経済産業省
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産業構造審議会消費経済部会特定商取引小委員会(第9回)‐議事要旨

日時:平成19年10月19日(金曜日)10時~12時
場所:経済産業省本館17階西3国際会議室

出席者

松本委員長、青山(理)委員、青山(直)委員、阿部委員、池本委員、伊藤委員、大岡委員、大河内委員、長見委員、木村委員、高芝委員、角田委員、坪田委員、富田委員、野原委員、平山委員、丸山委員、宮川委員、村委員
委員全20名中19名出席

議題

  1. 訪問販売協会の自主規制強化と消費者保護強化について
  2. 訪問販売の規律の強化について

議事概要

訪問販売協会伊藤専務理事による説明及び事務局による説明後、自由討議。概要は以下の通り。

  • 消費者被害救済基金制度はどのくらいの規模が必要と考えているのか。
  • 現在検討中であるが、救済対象がある程度決まってきているので、今後規模について詰めていく。基金は正会員の中から徴収していく。
  • 訪問販売における再勧誘の禁止について確認したい。導入された場合、同じ会社の商品を複数の代理店が扱っていた場合や販売の勧誘を委託された別会社による販売の場合も、一つの会社に対し勧誘を拒絶すれば、他の関連している会社も再勧誘が禁止されるのか。
  • 個々の企業形態ごとにばらつきがあるが、実質的に一つの組織であれば、関連している勧誘の販売が禁止となる。
  • 文書による意思表示の扱いについて、事務局案ではステッカー方式は難しいとされているが、商品先物取引規制等で展開されている議論は商品の特性に鑑みているもので、一般的な消費者取引に直ちに転用できてないとの指摘はその通りだが、消費者は情動的で、また交渉力が弱いなどという特性があるので、勧誘により迷惑をかけられない自由という別の観点から議論をする可能性もあるのではないか。
  • 今般、特定商取引法においては、指定制の見直しにより、対象が広がることを踏まえ、リスクが高い金融商品に対する規制とは、やはり同列には議論できないということで整理をしたい。
  • 取消権について金額的な下限を設定する必要はないと考える。むしろ、民事ルールの取消権は契約意思に関するものだから下限を設定することは民事ルールにはなじまない。一点質問。取消権を考えるに際し、暴利行為論や状況濫用論を参考する方向性は賛成。しかし、学説には、不意打ち性が強く、自由意思が抑圧された状態で契約するという場面を考えるアプローチと、判断力不足など消費者の薄弱さにつけこんで契約させるという場面を考えるアプローチの2つがある。事務局案は、要件的には前者のアプローチに思えるが、後者も混ざっているように感じる。また、事業者の相当の注意義務の対象は何か。実際に判断力不足など意思が薄弱化していることに対してなのか、それとも判断力不足に陥っていなくとも、不相当な量を売ったという過量である状態に関してか。さらに現行法制でもクーリング・オフがむしろ要件の縛りなく援用できる救済手当となっているが、今後は二つの制度をどのように位置づけていくのか。取消権にはどのような要件が必要となるか、具体的に明確になっている必要がある。
  • 事業者の相当な注意義務というのは、当該取引が消費者にとって必要なものか、妥当なものか、きちんと注意義務を果たしていただく必要があり、それに反する取引が交わされていたら自由意志の抑圧や能力低下につけ込んだと類推するのが適当ではないかと考えている。逆に言うと、客観的な取引の状態等について、事業者がきちんと確認したことを立証すれば、取消が認められないことになる。
  • 立証責任や要件事実については、法律的議論として条文の構成が難しい。考え方としては、客観的な過量販売については取消しをいったん認め、その上で事業者が本人の状況を調べてしかるべき対応をしていれば取消しが認められないという考え方を取り、立証責任は事業者に転換するというもの。
  • 過量販売の取消権について、結論的には賛成。この2,3年前から特に社会問題となっている高齢者、判断力不十分者に対する過量な販売への対処をどうすべきかというのが議論の出発点。取消権が付与できないかと提案してきたが、判断力不足は曖昧で、かつ立証が難しかった。しかし、事務局案は数量基準、必要性基準からアプローチしているため、行動規範として事業者にとって見えやすく、最小限必要なものを売ることは許されることになる。このアプローチを基準におくことは賛成。その上で、事業者からの反証をどう考えるかが重要。「通常必要とされるもの」という意味を、日常生活を営むうえで必要なものと限定すると意味が狭くなりすぎる。嗜好品を一切売るなとなってしまっては問題。国民一般の許容される販売数量や必要性等を考え、それを超えた時に、事業者に立証責任を転換させる必要がある。本人が積極的に必要だと思って買ったのかを事業者が調査するルールになっていることが重要。そのために、目に見えるルールを設定していただきたい。
  • 必要性の低い嗜好品を買わせる行為だけでは過量販売には該当しない可能性が高い。ただし、状況の濫用次第ではありえる。日常生活で必要ということがどのような概念なのかといえば、それは社会通念をどうやって具体化するかという問題。取消しを認める要件は、自由意思の抑圧、能力の低下をいずれもカバーし、かつ、立証性の考えを導入すると先ほどの外形的要件にすれば使いやすいのではないかと考えている。ここへ辿り着く法律論については今後検討していく。
  • 事務局の再勧誘禁止の考え方に基本的に賛成。一点確認。「再勧誘の禁止」及び「勧誘意思の確認義務」につき、相対での意思の表示・確認を基準とすべきとしているが、拒否をする事業者を特定した文書の取扱いをどう考えるのか。ステッカーを貼っておくのみで、それを法律上の意思表示とし、処分の対象とするのは行き過ぎであることは理解できるが、ステッカーを貼るというのは拒否の予告であり、意思確認の中身がいっそうに慎重さを要求されるということから一定の意味があるのではないか。書面による意思表示を一律に認めるということは難しいとしても、それは確認義務のところで慎重に扱うべき要素になるのではと考える。
  • 事務局案を評価している。過量販売に対してはどんなアプローチがあろうとまずは取消を認め、その後、事業者から反証があれば考えるという、という構成にしていただきたい。暴利行為等があったときに取消権は付与されるので、下限を設定する必要はない。実際問題、下限があれば、そこを必ず事業者につけ込まれる。また、伊藤委員による説明を評価している。そもそも、事業者はそこで利益を得ようとすればコストがかかるのは当然。自主規制で会員の会社が不適正なことをした場合に、協会が的確に対処すれば訪問販売協会に入会することが企業イメージの向上につながる。
  • 訪問販売協会の取り組みを大変期待している。良い訪問販売業者が悪質業者を駆逐していく仕組みになればいい。現在は、訪問販売に悪いイメージがあるが、これを払拭できるのは良い訪問販売業者だけである。今後も訪販110番等もっと広報してほしい。過量販売について一点懸念していることがある。それは、最初に訪問販売した相手には過量販売はしていないが、その親戚等に送る目的でさらに販売する行為が行われているという事例である。
  • 過量販売の取消権について、要件認定や、安定的な解釈に課題があると考える。要件としては、「通常必要とされるもの」という考えを柱にするとのことだが、基準をどこにおくのか。全国信販協のものが参考についているが。この基準は、個々の消費者について判断していくのか。それとも一般基準から判断するのか。事業者からみれば、個々の消費者の状況がファクターになると行動の予測がたちにくいという問題もある。また一般基準とすると事業者には分かりやすくても、取消しの趣旨になじまないところがでてくる。また、注意義務をはたした場合、取消しができないとされているが、事業者の注意義務がない場合に取消権を付与するというのは、従来あまりない。さらに、過量販売とされた場合、通常必要とされる量を超えた部分のみ取消しが可能なのか、それとも全体が取消可能なのか問題となる。
  • 通常は、一般の人を基準として考え、かつ必要な場合は、個々の事情について注意義務を果たしてもらう。そしてその取引は正当だといえるかどうかを判断するべき。
  • 消費者トラブルの防止を第一に考えれば、事前要請がなければ禁止とするのが望ましいが、指定商品制が廃止されることを考えれば、まずはこの規制の導入で仕方がないのではないか。ただ、当事者の意思を基準に考えれば事務局案のようになるが、我が国は個々人が契約の主体であるという意識が低く、家族であれば世帯主名での契約がされることも多い。消費者トラブルの実態からすると、夫の意思確認をして、妻にまた販売する等脱法的な勧誘が行われる懸念がある。場合によっては世帯として意思表示することを認める必要があるのではないか。過量販売の取消しについては、救済に非常に有用であり、基本的に賛成だが、事務局案は、量の話に寄っているように感じた。なお金額の下限設定はおくべきではない。不適正な量ということになる場合には、下限を設ける可能性もあるが、あくまで勧誘に問題があった場合のことなので、下限は不要ではないか。訪問販売協会の会員管理強化については、実行されることを期待する。訪問販売業者の登録制は現段階では賛成できない。実効性に懸念がある。営業所、特定顧客の考え方については相談現場では相当前から狭いという話があった。是非、実態を踏まえ、検討してほしい。
  • 暴利行為や濫用があった時に取消しを認めるとすると、立証性の問題が生じる。逆に単純に数量から考えると、一般商店もたくさん売るとそうなってしまうので、この点をどう連携させながらやっていくかは大きな検討課題。
  • 会員管理強化について、日本には強制加入の団体はほとんどない。入会・脱会の自由があるため、入会後に除名をすることはあるが、入会の拒絶は非常に難しいという印象。その点をどう手当できるか検討いただきたい。伊藤委員に質問。入会審査基準の厳格化は評価するが、入会拒否をした実績はあるのか。また、これまでに訪問販売の実績がない新規事業者にも入会を認めるのか。
  • 実際、保留という形で拒否した例はある。今までは実績のない団体にも入会を認めてきている。
  • 入会拒否は困難ではあるが、貸金業法に例があり、参考にしていきたい。
  • アポイントメントセールスの来訪要請手段につき、例示であることが明記されるという方策を採用して欲しい。これは巧妙で新手の手口をやる業者に対し、非常に有効なはず。「営業所」の範囲の拡大については賛成。また、「特定顧客」について考える際、閉鎖性について物理的な意味だけでなく、心理的な意味も考慮して考えていただきたい。さらに、前回の指定制の廃止について一点意見を述べると、特例措置は悪質業者に悪用される可能性があるため、機動的な措置が必要となる。よって、特例措置は、主務省令で定めていただきたい。
  • 訪問販売業者の登録制導入については現時点では反対。貸金業法が典型例だが、闇金業者が登録をとり、ダイレクトメールで登録業者と標記することが増え、大変なことになった。登録制は行政コストの観点からも導入は困難。中途半端な導入をすれば信販会社の加盟店管理が不十分になる。訪問販売協会の取り組みは、優良な企業と悪質な企業とを峻別するという大きな方向転換であり、見守っていきたい。過量販売の規制については、事務局の提案に基本的に賛成。今、一番問題となっているのは端的に高齢者、判断力低下者への次々販売などであるが、被害にあったと表面化するのは早くて数ヶ月、遅くて数年かかる。契約時の状況を遡って調べるのは実務的に非常に困難。客観的要件でのアプローチは実務的に有用。家庭への訪問販売は自宅まで行っているため、そのお宅の実情がわかるはずであり、注意義務の立証責任は事業者が負うべき。ステッカーについての議論には、今回反対という訳ではないが、違和感がある。自宅は営業の場ではなく、そっとして欲しいという消費者の選択が許されるべき。ここでの議論は営業を優先しており、普通の人と逆転した意識ではないか。
  • 過量販売の考え方について、事務局案では同じものをたくさん販売することを想定して考えられているが、私たちの受ける過量販売のイメージでは、一人のひとに、屋根、塀、床下…と、ものは違う商品・役務が売りつけられる等して消費者に負担がかかる形式が多い。こういったものも検討課題として入れてほしい。また、消費者の啓蒙のためにも、どのような場合に特定商取引法が適用されるかの基準を明確にしてほしい。「店舗」について考える際、重要なのは空き店舗を使っての長期間の勧誘がある。健康相談などを装い、ものを売っているのかどうかが分からないのが大きな問題。たまたま通った時に入ってしまったりすることが往々にある。
  • 同一物とは何か。厳密に考えると、どんなものでも別のものになるので、類似性、一体性のあるものは一つの固まりとしてとらえるようにしたい。全く別のものついてはこの制度の射程にはなかなか入りにくいのではないか。
  • 要件についは、他法の運用例もつけ、解説書にも書き込んで、分かりやすくなるようにしたい。
  • ステッカーによる意思表示については、指定制を廃止することを考えれば、御用聞きやデパートの外商など問題となる場面も多く、現実的ではない。しかし、要件をもう少し緩くしてもいいのでは。特定事業者まで限定しなくとも、浄水器など特定の商品などを指定した場合も法的に有効な意思表示になるなどの整理が考えられる。過量販売について、全体の考え方は事務局案に賛成。しかし、金額の下限が全くないというのはおかしい。深刻な被害が起こっているというのが今回の議論の前提なので。
  • そもそも家という私的で無防備なところに商品等を売りに来て、必要性を感じていないのに買わされてしまう訪問販売自体に問題があると思っている。ただ、現実の実態からどのような手当がまずは必要か、今回議論されているような色々な手当をしてもらうことは是非お願いしたい。勧誘意思の確認義務については、勧誘意思は事業者が持っていることを考えると、言葉として違和感がないか。過量販売について、消費者側による立証は困難が多かったので、必要性の立証を売った方に求めることは導入する方向で考えてほしい。
  • 事務局資料15ページに、勧誘を受ける意志の有無を確認と書いてあり、ご指摘はもっともである。
  • 事務局の提案について、方向性については賛同いただけた。しかし、ステッカー、金額の下限設定には一部反対意見もあり、今後、事務局でも慎重に検討すべき論点と言える従来、特定商取引法は行政規制、民事ルールとセットになっていた。今回、過量販売への取消権を導入するにあたり、行政規制を前提にした制度とするのか、あるいは純粋民事ルールにするのかが大きな問題。後者であれば非常に画期的。行政規制に絡ませる場合、主務大臣の指示があり、民事ルールと切り離すという建て方もある。そのあたり、立法にあたって詰めていく必要がある。

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最終更新日:2007年10月31日
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