経済産業省
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ベンチャー企業の創出・成長に関する研究会(第7回)‐議事要旨

日時:平成20年3月18日(火曜日)15時~17時
場所:経済産業省本館17階西7第1特別会議室

議題

ベンチャー企業と既存企業

出席者

松田委員長、井浦委員、尾崎委員、北地委員、呉委員、棚橋委員、塚脇委員、鴇田委員(前田氏代理)、徳原委員、野村委員、濱田委員、マイナー委員、前田委員、宮野委員、樺澤委員

議事概要

資料に基づき、ベンチャー企業と既存企業について、事務局、樺澤委員、前田委員から発表が行われた。

引き続き行われた討議における委員からの主な発言は以下のとおり。

  • 育ての親は大企業ではなく、大企業から集まってきた人材であった。起業時には意識しなかったが、振り返るとコーポレート・ベンチャリングのパターンに当てはまっていると思う。
  • カーブアウトを本格的に始めようとしている企業はあるが、そういった企業からはベンチャー企業の社長になれるような人材がいないという話を聞く。ベンチャーキャピタルにも同じように人材がいない。カーブアウトを進めていくのであれば、人材に関する支援が必要である。
  • スピンアウトにおけるベンチャーキャピタルの役割は、親元企業からスピンアウトする際の権利関係の交渉を行うことである。スピンアウト企業自身が交渉を行うことは、元の上司と交渉することにもなり、大変やりにくい。また、売上げが一定規模以上からなかなか伸びない企業に対して、外部にいるベンチャーキャピタルが社長交代等を提案するといったこともある。
  • コア技術も含めて大企業からの切り出しを政府が支援すると言ってしまうと、大企業は怒るだろう。大企業が使わない技術を外に出す場合に焦点を絞ることを考えなければならない。
  • 大企業に勤めると生涯年収は2~4億円になる。ほとんどが、その状況に満足しており、7倍程度の収入にならなければ外で出ようとは思わないと言われている。リストラなどにより、外へ出ることを余儀なくされているケースの方が、案外ベンチャー企業の経営がうまくいっている。理想型のみではなく、このような現実も考慮する必要がある。
  • 大企業発のベンチャーについて、知的財産権の扱いを決めるだけで1年程度かかった。他方で、知的財産を外へ出していこうという考えを持つ大企業は増えており、以前は大きかったベンチャー企業を取り込もうとする考えも少なくなっている。このような中でベンチャーキャピタルがどのように関わっていくのかを考えると、具体的な将来の絵を描いて見せることだと考える。ベンチャー企業の経営者として最適な人が最初からいるとは考えず、進めながら育てていかなければならない。
  • カーブアウトを行う際に知的財産権の問題が大きい。パテントトロールへの対応も必要となる。知的財産自体は大企業側が保有しつづける一方で、排他的ライセンスをベンチャー企業に与えることも一つの方法である。
  • 知的財産権の問題になると、交渉時にはall or nothingで進めてしまう傾向がある。しかし、IPOする際に権利がないと話にならない。初めはライセンスであっても、一定の条件を満たせば知的財産を渡すようなことができると良い。また、そういったことをベンチャーキャピタルなど、周りの支援者がアドバイスできるようになればよい。
  • ベンチャー企業の中には、排他的なライセンスを受けてIPOするような場合もあり、その点はあまり問題ではないのではないか。
  • 昔は、日本企業はあまりM&Aを行わなかったが、現在は活発に行われている。これは、投資家やキャピタルの役割もあるが、政府がアナウンスした効果も大きい。大企業からの切り出しについても、企業の問題ではあるが、政府として打ち出していくことは意味があるのではないか。
  • スピンオフやMBOについて、これまで数百人からの相談があったが、ほとんど止めた。大企業にいた方が良い人が多い。独立する際には、例えば健康保険から外れるなど、コストが大きい。また、企業から脱走するような形で出て行くとうまくいかない。勢いで出て仲間同士で始めると、必ず何らかの機能が欠落してしまう。
  • 買戻規定について、誰に買い戻しさせるのかということも考えなければならない。1.2倍で買い戻しさせるというのは、子会社を上場させるような場合に親会社に対して買い戻させるような場合ではないか。赤字企業の株式を1.2倍で買い戻しさせたら、みなし配当の問題も出てくる。
  • カーブアウトする際に相談できる人がいることは重要である。例えばコンサルタント費用を助成することが考えられる。また、成功事例を集めて、特許権の扱い等について解説すれば、役立つのではないか。
  • 米国の場合は、ベンチャー企業との投資契約の中で(1)優先株を持っている人達が、他社からの買収を受け入れるか否かを決めることができる、(2)会社を精算する際には優先株を持っている人に返した後に社長にも返金される、という2つの規定を置いている。
  • 米国の場合はみなし精算ができるため、このような規定があるが、日本の場合は難しい。また、日本は投資家間の契約もできていないのが現状である。
  • 大企業からの切り出しは、難しいテーマであるが、成功事例があることも確かである。本格的に大企業の選択と集中が進み、切り出しが増えていくことに備えなければならない。

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最終更新日:2008年3月26日
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