのか。請求を意味するチェックボックスにあらかじめ、チェックを入れておくことは可能か。
  • 消費者が進んで、同意すれば第三者への転送をしても問題はない。能動的な意思表示の意味についてだが、チェックボックスが空欄となっているか、請求しないとするチェックが入っているものの場合、消費者が請求のチェックをした場合のみ、能動的な意思表示とみなす。最初から、請求を意味するチェックが入っているものは、能動的な意思表示とはみなさない。
  • オプトイン規制を導入することによって、メールのインフレ状況が緩和され、健全な事業者の広告メールの信頼性が向上する点は評価する。違反メールは、発信者が表示されていない場合が多く、オプトアウトのしようがない場合が多い。問題となるのは、オプトイン規制の制度設計をどのように行うかである。従前からの取引相手に送るメールや、しっかりと発信者を表示したメールについても厳格にオプトイン規制を履行すれば、違反とされる可能性がある。このような事態を招いては、過剰規制となってしまうので、規制の外縁等につき、識者による検討が必要。
  • オプトイン規制の導入に賛成。質問として、資料4の2ページ目、第2番目のパラグラフにあるワンクリック詐欺「等」とは何かを聞きたい。
  • 具体的に説明すると、当初は無料であるものが、有料になってしまう例や事業者が手に入れた住所・電話番号・メールアドレスの悪用事例がある。(訪問販売・電話勧誘販売の対象にされる等。)
  • 通信販売へのイメージの悪さ(返品ができない等)が、少なからぬ消費者が通信販売を利用しない原因となっている。そのような状況において、オプトイン規制を導入し、悪質な事業者を排除するという大義は認めるが、他方、すきまで事業を展開している者には、死活問題ともなる。オプトイン規制の導入が資本の大きな事業者のみを強くすることのないようにしていく必要がある。

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最終更新日:2007年9月19日
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