経済産業省
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企業価値研究会(第20回)‐議事要旨

日時:平成19年5月30日(水曜日)15時~17時
場所:経済産業省本館17階西3国際会議室

出席者

神田座長、安達委員、石綿委員、梅本委員、大杉委員、久保田委員、佐山委員、柴田委員、高山委員、武井委員、寺下委員、徳本委員、西川委員、荻尾委員、畠山委員、八丁地委員、服部委員、藤田委員、藤縄委員、星委員、堀井委員、松古委員、松田委員、柳川委員、矢野委員 他

議題

  1. 今後の企業価値研究会における検討について

議事概要

事務局より、今後の企業価値研究会における検討内容について説明した後、意見交換を行った。委員からの主な意見は次のとおり。

株主意思の確認について

  • 株主総会の宣言的決議をもって買収防衛策を導入する企業が増えている中で、宣言的決議の意義を考えることは、株主意思の尊重という点から十分意義がある。
  • 防衛策の導入に関して、宣言的決議(総会での過半数の賛成)で良いのか、特別決議が必要か、どのようなケースであれば法的に安定なのかについて、議論を行ってもらいたい。
  • 買収防衛策は、きちんと使われれば適切に株主の意思が確認されるはずであるが、現状では、買収者側からの情報提供だけに時間がかけられ、株主意思を確認する機会がないような状態が続くケースが見られる。

買収局面における社外者の活用について

  • 特別委員会については、その構成員に親会社の役員がいる等、独立性への疑義が投げかけられるケースがあり。独立性への対応として、行動規範のようなものがつくられることは投資家の立場からは非常に参考になる上、導入企業にとってもプラスとなるはず。
  • 防衛策を発動するか否かを最終的に決定するのは経営陣である。その判断がいかに正しいかということを説明するために、総会で株主の意思を確認したり、特別委員会に諮問するとの理解。特別委員会だけでなく、買収局面における経営陣の判断プロセスの在り方全体について議論を深めるべき。
  • 買収局面における経営陣の行動・判断の在り方を検討する上で、社外者の有効活用を議論することは良いが、これだけを以て社外取締役を導入すべきとの結論になるのは拙速ではないか。
  • 買収局面の判断については、世界の中で米国のみが社外者が関与しているとの理解であり、米国だけのローカルルールを取り入れるというのは、市場関係者から見ると違和感を覚える。

MBO取引等について

  • MBOにおいて、現経営陣が賛同表明する際には、売却価格最大化の努力を十分になしたということを、株主に説明すべき。
  • とりたててMBOのみを取り上げるのはいかがなものか。TOB規制全体に関係する問題ではないか。出口部分のスクイーズアウトの検討も必要で、バランスの取れた議論が必要ではないか。

企業価値について

  • 企業価値を買収局面における基準として考える以上、客観的に測定が可能なものであるべきで、それは株主価値である。この株主価値に、どの程度ステークホルダーに帰属する価値が含まれているのか、と言う点は議論が分かれるところ。
  • 企業に対する社会的信用や、企業文化等も、企業価値と表裏一体であり、それを考慮しなくて良いということはないはず。必ずしも測定可能なものでなければいけないということはない。
  • 企業価値の定義が難しいのは、誰がどのような局面で用いるかによって異なるからである。
  • 企業価値の定義は、「企業が生み出す将来収益の現在価値」である。ただし、将来のことは誰にもわからず、測定できるものではないはず。従って企業価値が向上するかどうかは、最終的に株主の判断に委ねるべきであり、インフォームドジャッジメントが重要だということ。
  • 米国では、ユノカル基準や州法によりステークホルダーも考慮すべき旨が明らかにされており、欧州でも、従業員への配慮規定がおかれているところ。株主価値とステークホルダー価値の相対で捉えるのが望ましい。

ガバナンス

  • 買収局面において経営陣がどう判断するかというのは、まさにガバナンスの在り方という根本的な問題ではないか。
  • これまで我が国では、ガバナンスの選択肢を拡げるとの方向で手当をなしてきたとの認識。それに伴ってガバナンスが発展しているのか、停滞しているのか等まずは現状の評価をしっかりと行うべきではないか。
  • ガバナンス一般を幅広く議論するのは、企業価値研究会の議論にはなじまない。M&Aに関連する論点に絞るべきではないか。
  • ガバナンスそのものを議論するのはいかがなものかという気がするが、他方で、完全に切り離して議論するのも難しい。

全体の進め方、その他について

  • 全ての論点に通じるテーマが、有事における関係者(経営陣の判断のみならず、株主等も含む)の行動の在り方ではないか。これまでの企業価値研究会は、(買収防衛策を導入する環境整備等)平時の議論がほとんどであったが、実務も含め議論は有事に移ってきており、今後の企業価値研究会で取り上げるべき重要なテーマと考える。

なお、今後については、事務局で今回の議論を整理し、座長と相談しながら、適切に対応していくことで了承された。

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最終更新日:2007年6月7日
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