経済産業省
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ベンチャー企業の創出・成長に関する研究会(第2回)‐議事要旨

日時:平成19年10月15日(月曜日)16時~18時
場所:経済産業省別館5階第526共用会議室

議題

新興市場を巡る課題

出席者

松田委員長、飯塚委員、大崎委員、北地委員、呉委員、河野委員、志太委員、棚橋委員、塚脇委員、鴇田委員、徳原委員、濱田委員、マイナー委員、前田委員、宮野委員、北川委員

議事概要

資料に基づき、新興市場を巡る現状説明と課題について、事務局、大崎委員、河野委員から発表が行われた。

引き続き行われた討議における委員からの主な発言は以下のとおり。

  • 取引所の立場からは、上場審査を厳しくしようということはない。昨今、様々な不祥事があり、市場の質には気を遣っている。上場後一定期間後の再審査導入についても検討しているところ。
  • 取引所は、上場審査について法制面等の外部環境に対応した変更はあるが実質的な変更はしていないし、上場会社数も今年度は昨年度比1~2社減るぐらい。多くのベンチャー企業に上場して欲しいと思っているが、社数にとらわれるべきではなく、企業の中身を重要視する必要がある。投資家、ベンチャー企業、ベンチャー企業の支援者なしには市場は成り立たないので、年2回義務づけているIRは重要である。ベンチャー企業が、上場のために背伸びをしていないかチェックしたい。
  • 監査法人がベンチャー企業の監査を引き受けなくなっていることは事実。これまで監査引き受けの判断を、事故発生時のコストと監査引き受けのベネフィットとのバランスという観点で判断していたが、最近は、事故が発生すること自体あってはならないという感じになっている。問題解決には、会計士が増加し、既存企業のJ-SOX対応に目処をつけてあふれてくるころまで時間が必要であろう。
  • 本研究会で議論すべきことは、ベンチャー企業を特別な位置づけと考えるかどうかということ。米国SOX法では中小企業への特別の配慮をしているが、日本の内部統制報告制度にはそうした要素が少ない。大企業と同様の一律の取り扱いが行われると実態に合わないケースも出るのではないか。
  • 証券会社は、上場企業が多いほどありがたいが、上場にあたっては、反社会的勢力とのつながりや、月次の実績管理等、投資家が当然に上場企業に求めることを審査している。証券取引所の審査が変わったという印象はない。また、上場主幹事会社という立場から、上場後も上場企業にアドバイス等を行っている。
  • 最近、上場企業数が一気に減少しているのは、何か原因があるからである。基準は同じでも、運用は変わっているのではないか。金融庁との関係では、取引所にも証券会社にも、厳しく審査するインセンティブがあるのではないか。もう一度、マザーズ創設の頃に議論された役割・趣旨を思い出すべき。上場手続き関係者が上場後の増収増益という絵だけを気にする現在の風潮は如何なものか。将来の成長のための大きな投資ができず、小さくまとまってしまう。実際に駄目な会社は市場から排除しなければならないが、全体に対して網をかけるようなことはすべきではない。
  • 上場審査の運用が厳しくなっている。また、成長性よりも予算実績管理や足下の利益を重視している傾向にある。一部企業の不祥事は、証券取引所や主幹事会社の責任ではなく(上場審査システムの問題ではなく)、発行会社が問われるべき問題である。ルール違反した企業は徹底的に追及することが重要であって、入学試験、すなわち上場審査を厳しくする必要はない。
  • 一定の上場審査は必要であるが、過度な上場審査は問題。上場審査ではなく、上場した後の再審査を厳しくして市場を活性化させる(新陳代謝を促す)ことが必要である。内部管理が大切だと言っても、本業を圧迫するような上場コスト増は問題。
  • 地方市場の役割分担がはっきりしないことも課題。
  • 24時間取引される商品取引に比べれば、株式市場はローカルな取引であろうから、自ずと望ましい市場のあり方も違うのではないか。地方市場も地域経済活性化の観点等から活性化しなければならないのではないか。一方、プロ向けの市場も整備する必要がある。
  • 日本の内部統制報告制度も中小企業に配慮していないということはないが、米国と違い、内部統制評価をすべての企業に行うことになっている。中小企業に対する具体的指針が必要であり、作っていくべき。
  • 取引所や証券会社の上場審査・引受が厳しくなっていると言っても水掛け論であり、最終的に上場審査のレベルを決めるのは投資家である。
  • 内部統制報告制度について、具体的指針がないため監査法人は画一的な対応となってしまう。また、公認会計士試験においても、内部統制報告制度の理論は問うが、実務を取り上げていないのが現状。
  • 米国では、ベンチャー企業の株を公開する場合に機関投資家から数十億円の資金を得られなければ公開させない。日本では、個人投資家から5億円程度集めて小さな上場を繰り返している。
  • 海外の企業、特にアジアの企業が、日本で上場したくなるような市場をどのように作るかということを考えなければならない。
  • ベンチャー企業の立場から見ると、上場には、法律や会計の専門家を雇うために5千万円から1億円のコストがかかる。これだけのコストをかけるほどの価値があるのかということで、上場をやめてしまう企業もある。ベンチャー企業は、一生懸命上場手続きをするにしても、素人であるから、証券会社や取引所が数年間は面倒を見るようにするべきではないか。
  • 上場審査は厳しいが、上場した後は放置されるというケースがある。上場した後の定期的な審査やアドバイスの仕組みが必要である。但し、上場した後に単に再審査をするのではなく、企業にとってそれがインセンティブとなる仕組みにしなければならない。
  • ベンチャー企業は既存企業とは異なる部分をもつ。上場審査に関しては、画一的ではなく様々な配慮が必要である。また、考えていることと実際に起きていることが違うのではという印象がある。

関連リンク

 
 
最終更新日:2007年10月17日
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