経済産業省
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地域イノベーション研究会(第1回)‐議事録

日時:平成20年1月10日(木曜日)13時~15時
場所:経済産業省本館17階西7第1特別会議室

出席委員

古川座長、原山副座長、青木委員、小原委員、樺澤委員、川分委員、川崎委員、児玉委員、村田委員代理、鈴木(直)委員、土井委員、中野委員、野坂委員、樋口委員、三木委員、宮沢委員、村上委員、脇本委員

議事

  1. 委員紹介
  2. 経済産業省挨拶
  3. 座長挨拶
  4. 議事
    1. 地域の現状把握と地域イノベーション関連施策の評価について事務局より説明
    2. 有識者によるプレゼンテーション
       原山副座長より科学技術による地域活性化について説明
  5. 討議
    1. 地域イノベーションを加速するための法制度・仕組みづくり
    2. 地域イノベーションを担う人材の実効ある発掘・育成の仕組み
    3. 大学を中心とした拠点形成(イノベーション・インフラ(ハード&ソフト))
    4. 公設試験研究機関が担うべき役割と国としての支援のあり方
      上記1から4項目に基づいて、以下、各委員によるフリーディスカッション。
  6. 閉会

議事録

児玉委員
地域イノベーションに関連し、支援の仕組みはいろいろ議論されていると思うが、その主体となる企業については平均的にどのような課題を持っているかという捉え方になっているのではないか。地域の企業は千差万別であって、その中で直接、イノベーションの担い手になるような力を持った企業のニーズを抽出していくことが重要である。それら企業では、産学連携のニーズが出てきているが、サーチ環境が整備されておらず、なかでも、技術人材が不足していることが共通しているのではないか。

土井委員
大学と企業では、世界も、言葉も全く違っており、企業は、大学に聞きたいニーズを持っていても十分に聞けない状況にある。ドイツのシュタインバイス財団では、自ら中小企業をまわって相談したいことを大学に紹介することを行っている。地元にある不の部分、不安とか不足とか不満感とかを解消するためには、大学が活用できると感じている。

青木委員
シーズ発想からニーズ発想への切り替え、さらに、ウォンツが重要である。中小企業には意欲があるものの、今後どのようになるかといった情報がわからない面がある。産総研やJSTで策定されたロードマップを中小企業まで浸透させることを考えてはどうか。

中野委員
地域のとらえ方について、それにより取り組み方等が非常に異なることになるので、地域をどのように捉えるかが重要である。

村上委員
中小企業はあまり大学に頼っておらず、大企業に頼りたい。そこにいかに参入するか、競争相手がたくさんいて、自社のロードマップを持っていても、企業独自の商品のロードマップを開示できない。そういうコーディネータをどうやってつくったらいいのかというのが一つの大きなバリアになっている。

鈴木(直)委員
人材には、産業人材と支援人材があると思うが、岩手県の場合、両方を重視している。具体的には、工業高校等が充実しており、地域に求められている人材を察知して、地元の学校で育成している。地元の経営者が母校に帰って経験を語ることで、生徒によい刺激を与えたりもしている。支援人材では、経験豊かなインキュベーションマネージャーが、新技術の事業化や販路開拓に注力し、プロジェクトマネージャーの役割を果たしており、こうした事業化支援人材をいかに育成するかが重要なポイントになる。

三木委員
資料3はhowに関して記載されているが、事業は5W1Hで考えなれければならず、whatの部分は企業が考え、whoはプレイヤーを特定化する必要がある。その中で、例えば、whatの位置づけがあいまいなケースがあると思う。その場合に、技術戦略マップや知財戦略活用事例集など既存のリソースをうまく活用すれば、有効ではないかと思う。
大学院の学生の長期インターシップを実施しているが、学生は秘密保持の考え方を学ぶなど効果も出ている。企業の中に取り組むのではなく、企業と大学を行き来するような人材を育て、事業リスク等をわかる人材を育てていくことが重要ではないか。
大学の中にインキュベーション施設があるように、企業の中にサテライトラボができないか。その場合、例えば、秘密保持等の面などでメリットがある。

野坂委員
地域イノベーション、地域再生といった場合、最終的には人材にいきつくと思う。ワーカー、研究者、コーディネータ、企業の経営者(リーダー)、さまざまな人材が欠けている現状を考えると、地域における人材の源泉として大学しかないことにいきつく。しかし、大学で対応するといっても、組織、人材、資金等の点から疑問に思う。そこで、経済産業省だけでなく、政府一体となって取り組まなければならないだろう。

原山副座長
地域の定義であるが、ある種の運命共同体であり、その鍵となる要素である企業経営者や大学の研究者等が、共通認識を持てるところが、概念的ではあるが地域ではないかと思う。
イノベーションのためのシナリオを書くにあたっては、運命共同体の人たちが書くわけだが、その牽引役が企業であろう。ただ、中小企業は忙しくてなかなかこの作業に参加できないが、運命共同体としてシナリオを描かなければ、企業にとってもプラスにならないということではないか。
大学は、地域という点ではつながりが弱いところがあるが、何かをしないといけない。そのとき、大学は地域に対して何をすべきか自ら問わなければならない。
人材については、人材がないということはないと思う。ポテンシャルを持ちながら、自分の力を発揮する機会が与えられていないということがある気がする。機会を提供して、失敗しても許容できるという状況でやらせてみないと人は育っていかない。

川崎委員
地域に製造業、サービス業があるか、高等教育を受けた人的資源が地域にどれだけ定着しているかが重要だが、鹿児島には両方ともいない。鹿児島大学と包括連携協定を結んで、留学生の活用を考え、企業とのマッチングを行っている。
地域イノベーションを地域再生と読み替えると、1次産業をベースにしたロハス(環境と健康など)などの取り組みも、その枠組みにいれていいのではないか。
最終的には知のセンターである鹿児島大学を有名にしなければならないと考えており、そのために、学際的な大きなプロジェクトをとって大学を有名にし、学生に夢と希望を持たせて、人材の定着を図ろうと提案している。

土井委員
コーディネータとは、一人でできることはなく、自分が得意でない部分は、誰ができるかを知っていることが重要である。日本では、コーディネータやインキュベーションマネージャーが軽視されていることが残念。インキュベーションマネージャーは勉強だけでなく経験が必要である。

古川座長
わが国での海外からの留学生を採用、活用する点では、人材派遣業がいちはやく手をつけているようであり、そのあたりの制度的な面でも考えていきたい。

脇本委員
人材の再配置政策というのが必要ではないかと感じている。産業技術総合研究所でも人材交流で成果を上げている。大学において、東京と地方の大学間で、短期間の人材交流をしてはどうか。

宮沢委員
失敗しやすい事例等からの示唆を3点ほど述べたい。大学で研究者が企業の方を招いて成果発表会をしても、内容が難しすぎて理解できずに帰られることが多く、説明に工夫が必要。第2に、研究をされている方々は、競合技術とか、ロードマップとか、パテントマップなど、MOTの基礎が抜け落ちており、大学人が市場への関心を持つことが重要。3番目に、分野によって成果、成功を捉えるタイムスパンが違うということを認識することが必要。バイオは研究を進めると新たな技術課題が生じ、解決のためにまた研究という循環になりがち。また、材料分野では、長期の信頼性を求められるので研究、開発終了後も、相当の実証期間が必要。

小原委員
地域における人材の定着については、雇用先がないことが問題であり、無理してでも雇用するようにしなければ、首都圏等に流出してしまう。まず、学生をどう留めるか、雇用するかということを議論する必要がある。

川分委員
大学発のベンチャー企業の成功事例をみると、大学の先生が研究をして、経営は民間出身で、その分野に強い人が携わっているケースが多いと思う。

鈴木(直)委員
公設試験研究機関について、農耕連携をすすめるために工業系と農業系は合併すべきであるし、早く独立行政法人化して、域外の仕事もできるようにするほうがいいのではないか。公設試験研究機関が受け身でいてはだめである。
起業家に対するワンストップサービスを行う産業支援センターと、インキュベーター、大学の産学共同研究センターが集中立地するリサーチ・パークが、地域でのイノベーションを起こす有力な拠点となっている。それに強力な支援人材が加われば成果が出る。

樋口委員
インフラ整備の問題にも関連するが、地域にイノベーションの拠点をつくることはそれ自体意味がある。例えば、エコタウンは、行政、地域の意識を変えることに役立った。ハードとソフトをうまく組み合わせることがポイントになる。
地域のアイデアを活かすことのできる弾力的な仕組みを作っていくことが重要である。日本の制度は、厳しく縦割りになっているため、使いこなせていない。短期的な成果を重視する傾向があるが、大学にゆとりを失わせてはならない。

脇本委員
公設試験研究機関の最大の課題は、試験場でいくのか研究所でいくのかという点ではないか。独立行政法人という仕組みにするにしても、同じ規模でそのまま変えるというのではなく、複数の県がまとまって取り組まなければ意味がないと考えている。

小原委員
地方にいけばいくほど、地域イノベーションという言葉は現場と離れていると感じている。どうやって新しいことをしていくか、日々の問題で手一杯で、社会的・経済的に大きなインパクトを与え、地域にイノベーションを起こそうというところまで考えられていない。大学の知のレベルが高すぎて地場の企業が受け取れない。どこかが仲介しなければならず、それが公設試験研究機関の役割ではないかと考えている。公設試験研究機関は、中小企業のニーズを把握している。

以上

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最終更新日:2008年2月15日
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