経済産業省
文字サイズ変更

産業構造審議会消費経済部会特定商取引小委員会(第9回)‐議事録

松本委員長
それでは定刻になりましたので、ただいまから「産業構造審議会消費経済部会第9回特定商取引小委員会」を開催させていただきます。
委員の皆様方には、ご多忙のところをご参集いただきまして、まことにありがとうございます。
まず事務局から委員の出欠状況、定足数の確認、配付資料の確認等について、お願いいたします。

安井消費経済政策課長
おはようございます。まず、本日は山本委員がご都合がつかないということでご欠席なさるとの連絡を受けております。高芝委員は今ちょっとおくれておられますが、おみえになる予定だと伺っております。
本小委員会の委員の出席者数は過半数を超えておりますので、定足数を満たしていることを確認させていただきます。
それから、お手元に資料でございますけれども、資料1から4までをお配りさせていただいております。資料1は議事次第、資料2が委員名簿、資料3に日本訪問販売協会から用意していただいた資料が3ページ。それから資料4といたしまして、「訪問販売の規律の強化について」でございます。
審議の途中でも、もしページが抜けているとか、そういうものがございましたら事務局にお申し出てください。

松本委員長
ありがとうございました。それでは、議事に入りたいと思います。
本日は、訪問販売に関する規制の見直しについてが議題であります。本小委員会の中間報告におきまして、訪問販売に関し勧誘規制のあり方、過量販売の扱い、個品割賦購入あっせんにつき訪問販売を行える事業者の実質的な制限、訪問販売協会の活動強化など多岐にわたる事項について論点整理をいたしました。また、以前の本委員会におきまして、日本訪問販売協会から協会の活動についてプレゼンテーションをしていただきました。その際に委員の皆様から多くのご指摘やご質問がありました。本日は、まず伊藤委員より当小委員会での指摘等を踏まえ、訪問販売協会が検討を行った事項についてご紹介したいという旨の申し出を受けておりますので、そのご説明をお願いいたします。

伊藤委員
訪問販売協会の伊藤でございます。大変貴重なお時間をちょうだいして恐縮でございますが、今年の4月3日にこの委員会におきまして、当協会の会長が協会の自主規制強化に努める旨のお話をさせていただきましたが、本日は、その取り組み状況につきまして説明をさせていただきます。
お手元に「協会の自主規制強化と消費者保護強化について」という資料を用意させていただきました。最初に、業界の現状について説明をいたします。
当協会がこのほど公表いたしました平成18年度の訪問販売売上高の推計値は、前年度比マイナス7.5%の2兆4,490億円でございます。この売り上げには、自動車や新聞、百貨店の外商等を含んでいません。これらを加えますと業界全体で約9兆円ほどになると思われます。協会員が取り扱っております商品別では、化粧品や健康食品、それから清掃用具、下着などの消耗品が上位を占めています。
次に、訪問販売協会会員企業の販売員数についてでございますが、家庭訪販系で224万人となります。この数字の中には、組織販売以外の展示販売や職域販売なども含みます。なお、ことしの4月3日の委員会でご報告いたしました平成17年度の家庭訪販系の販売員数270万人は、その後に精査した結果、データの読み込みミスがわかりました。この場で220万人と訂正をさせていただきます。
なお、組織販売に従事する販売員数につきましては、いわゆる製品の愛用者を販売員に含めている企業も多数存在しておりますので、実際に活動している販売員数を確定することが難しく、ここでは家庭訪販系だけに限定いたしました。
次に、自主規制強化についてでございますが、当協会の会員企業の中にも行政指導・処分を受ける事例が発生するなど、業界を取り巻く情勢を厳粛に受けとめまして、協会の自主的な活動をさらに強化いたします。
また、この業界におきましては、当協会の加盟企業よりも非加盟企業が大多数を占める現状を踏まえますと、協会が行うアウトサイダー対策には限界がございます。その意味においては、今般の中間とりまとめに記載されているような参入制限の検討の意義は大変大きいものと考えております。
現在、当協会が取り組んでいる自主規制等を説明しますと、まず最初に、新規入会審査手続の厳格化でございます。入会申請企業の審査手順についての関連規定を10月初旬の理事会において検討致しました。具体的には、入会審査にかける前に3ヵ月間の調査期間を設けまして、主に3項目について調査をいたしたいと思います。1つは、当該申請企業の訪問販売取引体制、例えば販売員の教育体制、相談・対応体制、それからコンプライアンス体制などをチェックいたします。2つ目に、申請企業について広範囲に苦情処理等を収集いたしまして、その企業の対応ぶりをチェックします。3つ目に、入会申請書に過去の行政指導や処分等の履歴等を記載させることにいたしました。なお、これらにつきましては、当面の措置でございまして、今後も法改正によって加盟店の審査基準が明確になった場合、それから業界を取り巻く情勢の変化に応じまして、当協会の定款を初め入会審査の基準、手続をより厳格なものにすることといたします。
2つ目に、会員の消費者志向経営の強化でございます。以前にもこの委員会で当協会の会長が紹介しましたが、本年3月に企業の消費者志向経営方針、販売員教育体制、苦情対応体制等の6つの柱をもとに107の点検項目にわたる消費者志向チェックリストを作成いたしました。内容的にはまだ検討課題を残す部分はありますし、法律の改定、社会の情勢の変化をとらえ、さらに充実していくようにしております。現在、当協会では、このチェックリストをもとに会員を対象に調査を実施しております。目的は、実態把握と相体評価表を作成することでございますが、次の段階におきまして、調査結果を踏まえ、不十分な体制の企業につきましては個別ヒアリングを行い、改善点を抽出して適正な取引体制を整備するような個別指導につなげていくこととしております。そしてさらに、倫理審査委員会等の指導等も踏まえまして改善指導を強化して、それでも苦情防止や組織体制の改善ができない場合は、正会員から準会員などに移行する措置をとることにしております。チェックリストにつきましては、当協会のホームページで公開しておりますので、ご意見などをちょうだいできれば幸いでございます。
3つ目に、会員処分の厳格化でございます。これまでは不当取引を行った会員企業につきましては、倫理審査委員会の審査を通じまして改善に必要な指導等を行いまして、取引の適正化とトラブルの再発防止に努めてきているところです。しかし、今後は当協会の会員が特商法における行政処分の中で最も重い業務停止命令を受け、その違反行為が会員企業の中で組織的に行われていたような場合には、当該会員企業を除名とするという関連規定の整備を行いました。
4つ目に、消費者相談室の業務改善でございます。当協会の消費者相談室は、法律の規定に則り、会員に関する苦情の解決を図ることを業務の中心としております。消費者相談室に寄せられた相談件数は、19年度上半期で955件、18年度通年で2,377件でございました。
18年度の2,377件の内訳は「問題性あり」が955件です。その内訳は、会員関係が226件、非会員関係が588件、不明が141件となっております。それから、「問題性なし」につきましては1,422件でございまして、内訳は会員が385件、非会員が682件、不明が355件でございます。分類は申し出の内容を「問題性あり」と「問題性なし」に区分しております。「問題性あり」とは、法令にかかわるような事例やモラル違反などでございます。「問題性なし」とは、単なる問い合わせ。例えば商品の使用方法、それから会社の信用性、クーリングオフ通知の仕方などでございます。また、「問題性あり」の事例につきましては、どれだけ問題性があるのかを10点満点の数値により示しまして、レポート等で会員に対し提示を行っております。会員に関する申出の解決を要するものにつきましては、相談員が相談者の申し出や意向を念入りに聞き取りまして、両当事者の間に入り、可能な限り事実を確認しつつ、仲介あっせんを行い、解決に導くという方針で取り組んでおります。
ちなみに、平成18年度の「問題性あり」、226件の事例の内訳でございますが、相談者の希望等で交渉に介入しなかった事例57件と相談者の連絡先が不明などの事例9件、計66件を除きました160件のうち、解決に至った事例は159件、交渉不調となった事例は1件でございます。なお、非会員に関する苦情につきましても、解決に必要な法的なアドバイスや情報提供を実施しておりまして、可能な場合は仲介あっせんを実施しております。ちなみに18年度は実績11件でございます。
協会では、まず会員会社の苦情の解決を図ることにしておりますが、非会員に関する申し出につきましても、解決に必要な法的なアドバイスや情報提供を行っています。平成18年度では11件とわずかな事例ですが、非会員会社の事例を仲介し、解決に至りました。また、早期解決に資するために情報が多く集積されている相談者の居住地域の公的相談機関、いわゆる消費者センター等の存在を紹介する場合がございます。そして、相談室の業務改善でございますが、消費者からの相談が入りやすくするために、協会の相談ダイヤルなどを記載したチラシを協会会員傘下の販売員を通じまして、勧誘に際して消費者に手渡すということや、販売契約書に相談ダイヤルを掲載するなどして、普及啓発に努めることにしております。
次に、消費者被害救済制度の創設の検討ということでございます。これは消費者の保護強化の最も重要なことでございます。当協会は、今申し上げた会員管理の強化にも努めますが、さらに今回は正会員企業との取引について、お客様が安心してご契約いただけるように、新たな施策として会員の企業との間で発生した消費者トラブルにつきまして、会員が責任ある解決を行わないためにお客様へ返金がされない場合、協会がそうした被害の救済を行う制度について検討を始めました。
例えば、クーリングオフが行使されたにもかかわらず、既払金が戻らない場合や合意した解約処理がされないといった場合、協会がそのことで発生する被害を迅速に救済しようとするものです。また、現在、審議会で議論されております取消権の部分につきましても、会員企業による悪質勧誘等の法令違反により契約が取り消された場合に、確実に既払金がお客様に返還されるような制度設計を考えております。制度の中身といいますか、大枠につきましてですが、あらかじめ会員企業から保証料などを徴収いたしまして基金をつくりまして、消費者被害が発生した際に、その基金から救済給付制度として実施すべく、具体的な検討に入っております。
問題となっているクレジットによる訪問販売につきましても、赤伝処理を行わない、あるいは倒産してしまった場合などについても、できる限りの救済を行うための議論を行っているところでございます。こうした消費者救済の措置を行うことで、消費者及び関係業界からさらなる信頼を獲得して訪問販売業界の健全な発展を目指していきたいと考えております。今後とも協会の活動に対しまして、ご意見をいただければ幸いでございます。
今申し上げました救済基金制度のイメージを図にしてありますので、ご参照いただければと思います。
どうもありがとうございました。

松本委員長
ありがとうございました。ただいまのプレゼンテーションに対するご質問等は、この後の事務局からの説明後の質疑の中であわせておやりいただきたいと思います。
続きまして、事務局から「訪問販売の規律強化について」、中間報告に従い検討を行い、本日の審議の材料を整理していただきましたので、そのご説明をお願いすることにいたします。

安井消費経済政策課長
それでは、A4横長の資料4をお手元にお配りしてあると思いますので、これに従いまして、中間とりまとめでご指摘いただきました諸点について、事務局で論点、議論を整理したものをご紹介したいと思います。
まず、資料4ページ目でございます。訪問販売に関する勧誘規制についてでございます。中間とりまとめにおきましては、勧誘を拒絶する消費者に対する勧誘を規制するということで拒絶者勧誘の導入、また、それに加えて、消費者に勧誘を行う際には、消費者側に勧誘を受ける意思があるということを確認すべきではないか、あるいはステッカーのような文書のようなものをどのように扱うかということについては、さらに検討するということになっておりました。これに対しまして、基本的には個別的拒絶者勧誘の禁止の導入を支持する多くのパブリックコメントや、さらに意思の確認をすることを求めることなどを中心としたパブリックコメントをいただいております。これは8月末の際にご紹介させていただいておりますが、一応5ページに抜き書きをいたしました。
6ページからが今回の論点でございます。訪問販売における勧誘規律です。現在、特定商取引法の中には、電話勧誘販売などには拒絶者勧誘の禁止の規定があるわけですが、訪問販売には迷惑勧誘の禁止という形が経済産業省令の中で書かれているわけです。これを再勧誘の禁止という形として導入する、つまり拒絶された方に対して勧誘してはいけないということ。さらに、実際の勧誘行為を開始するに当たっては、消費者に話を聞いていただけるという意思の確認をしていただくという2つの規制を導入するという方向で検討してはいかがでしょうかということでございます。それから、これらについては罰則がないとなかなか成立しませんので、特商法内の電話勧誘販売その他における規定とのバランスもみまして、行政処分の対象とし、さらにそれに従わなければ罰則にも至るという構成をとってはいかがかということでございます。
次のページです。その際の具体的な運用の1つとしまして、拒絶意思の表示に関する議論がございまして、当審議会においてもステッカーとか、ああいったたぐいのものをどのように扱うかという議論であります。
商品先物取引の規制におきましては、現在、拒絶者の意思の表示として、住居の戸口に「勧誘お断り」の表示を掲げているものも含めるということがガイドラインの中に挙げられております。詳細は14ページのほうにつけてございますが、内容はそういうことでございます。
それから、商品先物取引とは別にもう1つ、金融商品取引法においては、法律上の禁止行為とは別に、内閣府令に委任されている禁止行為の中に、「あらかじめ意思を表示した場合」というのが挙げられております。これにつきましては、12ページに詳細はつけてございます。これら商品取引法は、もともと極めて投資リスクがあるというか、適合性原則などの観点からつくられている法律ですし、金融商品取引法でも、先ほど申し上げました総理府令の関係はデリバティブ取引に限定されているという状況を踏まえますと、訪問販売一般に対する規制等が、このレベルまで行くのはなかなか難しいかと思っております。
8ページに進みまして、さらに今回、指定商品・指定役務制の議論も私どもはやらせていただいているわけでございます。問題が起こっている商品・役務を指定するというやり方から、必ずしも消費者被害は発生していないというものも取引形態として訪問販売等の形をとっていれば対象にするという考え方に立とうということから考えますと、今般は基本的には相対での意思表示、確認を基本として考えるのが適当ではないかと考えております。若干の派生形としては、これと同じように相対、すなわち意思の表示者と意思の表示先が明確になっているような書面をどう考えるかという問題はあろうかと思いますけれども、このような書面は余り現実的ではないのかもしれないと思います。
9ページ目でございます。この議論をするときに、ほかのセクションの方からもちょっと質問があったので、少し整理をしてみました。1つの家に同居人がたくさん、あるいは、複数いらっしゃる場合などに、再勧誘禁止をどのように考えたらいいのだということでございます。先ほど申し上げましたように、基本的には個人が意思表示をするという考え方に立てば、同居人の1人が拒絶の意思を表明したからといって、即、他の同居人に対する勧誘が違法ということにはもちろんならないわけであります。家の外からみてお顔なりが特定される場合はわかりますけれども、インタホーンを鳴らすだけであれば、結果的に同じ方が出てきてしまうということは当然大いに考えられるわけなので、相当慎重にしていただかざるを得ないと考えます。
次のページでございます。ましてや独居住宅も今は多いわけでございます。このような場合には、たまたまほかの方でも来ていない限り、ほぼ確実に拒絶された方にもう一度勧誘してしまうということになりますので、こういう場合は基本的には避けていただくという考え方にならざるを得ないのではないかと思っております。
11ページ以降、細かい条文例とかガイドラインなどの例を引いてございますが、基本的な考え方として、今のようなラインについてご審議をいただければと思っております。
それから、次の論点、17ページでございます。訪問販売による過量販売の取り消し問題でございます。非常に多量の寝具やそういうものを訪問販売で高齢者の方々に売るといった例も報道されております。こうした状況にかんがみまして、当小委員会の中間報告でも訪問販売について、こうした消費者への必要量以上の販売など、不当な契約を消費者が取り消しなどを行うことができる対象とすることの必要性が指摘されたわけです。まさにこの場でもいろいろ議論がございましたけれども、どういう法的立論といいますか、どういう構成が成り立つのかということについて検討するようにというのが私どものいただいた宿題だと思っております。
18ページ目、パブリックコメントでは、もちろんこの方向性についてのご支援の声が多かったわけでございますけれども、契約時の判断能力の低下を立証する困難を軽減するために、成年後見開始の審判が認められたら、1年間それをさかのぼって推定するという規定を置いたらどうかというコメントが複数ありました。それから、威迫困惑の要件の明確化、あるいは適合性原則そのものを挙げるとか、こういう議論もあったわけでございますけれども、私たちとしても今般いろいろな法律論を勉強したわけです。19ページでございます。まずは何をとっかかりにして、こういう立論ができるだろうかということでありまして、1つのパターンは、確かにパブリックコメントにございますが、成年後見審判などの効果を過去にさかのぼらせるというものではあります。しかし、これは取引の時点において確認のしようのない事態が後刻発生して、それが契約に戻ってきて影響を与えるというのは、契約の安定性の観点とか取引安全の観点から、無理ではないかと考えている次第であります。
続きまして、本審議会でも言及がございましたもう1つの考え方は、暴利行為論でございます。暴利行為論については、2つ目の丸の下の四角に書いてございますが、「他人の窮迫軽率または無経験を利用し著しく過当なる利益の獲得を目的とする法律行為は無効なりといわざるを得ない。」というのが昭和9年の判例で出ているわけでございます。こういう考え方を基本にできないかということです。
もう1つの考え方は、状況濫用論でございます。オランダの民法典の例が引いてございますけれども、ある者が、他の者にとって有害な行為を締結させるために、相手の必要状態、必要状態というのは、それをしないと困ってしまうという状態等のようです。従属、軽率、異常な精神状態、無経験を濫用した場合には、状況の濫用が存在する。こうした時に、損害が不均衡に大きくかつ必要状態云々が証明された場合は、それを推定されるという考え方が一応あります。こういうものがうまく使えるかどうかという論点であるわけでございます。
20ページに進みます。訪問販売という形態は、購入者または役務の提供を受ける人がある意味、不意打ち的な勧誘を受けるという性格がございますので、受動的な立場に置かれて、契約意思が不安定なまま契約の申し込みや契約の締結に至ることが少なくないという評価がなされていることは確かでございます。
ここで、まさに訪問販売において、先ほどの2つの考え方の条件であるところの窮迫軽率または無経験を利用した取引、あるいは状況の濫用が生じやすいと考えるべきではないか。さらに、通常は必要とされないほどの財やサービスの取引がなされていれば、結果論的にそういう状況の濫用なり暴利行為の構成要件が生じたというように推認できるという立場に立てるであろうか、あるいは立てるのではないかという議論であります。逆にいえば、訪問販売を行う事業者には、こうした窮迫軽率または無経験に乗じないとか、状況を濫用しないという責務、つまり、消費者にとっての意思の形成や特殊事情に相当の注意を払う義務があるという構成ができるのではないかという問題であります。もしこの辺が可能ではないかというご議論となれば、もう1段階進みまして、次の21ページにまいりまして、こうした考えを基礎として以下のような考え方が成り立つであろうかという議論であります。
結果として通常必要とされるものを超える量の商品・役務の契約の販売が行われているのであれば、先ほどのようなことが起こっているという推認が成り立つという前提に立って契約を取り消せるという考え方に立つことができるかということでございます。
また、先ほどございましたように、事業者に相当の注意義務があるという考え方が同時並行的にありますので、事業者は相当程度の注意をきちんと果たしているということであれば、それは取り消しできないというように構成するというやり方ができるであろうかという問題であります。
なお、この議論の中には、著しい暴利ですから、過大な利益とかそういう観念の中に入っておりましたので、クーリングオフと書いてございますけれども、過量販売の取消権に金額的な下限値を設けなくていいだろうか。つまり、ある被害の大きさというのですか、そういう概念を織り込む必要が同時に発生するだろうかという議論であります。こうしたものをパッケージにして、うまく法律論として構成できるかということについて、本日、委員のコメントをいただきたいと思っております。
それから、22ページでございますが、通常必要とされるものを超えるということはどういうことなのだということなわけでございます。単一事業者の1回の取引というものもあれば、単一事業者が2度に分けて、あるいは3度に分けて同種の物を売るということもございます。それから、既に別の事業者がかなり物を売り込んだ後に、他の事業者が同種の物の販売をまた重ねるという場合もあるわけです。どこまでの範囲の取引によって消費者が、保有状況とか、それまでに役務経験を受けた状況が通常必要とされるものを超えたと解釈することができるとか、こういう具体的問題があるわけでございます。私どもの考えとしては、これらは消費者側の事情に非常に大きく依存いたしますので、なかなか画一的に決めるというのは容易ではございません。民事効でありますので、個々の民事訴訟において明らかにされるという立場に立つのがよいのではないか。ただ、こういう考え方では緩過ぎるという考え方もあるかもしれません。
一方、裁判所の判断に多くを依存するといいつつも、過量販売に関する取り消しをめぐる紛争を予防することが必要なわけでございまして、そのためには関係業界、もちろん消費者団体の方なども加わっていただいて、ここを超えるようなものは過量だと普通は考えざるを得ないというラインを示していくということが意味があるのではないかと思っております。ちなみに、その個別の例について私どもが今、介入をしているわけではございませんけれども、23ぺージ以降、全国信販協会がつくっておりますガイドラインのようなものがありまして、こうしたものを消費者の方々も一緒になって整理していくというのは、過量販売の抑止効果がかなりあるのではないかとは思っております。
26ぺージにまいりまして、先ほどの取消権の下限値の問題でございますけれども、クーリングオフとは若干考え方が違うことになる可能性がございます。クーリングオフは現金取引による3,000円未満の売買や役務契約についてはクーリングオフ権は及ばないという規定になっているのですが、これは考え方が、基本的にはクーリングオフ権を行使したときの、いわば処理コストが社会的コストの増大のほうに働いてしまって余り益がないなという考え方から3,000円という形になっているわけです。過量販売については深刻な被害救済という側面をもたざるを得ないと思うので、こうした側面、あるいは濫用的な権利行使の防止という観点から、どうしていくかということについて考える必要はないだろうかということです。一方の考え方としては、ある意味これを行使した後も、最終的には民事裁判に訴えることが通常でございますので、そのコストを考えればおのずと下限があるという議論もあるのですけれども、ここについては、もともとの立論の考え方とリンクしているところもありまして、どのように考えるべきかというのが私どもの悩みでございます。
只今述べました諸点がうまく整理できれば本取消し制度が成り立ち得るわけでございますが、前々から御指摘がありますように法律論としては相当難しいところがあるということなので、本日はご議論をいただきたいと思っているところであります。
次に、訪問販売協会による会員管理であります。悪質訪問事業者の実質的な限定論とか制限論でございます。28ページでありますけれども、中間とりまとめにおきましては、1個目の丸の下、3行目から書いてございますが、個品割賦購入あっせんの方法による訪問販売を実施できる事業者を実質的に制限していく必要があるというのが当小委員会の1つの結論であり、もう1つの考え方が、訪問販売業界自体に自主規制が行われることは大事なので、これについても会員管理の強化などの必要性についても共通認識となったということでございます。これらの点に関するパブリックコメントについては、実質的制限が進むことはいいことなのだけれども、一方、特商法に登録制などを入れることについては、お墨つき効果等による悪用等、そうしたものについての懸念もありましたし、それとはまた別に、もっとそこに記載されているような基準を明確にしてほしいなど、各種のコメントをいただいております。これについても先回8月の時点にご紹介をしておりますので、これ以上はスキップいたしまして、31ページに進みたいと思います。
今、お隣に船矢課長がおりますけれども、私どもと並行して議論されております割賦販売法について現在検討されている事項、それから、私どもがちょうどまさに説明しておりました過量販売も含めた、過量販売は本日ご審議頂くところなので「P」と書かなければいけないのですが、こうした事項についての議論が、進んでいるわけです。これらがきちっと実現されていけば、個品割賦購入あっせんの方法による訪問販売事業者を十分、実質的に限定することができるのではないか。良質な事業者に淘汰されていくのではないかということでございます。割販法のほうにおいては、まずは個品割賦購入あっせんを行うクレジット会社、ここに書いていますが、こうしたクレジット会社について登録制を入れるという議論があります。その上で個品割賦購入あっせんを行う事業者、つまりクレジット会社が訪問販売などを行っている事業者についての加盟店調査を行う義務及び個々の与信に際して適正な与信をしなくてはいけないという義務を課すという議論がございます。こういうことによって審査が行われ、不当な与信が行われにくくなるという仕組みが生じるわけですが、さらにこれらの及ぶ範囲や効果を経済的な部分も含めたシステムとするべく次のようなものが議論されているということでございます。
まず、個品割賦購入あっせんの契約にもクーリングオフが入りまして、論理的に直結するかどうかは別としまして、売買契約のクーリングオフとの関連性が生じるようになっています。
それから、私どものほうで今、指定商品・指定役務制の廃止の議論の作業を進めておりますけれども、原則適用方式となることによって、いわば抗弁権の接続も含めたいろいろな部分での適用範囲がお互いの間で広がって、穴のない形ができていくということがあります。
それから、先ほどの点、うまく成立すればという留保がついているのですけれども、特商法に基づく契約取り消しに関して個品割賦購入あっせんのほうでは、既払金、つまり既に支払ってしまったお金についても、一定の返還についての規定を整備していく。法律論はまだ若干あるようですけれども、こうした方向性が実現できれば、トラブルが起こったり、あるいは消費者の方から契約の取り消しなどをたくさんされるような加盟店はクレジット事業者側からも淘汰されていくというメカニズムとなって、非常に有効に働くのではないかということでございます。
割販法の議論で示された資料などは、それぞれ32ページから35ページまでにつけさせていただいておりますが、これは飛ばしまして36ページでございます。今、申し上げましたように、割販法、あるいは特商法との両方のリンケージでクレジット会社の加盟店調査の強化及び民事ルールの整備による業界の淘汰が進む一方で、訪問販売業の自主規制団体であるところの訪問販売協会につきましては、先ほど伊藤委員からプレゼンテーションをいただきましたけれども、私どもとしましても、その中でクレジットの方法などでビジネスを行う会員の方には、やはり加盟店調査にちゃんと答えられるような水準になっていただかないと、問題の多い事業者さんがたくさんいるという形になりまして、よろしくないと思っているわけでございます。
37ページにまいりまして、そういうことからの観点に立ちますと、協会にはやはり会員管理と同時に消費者保護の機能を強化していただく必要があると思っております。新規会員の前に入会審査の強化もありますけれども、不適切な会員などの入会拒絶をちゃんとしていただくようにしなくてはならないし、問題が発生する会員については、除名なりなんなりの処分を行う。それから、先ほども一部言及がございましたけれども、協会員が特商法に違反するような行為を行って消費者に被害を与えた場合に、当該会員がきちっと補償ができればそれで問題ないのですが、それらに滞りが起こったり、あるいは不適切な場合には協会が一定のカバーをする。こうしたことが必要ではないかと思っておりまして、これらが可能になるような協会の定款、あるいは業務についての関連規定を法文上も手当てをして、より厳しい会員管理と消費者保護をしていただくようにするべきではないか。こういうことによって、社会の信用、あるいは関連業界との関係でも信用ある協会になって頂けるよう、これから私どもとしてもそういう方向づけをしていきたいと思っているわけであります。
41ページにイメージ図が書いてございます。余り厳密なものではないのですが、割賦購入あっせんを利用する割販法の加盟店調査を通じたレベルアップ、それから訪問販売協会を通じたレベルアップというものでレベルアップを進めて、二重の規律強化をしていく必要があるのではないか。何でも法律でやればいいという問題ではないので、自主規制団体による努力も必要ということです。無論、訪問販売協会員にならなくても、自動車会社さんみたいなグループが別途存在していることは問題ないのですけれども、そうではないところは、できるだけこういうスキームに取り組んでいきながら指導していくシステムをつくっていく必要があると思っています。
42ぺージでございますが、議論の途中段階におきまして、特定商取引法の中で、訪問販売事業者の登録制を、個品割賦を扱う事業者に限定して、導入することはできないかという議論がありました。これについて、問題のある販売を行う事業者そのものを直接監視するという意味においては1つの選択肢だとは思うのですけれども、やはり以下のような点から適当ではないのではないかという議論でございます。
登録制というのは、基本的には一定の基準を満たせば登録できるという性格のものでありますので、むしろ国の登録を受けた訪問販売事業者が自動的に加盟店審査をスルーするような形になりますと、結果的に加盟店調査に関する責任関係がうやむやになるという可能性も否定できません。また、パブリックコメントでもかなりの指摘をいただきましたが、登録事業者のみならず、無登録事業者が登録詐称というのですけれども、政府登録の訪問販売業者ですといって制度の悪用が行われる可能性もございます。さらに、今般、指定商品・指定役務制の廃止の議論をしておりますと事業者数は相当ふえて、行政コストもかなり増すと考えられます。このようなことから、ビジネスを行っている皆さんの中で、お互いがチェックされるシステムを実現する方が合理性が高いのではないかと考えている次第でございます。
以上までが、特定商取引法本体として議論していただくべきことでございます。あとは政省令レベル以下に関する事項なのですが、展示会商法とか呼び出し商法のたぐいをもう少し特商法に順次取り込んでいくべきではないのかという議論が中間とりまとめの中にございました。なお、政令の26条関係は、消経審への法定付議事項になっておりますので、以下に述べます事項の中にはここですべて結論を出し切ることは制度的に問題があるものもあります。その前提で議論の方向性について二、三の整理をさせていただきました。
49ページでございます。現行特定商取引法の下に施行規則がございますけれども、現在、営業所と考えられるものの中に、露店、屋台その他これらにたぐいする店というものがございます。これらにたぐいする店には、「バス、トラックに物品を陳列し、消費者が商品を自由に選択できる状態で販売を行うもの」というものがあります。最近の「さお竹商法」のようなものはこれとすれすれの状態にありまして、こうしたものについて、これからはお店、営業所ということになって、特商法が全く及ばないという解釈が成り立つような関係はよくないのではないかと考えております。
本格的な議論はまた別途の場でやらなくてはならないのですけれども、販売地域が一定せず、つまり、いつも来る人には、トラブルがあればクレームがつけられるわけなのですが、ただ移動しながら販売を行うといったような移動体は、これらにたぐいする店というところに入れておくことに問題があるのではないかという方向で検討するというのも1つの案ではないかということでございます。
2つ目でございます。現在、特定商取引法の中で一定の期間にわたり指定商品を陳列して売る場所であって、店舗にたぐいするものは営業所として考えるということがあります。一定の期間とは何だというのにつきましては、今は最低二、三日以上という考え方が示されております。そうすると、SF商法その他で空き店舗などで、二、三日をちょっと超えた期間販売をしておいて、クーリングオフなどを行使しに行こうとすると、もう店を畳んでいないという場合に対応できないかという議論であります。これまで一律になっておりましたデパートとかスーパーなどで行われる物産展とどうやったら切り分けられるのかという議論をもっと踏み込んで行うことがどうかという問題です。デパートやスーパーのように販売とか展示を目的としている施設にお客さんが行くというのと、そうではない全くの仮設といいますか、そういう場所に行くのとは同列ではないという議論ができるかどうかというのが1つの切り込みの仕方かなという提案でございます。
最後に51ページでございますけれども、キャッチセールスの中に、最近では旅行先などで、遠隔地で帰れないという不安感を与える場所とか、行った先で事実上、閉鎖状態にして、しつこい勧誘を行う。あるいは買わないとここから出られないという気持ちから大量のものを買わせるというものがございまして、こうしたものについて、現在の特定顧客の誘引方法の中に、閉鎖性の強い公衆の出入りしないところへ連れていくといったようなものを加えるという考え方です。具体的にどういう規定、あるいは限定の仕方がいいのかについては、これ以外の方法論もあるかもしれませんけれども、こうした特殊な販売方法についてもキャッチセールスの1つの類型ととらえられるように検討する必要があるのではないかということでございます。
この最後のところは、きょう結論が出せる話ではないと思いますけれども、中間報告の中で示されていた事項でございましたので、言及をさせていただきました。
とりあえず以上でございます。

松本委員長
ありがとうございました。
今、ご説明いただきました論点としては4点あるかと思います。勧誘規制、過量販売の取消権、訪問販売協会の自主規制の強化、最後に訪問販売の適用対象の精査というか拡大ということであります。以上の4つの論点に、さらに先ほどの伊藤委員のご説明を加えまして、これからご審議いただきたいと思います。
いつものようにご発言を希望される方はネームプレートを立てて発言意思を表示していただきたいと思います。どの論点からでも結構でございます。阿部委員、どうぞ。

阿部委員
伊藤委員に質問なのですけれども、協会として非常に大胆な申し出でありがたいと思っているのですが、2ページの消費者被害救済制度、これは具体的にはファンドをつくって、そこから既払金が戻らないとき等の救済がどのぐらいの規模のものが必要になるとお考えなのですか。

伊藤委員
基金の規模につきまして、現在検討中でございまして、これにつきましては、今はっきりとした額については考えておりません。ただ、救済の対象がある程度決まってきておりますので、規模についても今後、検討していきたいと思っております。

阿部委員
それは、会員からの会費として賄うということか。

伊藤委員
はい、そうです。正会員の方からそのように。

松本委員長
丸山委員、どうぞ。

丸山委員
それでは、何点か質問と意見を述べさせていただきたいと思います。
まずは6ページのあたりから出てきている再勧誘の禁止について、簡単な確認をさせていただきたいと思うのです。再勧誘の禁止が導入された場合に、例えば同じ会社の商品を複数の代理店が扱っていたり、フランチャイズ形式で複数の店舗が扱っていたり、あるいは勧誘だけを専門に扱う業者が複数いたりとか、そういう事態というのは想定されると思うのですけれども、この再勧誘の禁止というのは、例えば代理店Aというフランチャイズ店A、あるいは勧誘を専門に請け負っている会社Aに対して拒絶をすれば、B、C、Dという他の代理店や勧誘業者なども勧誘に行けなくなるということになるのかそういった事態については、どのように考えたらいいのかというのを教えていただきたい、というのがまず第1の質問であります。
次に、第2点としましては、7ページのところに出てきている、文書による意思表示の扱いの問題なのですけれども、いわゆるステッカー方式については、今回は難しいのではないかというのが事務局の提案だったと思うのです。それを前提とした上で今後の課題になるのかもしれないのですけれども、1つ意見として述べておくとすれば、7ページに書いてありますように、投資取引の領域で展開されているような議論というのは、商品の特性とか危険性をかんがみて議論されているものなので、直ちに一般的な消費者取引に適用できないというのは、そのとおりだと思うのです。しかし、別の観点から、例えば消費者というのは非常に影響を受けやすくて情動的、衝動的である。あるいは消費者にも事業者に営業の自由があるように、消費者にも迷惑をかけられない自由があるとか、そういう別の観点から不招請勧誘の必要性というものを、販売のやり方に着目して導入していくという考え方は1つあり得ると思うので、これを特商法でやるかどうかというのもまた議論があるところだと思うのですが、同列に論じられないというのは確かにそのとおりなのですが、別の観点から規制の必要性を論じていくという可能性はあると思うので、その点だけは今回指摘しておきたいと思います。
次に、今回提案されている取消権のところについて発言をさせていただきたいと思います。主として21ページのあたりになると思うのですが、まず、簡単なところからいきますと、金額的な下限を設定する必要性はないと私は思います。通常必要とされるものの解釈で十分やっていけるので、民事の取消・無効規範のところにルールを入れるというのは、本来はなじまない発想だと個人的な意見としては思っております。
次に、提案されている取消権の構想の根本的なところをちょっとお伺いしたいと思います。これは質問になるのですが、暴利行為の再構成とか状況濫用の考え方を参考にして手当てをしていこうという方向性を提示されていて、その方向性自体には私自身も賛成しております。ただ、従来、暴利行為の再構成とか状況の濫用という話を学説レベルでしていた場合には、主に2つのアプローチがあったと思います。
1つは、訪問販売のような不意打ち性が非常に強い状況がある場合に、そこにつけ込んで自由意思が抑圧された状態で契約する場面を問題とする。これは消契法の威迫のような場面にも通じるような発想だと思います。
もう1つの発想としては、不意打ち状況における意思の抑圧という問題とはまた別として、判断力不足とか著しい意思の薄弱とか窮状など、消費者の中でも弱さが認められる状態につけ込んで不相当な契約をしてはいけないというアプローチ。この2つのアプローチがあったと思うのです。事務局の案というのは21ページをみますと、要件的には判断力不足とか意思の薄弱化につけ込んでというのは出てこないので、前者のアプローチをとっているようにもみえるのですが、よくよく聞くと後者のアプローチもまざっているような感じがするので、この辺に関連してお伺いしたいと思います。事務局の提案では、事業者が相当程度の注意義務を果たした場合については取り消しできなくなるという方向で考えたらよいのではないかと提案されていますが、ここで問題としている注意義務の内容についてはあまり明らかではありません。勧誘される主体は、判断力不足者などの弱者であることもあれば、知識、能力が十分な成人もこの条文の対象に入ってきそうですが、その場合、事業者の注意義務の内容というのは、意思の抑圧状態とか困惑状態とか、判断力不足の状態があるかないかを確認して売りなさいということなのか。つまり、意思を抑圧したとか、判断力不足につけこんだということが、実際には要件となっているが、立証責任の転換を図っているという趣旨なのか。それとも、ここでの相当な注意義務というのは、一般的に考えて不相当な量のものを売ってはいけませんというだけの話で、逆に勧誘されている人が通常の知識のある人で判断力もあって、通常考えれば必要がない量を欲して購入を希望している場合にも、不相当な量であれば売ってはならないという義務を業者に課しているのか、この注意義務の内容が少しわかりにくかったので、この点を教えていただきたいという点があります。
また、それとの関連で、通常の成人で十分な知識、能力があるような人を想定した場合に、訪問販売によって意思が抑圧されている状態に関しては、現行法制としてはクーリングオフが一定の手当てをしていると思うのですけれども、制度間の相互関係という意味で、この2つの制度をどのように位置づける趣旨なのかという点も説明していただければと思いました。
要するに、取消・無効については、実際どういうファクターがそろった場合に取り消せると考えているのか。立証責任の転換問題に入る前に、どういう要件がすべてそろっている場合に取り消しを認める趣旨なのかが重要となると思うので、その点について明確に説明をしていただければと思いました。よろしくお願いいたします。

松本委員長
では、安井課長。

安井消費経済政策課長
まず、最初の拒絶をされた場合の範囲の話ですけれども、これは、さまざまな企業の関連性の実態にばらつきがありますので、一律ではないのですが、実質的に1つの組織と考えられる場合は、それはAという勧誘員が来て断られたときに、ほかのBという勧誘員なら勧誘していいですというようにはできないと思っております。
それから、ご指摘のあったリスクの高い商品などについては、何らかの別の規制があり得るかという可能性については、今回、特商法では指定商品・指定役務制を外して一方で議論をしておりますので、今回の法律改正とはまた別の世界の議論として考えるときはあるのかもしれません。ただ、また別の次元で考えることはあるかもしれないということで、今回は丸山さんがおっしゃったようにこの法律改正では議論できないというところだと思っております。
さて、取消権でございますが、今回は自由意思の抑圧を要件として考えているのか、判断能力不足を考えていくかということだと思うのですけれども、できれば、消費者の判断力不足の場合だけではなく、不意打ち性のある訪問販売を行う事業者が相当の注意義務を果たす。つまり、当該取引が消費者にとって必要なものなのか、消費者にとって妥当なものなのかということについてちゃんと注意義務を果たしていただく必要があると思っています。そして、結局そうではないものが買わされているということは、自由意思を抑圧するなり、その能力などの状態をある意味濫用する、あるいは、そこにつけ込むということを行ったという類推に立つというやり方ができるのではないか。そうするのが適当なのではないかということなのです。逆にいうと、注意義務を果たさずに通常必要とされないような取引が行われることは正当化できないのではないという場に立つべきなのではないかということであります。自由意思の抑圧行為があったからという形にした場合、大体能力の低下、すぐに状況を構成できる方々は大体クーリングオフの行使、その他をなさるわけなのですけれども、こうした方が立証をする必要が生じます。それができない場合であって、なおかつ非常に過量な取引をされるという状況を考えると、こうした方々をもし救済するという考えに立とうというのであれば、今申し上げたように、不必要な取引が行われているという実態をもって、今後の自由意思の抑圧なり能力の低下につけ込むということが行われたと類推して取り消しができるという前提を立てるやり方にしないと立証性の問題もあって、うまくできないのではないかという議論をしているわけでございます。

丸山委員
類推して、推認してという言葉が使われていますが、その場合、その反証を許すかどうかというのが非常に重要で、業者のほうで、勧誘している相手方が、普通の能力もありました、特に抑圧もしていませんということを証明できれば、客観的に不相当な量の契約でも、取消権は行使できなくなるのか。それとも、その人にとって相当な量だということになれば、勧誘の場面で意思の抑圧や判断力不足へのつけ込みがないことを証明しても、取り消しできてしまうのか。その辺を知りたかったのですが。

安井消費経済政策課長
それは業者の側がちゃんとした必要性があるということについての客観的な状態と取引の状態において、例えばお年寄り1人だけと、なおかつ後でみると少し判断力が劣る方とだけではなくて、第三者を交えてやったとか、ちゃんと証明ができれば取り消しができないという考え方になっていくのではないかと思っています。

松本委員長
現実の問題に絡んでくるので、どのように条文を構成するかとか、非常に法律家的な議論になってしまうところもあるのですけれども、一応、事務局の細かい法律上の文言は別とした分け方としては、客観的な過量販売ということで、まず一たんアウトにした上で、事業者の側が本人の状況等についてきちんと調べて、しかるべき対応をしていたということであればアウトにならないという順で考えようということのようです。法律的にいえば、その部分はただし書き的に展開されているということになるのだと思うのですが、法制局に行くとどうなるかわかりません。どうぞ、池本委員。

池本委員
何点かあるのですが、今、議論があった過量販売の取消権のことについて先に申し上げます。
基本的に私は賛成する方向で意見を申し上げたいと思うのですが、この二、三年前から特に社会問題になっている高齢者など判断力が低下した人へ必要のないものを次々と大量に販売して、支払い能力も無視して販売していると。これを何とかしなければいかんということが議論の出発点だったのだろうと思うのです。
実は私たち弁護士会でも何とかこれを救いたいということで、2つのアプローチをしました。1つは、判断力が低下したものに対して訪問販売で勧誘し契約をさせる。これがやはり危険なのだから取消権を付与できないか。そう提案しながらも、判断力不足という非常にあいまいな基準でもあるし、しかも、知りませんでした、普通のようにみえましたといわれたので、もし免責されるのでは困るしということで悩みました。
もう1つは、特にクレジットなどを利用して支払い能力を無視して販売する、これを何とか規制できないかというアプローチもしております。これはこれで必要性はあるのだろうと思うのですが、今回の提案は、それとはもう1つ違う数量基準、あるいは必要性基準からのアプローチだと思います。必要のないものを大量に販売するという。その意味では、行動規範として事業者にとってもみえやすい基準でもあるし、最小限必要なもの、日常生活で使うものなどを売ることは何ら問題ないという意味で、何が許されるかということもみえやすいという意味では、やはりこのアプローチを基準に置くということで私も賛成したいと思うのです。
そのことを前提に先ほど丸山委員からも、では、何がどういう場合、免責されるのかという反証をどうみるのかということ、条文をつくるときにも非常に神経を使うところだろうと思います。それはここで今、全部確定することではないのですが、一、二ちょっと気がかりな点で申しますと、通常必要とするという言葉の意味を日常生活で必要とするということだけに絞ると、ちょっと狭くなり過ぎる。例えば、宝飾品だとか和服だとか、日常生活で使うといえば嗜好品だというようなものを一切売ってはいかんということでもないだろうし、必要性基準には合わないから、それはらち外だとされたのでは、なお困ります。ですから、そういうものも含めて、いわば国民の負担が許容される販売、数量なり、必要性なりという目安と、それを超えたときには立証責任がまさに転換されて、それが本当に本人が必要だと思って、あるいは積極的に欲しいと思って購入したのかどうかという状況を事業者の側がきちんとチェックしなさいというルールになっているかどうか、そこがやはり重要なのだろうと思います。その意味で、嗜好品なども含む全体について目にみえるルール、社会からみえやすいルールとして設定していただきたい、これは希望です。
2点目に、拒否者に対する勧誘禁止のことについて申し上げます。これも基本的に、これをルールとして入れるということについては賛成なのですが、1点、これは資料でいうと8ページのcのところで、相対での意思の表示・確認を基準とするべきである。その延長として、勧誘を拒否する相手方事業者と拒否の意思を示す消費者が特定できるような文書の取り扱いをどう考えるかという書き方があって、それが例の文書による意思表示というのは、基本的に認めないということにつながっているのだろうと思うのです。
文書を張っておけば、ステッカーを張っておけば、それが法律上、直ちに拒否の意思表示だから、ステッカーのあるところへ入った途端にそれは処分の対象だというのは、現実からすると、例えばデパートの外商とか、およそ張ってあるところには近づいてはならないということまでいくのは行き過ぎだという気もわからないではありません。むしろ今回のルールは拒否したら再勧誘禁止、あるいは売ってもいいですかという意思を確認しなさいという義務づけを基本に据えるという意味ではわかるのですが、ステッカーを張るというのは、いわば拒否の予告をしているわけですから、それは意思確認の義務の中身が一層慎重さ、厳格さを要求されるという意味では、間接的に影響はあるのだろうと思うのです。それを相手方を特定して拒否しなければいけないというと、それこそ「○○業者さんはお断りです」と書かないといけないとすると、それこそグループ会社はどうかとか先ほどのような議論にまた戻っていくし、現実的に商品や事業者を特定したステッカーということは考えにくいと思うのです。ですから、書面による意思表示を一律対象にするというところまでいくかどうかは仮に難しいとしても、それは確認義務のところで慎重に扱うべき要素になるというような位置づけは可能なのではないかと思います。
とりあえず、以上2点です。

松本委員長
はい。

安井消費経済政策課長
とりあえず、先ほどの最後の部分ですけれども、今回の再勧誘の禁止、あるいは勧誘意思の確認の法的効果をもつものとするのは、さすがに難しいという点については池本委員も同じ立場に立っておられると思うので、そこはそのように考えざるを得ないとした上で、社会的な側面としての問題はよくわかります。
それから、通常必要とするというのは、日常生活で使うという概念なのかという点については社会通念というものが世の中にあるわけでございまして、それをどうやって具体化していくかということだと思います。いずれにせよ、最終的な取り消しのところは自由意思の抑圧やその能力の低下などを、いずれもカバーして、なおかつ立証性を考えに入れますと、先ほど示しているような外形要件を持ち出すという考え方に立てれば確かに使いやすいという意味でこういう1つの考えを示しているわけです。けれども、ここの暴利行為論なり状況濫用説の構成で、ここにたどり着くことが法律論として妥当だろうかというところがうまくいくかどうかというのについて、私どもとしても正直いって悩みのあるところなのだというところで、もうちょっと議論が進むといいなとは思っているのでございます。

松本委員長
過量販売ということで、なくてもいいものについて、1つ高級品を買わせるということが過量という概念に入るかというと、多分入らない可能性が大きいという気もします。ただし、より一般化した状況の濫用というような概念だと入る場合が出てくるのだろうけれども、それはどの次元のルールとして法律の中に組み込むかという問題です。過量販売という、状況の濫用の中でもかなり限定されたタイプについてだけ今回は立法するのだということだと、1個だけというのは普通は入らないだろうかという印象になります。
青山理恵子委員、青山直美委員、それから高芝委員の順でお願いします。

青山(理)委員
今、丸山委員、それから池本委員から非常に法理論構成的なご発言があった中で、私は現場の相談というようなことからお話をさせていただくと、ちょっと話のレベルを下げてしまうのかなという感じで大変申しわけないのですけれども、私はまず今回の報告書を出していただいた中で、事務当局がよくここまで書き込んでくれたなという点では非常に評価をしているところです。
まず、今、座長からお示しいただいた過量販売の取消権の導入について、後から安井課長が答弁したら、だんだん弱腰になってきたのではないかという気がして、そこの辺がちょっと心配なのですけれども、過量販売だったら、どのようなアプローチがあろうが、まずは取り消すのだと。そして、その後、事業者からの反論等々があれば、そこはそこでまた考える的に、私は座長が丸山委員にご説明したのが意見的に集約されていけば大変いいなと思って、ぜひそこのところを法理論的にも構成していただければ大変ありがたいと思います。
もう1つ、そういう暴利があったり状況濫用があったりした結果の取消権の付与ということになるので、そこに下限を設定する必要はないと私は個人的には思っています。実際問題、もしここで下限的なものができたとすれば、10万なり20万なりということがもしできるとすれば、そこをやはり19万8,000円にとどめておくというのが必ず出てくるわけですから、そういう意味での状況濫用等々を考えれば、これは安井課長の最初のところで、深刻な被害の救済ということを考えれば、おのずと決まってくるでしょうというようなことを考えれば、あえてここで下限というものを設定する必要はないであろうと思います。
もう1点、実際、先ほど伊藤委員が訪販協さんの今後の状況、規定の改定等々について、かなり踏み込んだ意思表明(覚悟の意思表示だと私は思っているのですけれども)をしていただいたということは大変ありがたい、すごいことだと思っています。そもそも事業者の方は、そこで利益を得ようとするのであれば、コストがかかるのは当然であって、やりたいことをやって利益を得て、そして後の規制は行政に、国にというのはまずいと思うので、そういう意味では自主規制的に、会員会社が何か不適正なことをやったとしたら後できちんと自分たちがフォローして、賠償という言葉が適切かどうかわかりませんけれども、するのだということをきちんとなされた、これは訪販協に入っているよということがかなりのグレードアップにつながるでしょうし、そこの方たちは非常にいい販売形態ができる、販売行為ができるということで、かなりの信用がつくと思って、ぜひこれは頑張っていただきたいと思っております。
以上です。

松本委員長
青山直美委員、どうぞ。

青山(直)委員
私も2点ありまして、まず、伊藤委員からご紹介がありました訪問販売協会さんの取り組みについては、私も大変期待しております。いい訪問販売業者が悪徳な訪問販売業者を駆逐していくような仕組みになっていけばいいと思います。やはり幾ら訪問販売というものに対する教育、啓蒙をしようとしても、実際に身近に接している訪問販売業者の方が、何か訪問販売で困ったことがあればこの電話番号に電話してくださいと誘導することが接点としては一番身近で、お客様にとってもわかりやすいと思うのです。今、訪問販売というのは怖いとか、悪い買い物の形態だというようなイメージが何となく蔓延していると思うので、それを駆逐できるのは、いい訪問販売業者しかないと思うので、ぜひ通販協会さんがやられているような通販110番みたいなものをもっともっと身近に宣伝していただければと思います。
それと、新しいいろいろな知恵を編み出して、いろいろな悪徳な業者さんがどうしても出てくると思います。どうしてもモグラたたきになってしまうとは思うのですけれども、やはり情報を入手しやすい訪問販売協会さんが一番素早いモグラたたきができると思うのです。そういう意味では、本当に今後、期待させていただきたいと思います。
過量販売については、大変身近な例での懸念が1つあります。ちょっとレベルを落として申しわけないのですけれども、遠くに住んでいるおばの家に行きましたら、大変多くのブドウが山積みになっているわけです。「おばちゃん、こんな食べ切れないから、もう買わないほうがいいよ」というようにきつくいいましたら、2週間後に今度は父の家にブドウが届いたわけです。事情を聞いてみると、またブドウを売りに来た。もう食べられないから要らないといったら、そういういい親戚がいるのであれば、では、贈りましょうということで親戚に送ったということなのです。その家での相当量は売っていないのですけれども、今度は送りつけ商法といいますか、では、アドレス帳、貸してごらん、大切な親戚の方に送って差し上げましょうということでやっているわけです。この過量販売については、私も本当に大きな第一歩だとは思うのですが、これを実施したら、今度はその家では必要ではないけれども、送った先には必要であるかもしれないというような商法が出てくるのではないか。実際に出てきているわけなので、その辺が懸念としてはありますが、もちろん過量販売の法規制ができるということは大きな第一歩なので、大変快く思っているのですけれども、そういう懸念があるということだけは意見としていわせていただければと思います。

松本委員長
高芝委員、どうぞ。

高芝委員
私から1点、先ほど来出ています過量販売に対する取消権の関係で意見を述べさせて頂きたいと思います。
この点についてペーパーを頂いていて、特に21ページのところで考え方をまとめて頂いているわけですけれども、これを検討していく上では、要件を特定できるかとか、安定的な解釈ができるかという、そこら辺はいろいろ課題があるのではないかと感ずるところがあります。そういうことで、質問というよりは気になっている点をお話しさせて頂いて、今後検討頂ければということでの意見を述べます。
1点目は、訪販プラス通常必要とされるものを超えるというのは、要件としては、これを柱にという趣旨になっていると思うのですけれども、通常必要とされるというときに、基準をどこに置くのか。一般人を基準に置くのか。このペーパーでも23から25ページで、全国信販協の数字を参考ということで例示していますけれども、そのような基準でいくのか、個々の消費者毎に必要性を判断していくのかというところも論点になるのではないかと思います。個々の人毎でみていけば、その人にとって過量かどうかという個別的な妥当性は出てくると思うのですけれども、事業者の方からみると、消費者側の個別的な事情がファクターとして大きくなるため、行動基準としての予想可能性が立ちにくくなるという問題が出てこようかと思います。また、逆に、一般人を基準にして、通常必要かどうかを判断していくと、事業者の行動基準としては予想可能性が立ちやすいのかも知れませんが、個別的には必ずしも取消に馴染まないケースも出てくるのではないか、ここが気になっている1点目です。
2点目としては、21ページの2番目のところで、注意義務を果たしたときには取消ができないとされています。この取消の考え方として、事業者側の注意義務をベースに取消を認めるという考え方が背景にあると思うのですけれども、事業者が注意義務を尽くさなかったときに取消権が生ずる、ないしは、事業者が注意義務を尽くしたときに取消権が消滅するというのは、従来そういうパターンは余り多くはないのではないかと思います。注意義務違反は、どちらかというと、損害賠償に馴染む考え方のところがあるものですから、この点も検討課題ということで考えて頂ければ、ありがたいと思っています。
それから、最後1点は、過量、すなわち、21ページの通常必要とされるものを超えたときは取消ということになると、それを超えた部分だけ取り消しになるのか、それとも、全体が取消になるのかという点も考えないといけなくなると思います。取消の範囲が一部なのか、全部なのかという点です。過量販売だと、過量なところを取消して無効とするという考え方もあろうかと思いますので、ここら辺も課題になるのではないかということで、検討頂ければと思います。
以上です。

松本委員長
角田委員、どうぞ。

角田委員
まず、訪問販売の勧誘に対する規律の強化の訪問販売における勧誘規制についてですが、トラブルの実態等からしますと、事前要請のない個別訪問を禁止するということが、やはり望ましいと思います。ただ、指定商品制の撤廃ということで、一般のトラブルが生じていない商品にまで非常に広く広がるということなどからすると、今の時点では、まずは個別拒絶者に対して勧誘意思の確認であるとか、再勧誘の禁止といった勧誘規制を導入するということで仕方がないのかと思っています。
そこで、書面による意思表示であるとか、同居者の1人の意思表示の表明の扱いについては、当事者の意思ということをベースにすると、個別に考えるということで事務局の説明のようになるのだと思います。ただ、我が国では個々人が契約の主体であるという意識が必ずしも高くなく、例えば妻の意思で契約する場合でも、夫の名前でしてしまうといった実態もあって、消費者トラブルとしては、例えば高齢者のいる世帯で、拒絶しているのに、若い家族のいないときに高齢者に販売するといった勧誘が行われるといった懸念もあり、いろいろなケースが考えられるので、例えば、その世帯として意思表示をするといったことも場合によってはあるのではないかと思われ、さらに個別的に脱法的な悪質な行為などを想定して、有効な防止策もあわせて検討しておく必要があるのではないかと思われます。
次に、過量販売の取消権ですけれども、被害の未然・拡大防止、それから救済に関して非常に有用であると思われ基本的に賛成です。
ご説明を聞いていますと、例えばヨーロッパ契約法原則に、過剰な利益または不正なつけ込みという、例えば当事者の一方が無思慮、無知、無経験であった、交渉技術に欠けていたなどのとき、相手方はその事実を知っていたか知るべきである周囲の状況、契約の目的を考慮して非常に不公正な方法で当事者の一方の事情につけ込んだり、過剰な利益を得たときなどは取り消しできるというような取消権がありますけれども、このあたりに近い考え方かと思ったのですが、もう少し量のほうに寄っているようで、どのあたりで決めていくのかということを今後さらに詰めていくということでしょうか。
金額の下限設定については、私も設けるべきではないと考えています。あくまで取引の対応に問題があったとして取消権を付与するということで個々に判断するべきものなので、ちょっとなじまないのではないか。ただ、不適正な量というところになってくると、下限を設けるという選択肢もまた出てくる可能性はなくはないのかとも思います。
それから、訪問販売協会に対する会員管理の強化については、きょうの説明を聞いて、それが実行されるということにとても期待するのですけれども、特商法に登録制を導入するかということについては、今の時点では私は余り賛成できないということがあります。事務局からもそうした案として出されているのだと思われますけれども、やはりこれまでの訪問販売トラブルの実態を考えると、登録制度の実効性に対して懸念があるので、事業者団体の独自の強化策といったことがまずあるということで、今の時点で登録制を導入するべきではないと考えております。
更に、訪問販売規制の適用対象の精査というところですが、営業所の定義であるとか、特定顧客に関しては、相談の現場では相当前から「一定の期間」であるとか、営業所の範囲等について狭いという意見があって、これを例示だと考えるということもあるとは思うのですけれども、トラブルの実態を踏まえて、ぜひ検討を進めていただきたいと思います。
以上です。

松本委員長
多数の方が発言通告されておりますので、坪田委員、宮川委員、村委員と行きまして、それから長見委員、阿部委員と戻りたいと思います。では、どうぞ。

坪田委員
それでは、私は37ページにあります協会の会員管理の強化について一言。
いろいろな団体をみていますが、日本の場合には強制加入の団体というのはほとんどないわけで、加入、脱退は自由がほとんど。その場合に入会とか退会、特に除名はなかなか難しい事例をいっぱいみています。特に入会後に何か法律違反を犯したときには除名とかなんかという議論にはなるのですが、入会の拒絶というのが非常に難しい問題があるような印象をもっています。そこら辺がこういった場合にどう法律的に手当てできるかというのは、1つ慎重に判断すべきだろうと思います。
伊藤委員にちょっと質問なのですが、先ほどご報告いただいた1ページに新規入会審査手続の厳格化ということで、いろいろなことをやっておられるというのは非常に評価したいと思うのですが、1つは、こういった事前調査機関で精査された結果、入会拒否をされた実績はどうかということ。例えば、これから訪問販売をやってみようという全く実績のない人が入会したいといったときにはどうなるのか、そこら辺をちょっと教えていただきたいと思います。
以上です。

松本委員長
伊藤委員、どうぞ。

伊藤委員
実際に入会の申請があったものに対して保留という形で、拒否といいますか、実態は拒否なのですが、そういう例はございます。数はちょっとわからないのですが。

坪田委員
訪問販売の実績がないときに協会に入りたいといった場合はどうなのでしょうか。実績がないと入会できないということでしょうか。

伊藤委員
いや、今まではそういうことはございません。それはヒアリングした結果によって入会はさせております。

松本委員長
では、宮川委員、どうぞ。

宮川委員
私からは、法の執行に当たる立場から4点について意見と要望をさせていただきたいと思います。
資料、3番目の訪問販売規制の適応対象の精査についてのほうに移るのですけれども、まずは46ページです。ここにもありますように、アポイントメントセールスの来訪要請手段についてなのですが、施行令中の規定は、あくまで例示であることが明記されるということ。これは実際、巧妙で、新手の手段を繰り出す悪質事業者をいろいろと規制していくにおいては非常に有効だと考えます。実際に取り締まりを行っているとわかるのですけれども、悪質事業者は法令を本当によく研究しています。この条文にない直接法令違反にならないところで被害を与えているという現状もございまして、ちょっと具体的な事例をご紹介いたしますと、これは平成18年度にあったことなのですが、無料で着つけ教室を開催するということを新聞の折り込みチラシを使って受講者を募りまして、セミナーと称して集めた受講者に対して、着つけの講師を使って高額な着物をかなり購入させるというケースがあったわけです。
私どものほうには法的にいろいろと助言をしていただく弁護士さんも何人かご協力いただいているのですけれども、施行令第1条第1号の解釈をめぐっていろいろと意見をいただいたのですが、1つにはこういうケースにおいて、1つ、類推適用をしてやってみるというのもやり方ではないかというご意見もあったわけなのです。ただ、実際に争いなどがあったときに、果たしてそれで我々のほうでその主張が通るのかどうか、そういった難しい面もあるのではないかとの意見もあり、行政のほうも非常に忙しい仕事なので、かなり悪質なケースではあったのですけれども、結局は都の条例のみを適用して指導するということにとどまったわけです。そういうことで見直しに当たりましては、パブリックコメントにもありますけれども、例示であることを明記されるようにご検討をお願いしたいと思います。
2点目、50ページなのですが、この営業所等の範囲についてということで、一定の期間を延長する方向で検討するということなのですけれども、これは大変結構なことだと思っております。ただ、期間を延長すれば悪質事業者はそれを上回る、要は法律の適用を逃れるためにいろいろな対応をとってくることも考えられるわけなのですけれども、さはさりながら消費者被害の拡大を防止して、そして消費者保護を図ろうとする、こういった国の姿勢については、私ども地方の立場では評価したいと思っておりまして、ぜひ期間を延長する方向でご検討をお願いしたいと思います。
3点目なのですが、51ページです。これは特定顧客を誘引する方法に関してですが、確かにここにもいろいろ記載がありますように、閉鎖性の高い空間において必要な勧誘に遭うというトラブルが現実には起きております。ただし、物理的な面での閉鎖性に加えまして、例えば悪質事業者によって巧妙につくられた場の雰囲気にのみ込まれ、その場から逃れられないような心理状態に追い込まれるようなケースも多々ございます。したがいまして、例示となっておりますけれども、帰宅に困難を生じる場所等については、単に物理的な場所としての側面だけでなくて、精神的な圧力を受けるといった側面などもぜひ視野に入れて幅広いご検討をお願いしたいと。これは3点目でございます。
それから、前回、私は大変失礼をして、事情がありまして出席できなかったのですけれども、これも現場においては大変重要な事柄ですので、ちょっとこの場をおかりして、最後の点について申し上げることをお許しいただきたいのです。
前回の9月27日の指定商品・指定役務制の見直しと特例措置についてのところで、資料の最後のところにあるのですが、指定商品・指定役務制の廃止に伴う特例措置を講じた場合についてなのですけれども、実際、今の時点で我々が考えもつかないようなことが結構出てくるように感じておりまして、とにかく法規制から逃れる方便として、いろいろ悪用することも出てきますので、この辺を十分に念頭に置いていただいて検討していただきたい。特例措置の対象については、とにかく機動的に所要の措置が講じられるように、ここにありますように、ぜひとも主務省令によって定めていただきたいと。このことを強くお願いしたいと思います。
私からは以上です。

松本委員長
村委員、どうぞ。

村委員
それでは、3点について意見を述べさせていただきます。
まず、第1点が訪販業者の登録制度の導入についてなのですが、これには私は現時点では反対です。ですから、特商法に登録制度は導入しないほうがいいだろうと思っています。
なぜかと申しますと、これは貸金業法が典型的な例だと思うのですけれども、最初は実費が4万円ぐらいあれば登録できるということで登録制度を始めて、結局わずかな金額で登録がとれますから、ヤミ金業者がどんどん登録をとりまして、登録業者だということでダイレクトメールを送って、東京都の金融課はそれでかなり大変なことになったわけです。そういうケースが多いからということで、純資産額を個人か法人かによって300万ないしは500万まで引き上げたのですが、それでもやはり後を絶たないという状態で、昨年の改正で純資産5,000万まで引き上げるという流れになったわけです。訪販業者で今回、政令指定も廃止しようという流れですから、さまざまなものがたくさん入ってくる状態です。ですから、こういう状況の中で本当に効果のある登録というのは何なのかと考えたときに無理だと。それから、行政コストを考えても、とても見合わないと考えます。そういう中途半端な登録制度を導入したあげく、クレジット会社の加盟店契約のときに国の登録業者なのだからいいのだと思ったということで加盟店管理がしり抜けになるおそれもあります。ですから、これは多分、今の時点では百害あって一利なしではないかと私は思っております。訪販協のほうの取り組みについてご報告いただいたのですが、これは従来、なるたけ取り込んでよくなってもらいたいという行き方から優良ものをセグメント化していくという一大方向転換で、多分これから大変ご苦労されるのかと思うのですが、ここの部分は協会の取り組みに期待して経過をみていくということが最も適切な現時点での判断ではないかと考えます。
2点目が過量販売の規制なのですが、これについても事務局のご提案に、私は基本的には賛成です。理由なのですけれども、やはり今一番困っているのは何か。深刻な被害が起こっているのは何かというと、端的にいえば、ご高齢の方で、ちょっと判断力が危うくなっているかなという方が次々販売等で山ほど契約させられるというものです。私がかかわったものでも、1ヵ月の間に12個も呉服を売りつけられたり、1年間ぐらいに80歳過ぎの高齢の女性が四十何件も宝石を売りつけられたり、とても使う当てのないものですから、ほとんど手つかずに残っているというようなものが実は非常に深刻なのです。
ところが、被害に遭ったということで表面化してくるときには、契約をしてから早くても何ヵ月、遅ければ1年、2年、3年とたっているわけで、契約したときに判断能力がどうだったのか、低下していたのかということをさかのぼることは実務的にも非常に大変なことです。運がよければ何とか立証できる場合もありますけれども、大体そこまで事実の証明で攻め上がるというのは困難なケースがとても多いです。そういうことから考えると、客観的要素で詰めていくというのは実務で使えるアプローチだろうと思います。ただ、私はこれで決して十分だとは思いません。状況の濫用的なEU指令であるとか、フランスの消費法典であるとか、オランダの法律であるとか、いずれは、そういうところまでぜひ検討して取り込んでいっていただきたいと思いますけれども、第一歩としては、これは実務でも使える大きな成果だろうと思うのです。
それと、注意義務の立証責任の転換みたいな部分も1つの導入されていることについての危惧なのですけれども、やはり家庭訪販などの場合ですと、自宅まで行って売っていますから、どんな暮らしぶりかということもわかるわけです。ですから、そのようなケースでみていくと、そう心配するようなこともなく本当にひどいケースの場合には、これでもかなり使える部分があるのではないか。そこのところの実績を積んでいって、また次を考えたらいいのではないかと実務家的な視点では考えるわけです。
3つ目が勧誘に関する規律のところで、ステッカーの問題とか勧誘意思の同意をとりつけるとかという議論をずっと伺っていて、私はとても違和感を感じるのです。それはなぜかといいますと、つまり、今までされている議論というのは、自宅も営業の場所になって構わないという発想があるのです。ですから、セールスが自宅に来たら、ともかく出ていって、私は勧誘を受けたくないということはいわなければならないのかということです。私は自宅は営業の場所ではないと思っておりますので、そっとしておいてくれと、来てほしくはないという消費者の選択は当然尊重させるべきであると思うのです。だったら、私はそっとしておいてもらいたいといってステッカーを張って何が悪いと。それは守られるべきであって、ここでされている議論は私は違和感を覚えます。人の暮らしを大事にしない、営業のほうを優先するという考え方で、普通の人の暮らしの意識から全く逆転した議論をしていると思います。
ただ、ここまで来てしまったときにこんなことをいっても、ステッカーも導入してくれというのは今の時点ではどうかという議論の進捗状況を踏まえたこととも関しますので、これは今後、人の暮らしを大事にするということと、商業活動をどう折り合わせるかということを、もうちょっと暮らしを大事にする側面で検討していただきたいということを先につなぐということで、今回反対ということではありませんけれども、とても私は違和感を感じておりますので、最後に一言申し上げます。
以上です。

松本委員長
長見委員、どうぞ。

長見委員
質問が1つあります。それは過量販売の考え方には、同じものをたくさんという考え方になっていますが、私たちが訴える過量販売のイメージの中には、例えば住宅リフォームの場合にありましたように、屋根を直し、塀を直し、床下を直しというような、物としては違ってくるけれども、1人の消費者にとっては非常に負担の多いものというものがあります。ここに表示された過量販売の中にこのようなケースも入っているのかどうかということです。それも検討課題として入れていただきたいと思います。金額でいう場合もあり得るのではないかと思います。だから、意見になるのですが、質問ですので、答えていただきたいと思います。
もう1つ、消費者相談の現場は、非常に多くの件数をこなすわけです。そうすると、どういう状況ならこの法律にはまるのかという基準をかなり明確に出していただきたいと思うわけです。例えば拒絶の意思の表明の仕方とか、それはどことやっていればいいのか。また、トラブルが起こったときの解決の問題という以上に、私たちが消費者への啓発活動をするときに、意思表示としてはこういうことをしたらいいですよということをやはり伝えておかなければなりませんので、ここの基準の考え方というのは明確に打ち出してほしいと思います。法律の中に書き込むことはできないかもしれませんけれども、明確にしていただきたいと思います。それは他の過量販売のほうにかかわる暴利行為だとか、状況の濫用の基準、考え方にも結びつきまして、相談員さんが、これは暴利行為だというように読めるかどうかというところを示していただきたいと思います。
それから、消経審のほうに行くものもあるということですけれども、施行規則のところの店舗外の問題ですが、ここに例示されていることはぜひやっていただきたいのですが、二、三日という期間の問題がありますね。二、三日を延ばすのを1週間ぐらいという例で挙がっていましたけれども、今非常に多いのは、商店街の空き店舗にかなり長期間にわたって入っているのがあるわけです。その場合は物を売っているということがわからないというのが一番大きな問題です。健康相談のような形をとりながら、実は入っていくと勧誘をされていくというのがありまして、これはもう1ヵ月、2ヵ月続けてやっていまして、1週間のような短い期間ではないわけです。ただ、商店街などでも店の内容を良く知っているわけではなく、たまたま通ったときに、健康相談で血圧をはかってもらおうかというような感じで入っていってしまうと取り込まれてしまうというようなことが往々にある。それがまたトラブルになっていきますので、この辺の、物を売っているかどうかわからないというところも押さえどころとして法の運用を考えておいていただきたいと思います。
以上です。

松本委員長
阿部委員、どうぞ。

阿部委員
意見としてです。文書というか、ステッカーによる勧誘拒絶の意思表示なのですが、これは指定商品・役務制をやめるという前提で考えれば、御用聞きとか門づけまでだめかというと、そうはできないと思います。
村委員がいわれている折り合いをつけるという意味で、8ページのcですが、要は勧誘を拒否する相手方事業者等の特定なのですが、ここをもう少し柔軟にできないかと。例えば、浄水器勧誘お断りとか、業種、業態、商品、サービスの形態、性質でできるとかしていただいて、例えば特定の事業者、あいつは嫌だとか、おまえはだめだというところまでいかなくても、これは法的に有効になるように考えられないかということが1点。
もう1点は、過量販売についてですが、全体の考え方は事務局のお示しのとおりだと思いますが、特に21ページの金額的な下限ですが、これはどの額にするかはともかくとして、全く設定なしというのは、やはりおかしいと思うのです。これは相当深刻な被害が起こっているということを前提にこのような議論になっているのでありますので、クーリングオフと同じ3,000円でいいかどうかとかというのはわかりませんけれども、全く下限を設定しないで幾らでもできるということでは成り立たないはずです。ここは適当な額をそれぞれ意見を出しながらまとめていく必要があるかと思います。
以上です。

松本委員長
先ほど長見委員の質問に答えていただくのをカットして失礼しましたので、課長のほうから。

安井消費経済政策課長
同一物とは何かという問題でありまして、余り厳密にやりますと、どんなものでも別になってしまいますので、類似性のあるもの、一体的なものは1つの固まりとしてとれるようにしたいと思うのです。
あと、今度は逆にいうと、全く別のもので、金額的にたくさんなってしまうというパターンになっていきますと、この制度では射程にはなかなか入りにくいと思っています。詳細は実際に形成するときにもうちょっと詰めますけれども、考え方はそういうことではないかと思っております。
それから、拒絶の意思表示の内容を具体化するというお話につきましては、先ほどの資料の後ろのほうに他法などの運用例もつけてございます。また、ご存じの特商法の解釈などでも、基本的に法律としての文言が同じであれば、大体同じ書き方にはなるのですけれども、それらを制定してわかりやすくなるようにしたいと思っております。

松本委員長
大河内委員、どうぞ。

大河内委員
私ども、前の議論でもいっているのですけれども、そもそも家という完全に私的で無防備な状態にいるところに何か売りに来る。そのとき、必要性を全く感じていないのにもかかわらず売られてしまうということ自体、つまり、訪問販売自体に生活圏というようなところから問題があるとずっと思っております。ただ、現実の実態からどのようにしたらいいかということで勧誘規律を強化するとか、過量販売についていろいろな手当てをするということには、ぜひそうしていただきたいと思っております。
勧誘規律の強化の6ページの勧誘意思の確認義務という言葉なのですけれども、勧誘意思というのは業者の方がもっているわけですよね。だから、何となく言葉として違和感が……。勧誘されるとか、その辺がちょっとと思ったことと、それから過量販売、法的ないろいろなことはともかくとして、必要性の立証を売った人のほうに求めるというところは、今まで被害者がいろいろな立証をしなければいけないというところから難しかったことを考えると、ぜひこれを導入する方向でお考えいただきたいと思います。
全体として、いろいろな問題を解決していくということの手始めに、こういうことをぜひ進めていっていただいたいと思っております。
以上です。

松本委員長
どうぞ。

安井消費経済政策課長
今ありましたのは、例えば15ページをみていただきますと、勧誘を受ける意思の有無を確認するというような書き方が条文ではなされまして、今のご指摘はごもっともですので、今後気をつけたいと思います。

松本委員長
ほかにご意見、ご質問はございませんでしょうか。青山委員、どうぞ。

青山(理)委員
せっかく船矢課長がお越しになっていらっしゃるので、31ページのことをとにかくやっていただきたいということだけのお話をさせていただこうと思います。
今、訪販協さんも自分のところに加盟している会社に対して、何か不都合があった場合にはフォローする、対応するというような強い意思表明があったわけですけれども、あわせて、これを割賦販売法においても既払金の返還規定をしかと獲得していただきたいということを最後に蛇足ながらお話ししました。
ありがとうございます。

松本委員長
ほかにございませんか。どうぞ。

安井消費経済政策課長
途中で幾つかご議論とかがあったうち、今お答えできるものはお答えしてみたいと思います。
高芝先生からありました、本来、取り消しを主張できるものの考え方は、通常の人にとってどうなのだという考え方で、まずそこから考えるべきだと思っております。ただ、個々の方々の事情、そうしたものは当然あるわけでありまして、そこについてちゃんと注意義務を果たして、個々のご職業とかいろいろな背景から、その取引は正当であるといえれば、これは違うというように考えるのが本筋ではないかと今のところ思っております。
それから、角田先生からありました、やはり暴利や状況濫用があったときはという立論ではないかという側に立つと、どうしても立証性の問題が発生し、だからこそ、今回の法律構成で私も非常に悩んでいるところであります。では、逆に、単純に数量からいこうとすると、数量だけというのであれば、一般商店だってたくさん売ってしまうとそうだろうという話に当然なってしまうので、ここをどうブリッジングしながらやっていけるのかというのが私どもの大きな悩みだとご理解いただきたいと思っております。
それから、角田委員からございました、入会拒絶みたいなのは確かに根拠がないと通常できないと思っておりまして、貸金業法などの例では貸金業協会にそういうことを明定した例がございまして、こうしたものを参考にして考えていくことになるのではないかと思っております。

松本委員長
ありがとうございました。
事務局からお出しいただいた方向性について、多くの点ではご賛同いただけたと思います。ただ、ステッカーによる勧誘拒絶の意思表示でもいいのかどうかといった点、それから、取消権におけるすそ切りについては一部反対意見もございましたので、今後また議論を深めていっていただきたいと思います。
さらに、本日、議論になっていませんでしたけれども、従来の特商法上の民事ルールは、クーリングオフにしろ、取消権にしろ、行政規制とセットになっておりまして、書面交付義務との関係でクーリングオフ、それから、禁止規定に違反したということで取消権ということだったわけですが、今回もそういう行政規制的なものを前提とした上で、それの違反として過量販売取り消しというように置くのか、それとも行政規制はかけないで、純粋民事ルールとして置くのかというのは、かなり大きな問題で、特に純粋民事ルールとして置くと非常に画期的なことになると思います。
あるいは、行政規制的なものと絡ませるとして、一番やわらかい、主務大臣が、問題がある場合には指示できるという条文がありますから、その対象として過量販売を加えるけれども、民事ルールとは切り離して行政規制もできるが、民事ルールは独自に動くという立て方もあると思いますので、そのあたり、これから立法に当たって、さらに詰めていく必要があるのではないかという気がいたしております。
ほかに特にございませんようでしたら、本日の議論はここまでとさせていただきたいと思います。
次回の小委員会におきましては、消費者団体訴訟制度や通信販売の返品表示ルールにつきまして審議を行うことといたしたいと存じます。次回の日程等について事務局からご説明をお願いいたします。

安井消費経済政策課長
次回は11月2日の午前10時から、この本会議室を予定させていただいております。

松本委員長
ちょうど定刻の12時となりました。本日もご多忙中のところ、長時間にわたり熱心にご議論いただきまして、まことにありがとうございました。以上をもちまして「産業構造審議会消費経済部会第9回特定商取引小委員会」を閉会いたします。どうもありがとうございました。

関連リンク

 
 
最終更新日:2007年11月5日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.