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ベンチャー企業の創出・成長に関する研究会(第3回)‐議事要旨

日時:平成19年10月25日(木曜日)15時~17時
場所:商工会館6階G会議室

議題

ベンチャーキャピタルを通じた資金供給

出席者

松田委員長、大崎委員、呉委員、河野委員、志太委員、棚橋委員、塚脇委員、経沢委員、鴇田委員、徳原委員(三宅氏代理)、鳴戸委員(中村氏代理)、マイナー委員、前田委員、宮野委員、俊野委員

議事概要

資料に基づき、ベンチャーキャピタルを通じた資金供給の現状と課題について、事務局、鴇田委員、俊野委員、後藤中小企業基盤整備機構理事から発表が行われた。

引き続き行われた討議における委員からの主な発言は以下のとおり。

  • これまで、日本のベンチャーキャピタルに関する様々なデータを見てきたが、本日の資料はよくまとまっている。しかしながら、日本のベンチャーキャピタルに関するデータは、米国や欧州と比較するとまだまだ少ない。最近では、中国に関するデータも分かり始めている。JVR(NPO法人ジャパンベンチャーリサーチ)では、ベンチャーキャピタルとベンチャー企業の関わりに関する情報(会社設立から上場までの資本政策情報等)をデータベース化する取組を始めている。
  • 日本は、ステージ毎にエンジェル投資家やベンチャーキャピタルの投資を分けようとするが、投資のステージは企業や様々な要因によって異なるため意味がない。
  • 日本では、事業がしっかりしていない段階で、企業の資金不足やベンチャーキャピタルの経験不足からIPOさせようとする傾向がある。2、3種類の製品により事業基盤が拡大してからIPOすべきである。
  • 内部統制報告制度の導入自体がベンチャー企業に良いとは思っていないが、ある意味外部からのチェックが働くことにより、ベンチャー企業が上場に向けて自身の事業基盤をより拡大するきっかけとして働くのであれば、その点ではプラスである。
  • 金融商品取引法の改正によりベンチャーキャピタルに初めて法の網がかかった。今後、金融庁ともよく話し合っていかなければならないが、一部企業の不祥事により、全体に網がかかることは最小限に留めなければならない。また、未上場企業を評価する際には、会計上の評価のみではなく、知的財産や事業収益力等も考慮して評価する必要がある。
  • 運用者とファンドの区別が付かなくなるような連結会計の導入は投資家から見ても役に立っていない。上場ベンチャーキャピタルへの投資家からすれば、ファンドからどのぐらいの配分(fee)があるかが重要であって、ファンドが連結しているかどうかということには関心はない。当該連結の導入は事業会社がファンドを利用して自己投資を簿外資産にすることを問題視した結果であり、そもそも“業”としてファンドを運用している場合は、連結にしないというのもひとつ。例えば金融商品取引法における登録業者や特例適用を区別の基準とする等も考えられる。
  • GPの仕事も分かり難くなっている。前回の議論でもあったが、当初想定していた制度と運用にギャップがあるように思われる。
  • 最初の資金を生かすには、後に大きな資金を投入しなければならないが、現状ベンチャーキャピタル同士も連携していないため、最初に投資したベンチャーキャピタルが継続的にIPOまで見なければならず、大きな資金を運用できるようなファンドでなければやっていけない。
  • 大企業の資金は米国へ逃げてしまっており、日本に投資するよう振り向かせなければならないが、現状は制度的にも魅力がある投資先になっていない。
  • 米国ではファンドの評価結果を公表しなければ投資家は振り向かない。評価方法など難しい面もあるが、日本もファンドの評価をすべきである。評価機関を確立することも一案だと考える。
  • 本日は、様々なベンチャーキャピタルの問題が浮き彫りになった。キラートリガーは何か、どこを動かせば全体がうまく循環するかということを議論すべきである。
  • 国内の大企業は残念ながら国内のベンチャー企業に投資せず、シリコンバレーやイスラエルの企業に投資している。2000年から2001年にかけて米国のベンチャーキャピタルもアジアに目を向けたが、日本を通りこして台湾などへ行ってしまった。日本にベンチャー企業が生まれない理由の一つには、大企業からベンチャービジネスが出てこないことが挙げられる。また、ベンチャービジネスが成功する土壌がなく、エグジットが限られているということも要因だと考える。
  • 何がキラートリガーなのかということについて、複雑そうに見えて実はシンプルだと考える。米国は優秀な人材が社会の中で流動しているが、日本は大企業や官庁に優秀な人材が集まっている。優秀な人材が大企業や官庁に就職せずに起業することで、有力なベンチャー企業が生まれるのではないか。
  • 昨年、複数のベンチャーキャピタルから資金を集めた。事業拡大に伴うものであったが、当初はうまくいかなかったものの、だんだん持ち直している。後になって思うと、資金調達時にもっと勉強してベンチャーキャピタルを活用しておけば、事業にとってさらに大きなプラスになったはずである。
  • 時代の流れもあるが、今はベンチャースピリットのある人材が少なく、大企業志向になりがちである。
  • 年金基金の運用目標が2~3%の利回りということだが、これではベンチャーキャピタルには入らない。米国はどうなのか、なぜ目標が低いのかといったことを議論すべき。
  • 日本の企業で世界に通用しているのは、自動車3社と電機2社、ゲーム会社1社である。米国は50社あり、その3割から4割が設立30年以内の企業である。今後中国等の企業が台頭してくることを考えると、日本の産業構造が今のままで良いのかという意味でも本研究会での議論は意味がある。

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最終更新日:2007年10月29日
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