経済産業省
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産業構造審議会消費経済部会特定商取引小委員会(第11回)‐議事要旨

日時:平成19年11月27日(火曜日)10時~12時
場所:経済産業省本館17階西3国際会議室

出席者

松本委員長、青山(理)委員、青山(直)委員、池本委員、伊藤委員、大岡委員、大河内委員、長見委員、木村委員、高芝委員、坪田委員、富田委員、野原委員、平山委員、丸山委員、村委員、山本委員
委員全20名中17名出席

議題

  1. 社団法人日本新聞協会からの意見表明
  2. 特定商取引小委員会報告書(案)について

議事概要

1.社団法人日本新聞協会からの意見表明

社団法人日本新聞協会販売委員会の有澤委員長より、特定商取引法改正によって契約を締結しない旨の意思を表示した者に対する勧誘禁止などの規制が新聞販売にもかかることについて、運用によっては新聞販売に大きな影響を及ぼすとの観点から、業界内での意見を資料3に沿って説明した上で、通達やガイドラインなどでの対応を検討することが求められた。これに続いて討議が行われたが、その概要は以下の通り。

  • いただいたご意見は新聞の公共性を疑うものである。かつて新聞については、公共性が高いからという言葉でいろいろな規制を排除してきており、特商法で指定されるのも他の商品と比べて遅かった。
  • 消費者の新聞の勧誘が怖いという印象は消えていない。
  • また、今回の法改正は、通常の営業活動に支障をきたすようなものではない。通常の営業活動まで規制することを求めているのではなく、過剰な営業活動は困るというもの。
  • 何年も再勧誘してはいけないと言っているわけではなく、そういうところは法の運用として一般的な考え方と歩調を合わせて決めていくべきもの。
  • 「新聞は公益的な商品であり、商品自体に欠陥はない」と主張しているが、商品に欠陥がないのは、布団や浄水器であっても同様である。
  • 問題は勧誘行為、勧誘方法にあり、それを規制しようというもの。公共性の論理で、特商法の規制を除外せよということを認めては、各業界が同様のことを訴え、今回の法改正の趣旨が損なわれる。
  • 新聞の公共性が高いことには賛同するが、その新聞を不当・強引な勧誘で維持しているのであれば見直さなければいけない。訪問販売自体も、高齢者にとっては必要性が高い場合もあるが、悪質な勧誘行為については規制するということを議論しているのと同様である。今回の見直しでは、営業活動と消費者の主体的意思の尊重のバランスを考え、消費者の主体的意思を尊重するため再勧誘を禁止するというところに落ち着いたもの。契約を締結しない旨の意思の表示についても永久に勧誘を禁止するものでもない。その点を踏まえつつ、訪問販売の有用性を阻害しないよう、きめ細かな議論を進めていく必要がある。
  • 新聞協会には、今回の改正には、生活平穏権の保護という意識が浸透してきたことが背景にあることを理解し、ビジネス展開を再構築していくことが求められる時代になってきていることを理解してもらいたい。
  • 新聞協会の要望を、法律からの適用除外という形で実現するのは困難。通達、ガイドライン等を規定する際、中身を精査し詳細な詰めを行うべきものだろう。
  • 新聞が公益的で重要なものであることに誰も異論はない。であるからこそ迷惑に思う売り方はやめていただき、特定の販売方法に固執せず、魅力ある紙面を作ることで、読者を獲得してはどうか。
  • 断られてから勧誘が始まると考えているのならばそれは驚くべき認識である。そもそも、法律の規制かどうこう以前に、人の迷惑にならないような売り方を考えることが必要ではないか。
  • 特定商取引法は、商品、サービスとは関係なく、問題が生じやすい販売形態を規制するものなので。新聞に公共的役割があることが対象から除外することの理由にはならない。また、個人の生活にとって訪問販売というものが大きな権利侵害の危険をはらんでいることを理解いただきたい。知人であっても他人の家を訪ねる時は、事前に連絡を取り、同意を取ってから行うものである。売り方についてはもっと工夫して考えるべきではないか。
  • 貴重な意見をいただき、ありがたい。別紙の意見は新聞界にも様々な意見があることを紹介したもので、総意ではない。今回の改正の議論や趣旨は十分に理解しており、いただいたご指摘は肝に銘じ、次回の販売委員会で報告したい。
  • 新聞がここまで普及発展し、日本の民主主義に大きな寄与をしてきた理由としては、戸別配達でこれだけ大きな部数を出していることが最大のものであると認識している。
  • 新聞の勧誘に、よくない歴史があったことも事実。しかし、現在、勧誘の適正化に向けて懸命の努力をしており、その点はご理解いただきたい。
  • 新聞は、消費者にとって安価で入手できる良い情報源である。だからこそ、悪い印象を与えないように取り組んでいただきたい。
  • 事務当局においては、通達やガイドライン整備の際に、今の意見を踏まえ、きめ細かく対応していただきたい。

2.特定商取引小委員会報告書(案)について

1.報告書全体について

多くの委員より、全体としてよくまとまっており、賛同するとの意見あり。その上で、個別の論点につき、以下の指摘があった。

2.迷惑メールの規制について

  • オプトイン規制への移行については、悪質事業者対策としての実効性に疑問がある一方、健全な事業者にとって過度な負担となる可能性がある。別途開催されている迷惑メール規制の技術的論点に係るワーキンググループにおいても多数の委員から意見があったところだが、オプトイン規制の実効性につき、きちんと検証することが必要ではないか。
  • モール事業者やその出店者にとって、広告メールは顧客との信頼を構築する不可欠なコミュニケーションツールであり、過度な規制は死活問題となる。
  • 過度の規制は、善良な中小企業を圧迫するだけではなく、タイムリーに情報を得られなくなってしまう消費者としても、利益を損なう結果となる。
  • デフォルトオン・オフ方式のいずれとするか、同意取得の証明方法、経過措置の制度設計、広告メールでの表示事項など議論すべき点は多く、消費者保護の必要性と健全な事業者による広告メール送信とのバランスを図るためワーキンググループで検討していくべき。
  • こうした論点についての議論がワーキンググループでの議論の動向を踏まえた上でなければオプトイン規制の実効性や、オプトイン規制への移行が健全な事業者に過度な負担となるかどうかが確認できていない。よって、現段階では報告書において具体的措置までの記述を確定させることは適切ではないと考える。
  • 「請求」という言葉は「同意」と表現するのが適切ではないか。
  • 善良な事業者によるものであっても、望まない広告メールを受け取る側にとっては迷惑であるということを認識して欲しい。
  • また、承諾についても、形式的な同意さえあればいくら広告メールを送りつけても構わないといったマーケティングは限界に来ていることを事業者自ら理解すべきである。
  • デフォルトオフまでのことを消費者が要求しているかといえばそうではないという気がする。その辺りはワーキンググループでの議論を待ちたい。
  • 一方、零細企業に対し過度な負担とならないよう、何らかの救済策も重要である。
  • ワーキンググループは委員構成が大幅に事業者寄りとなっており、小委員会でなされた議論が覆されないかと危惧する。ワーキンググループにおける議論は、小委員会に差し戻していただきたい。
  • デフォルトオフは、消費者の選択の自由を考えれば当然ではないか。
  • 迷惑広告メールの規制は、内容としては個人情報保護法で要求されるのと変わるものではないことを再確認すべき。
  • 「請求」ではなく「同意」という意見があったが、それが黙示の同意で良いことであれば反対であり、明示的な意思表示によることが必要ではないか。
  • WGの位置づけは、小委員会での審議で方向付けを定めた上で、詳細な点について議論をするものと認識。小委員会における議論を覆すのは越権である。小委員会における議論を汲んで、細かい論点について議論していただきたい。
  • 中小の事業者の営業活動の保護を隠れみのにして、規制を緩めようとするのは不適当であり、小委員会の意思を認識してワーキンググループの議論を進めてもらいたい。
  • 悪質事業者の行為には厳に対応する必要があると考える。業界として望むのはあくまで過度な負担とならない制度設計であり、この点をWGで議論しているという認識。オプトイン規制が中小事業者等にとって過度な規制となるかどうか、WGの議論を待って結論を出したいと考える。
  • 広告メールの承諾については、デフォルトオンにした場合も、消費者が閲覧しにくい箇所にチェックリストがあることも多く、これで同意があると見なすのは問題があるのではないか。

3.その他の論点について

  • 消費者団体訴訟制度の導入に際しては、適格消費者団体への行政の介入が過度のものにならないよう、制度設計をしていただきたい。
  • 消費者にも自己責任が求められているという点はまったくその通りである。そのためには、消費者教育の充実が必要だが、日本では金融教育に比べ消費者教育はなおざりとなっている。経産省もリーダーシップをもって、何らかの対策を行って欲しい。
  • 被害の後追いを防ぐための、指定制廃止という方向転換は、長年の課題に取り組んだものと非常に高く評価する。ただ、他省庁の所管業種の除外を検討する際、改正の趣旨が損なわれないよう、ただ業法があるからというだけではなく、消費者保護の相応の措置があるものに絞る必要がある。
  • 過量販売へ取消権付与は、次々販売に対してどのように対応していくかの核心をなす処方箋である。数量的基準に着目して規定しつつも、消費者の主体的意思決定が確保されているかどうかを事業者に確認させるという部分にこの規定の趣旨があると考える。本制度は「次々販売」被害対策として是が非でも実現していただきたい。
  • 指定制の廃止は昭和51年の立法当初からの願い、抵抗があるかと思うが、是非実現して欲しい。
  • 過料販売取消権もしっかりと組み込んで欲しい。
  • 罰則の強化については、再犯を防ぐためにもしっかりとやって欲しい。
  • 改正法の利活用の重要性に言及がされているが、そのためには消費者、事業者双方にとって分かりやすいガイドライン等が必要となるだろう。
  • アポイントメントセールスについては、現在は訪問販売として規定しているが、閉鎖空間に誘引するケースに関してはアポイントメントセールスの定義を拡大するのか、閉鎖空間のケースについて何か別の手当てするのか分かりにくいのではないか。
  • 指定制の廃止は立法当初からの懸案事項であり、今回の思い切った結論は高く評価する。問題は適用除外となる範囲で、現在の書きぶりでは他に監督官庁のある業法は除外するというようにも読めるが、業法にも表示規制や開業規制等、性格は様々である。その点、しっかりと検討した上で、取引の適性化が図られるもののみ適用除外するようにしていただきたい。
  • 過量販売取消の導入は、従来の取消制度から質的に転換し、一歩前進するもので、訪問販売による最も悲惨な被害についてはかなりの確率で救えるだろうと高く評価する。ただし、この規定で救えるのは被害の一部であり、将来的には、オランダ民法典の状況濫用的取消なども踏まえ、改正法の運用を見つつ、さらなる検討を続けて欲しい。
  • 過量販売取消については、民事ルールのほかに行政処分や罰則が適用となるのか。
  • 国と自治体のみで悪質商法に十分に対応できず、これを補完するものとして消費者団体訴訟制度の導入は有用であると考える。
  • 行政の監督について確認するが、これは行政処分を考えている案件について差止請求との競合を防ぐ意味なのか、あるいは行政処分を行うまでの違法性がないものについては差止請求を控えさせるというものなのか。
  • 過量販売取消の規定については、行政処分の対象としての基準までを定めるのは難しい面もあり、まずは民事ルールとしての導入を検討している。
  • 行政との調整は、原則として行政処分が準備段階にある際に差止請求の提起を保留する目的で行われる。もっとも、適格団体への監督として、あまりに軽微な違反行為について差止請求を濫発しているようであれば、何らかの措置を行うこともある。
  • 適格認定をしっかりすると同時に、行政が適格団体として認定した以上、適格団体と行政はイコールパートナーとして連携し、法の執行と実効性の確保の水準を高める方針で臨んで欲しい。
  • 連携のための協議義務や通知義務は必要だと思うが、がんじがらめに法律で規定されるのではなく、両者の話し合いで決定するものもあってよい。
  • また、訴訟の結論は司法が下すものであるので、行政と司法との関係も整理すべき。この際には、独占禁止法第24条の調整規定が参考になるのではないか。
  • 過量販売取消は、そもそもの消費者の決定自由を保護するという趣旨を満たし、その上で過度にパターナリスティックではない点が評価できる。訪問販売の場合、数量を基準として過量販売が行われた時には弱者性の乱用が生じていることを推定することは理論的にも説明がつき、普通の取引をしたことを事業者が証明できれば取消権を認めないという点も賛成。
  • 消費者に対する広報について盛り込まれたことを評価する。
  • 通信販売に関するデータは、必ずしも伝統的なカタログ通販と、出会い系サイトなどとの切り分けがなく、参考資料としては不十分なところがあると思われる。

4.議論のまとめ

松本委員長より、報告書案についてはオプトイン規制の導入以外については概ね了承が得られたとの確認があった。その上で、オプトイン規制の導入に関する部分について、WGにおける議論を踏まえ、改めて小委員会で議論することとなった。

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最終更新日:2007年12月6日
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