経済産業省
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地域イノベーション研究会(第4回)-議事録

日時:平成20年3月24日(月)13:30~15:30
場所:サピアタワー6階605会議室

出席者

古川座長、原山副座長、青木委員、野口委員代理、樺澤委員、川分委員、川崎委員、児玉委員、鈴木孝男委員、鈴木直道委員、土井委員、中野委員、野坂委員、樋口委員、福富委員、三木委員、宮沢委員、中谷委員代理、脇本委員

欠席:阿部委員

議事

  1. 「地域イノベーション研究会中間とりまとめ(案)」について
  2. その他

全体の構成について

  • 児玉委員

    構成はおおむねいいと思うが、抜けている項目があるように思う。3.地域発イノベーション創出の課題の中の、(4)イノベーションを担う産業支援人材の不足で、人材問題については、企業の中での人材不足を指摘しておいた方がよい。アンケート調査結果からも開発の主体となる企業にとって一番の問題が開発人材の不足であった。その辺りを踏まえて、(4)の次か、ここで、企業の開発人材の不足を指摘しておくべきではないか。

  • 古川座長

    9ページは、コーディネータ的な、中間人材の不足について指摘しているけれども、企業側から見た人材について不足ということ。

  • 古瀬地域技術課長

    事務局が実施したアンケートで、ご指摘の点が企業の課題として出てきており、その分は書き込みたいと思う。

  • 鈴木(直)委員

    地域イノベーションを担う人たちは、いろいろな分野にいる。例えば、都道府県とか市町村といった地方自治体の職員の方々や、商工会議所等の産業団体も、地域イノベーションに対する関心を持っている。そういう方に対しても、彼らが何をすべきであるか、アドバイスを書き込めばよいのではないか。

  • 古川座長

    確かに、今の鈴木委員の御指摘の、地方自治体、商工会議所等の人材と、先ほど児玉委員が御指摘の企業側の人材といった、オープン・イノベーションの形をつくっていくときに必要不可欠な人材についても表した方がいいだろう。

  • 古瀬地域技術課長

    最終報告書には、ポンチ絵のようなものも入れた上で作成したいと思う。また、支援機関に対して実施したアンケート調査の結果も盛り込みたい。

  • 野坂委員

    地域イノベーションは、国に頼る部分と、民間なり大学から自主的にやらなければいけない部分があるかと思うが、この文章は、所々で主語が抜けている部分がある。例えば26~27ページのコーディネータ人材の支援の話については、27ページの冒頭付近に、ネットワークの構築とか、支援体制を実現していくことが必要と書いてあるが、これはだれがやるのか。国がやるのか、地方がやるのか、大学がやるのか、もし明確に書けるのであれば、方向性を打ち出したほうがよい。

  • 原山副座長

    同じコメントを述べようと思っていた。この文章を見ると、主語が抜けている箇所が多々ある。ここの研究会が、地域がイノベーションにより活性化するためには、こういうシナリオが可能ですよという一つの可能性を出す。その中で、地域のステークホルダー、いろんなアクターが、ある行動をとると、どのようなことが可能になるかということを書けるだろう。経済産業省、文部科学省、その他の府省がやっていることで、使えるもの、もっと伸ばすべきところを書き込むという方法もある。いろんなオプションがあるので、そのオプションについて議論しなくてはいけない。

    今、内閣府でも、総合科学技術会議で地域科学技術戦略を準備している。政府として同じ方向性を持って、一緒になって地域に大きなインパクトを与えるものになるよう、メッセージ性のあるアウトプットをつくっていきたい。

  • 古川座長

    総合科学技術会議における地域科学戦略との連携ということが必要という、大変重要な御指摘であったが、具体的にはどうすべきか。

  • 原山副座長

    この中に書く必要はないが、経済産業省には経済産業局があって、地域のネットワークを相当持っている。文部科学省のほうでは、地域科学技術に関する施策の積み上げがある。それをベースに、実益があって実効力のあるものを、提示していく。

  • 勝野地域経済産業審議官

    地域における、技術開発に関する鳥瞰図を示すということかもしれないが、なかなか難しいと感じている。我々は、総合科学技術会議、あるいは21年度の予算編成、あるいは政策運営に対する基本的な方向性、いわゆる骨太方針の中に、地域イノベーション研究会の具体的な政策の中身について盛り込み、政策として実現していくための努力を続けていく。その過程で、各省庁との連携やすみ分け、あるいは既存政策との整合性が整理されていくのではないか。まずは、我々自身が一体何をやるのかということを固めることが必要ではないかと考えている。

  • 青木委員

    産業クラスター推進計画が、第II期、第III期を迎える中で、事業化、出口論が中心になるだろう。経営資源として、「人」、「モノ」、「金」、「情報」という4つの視点で考えたときに、「金」と「情報」については、事業化に関して余り触れられていなかった。今まで余り議論になっていなかったように思う。

    事業化には企業の自助努力が前提となるが、お金の面についての記述は、例えば税制の問題やキャピタルが出ているが、まだまとめきれていない。また、実際に開発する企業と大学とを結びつける、マッチングの仕組みについても触れていただきたい。

    同じように情報に関しても、事業化には、市場情報をしっかりとつかまえることが大切になるが、どういう仕組みで支援するのかを、課題の中にも織り込んでいただきたい。

  • 古川座長

    「金」については、一部、金融との連携ということは言っているが、その他はあまり触れていないし、また、「情報」についても、組織をどうつくるかということはあっても、情報をどう流すかというのは余り触れていない。産業クラスター計画の第III期目で事業化が目標になってきたときに、その辺りを国が100%支援することはない。民間の仕事だが、それに至るまでの支援等を書いてほしい、というご意見であった。

  • 村上委員(中谷代理)

    地域のイノベーションの特性は、いろんな政策やアクションが、モザイク状にくるのをうまくハンドリングして、地域に凝縮しなくてはいけない。地域を論ずる場合は、いろんな施策・政策が、おたがいにシナジー効果を生むべきであり、施策間、政策間の接点がどんなものであるかを述べたほうが分かりやすいように感じる。例えば産業クラスター計画と知的クラスターの連結について、関西では、コーディネータ人材をおたがい1人ずつ出し合って、いろんな企業で同じ情報を共有している。いろんな政策には何らかの連結部分があると思うし、それを明らかにすることによって、いい意味でのシナジー効果が生まれ、地域の活性化につながるのではないかと思う。

  • 鈴木(孝)委員

    地域イノベーションを進める素材としては全部入っていると思うが、ベースとなるマトリックスを示した方がいいと感じた。つまり、イノベーションを進める主体である、大企業、中小企業、研究機関。それから、支援体制は制度的フレームと、支援機関があり、支援機関には国レベルと自治体、産業団体と民間、大学、金融機関がある。そのもとに「人」、「モノ」、「金」がある。特に大学、公設試験研究機関や産総研は、開発を進める研究機能と、研究を支援する機能の両方がある。大企業も同様に両方の機能を持つので、それをマトリックス化して整理するとメッセージとして分かりやすくなるのではないか。

  • 樺澤委員

    全体のトーンについてです。地域の現状の冒頭に、グローバル化について触れられているが、その後の記述はグローバルに対する働きかけという視点が弱い。シナリオを書く上でも、日本の中で地域同士が元気になって、戦っていく、あるいは連携していくというだけではなくて、グローバルに働きかけていくという部分まで、書き込まなければいけないと感じた。

  • 原山副座長

    フランスでクラスター政策をやっているが、大体70カ所ぐらいがクラスターのラベルをとったが、差別化するために、グローバル展開できるクラスターと、そうでないクラスターに分けた。これはグローバル化なのか、グローバル展開するのかということ。地域の中にも、既に、クラスターの中に光る企業があって、世界規模でやっているところがある。その点的な展開をいかに広げていくか、面で展開していくか、というのが一つの課題だと思う。

    また、ある種のバリューチェーンを考えて、どの部分をこの地域で担い、利益をどこから取って、足りない部分は、国境を越えた地域、あるいは国内のほかの地域で補う、というシナリオを書ける力を持たなくてはいけない。技術力はあるが、シナリオを書く力がない、相手先を見つける力がない、という企業に対して、いかなるサポートをするか。それに対しては、例えばJETROが、Local to Local事業を実施しているが、まだ十分活用できていないところがある。その情報を流したり、使い勝手が悪かったら、使い勝手をよくしたりする。そういう話が出てくるのではないか。

5.の冒頭の考え方について

  • 古川座長

    20ページの、地域発イノベーション創出に向けた政策の基本的な考え方を議論したい。20ページの「連携」、「オープン」、「集中」をキーワードとする地域発イノベーション創出の加速、特に地域の構想というのが強調されているが、ここに関する御意見は。

  • 中野委員

    第1回目のときに議論があったと思うが、どこで地域をとらえるのかを、少し書き込んだ方がいいのではないか。私どもの地域でいけば、人口20万人とか30万人の都市を2つか3つ重ねるというのが、一つのやり方のように思う。

  • 古川座長

    第1回目のときに、やはり20~30万人ぐらいの都市が1つの産業・経済の基盤であるが、それもやや小さくなり、50~60万人ぐらいで捉えれば、比較的安定するかもしれないとお話した。しかし、地方に行くと、その20万人都市が地理的にも離れているので、連携は難しいという議論もあったと思う。

  • 原山副座長

    逆の視点から、例えば東京を見た場合、東京1つがクラスターではない。東京を細部に見ていくと、その中にも幾つかのクラスターがある。その場合、コアとなるところで考えることもできる。アイデンティティーを共有できる場が、地方自治体のレベルかもしれないし、もうちょっと小さいかもしれない。また幾つかのものが集まって、共有するものがあれば、それで地域と呼んでもいいと思う。限定的に定義をしてしまうと発展性がなくなるので、いろんな可能性を秘めた形で書けばいいのではないかと思う。

    「連携」、「オープン」、「集中」というキーワードがあるが、この中で「集中」とはだれが何を集中するのか。国による「選択と集中」という意味の集中なのか、それとも地域自身が、自分たちの持っているリソースをどこかに集中して何とかするという意味なのか。

  • 古瀬地域技術課長

    後者を意味する。後の方で、大学の空間を利用した産学連携の集積とか、研究施設の集約といったものが出てくるが、それを進めるのは地域が主体である。それに対して、国が後方支援をしていくことを考えている。

5.(1)地域クラスター施策の更なる推進と成長について

  • 鈴木(直)委員

    強力な事業化支援モデルは、いろいろあるはずだが、ここでは大手企業と中小企業との連携・協力関係だけが良いような印象を受ける。例えば中小企業同士がネットワークを組んで取り組むことも可能であり、いろんな連携があり得る。事業化支援で成功するケースはいろいろあるので、何か一つのことに固定すべきではないように思う。

    例えば備後地域で人口約60万人の地域で、17社のベンチャーが上場している。そこで最初に上場した方は、いわゆるリージョナル・リーダーとなって、ベンチャー同士で支援し合って、若い後輩をどんどん成功させている。

    もう一つのパターンは、福井県が、支援人材をオープンで募集した。民間の方が応募し、3年間で30社、将来30億円以上に利益を増やすという数値目標を設けて成功した。その30社の中には、世界的に非常に有名になったベンチャーもある。

  • 鈴木(孝)委員

    イノベーションを進めるという意味での起業家は大企業であってもいいはずである。ただ、国として支援するに値するかどうかというところで分けているだけであると思う。したがって、支援する機関としての議論であることを、もう少し整理した方がいいと思う。

  • 児玉委員

    事業化支援モデルは大企業と中小企業の連携だけではないという点についてご指摘があったが、逆に、大企業と中小企業の連携というのは、事業化支援だけでとらえられない。事業化段階だけではなく、開発段階で連携するという部分もある。逆に商談や販路拡大の面もあっていいが、下請けあっせんイメージではないことをはっきりさせていただきたい。

  • 樺澤委員

    先ほど、グローバルということを申し上げた。「海外展開を希望するクラスター企業に対しては、JETRO」云々とあるが、JETROのサポートはもちろんだが、それだけだと他力本願のような気がする。例えば地域イノベーション研究会なりの何らかの認定を受けたようなベンチャー、あるいは中小企業の取り組みに対して、情報発信をグローバルにできる仕組みがあってもいいと思う。

  • 村上委員(中谷代理)

    グローバル展開について、今、樺澤委員からもあったように、地域からグローバルが見えるというような観点で、強調していただきたいと思う。大学の立場からは、文部科学省においても国際産学連携を推進されており、我々も対応していかなければいけないと感じている。産と学が連携してグローバルに展開するという視点も、少し入れていただければと思う。

  • 原山副座長

    グローバル化というのは、いろんな側面でキーワードになっているが、何か目標設定があった上でのグローバル化でなくてはいけない。単純に、日本のクラスターとフランスのクラスターとで交流協定を結びました、ということで終わらない、おたがいにプラスの効果を得ることができるような連携とは何なのかということを、戦略的に見据えて取り組まないと、意味のないことになってしまう。

  • 鈴木(直)委員

    九州大学が、九州のベンチャー企業を上海に連れて行って、上海交通大学を通じて地元に紹介している。また、逆のケースもやっておられる。そういった取組みを政策的にバックアップしていくというのは一つの重要な方法かもしれない。

  • 青木委員

    グローバル化や国内での広域連携についてもう少し踏み込むと、「競争と協創」、コンペティションとコラボレーションをキーワードにして、ジャンルごとの広域連携を考えていきたい。例えば光だと浜松、ロボットだと北九州といった定義になってしまっているように思うが、例えば光は埼玉や、ほかの地域にもある。特に政府の重点分野、科学技術の重点分野に関して、そのようなそれぞれのクラスターを結ぶ、横のパイプといったイメージの言葉を入れると、もう少し具体性が増してくると感じる。

  • 古川座長

    ご指摘のとおりで、例えば、環境で言えば、九州や四国のクラスターが関係する。ロボット、光、医療、ものづくりもいろいろある。その分野ごとに、もっといい連携をしなさいということを具体的にするというご指摘だった。

  • 鈴木(直)委員

    この研究会の成果として、知的クラスターと産業クラスターの連携が本当に実現して、具体的に事業化まで持って行くという研究プロジェクトができればよい。

  • 原山副座長

    これまで知的クラスターと産業クラスターの連携というと、経済産業省と文部科学省の担当の部局が一緒に行動するという連携であった。今後は、知的クラスターのラベルをもらった地域、産業クラスターのラベルをもらっている企業軍団の間で、直接いろんなことが起こるということが望ましい。

    もう一つ、知的クラスターがシーズ寄り、産業クラスターは出口寄りということで、リニアーに考えられがちだが、いろいろな方向での連携があっていい。知的クラスターでストーリーを書く際に、産業クラスターの情報をもらいながら、どういう企業と組んでいくといった具体的なシナリオを書いていく方法もあるだろうし、逆に産業クラスターの企業で今取り組んでいるけれど、コアな部分で足りないものがあるから、知的クラスターのどこかからもらってくる、というようなこともある。実質的に可能な組み合わせを、これからやっていきましょうというのがメッセージとなる。政策担当者が、今までいろんなことをやっているが、現場では使い切れていないこともある。「何を」というふうに施策として書き込むのは難しいが、要求があったときに応えられる体制を持っていることが必要だろう。

  • 川分委員

    知的クラスターと産業クラスターから産業をつくり上げていく、それを民間でやるのがベンチャーキャピタルの仕事だろうと考えている。開発をしている大学の先生とお話しすると、大手企業と行っていることが多いが、開発者の方が思っているような方向にできないことがあると聞く。つまり知財だけを手にしても、その発展性がないことを非常に残念に思っておられるケースがある。

    大学の先生方の思いを生かしながら、かつ、産業として伸びていくために、ベンチャーキャピタルは、お金を出す、企業が育っていくときに必要な人を紹介する、管理部門を強化する方法を指導するなどの立場にある。ベンチャーキャピタルが大学との連携を深めていく、あるいは産業界との連携を深めていくという方向性で活発化するような施策を、今後、さらに進めていけばよいのではないか。

  • 古川座長

    ベンチャーキャピタルとしては、産業クラスター、知的クラスターと連携して、事業化に至るまでの支援をする。そのときに、ベンチャーキャピタルとしては、どういうふうな支援施策があった方が、より好ましいか。

  • 川分委員

    最近のように、新興市場の株価が安く、IPOが低調のときは、経済的に引き合わないことが起こっている。その結果、出口として大企業への売却やM&A絡み、あるいは、でき上がった会社に投資をして、2~3年のうちに株式公開で回収しようという方向にシフトしがちになる。現にそういうことが起こっており、それは本来のベンチャーキャピタルのあり方ではない。本来は、シーズから育てて、アーリーステージで困難なところを一緒に乗り越えていくものだと思う。しかし、そういう育成支援型、アーリーステージに投資をしてリスクをとるタイプのベンチャーキャピタルは、数が少ない。こういったところが生まれるような環境づくりが必要である。

    また、金融機関がまだ十分に機能していない。金融機関はリスクをとって融資をすると、引当という損失を計上することになるので、なかなかやりにくい。一方、あまりリスクをとり過ぎるのも問題がある。それでも、もう少し、間接金融と直接金融をうまく組み合わせて、一緒に応援できるような体制、仕組みのモデルケースができればいいと考えている。

  • 齋藤産業技術政策課長

    ステージ別のリスクマネーをどういうふうに供給するか、ということであると思う。ベンチャー企業のなかにも、出資と融資では、どちらかというと融資がいいという方も結構いる。国のお金を直接入れるのか、あるいは民間企業のお金が回るようにするのか。回るためには、結局評価が必要で、そこが非常に難しい。その評価の仕組みをうまくつくれないか、現在勉強している。

  • 鈴木(孝)委員

    先ほどの川分委員の御意見や、今のお話は、28 029ページの(5)のところの議論だろうと思う。特にエンジェル税制といった税制面も一種の資金供給である。このエンジェル税制のところで、今の資金について触れればよいのではないか。

5.(2)大学等のポテンシャル(知財含む)を生かした地域活性化の推進について

  • 樋口委員

    大学のポテンシャルを活用していくということは非常に重要だが、大学の教育機能や研究機能に着目して、学生集団の教育内容や研究内容を高める方向で、地域の活性化が推進されることが大事ではないか。大学を利用するという観点だけになってしまうと、大学側としては積極的になれないおそれもある。大学側でも、よい果実を得ることができる仕掛けをつくっていくことが非常に重要ではないかと感じる。産学連携というと、おたがいの持っているものを使わせていただこうということに終わってしまいがちだが、特に大学の場合は、教育という大きな役割があるので、そこをうまく組み合わせていきたい。例えば大学の中にある起業家の育成のプログラムをうまく活用していくことと、インキュベーションの問題を組み合わせていくこともあるのではないかと思う。

  • 古川座長

    大学の本来の教育・研究がレベルアップするように、産学連携がなくてはいけないのに、大学がずっと60年間寝ていたから、少しは活用しましょうという流れになり過ぎているということだと思う。

  • 鈴木(孝)委員

    23~24ページを見ると、大学と公設試験研究機関のことが書いてあるが、研究機能を持つ大学と公設試験研究機関を生かした地域活性化の推進ということなので、「大学等」ではなくて、明確に公設試験研究機関を入れていただきたい。

  • 三木委員

    地域イノベーションという観点で考えると、イノベーションとは、ネクスト・ジェネレーションの高付加価値の製品もしくはサービスを提供することだと思う。そういうときに必要なのが技術で、そういう技術が大学の中にはあるはずだ、という仮説のもとで考えられていると思う。そうしたときに、単に拠点の形成では、リサーチパーク構想のように見えてしまう。もっと重要なことは、新しい技術があった場合に、地域の企業が経営戦略上、それを活用し得るかということを含めた意味の技術評価をする機能、本来はTLOがやるべきことだろうが、大学に期待する、そういう機能について、もう少し踏み込まないと、メッセージが弱い。MOT的な視点を入れないとできないが、大学に対しては技術経営の観点から機能を付加するということを、言っておいた方がいいだろう。

    それから、地域ということを考えると、高等専門学校は大事な組織であろうと思う。高等専門学校自身も、大学等と一緒になって、ある程度の研究能力を持っているし、地域の市場サイズは、必ずしもグローバルな市場ではないものもある。それは技術との対応でいろいろ変わるので、地域のリソースとしては非常に大きい高等専門学校もオープン化されるべきだということを入れた方がいいのではないか。

  • 児玉委員

    研究開発資源の共有化のところについて、中堅・中小の大学だと、地域で大学の知的資源を共有するというアイデアがあったのではなかったかと思うが、そうなると広域的なTLOというのが一つのツールになると思う。その点の指摘がこのあたりにあるといいのではないか。

  • 古瀬地域技術課長

    この地域イノベーション協創プログラムの中には、TLO等の部分が実は入っている。ここの記述は、共同体のところのみを書いてしまっているが、共同体のパートナーの一つとして、TLOが入り得るということは、認識している。どういうふうに書くかは検討したい。

5.(3)地域の研究開発資源のオープン化の推進について

  • 原山副座長

    構想としては非常に重要だが、オペレーショナルなところに落としていくと、メンテナンスをだれがやるかということが問題になる。買うまではいいが、その後、メンテナンスの人も要るし、外部の方に使わせるときには指導しなくてはいけない。そのときの人件費をだれが持つかというと、その設備等を持っている大学なり機関は、そこまでは捻出できず、課金をしなくてはいけない。その課金システムをどうするか。それから、何か起こったときの補償をだれがするかなど、相当な問題が出る。

  • 古川座長

    私はTAMA協会(首都圏産業活性化協会)の会長でもあるが、そこでは4年ほど前から、会員、これは大学に限らず民間企業も含めて、保有している施設を登録して、必要な人が使える、そして、必要に応じて対価を取るという制度で、オープンラボラトリーをやっている。しかし、国立大学はどこも登録していない。登録しているのは私学、公的な研究機関、一部の民間企業。我々が、先行的にやっているので、参考にしていただきたい。

5.(4)地域イノベーションを担う産業支援人材の発掘・育成・交流について

  • 鈴木(直)委員

    私どもも、地域事業化支援人材に関する研究会で、その育成、確保、質の向上に対して何をすべきかを、随分議論させていただいた。こういう方々のステータスを高める必要性、あるいはステータスを維持する仕組みについての記述を追加して欲しい。いい人材を確保するには、当然ながら社会的な地位が確立されなくてはいけない。

  • 古川座長

    ポスドク人材等の企業への中長期派遣の推進に対する御意見を頂戴したい。

  • 児玉委員

    この項の最後のところに、これによって産学連携による事業化への取り組みを促進することが可能であるというふうになっているが、むしろ開発型の中小企業の基礎的な技術力を強める効果が大きい場合も多いと思うので、事業化の取り組みだけが目的のような書き方ではない方がいいと思う。開発型の中小企業に調査すると、基礎的な技術開発は大学との連携、事業化については企業間連携で、という傾向が出ている。

  • 原山副座長

    制度的な側面について、ポスドクの方たちは、大学やその他の機関と雇用契約を結んでいる。そうすると、その間はそれ以外のことをしてはいけないという制限がかかるので、その期間内に企業に行くのは制度的に難しいと思う。大学院生の場合には、インターンシップの枠組みがあるが、ポスドクに関しては、このままでは使い勝手が悪いと思う。

  • 児玉委員

    各大学の研究員としての雇用、学術振興会、21世紀COE、知的クラスターもそうだと思うが、それぞれ1、2年のポスドクのポストがある。それと並ぶポストとして、企業側の研究人材派遣受け入れニーズを取りまとめて大学に提示する。

  • 原山副座長

    それは、ポスドクというステータスの人ではなく、ドクターを持っている人ということか。

  • 児玉委員

    ポスドクポストの人が次のポストに行く前に企業に行くという場合もある。

  • 古川座長

    ドクターを持っている人が、大学にいるポスドクと中小企業に行く人、というふうに分かれるという意味であると思う。

    次に、実効ある「選択と集中」、「競争と協創」を実現する制度改革等、これはかなり、議論してきているところだと思う。研究開発の成果が実証されるような取り組みのための新たな対応とか、委託で取得した財産の処分の緩和、国立大学の出資規定の緩和、エンジェル税制の活用による地域ベンチャーの活性化ということがあると思うが、一番重要なところで、エンジェル税制の活用による地域ベンチャーの活性化がある。

  • 福富委員

    先ほど川分委員からも、金融機関の方では、リスクがなかなかとりにくいというお話があったが、まさしくそうだろう。これは間接金融の限界であり、ベンチャー支援の中では使いにくい。むしろ制度的に言えば、アーリーステージのベンチャーを支援するためには、間接金融から外れていくような金融ストラクチャーを持たなければ、基本的には従来型の間接金融は利益相反の関係になる。我々自身も変わっていかなくてはいけないと同時に、それに対する制度設計もしていただかなくてはいけない。

    また、エンジェル税制の活用だけでは難しいだろう。金融機関は、昨今、投資信託等を販売しているが、組み込まれているのが国債や大手企業の株式になっている。例えばそういったところで、地域の投資に回るような金融商品を考えて、これが税制に入っていくような仕組みがあればよいのではないか。

  • 原山副座長

    ベンチャーキャピタルのご指摘があったが、もう一つの道として、大手企業のファンドがある。エマージングテクノロジーに対する投資という形で、自社の中ではせず外に出すというやり方であり、それを誘導するようなことを考えてもいいのではないか。

以上

 
 
最終更新日:2008年5月1日
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