経済産業省
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ファンド事例研究会(第2回)‐議事要旨

日時:平成20年3月25日(火曜日)16時~18時
場所:経済産業省本館2階西8共用会議室

概要

1.事務局からの論点の提示

産業の発展のために必要なリスクマネーを供給する新たな担い手としてのファンドの有用性・可能性について検討するために、
(1)各企業ステージで、ファンド果たす機能を深堀りするにはどのような視点で、どのように進めるべきか
(2)それぞれのファンドが持つ機能に着目した上で、どのような手法で、どのような支援が必要か
の2つの論点を提示
これに対し、以下のように討議。

  • ファンドの類型と企業のステージ毎で果たす機能について
    • ファンドの類型と企業のステージ毎に果たす機能については、なかなか単純に整理できるものではない。この研究会を通じてさらに精査する必要があるのではないか。
    • ファンドの機能は、当該機能を享受する受け手にとって意義、効果が異なってくる。したがって、誰にとっての機能なのかを軸に議論を進める必要がある。
    • ファンドの類型については、フィー体系から分別するという考え方もある。一般論でいえば、バイアウトファンドは投資先企業の成長でもって得られるキャピタルゲインの一定比率を受け取るため、経営に深く関与するインサイダー性を持つ結果、保有期間が長くなってしまうのに対し、アクティビストやヘッジファンドは会計期間毎の評価額向上分の一定比率を受け取るため、投資先の組み替えには流動性を高く持つ必要がある。そのため、インサイダー性を持たないよう経営に深く関与しない。

2.PEファンドの役割・課題について

  • PEファンドによるコミットメント・価値形成機能
    • PEファンドは企業の投資を通じて、その企業の経営にコミットメントし、投資先の成長を通じて生み出される価値を投資先のステークホルダー(株主、従業員、取引先)と分け合う触媒機能を果たしているといえないか。
    • 特に大企業(親会社含む)傘下の企業の中には、競争力のある製品・サービスを有していながらも自主経営がままならず、成長機会を逸しているものもあり、そういった企業に出資することによって大企業(親会社含む)や既存株主から切り離し、場合によっては他の企業と再編の中でシナジーを発揮させ、成長させるケースもある。こういった価値形成の機能も評価できるのではないか。
    • そういう意味ではPEファンドは、出資することによって、徹底的に「インサイダー」になり、経営にコミットする。資金の供給のみならず、様々なレベル(経営、企画スタッフ)の人材も提供し、また商品開発や販路拡大でもスキルを提供していく。特に商品やサービスのブランドを統合することによって取引先とのバーゲニングパワーを強くし、ブランド間のシナジーを最大限発揮する仕組み作りもしている。

3.ファンド全般の役割・課題について

  • 長期・安定資金の供給機能としてのファンドの可能性
    • 企業の成長のためには適時・安定的に資金調達ができる環境作りが重要。しかしながら、バブル崩壊後銀行システムの機能不全によって金融の目詰まりが起こり、借入などの間接金融が必ずしも万全ではないことが明白になった。また昨今のサブプライム問題で証券発行市場も機能が低下しており、直接金融も常に万全ではない。ファンドは、資金・人材・スキル供給等、従来「メインバンク」が担ってきた機能の代わりを果たしつつあるところであり、第三の金融メカニズムとして役割が期待できるのではないか。
  • ファンドに対するネガティブイメージについて
    • ファンドが企業の成長のために様々な機能を果たしつつも、まだまだ産業界にはファンドに対するネガティブイメージが強いのは確か。これを払拭するための方策の検討も必要ではないか。
  • その他
    • 世界的な潮流として、対内投資については軽課税にする方向にあるものの日本においてはファンドへの課税が強化される方向にある。
    • 例えば事業譲渡類似課税は日本やフランスなど例外的。
    • 米国においては、非居住者による投資にかかるキャピタルゲインについては非課税であるものの、日本においては、まずPE(恒久的施設)の判定があり、PEと認定されてしまうと課税になる等曖昧である。

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最終更新日:2008年4月3日
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